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くま クマ 熊 ベアー 作者:くまなの

クマさん、異世界に来る

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17 クマさん、怒られてランクDに

書くのが遅いから、明日は無理かも・・・
 ゴブリンキングを討伐したあとギルドで依頼を受けつつ、いろいろ実験を行った。
 魔法の応用、魔法イメージの仕方、クマ魔法の威力の確認。
 ゴブリン王の剣の使い方、魔力の通し方。
 投げナイフの使い方。
 クマの攻撃力、クマの防御力の確認。
 クマボックスの仕舞える量、おおきさなどの確認。 
 いろいろと検証した一週間だった。 
 本日も実験に付き合ってくれたウルフをクマボックスに仕舞い、ギルドに報告をしに行く。

「ユナさん、本日もウルフ『だけ』ですか」

 なぜか、『だけ』という言葉に強みを感じる。

「そうだけど」
「本当ですか?」
「・・・・どうしてそんなこと聞くの?」
「最近、討伐依頼を受けた冒険者が依頼を達成出来ずに戻ってくるんですよ」
「・・・・・・」
「なんでも、討伐先に行っても魔物がいないそうなんですよ」
「・・・・・・」
「ゴブリンの群れを討伐しにいった冒険者が行けばゴブリンは何処にもいない」
「・・・・・・」
「オーク討伐を依頼した村があれば、知らないうちにオークがいなくなっている」
「・・・・・・」
「コボルト討伐に行けばコボルトはいない」
「・・・・・・」
「一角ウサギを討伐に行けばいない」
「・・・・・・」
「それが、一度や二度じゃないんですけど。なにか、ご存知ありませんか?」

 疑いの目を向けてくる。
 その質問の答えはYES。
 全て、最近討伐した魔物の名前ばかりだ。
 倒した魔物はクマボックスにしまってある。

「そうなんだ。依頼を受けた冒険者は可哀想だね」

 知らない振りをするとヘレンさんは大きなため息を吐く。

「なんでも、討伐先に可愛い黒いクマの格好をした女の子が何度も目撃されているんですけど。ご存知ありませんか?」

 黙ってわたしの目を見てくる。
 目を逸らしたくなるのを我慢する。

「もしかして、わたしの格好って流行っているのかな?」
「そんな訳わけないでしょう! そんな格好をしているのはユナさん! あなたしかいません!」
「知っているなら、初めから言えばいいじゃない」
「ギルマスから、あなたが来たら呼ぶようにと言われています」
「どうして? 別に依頼を横取りをしたわけじゃないじゃん。たまたま、そこに出向いたら、たまたまそこに魔物がいたから倒しただけよ」
「はい、それは何も問題はありません。まして、ユナさんは依頼料は受け取っていませんから」
「だったら」
「でも、ギルドに登録している義務としては討伐した魔物の報告はしてほしいものです。その場合依頼を受けていた冒険者は失敗扱いにはなりませんので」
「わかった。今度から報告する」
「ですが、今日はギルマスに会ってもらいます」
「えー」
「えー、じゃありません。案内しますから付いて来てください」

 ヘレンさんに無理やりギルドマスターの部屋の前に連れて行かれる。

「ギルマス、ユナさんを連れてきました」

 ドアをノックしてから中にいるギルドマスターに呼びかける。

「入ってくれ」

 ヘレンさんはドアを開けて中に入る。
 部屋の中には机の前に座って仕事をしているギルドマスターがいる。

「来たか。ヘレンは仕事に戻っていいぞ。ユナはそこに座れ」

 部屋の中央にあるテーブルを指す。
 テーブルの前には6つほどの椅子が並んでいる。
 その中の椅子に適当に座る。

「それで、お前さんは何がしたいんだ」
「何がしたいとは?」
「他人の依頼の魔物を討伐したかと思えばギルドに何も報告をしない。依頼報酬を受け取ることもしない。魔物の素材を売るわけでもない。本当にお前は何がしたいんだ」

 暇つぶし、魔法の練習、剣の練習、魔物の確認、マップの作成といろいろある。

「この街は来たばかりだから、周辺の探索よ。探索をしたらたまたま魔物がいたから退治しただけよ」
「なら、ギルドの報告は?」
「先日、入ったばかりで知らなかった」

 実際に依頼を受けた以外の魔物討伐をするなんて知らなかった。
 そのことを教えなかったヘレンさんが悪い。
 でも、冒険者としては常識だったらしいが、そんなこと異世界から来たわたしが知るわけがない。

「素材を売らない理由は?」
「お金に困っていないから」
「でも、アイテム袋に入れていれば腐っておまえも困るだろう」

 そう言えば、一般的なアイテム袋は普通に時間は進む。そうなると必然的に中の物は傷むし腐る。

「うーん。ここだけの話にしてもらえます?」
「なんだ。俺は他人の秘密を言いふらす男じゃないぞ」
「わたしのアイテム袋は時間停止するんで、腐らないから大丈夫なんです」 
「・・・・・・・・本当か」

 信じてもらうためにこの場に三日前に倒したウルフを取り出す。

「三日前に倒したウルフ」

 テーブルの上にウルフの死骸を乗せる。
 ギルドマスターはウルフを見て確認する。

「ほんの数分前に討伐したみたいだ」

 新鮮度が違うため、ギルドマスターはすぐに判断をつける。
 血抜きしておらずテーブルに血がながれてしまうため、確認が終わるとウルフはクマボックスに戻す。

「だから、腐らないから大丈夫」
「話はわかった。だが、今度からは討伐義務はしてくれ、そうしてくれないと他の冒険者が困る」
「うん、わかった。もう行っていい?」
「もう一つ、オークを討伐したのか」
「したよ」

 嘘を吐いても仕方ないので素直に答える。

「はぁ、本日より、おまえをDランクに上げることにする」
「そんなに簡単にランクをあげていいの? わたし、ランクDの依頼は受けていないよ。確か最低でも10回は受けないと駄目なはずでしょう」
「オークやゴブリンキングを単独で倒せるなら問題もない。それに、そのアイテムボックスの中にオークも10体以上入っているだろう」

 確かに10体ほど入っている。

「あと悪いがオークの素材をギルドで売って行ってくれ。たまにギルドから店に流さないとギルドの威厳が無くなる」
「了解」
「おい! 誰かいるか!」

 外に向かって叫ぶ。

「はい、何でしょうか」

 一人のギルド職員の女性がすぐにやってくる。

「悪いがヘレンに言ってこいつのランクをDに上げてもらってくれ」
「わかりました」
「それじゃ、もう行っていいぞ」

 ギルド職員の女性に案内され受付にいるヘレンのところに行く。
 女性はギルドマスターの言葉をヘレンに伝えると自分の仕事場に戻っていく。

「ユナさん、ランクアップおめでとうございます」
「ありがとう」
「でも、本当に迷惑ですから報告だけはしてくださいね」
「ごめんなさい」

 ヘレンさんが悪いと思いつつ素直に謝っておく。

「わかってくれればいいです。では改めてランクアップの処理をしますのでギルドカードをお願いします」

 ギルドカードを水晶板に乗せ、操作を行う。
 いまいちその機能だけは理解ができない。
 どうやって、国にある全て水晶板に繋がっているんだろう。
 やっぱり、知らない魔法の技術とか何かな。

「それとギルドからのお願いなんですがよろしいでしょうか」
「なに?」
「しばらく、この近くのウルフの討伐は控えてもらえませんか。もちろん、討伐は自由なんですが、初心者の冒険者の生活が困りますので」
「一応、わたしも初心者なんだけど」

 まだ、冒険者になって10日もたっていない。

「ユナさんは初心者とは言いません」

 言い切られた。
 まあ、ゲーム時代の経験を入れれば初心者ではないの確かだ。

「初心者はゴブリンの群れ、ゴブリンキング、オークなどは倒せません」
「わかった。しばらくは倒さないようにすればいいんでしょう」
「ありがとうございます。ギルドとしてもランクが低い冒険者には経験を積んでランクを上げて欲しいと思っていますから。その経験を積むにはウルフ、ゴブリンが適任ですから」
「ゴブリンはいいの?」
「ゴブリンは増えますから問題はありません、むしろ討伐してください。それにゴブリンは素材が売れないので不人気な依頼になっていますから」

 わたしとしてもゴブリン討伐はしたくない。
 売れる素材が魔石しかないためゴブリンの死体ごとギルドに持っていくこともできない。
 だから、基本的にゴブリンを倒したら、燃やして、地面に埋めている。

「それでは処理が終わりましたのでカードをお返しします」

 ギルドカードを受け取る。
 ランクがDになっている。

「それじゃ、これでわたし帰ってもいい?」
「はい、大丈夫です。でも、帰りに素材を売ってから帰って下さいね」

 ギルドを出て素材を売るために隣の建物に向かうことにした。
ユナ「質問コーナーを始めます」
フィナ「いきなりなんなの」
ユナ「読者の皆さんが気になっていることにお答えするコーナーです」
フィナ「でも、この作品、感想とか受付していないよね」
ユナ「そこは読者の気持ちになってみる感じです。ではフィナ、質問を読んでください」
フィナ「えっと、これかな? 依頼料やモンスターの素材の金額が出てこないのはでどうしてですか?」
ユナ「金額設定を決めるのが面倒だから、以上!」
フィナ「以上って」
ユナ「はい、次の質問いくよ」
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