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くま クマ 熊 ベアー 作者:くまなの

クマさん、ミスリルナイフを作る

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150 クマさん、フィナさんに説教される

うまく、会話の流れが書けない。
少し変だったらすみません。
 ガザルさんにナイフを頼んだわたしたちは、クマの転移門を使ってクリモニアのクマハウスに転移する。

「やっと戻って来れた」

 久しぶりの我が家、クマハウスに帰ってくる。
 日帰りのつもりだったのに、数日もかかるとは思いもしなかった。
 ゲームイベントと思えば、なんてことはないけど。面倒だったのは変わりない。
 でも、どうにかミスリルを手に入れることができたから満足だ。
 その分、フィナには迷惑をかけたけど。

「ユナお姉ちゃん、今日はどうするの?」

 帰りに王都の露店で、買い食いをしてから戻ってきたため、時間的にお昼を少し過ぎたぐらいだ。

「フィナも疲れたでしょう。だから、今日は帰ってゆっくり休んでいいよ」

 10歳の女の子が数日間、外泊したんだから疲れているはず。
 それに、わたしも休みたい。

「明日の朝、シュリと一緒に来て」
「シュリとですか?」

 首を傾げるフィナ。
 変なこといったかな?

「ティルミナさんがダメって言ったら、無理に連れて来ないでいいからね」
「分かりました。それじゃ、明日の朝、シュリと来ますね」
「ティルミナさんによろしく言っておいてね」

 フィナは頷く。

「それと、ユナお姉ちゃん。今回はいろいろ大変だったけど。王都に連れて行ってくれてありがとうね」
「喜んでくれたならいいよ」

 わたしの言葉に微妙な顔をするフィナ。

「楽しかったよ。でも、国王様に出会ったのは驚いたけど」

 やっぱり、国王のせいで楽しめなかったんだね。

「それじゃ、今度は国王に会わないようにお城見物しようか」
「うん。もう一度、あの庭園見てみたい」
「綺麗だもんね」
「シュリにも見せてあげたい」
「いつかはみんなで行こうね」
「うん。それじゃ、ユナお姉ちゃん、お疲れさまでした」
「うん。お疲れ。それじゃ、明日ね」

 フィナはクマハウスから出て行く。
 一人になったわたしは今日は外出はしないで、部屋でくまゆるたちとまったりと休むことにする。


 翌日、フィナがシュリを連れてクマハウスにやってくる。
 ちゃんと、時間を守る偉い子だ。

「ユナお姉ちゃん、おはようございます」
「おはよう、ユナ姉ちゃん」

 姉妹仲良く挨拶をしてくれる。

「2人ともおはよう。それじゃ、行こうか」

 返事を返し、2人を連れてクマハウスを出る。

「ティルミナさんに怒られなかった?」
「はい、大丈夫です。ユナお姉ちゃんと一緒だから、心配もしてませんでした」

 信用されて嬉しいような、親としてそれでいいいかと、つっこんだ方がいいのか。困る反応だ。

「ユナ姉ちゃん、どこに行くの?」

 シュリがフィナの手とわたしのクマさんパペットを握りながら、尋ねてくる。

「ゴルドさんのところにナイフを作りに行くんだよ」
「ナイフを作りに?」

 小さく首を傾げる。
 そういえば説明していなかったね。

「こないだ、フィナと一緒にお出かけして、ミスリルって鉱石を手に入れたから。その鉱石でゴルドさんにナイフを作ってもらうんだよ」

 小さなシュリに分かりやすいように説明をしてあげる。

「でも、どうしてわたしも?」
「それはシュリの小さな手に合う解体用のナイフを作るためだよ」

 シュリの小さな手を掴んでみる。
 小さな手だ。

「ナイフなら、前にユナ姉ちゃんに貰ったよ」

 最近ではシュリはいろんなことに興味を持ち始めている。
 フィナがクマハウスで魔物や動物の解体作業をすれば、一緒に付いてきて、解体を見たり、手伝ったりしている。
 お店に行けば、モリンさんやアンズが作るパンや料理にも興味を持ち、キッチンにも顔を出したりもしている。
 さらに勉強もして、ティルミナさんのお手伝いもしているし、孤児院の鳥のお世話の仕事もしている。
 いろいろと興味を持つお年頃なのだろう。

 だから、興味を持っている解体作業のお手伝いをできるように、わたしが持っていた解体ナイフ(一度も使っていない)をゴルドさんに頼み、シュリの小さな手でも持てるようにしてもらった。
 7歳の女の子に解体作業もどうかと思ったけど、嫌がる様子もないし、ティルミナさんもゲンツさんもなにも言わなかった。日本なら子供にナイフなんて持たせたら怒られるけど、異世界だと子供でもナイフが必要なら許されるみたいだ。
 ちなみにシュリにあげたナイフは持ち歩かせることはさせていない。クマハウスの倉庫に置いてある。
 フィナの解体のお手伝いをするときだけ、使用させている。

 シュリが今後どの道に進むか分からないけど。もしかすると、父親のゲンツさんみたいにギルドに就職して魔物の解体をするかもしれない。それなら、ミスリルナイフがあっても困る物ではない。

「あのナイフとは違うナイフだよ」
「違うナイフ?」

 シュリは再度、首を傾げる。
 まあ、7歳の子供に鉱石の種類を言っても分からないだろう。

「あのナイフよりも切れるナイフだよ」

 わたしがシュリに説明をしていると、隣にいたフィナが、少し怒ったようなトーンで話しかけてくる。

「ユナお姉ちゃん。もしかして、シュリ用のミスリルナイフを作るんですか!?」
「そうだけど」

 わたしの解体用のミスリルナイフを作っても使わないし。それなら、少しでも使うシュリ用のナイフを作った方が役に立つってものだ。
 でも、フィナはわたしの言葉を聞くと、目をつり上げながら怒り始めた。

「ユナお姉ちゃん! おかしいです! ユナお姉ちゃんの頭はどうなっているんですか!」
「なに、いきなり怒っているの?」

 フィナがいきなり大きな声を出すなんて珍しい。
 まして、怒るなんて。

「ミスリルナイフがどれだけ高いか分かっているんですか? わたしだって貰っていいのか不安になっているのに。それをシュリの分まで作ってあげるなんて、信じられません!」

 怒っているって言うよりも、説教に近いかも。
 シュリはいきなり怒りだしたフィナを見てオロオロしている。

「えーと、フィナさん? どうして、そんなに怒ることなのかな?」

 今のフィナを見ていると、なぜか『さん』付けで呼んでしまう。

「ミスリルナイフ1本で、お母さんのお給金の何ヵ月分だと思っているんですか!」

 フィナの説教は止まらない。
 ナイフの値段と言われても分からない。
 ガザルさんから聞いた値段は工賃のみの値段だ。鉱石込みだと値段は分からない。
 そもそも、ティルミナさんのお給金っていくらだっけ?
 当時はこの世界に来たばかりで、一般的なお給金の金額なんて知らなかったから、ミレーヌさんと話し合って、平均的なお給金にした記憶があるけど。
 お金のことは気にしないで、超適当に暮らしているわたしだ。
 しかも、こないだまでミスリルが存在することを知らなかったし。
 ミスリルの価値なんて、高いぐらいしか分からない。
 それにわたし異世界人だよ。異世界人には難しい質問だよ。
 でも、そんなことは言えるはずもなく、適当に答えてみる。

「え~と、3ヶ月分ぐらいかな?」

 全然関係ないけど。日本の婚約指輪は給料の3ヶ月分の話を思い出して、そんなことを言ってしまった。

「違います! そんな安いわけないでしょう!」

 また、怒られた。
 人通りのある道で10歳の少女に怒られるわたしって。

「初めて会ったときから思っていたんだけど。ユナお姉ちゃんの金銭感覚おかしいです」
「ごめんなさい」

 話が変な方向にずれていく。
 でも、今のフィナに指摘することはできない。
 それに、思い当たる節もあるから反論もできない。
 だから、黙ってフィナの説教を聞くしかない。
 そして、最終的にフィナから聞かされたミスリルナイフの金額がティルミナさんのお給金の数倍どころでは無かったことは驚いた。
 ティルミナさんのお給金、そんなに少なかったんだね。
 今度、ティルミナさんのお給金上げないとダメだね。
 でも、今はそんな話ではない。

「ユナお姉ちゃんはもう少し考えてから行動してください」
「ゴメン」

 反論すると、さらに怒られそうだったので素直に謝った。
 すると、腕を引っ張られる。腕を見るとシュリが引っ張っていた。

「ユナ姉ちゃん。わたし、ナイフいらないよ」

 姉の豹変に怯えたシュリはミスリルナイフを断ってくる。

「そうだね。あげるとお姉ちゃんに怒られるから、貸すことにするよ」

 シュリの頭を撫でる。

「ユナお姉ちゃん!」
「貸すぐらいなら、いいでしょう。倉庫に置いておけばいいし、必要なら使えばいいし、使わなければ倉庫に置いておくだけだし」
「でも……」

 それでも、納得がいかなそうにするフィナ。

「使うときはフィナがいるときだけにさせるし」

 今までもそうだけど。
 でも、その妥協点でフィナも納得してくれる。

「それにフィナも少しは考えてみて、わたし用にミスリルのナイフを作っても解体ができると思う?」

 少し胸を張って言ってみる。(大きい胸は着ぐるみのせいで分からないけど)
 今までに解体のチャレンジをしようと思ったことはある。
 でも、できなかった。
 ウルフのお腹などを切ることはできる。斬ることは戦闘で何度も経験をしている。
 でも、あの切り裂いた、生暖かいお腹に手を入れることができない。
 日本の都会で育った現代っ子にはレベルが高い作業だった。
 こればかりはゲームの世界でも経験は積んでいない。
 倒せば、解体作業せずにアイテムボックスに入ったのだから。

「ユナお姉ちゃん。冒険者だよね?」

 はい、冒険者です。
 フィナが呆れたようにわたしを見る。
 でも、できないものはできないんです。
 そんなわたしが解体用のミスリルナイフを持っても、クマ(ブタ)に真珠だ。
 スキルも解体術でもあればいいのに。
 無い物ねだりはしても仕方ない。
 わたしがしょんぼりしていると、フィナが笑い出す。

「ふふ、ユナお姉ちゃん。冗談です。そんなに落ち込まないでください」
「フィナ?」
「ユナお姉ちゃんが解体できないのは、諦めているし。もし、できるようになったら、わたしが困ります。わたしがユナお姉ちゃんのお手伝いをできるのは解体のお手伝いだけだから。ユナお姉ちゃんは解体はできなくていいですよ。それに、もしユナお姉ちゃんが解体ができていたら。たぶん、こんな(ふう)に一緒にいなかったと思うから」

 一瞬、悲しい顔をするフィナ。

「…………」
「ユナお姉ちゃんと初めて、出会ったとき。ユナお姉ちゃんが解体ができなくて、わたしが解体ができたから、今があると思う。だから、ユナお姉ちゃんは解体はできなくていいよ。わたしがするから」
「フィナ……」
「わたしも手伝う」

 シュリがわたしのクマさんパペットとフィナの手を握りながら宣言した。

「それじゃ今度、ドラゴンでも倒してくるから二人にはそのときにお願いね」
「うん、頑張って解体するよ」
「がんばるよ」

 フィナとシュリの頭を撫でる。
 可愛い姉妹だね。

「でも、金銭感覚は治してくださいね」
「善処します」

 全員に笑みがこぼれる。
 フィナのお許しも出たので3人でゴルドさんの鍛冶屋に向かう。
当初、クマの解体術のスキルを覚えさせようとしたことが懐かしい。(2話頃)
今思えば、覚えさせなくて良かったw

スキル:クマの解体術、クマの手袋で倒した魔物を触れると、解体されてクマボックスに入る。
と言うスキルを考えてました。
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