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くま クマ 熊 ベアー 作者:くまなの

クマさん、異世界に来る

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18 クマさん、買取をしてもらう

 ギルドを出て隣の建物の素材買取カウンターに向かう。
 カウンターは3つあり、2つは接客中。自然に空いているカウンターに向かう。

「よう、クマのお嬢ちゃん、またウルフの買取かい」

 ゲンツさんが笑いながら挨拶をしてくる。

「他の魔物もありますよ」
「おお、そうか。ギルドは売り物になれば何でも買い取るぞ」

 とりあえず、クマボックスからウルフを10匹出す。
 部屋にいた冒険者が少し騒ぐ。
 一人でウルフ10匹持ってきたのだから。

「今日も大量だな」

 ゲンツさんは奥にいる職員に声を掛けてウルフを運ぶ指示を出す。
 奥から二人ほどやって来てウルフを運んでいく。
 カウンターが空くと次に一角ウサギを10匹出す。
 すると、さらに部屋にいる冒険者の騒ぐ声が増える。

 ちなみに一角ウサギは1mほどの大きさの角があるウサギだ。
 見た目は可愛いがジャンプ力が強く、正面からのジャンプアタックの攻撃力は強い。
 防具が弱いと角によって突き刺さって死ぬ場合がある。

「なんだ。一角ウサギまであるのか。どれもこれも討伐したばかりじゃないか」

 ゲンツさんはもう一度、奥に声を掛けて一角ウサギを運ぶように指示を出す。

「相変わらず、解体はしないのか」
「やり方がわからないし、面倒」
「まあ、ギルドとしては仕事が増えるから嬉しいがな。でも、冒険者なら覚えないと儲けが減るぞ」
「そのうち、覚えるよ」

 と表向きは答えるが覚える気は今のところない。
 出来る気がしないと言った方が正しいだろう。
 やっと魔物の死体にも慣れてきたところだ。
 解体はまだわたしにはレベルが高過ぎる。
 ゲンツさんと会話をしているとカウンターの上から一角ウサギが全て運び終わる。

「それじゃ、今日はウルフ10匹と一角うさぎ10匹でいいか」
「まだ、ギルドマスターに頼まれたものがある」
「ギルマスに?」

 オークを1体出す。

「おいおい、オークまであるのか。ちょっと待て。もしかして、オークまで10体あるとは言わないよな」

 オークの大きさは小さい個体の2mから大きな個体3mまである。
 とてもじゃないが一人じゃ運べないし、カウンターに乗せられても邪魔になる。
 オークを出したら冒険者が騒ぎ始める。

「オークなんて嘘だろう」
「でも、間違いなくオークだぞ」
「一人で倒したのか」

  冒険者が騒いでいるが無視してゲンツさんの質問に答える。

「ありますけど」
「ちょっと待て、お前さんのアイテム袋に疑問を持つが、こんなところにオークを10体置かれても困る。奥の冷蔵倉庫に来てくれ」

 ゲンツさんの許可をもらい、カウンターの奥の倉庫に向かう。
 そのときに冒険者の声が聞こえてくる。

「10体なんて嘘だろう」
「どうやったら倒せるんだ」
「クマだからか」
「ブラッディベアーなら可能だろう」
「さすが、ブラッディベアー」
「なんだ、そのブラッディベアーって」
「知らないのか・・・・」

 なに、そのブラッディベアーって?
 冒険者の会話を聞いてみたかったがゲンツさんが先に行ってしまうので仕方なく付いていく。
 さすがに、冒険者の声は聞こえなくなる。

 倉庫に入ると氷系の魔石が使われているためか、ひんやりと寒い。

「入ったら、ドアを閉めてくれ、倉庫の中の温度が上がっちまうから」

 ドアを閉め中に入る。
 中には魔物の解体された肉や素材がたくさん積まれていた。
 先ほどのわたしが出したウルフや一角ウサギも運ばれている。
 職員たちが一生懸命に仕事をしている。

「寒いけど我慢してくれ、温かくすると肉が腐るからな」

 ゲンツさんは一番奥の大きなテーブルに向かう。
 それでも、オークが一体が乗るぐらいのスペースしかない。

「すまないがこの上に頼む。残りはその近くの床に置いてくれればいい」

 言われた通りにクマボックスから出す。

「ありがとうな。流石にオークを運ぶのが大変だからな。でも、いいのか。俺たちが解体すると買取金額が下がるぞ」
「解体出来ないからいいです。それにお金に困っていないから」
「まあ、確かにこれだけ売れば金はあるか。話は変わるがクマの嬢ちゃんはランクはいくつになった?」
「今日さっき、Dランクになった」
「Dランクか、それはそうか、オークを倒せるんだもんな。少し頼みを聞いてもらえないか」
「なに?」
「クマの嬢ちゃん、剥ぎ取り、解体苦手だろう」
「・・・・・・・・」
「それで、うちに来ている若い者の一人に解体の仕事を与えてやってくれないか」
「それじゃ、ギルドの収入源が減るんじゃ」
「クマの嬢ちゃん一人ぐらいの買取が無くなっても平気だよ、冒険者が何百人いるとおもっているんだ」

 確かにそうだ。
 わたしが来る前からギルドはちゃんと運営されている。だから、わたし一人ぐらいいなくなっても問題はない。

「でも、どうしてその一人なの?」
「ああ、まだ、未成年でギルドの職員じゃない。おまえさんも知っている女の子だ」
「もしかして、フィナ」

 わたしの知り合いで未成年の女の子は一人しかしない。

「クマの嬢ちゃんも知っているだろう。あの子の家族のことは」

 頷く。
 父親はいなくて、母親は病気、三つ下の妹がいる。

「俺もあいつには仕事を与えているが、基本的にギルド内で仕事が回らないときだけ、ほとんどがギルド職員で事が回ってしまう」
「つまり、わたしからフィナに仕事を回してやってほしいこと?」
「そうだ。あの年で解体はかなりの腕だ。剥ぎ取りも上手いから商品に傷を付けることもないはずだ」
「別にいいけど。わたしいつこの街を出て行くかわからないよ」

 まだ決めていないが、王都にも行ってみたいし。
 他の国にも行ってみたい。

「それでも構わない。クマの嬢ちゃんがこの街にいる間だけでもいい。あいつに仕事を回してやってほしい」
「ちなみにいくらあげたらいいの? わたし、解体の相場わからないんだけど」
「ギルドでは2割もらっている。だから、解体した素材の売り上げの1割でもあげてくればいい」
「1割でいいの?」
「それでも多いくらいだ。もし、多いと思えば減らせばいいしな」
「了解」
「それじゃフィナを呼んでくるから待っててくれ」

 ゲンツさんは嬉しそうに奥の部屋に向かう。
 奥の部屋に入ったと思ったらすぐにフィナを連れて戻ってくる。

「ユナお姉ちゃん!」

 走ってくるとわたしに抱きついてくる。
 うん、かわいいね。
 頭を撫でてあげる。
 でも、少し血生臭いかな。

「フィナ、元気にしてた?」
「はい。それで、ユナお姉ちゃんがわたしに仕事をくれるって本当ですか?」
「ええ、本当よ。わたしが獲ってきた魔物の解体をお願いするわ」
「ありがとうございます」

 にっこりと笑顔になる。

「フィナ。だから、しばらくはこっちにこなくていいぞ」
「でも」
「ここ、最近仕事が多かったのは嬢ちゃんが解体もせずに持ってきたせいだから。この嬢ちゃんがフィナに仕事を渡せばギルドでの仕事は減る。でも、今日はしっかり働いてもらうから安心しろ。今日もこのクマの嬢ちゃんがウルフ、一角うさぎ、オークをそれぞれ10匹ずつ持ってきてくれた」
「そんなに!」
「それで、わたしは明日からどうしたらいいの」
「わたしが、ユナお姉ちゃんの宿に行っていい?」
「いいけど」
「それじゃ、7時頃行くね」

 早いと思うがこの世界の住人は日が出ると働き出す。
 その代わりに日が沈むと仕事は終了となる。
 魔石で光はともせるがそこまで仕事する人はいない。

 フィナと明日の約束をして倉庫から出る。
 外は倉庫の中と違って暖かい。
 ゲンツさんから本日の魔物の買取金額をもらって宿に戻る。
ユナ「では質問コーナーの続きをします」
フィナ「質問なんて来てないのに」
ユナ「はい、次の質問を読んで」
フィナ「これでいいのかな? 異世界言語、異世界文字にはクマが付いていないのはなぜですか?」
ユナ「風呂でガールズトークが出来なくなるからです」
フィナ「それだけ?」
ユナ「それだけです。作者の都合です。クマを脱いで、しゃべれなくなったら、お風呂のガールズトークが出来ないからです!大事だから二度言いました」
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