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くま クマ 熊 ベアー 作者:くまなの

クマさん、異世界を楽しむ

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29 クマさん、依頼達成する。

一話、2000-3000文字で書いているけど、読むと意外と短いですよね。
でも、400文字原稿用紙5枚以上ですよ。
「ユナさん、このぐらいの広さで大丈夫ですか」

 流石に領主様の庭である。
 広々としている。
 話によると衛兵が練習する場所でもあるらしい。
 今は誰もいないけど。 

「それじゃ、召喚するね。いでよ。くまゆる。くまきゅう」

 クマの手からくまゆる、くまきゅうが出てくる。
 二匹は立ち上がる

「くまゆる、くまきゅう、おいで」

 二匹のクマは嬉しそうに駆け寄ってくる。
 初めの頃は大きくて怖かったが、今では可愛いものだ。
 でも、後ろでは驚いている者、騒ぐ者がいる。

「クマです。クマさんです。ユナさん、触ってもいいでしょうか」
「ノアールお嬢様、危険です! お下がりください!」
「大丈夫よ。危害をくわえなければ何もしないわよ」
「クリフ様も何か言って下さい」
「まあ、大丈夫だろう」
「クリフ様」

 主人であるクリフに言われて仕方なく、メイドさんは引き止めるのをやめる。
 自由になったノアがゆっくりとクマに近づいてくる。

「ほんとうに触ってよろしいでしょうか」
「いいわよ。優しく触ってあげて」

 ノアは優しく、くまゆるを触ってあげる。
 もう片方の手でくまきゅうを撫でてあげる。
 2匹は目を細めて気持ちよさそうにする。

「とても、温かいです。そして、やわらかいです」
「乗ってみる?」
「いいのですか」
「くまきゅう、いい?」

 くまきゅうは返事の代わりに腰を下げて乗りやすそうにしてくれる。

「落ちないから大丈夫だよ」

 手を貸して乗せてあげる。
 くまきゅうがゆっくりと立ち上がる。

「わあ、高いです」

 くまきゅうの上で嬉しそうにしている。

「ユナさん、散歩していいですか? 家を一周するだけでいいので」
「いいよ」

 くまきゅうがゆっくりと歩き出す。

「ノ、ノアール様」

 メイドさんが慌てて、くまきゅうを追いかけていく。

「すまないが、俺も触っていいか」

 クリフが恥ずかしそうにやってくる。

「いいけど」

 許可を出すとくまゆるに触れる。

「おお、毛並みがいい。それに肌触りもいいな」

 クリフは触りながらくまゆるの背中を見ている。

「乗りたいのですか」
「いいのか!」
「ノアと一緒で一周だけですよ」
「ああ、ありがとう」

 クリフはくまゆるに乗ると、ノアを追いかけるように行ってしまう。
 それから数分すると、
 二匹が並んで戻ってくる。

「ユナさん、ありがとうございました。楽しかったです」
「ああ、俺も貴重な経験をさせてもらったよ」

 クマたちの後ろから疲れた様子でメイドさんが現れる。
 かなり、お疲れの様子だ。
 わたしのせいではないので気にしないでおく。


「それじゃ、俺は家の中に戻るから、ユナはノアのことを頼む。帰るときは俺のところに来てくれ」

 クリフは家の中に戻っていく。
 ノアはくまきゅうの上が気に入ったのか降りてこない。

「気持ちいいです」

 くまきゅうの上で寝そべっている。
 しばらく、寝そべりながらくまきゅうを撫でていたが、その動作も無くなる。
 静かだなと思って見たら、静かに寝息を立てて眠っている。
 くまきゅうにゆっくり歩くように言い、木の陰に移動してもらう。
 さすがに日差しの中で寝かすわけにはいかない。
 メイドさんは心配そうに見ている。

「大丈夫よ。寝かしてあげましょう。できれば上に掛ける物でもないかしら。風邪でも引いたら大変だから」

 わたしに言われたメイドさんは急いで家に中に戻っていき、毛布らしき物を持ってくる。
 でも、くまきゅうの位置が高いので掛けることができない。

「くまゆる、手伝ってあげて」

 くまゆるはメイドさんを両手で持ち上げる。
 メイドさんは素直にされるがままに持ち上げられ、ノアに毛布を掛けてあげる。

「ありがとうございます。くまゆる様」

 どうやら、くまゆるに対して恐怖はもう無いらしい。 
 わたしはクマボックスから小さな樽と木のコップを二つ取り出す。
 樽の中身はオレンの実の果汁、オレンジジュースみたいな味をしている。
 コップに氷を入れてオレンの果汁を入れて、メイドさんに渡す。
 メイドさんは受け取り、オレンの果汁を飲む。

「美味しい」
「よかった」
「ありがとうございます。冷たくて美味しいです」
「お代わりもあるから好きなだけ飲んでね」
「それにしても、大人しいですね」

 くまゆるとくまきゅうを見る。

「まあ、召喚獣だからね。野生のクマとは違うよ」
「そうですね。お嬢様も楽しそうでしたし、ありがとうございました」
「お礼を言われることじゃないよ。一応、仕事だからね」

 メイドさんの名前はララさんって言うらしい。
 この館に勤めて5年になるとのこと。
 ノアのことは5歳のときから見ていて、大切な存在らしい。
 だから、あまり、心配をさせないで欲しいと頼まれた。
 でも、ノアを楽しませてくれたことに感謝された。
 しらばく、ララと話しているとくまきゅうの上で寝ているノアがもそもそと動き出す。

「おはよう。起きた」
「あれ、ここは」
「くまきゅうの上よ。ノアは寝ちゃったのよ」
「そうだ。くまきゅうが気持ちよくて寝ちゃったんだ」
「外で長く寝ていると風邪を引くから中に入りましょう」

 ノアはくまきゅうたちと離れるのを嫌がったが、このままではきりがないので、くまきゅうに合図を送る。

「くまきゅうも疲れているから休ませてくれないかな」

 そう言うとくまきゅうが

「くぅー」

 小さく鳴いて眠そうな仕草をする。

「そうですよ。ノアール様。くまきゅう様はノアール様が寝ている間も落ちないようにしてくれていたのですよ。くまきゅう様を休ませてあげてください」
「うん、わかった。ごめんね、くまきゅう」

 ノアはくまきゅうから降りてやさしく撫でてあげる。

「それじゃ、休ませるね」
「くまきゅう、くまゆる、また遊ぼうね」

 くまきゅう、くまゆるを召喚を取り消してクマの手の中に入れる。

「それではお部屋にお戻りになりましょう」
「わたしはクリフさんのところに行くわ」
「えっ、ユナさん。もしかして、帰っちゃうんですか」
「もう、わたしの仕事も終わったしね」

 ノアの面倒はみたし、十分に仕事はした。

「夕飯を一緒に食べましょうよ」

 ノアがクマの手を掴む。
 断ろうとするが、そのままクマの手を引っ張られて家の中に連れて行かれる。
 そこにちょうどクリフが現れ、夕飯の話になる。
 結局、クリフの誘いもあり夕飯をご馳走になることになった。
 夕飯を食べ、帰ろうとすると今度は泊まって欲しいと言われるが、それは丁重にお断りしてクマハウスに帰ることにした。

「絶対に、また来てね」

 門までノアが見送ってくれる。

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