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くま クマ 熊 ベアー 作者:くまなの

クマさん、異世界に来る

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16 クマさんの雨の日の休日 後編

短くてすみません。

 筋トレを諦め、昼食の時間帯も過ぎただろうから下に暇つぶしを探しに行くことにする。
 一階は食堂と宿の受付になっている。
 昼時には先ほどのように混み合っている。
 でも、今の時間帯には誰も食事をしているものはいない。
 カウンターにはエレナが疲れた顔で座っていた。

「ああ、ユナさん、先ほどはすみませんでした」
「別にいいよ」
「それで、どうしたんですか」
「ちょっと暇つぶしに」

 カウンター席に座る。

「暇つぶしってと言っても何も無いですよ」
「とりあえず、何か飲み物をもらえる?」
「はい、いいですよ」

 奥に行って飲み物を取ってきてくれる。

「はい、どうぞ。ミラの果汁です」

 自分の分もあるのかわたしの前に座って果汁を飲む。

「暇なの?」
「休憩中です。さっきまで忙しかったから休んでいるんです。それにここで店番もしているからサボっているわけでもありませんよ」

 とりあえず、礼を言って果汁を受け取る。
 少し甘酸っぱいジュースだ。
 残念なのは生ぬるいことぐらいだ。
 うん?
 生ぬるいなら冷やせばいいこと。
 コップに黒クマの手をのせる。
 魔力を通して氷をイメージする。
 ポトンと音がしてコップの中に氷が浮かぶ。

「ちょっとなんですか。それ」
「果汁の中に氷をいれただけよ。冷やすと美味しいと思って」

 そう言って果汁を飲む。
 美味しさが数段アップした。

「わ、わたしにもお願いできますか」

 わたしが美味しそうに飲んでいるとエレナがコップを差し出してくる。
 別に断ることじゃないので、エレナのコップの中にも氷を落としてあげる。

「ありがとうございます」

 エレナは氷を上手くコップの中で回すと冷えた頃合に飲む。

「お、美味しい。冷やすだけでこんなに美味しくなるなんて。暑い日にはいいかも。でも、冷蔵庫に果汁を冷やすスペースなんてないしなー」

 この世界にも冷蔵庫は存在する。
 氷系の魔石を使って作られたものだ。
 この街では氷系の魔石は手に入りにくく価値がある。
 魔物図鑑によれば北に住む魔物が魔石を持っている。
 まあ、簡単に言えば氷系の魔物が持っているため、この付近では手に入らないのだ。
 まあ、それは冷凍庫並みの冷蔵庫を作った場合になる。
 普通の冷気を出すだけの冷蔵庫なら、ウルフなどの無属性の魔石からも氷属性の魔法を付加させることで冷やすことはできる。 
 そのため、冷凍庫は高級品。
 冷蔵庫は一般庶民が使うことが多い。

「冷蔵庫がもう少し大きければなぁ」

 氷が入った果汁をちょびちょびと飲んでいる。

「エレナは魔法は使えないの?」
「使えるわけないじゃない。もし、使えたら宿屋の娘なんてやっていないわよ。ユナさんがうらやましいです」

 羨ましいと言われてもわたしもクマが無ければ使えないんだけど。
 基本的にこの世界の住人は魔力を持っている。(エレナ談)
 初めてお風呂を使う時に教えてもらった。
 お風呂には水の魔石と火の魔石が使われている。
 その魔石に魔力を通すと水やお湯が出るようになっていた。
 お風呂を使うとき、裸だったため、一瞬使えないかも思ったが、普通に使えて安堵した。
 クマの使用説明文にもクマに『魔力を通す』と一文が書かれていることからわたし自身に魔力があることがわかる。
 でも、わたしはクマが無いと魔法が使えない。
 エレナも魔力はあるが魔法が使えないと言っている。
 いまいち、この世界の魔力と魔法の因果関係がわからない。
 たぶん、エレナは裸の状態のわたしと同じなのかもしれない。
 そのあたりを調べればクマが無くても魔法が使える可能性があるかも。
 でも、クマがあればイメージだけで魔法が使えるから便利だから今は考えていないけど。

 結局夕飯までエレナと一緒におしゃべりをして過ごしてしまった。
 わたし個人は暇つぶしになって良かったが、エレナは仕事をサボったとして母親に大目玉を食らっていた。

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