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くま クマ 熊 ベアー 作者:くまなの

クマさん、異世界に来る

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11 クマさん、ランクEになる

遅くなりました。
 街に戻ってきて、真っ直ぐにギルドに向かう。
 門兵のおっちゃんに、また頭を撫でられる。
 子供扱いをするのはやめてほしいものだ。
 ギルドに入ると部屋にいる冒険者の視線が一斉にわたしに向く。
 わたしが冒険者の方を見ると皆視線をそらす。
 誰も何も言ってこないので受付に向かう。

「ユナさん、本日はどのような用件ですか」
「森でウルフを倒したんだけど、この場合どうしたらいいのかな。もし、ボードに依頼書があったら、それを受けて、すぐに依頼成功になるの?」
「依頼内容が討伐だけでしたら、討伐の証拠の魔石を持ってきてもらうと依頼成功とさせてもらっています。ただし、その魔石が期限内が絶対条件になります」
「期限内?」
「本日依頼したのに、一ヶ月前に討伐をした魔石を持ってきてこられても困りますから」
「それって区別出来るの?」
「はい、出来ますよ」

 できるのか。
 さすが異世界。

「ウルフの依頼は常置依頼なので常時受け付けてます。但し、肉、毛皮が必要になります。肉などは食堂、一般家庭の食卓に並びます。この街の食料源になります。毛皮は服などで使いますのでギルドでは常置依頼になっています」
「それじゃ、そのウルフの依頼お願いできる?」
「はい、ウルフ1匹でFランクになります。3匹でEランク扱いになっています」
「あれ、ウルフを倒せばEランク程度の実力があるって言ってなかったけ?」
「はい、すみません、正確には3匹以上になります。1匹では戦闘技術は認められませんから」
「そうなの。まあ、とりあえず40匹あるからお願い」
「・・・・・・・・・・えーと、ユナさん。今なんと」
「40匹ほどあるからお願い」

 わたしがそう言うと、後ろでヒソヒソと声が聞こえてる。

「ウルフを40匹だとよ」
「冗談だろ」
「どうやったら、一人で倒せるんだよ」
「でも、あのクマ、例のクマだろ」
「あのクマだろ」
「ならありえるじゃないか」
「あのクマなら可能だろ」
「俺は見てないからな、戦うクマ」
「俺は見た。あのクマには逆らうな」
「俺はクマと戦った。死ぬから止めておけ」

 などと聞こえてくる。

「失礼ですが、どこにあるのでしょうか。魔石だけでは認められませんが」
「解体はしてないけど、ちゃんとアイテム袋に入っているよ」
「アイテム袋を持っているのですか? しかも、ウルフが40匹も入るほどの大きさの。それじゃ、すみませんが、隣の建物でよろしいですか」

 ヘレンに案内されて隣の建物に向かう。 
 後ろから数人の男たちが付いてくる。
 見物だろうか。
 連れてこられた場所はこないだフィナとウルフの素材を売った場所だ。
 ゲンツさんは見当たらない。別の男性が出迎えてくれる。
 休みなのか奥にいるのかはここからではわからない。

「ヘレンさん、どうしましたか?」

 男性職員がヘレンに気づいてこちらにやってくる。

「ウルフを持ってきましたのでよろしいですか?」
「大丈夫ですよ。倉庫の方も何も解体してませんから」
「それじゃ、ユナさん、こちらにお願いします」

 クマボックスからウルフの死骸を取り出していく。
 わかったことが一つ、白クマの口に手を入れなくても取り出せることが判明した。
 白クマの手をカウンターにかざし、出したいアイテム(ウルフ)を思い浮かべると出てくる。
 これは便利、触らないでいいのは嬉しい。
 後ろの方では、

「本当にウルフ40匹あるぞ」
「さすがクマだ」
「あのクマに関わるとウルフみたいになるぞ」
「俺は殴られてみたい」
「俺は踏まれたい」

 最後の言葉は全力でスルーしよう。

「これで、全部かな」
「ユ、ユナさん、これ全部本当に一人で倒したのですか」
「魔法の練習ついでにね」
「はぁ、ついでですか。全部で42匹ですね」
「肉の状態も毛皮の状態も良いみたいですね。あと魔石も買い取らせてもらいますがよろしいですか?」
「かまわないけど、ウルフの魔石なんて使えるの?」
「はい、力はありませんがいろんな用途に使われますよ」

 ゲームだとボスクラスや上位魔物の魔石じゃないとほとんど使えなかったから、下位魔物の魔石は売った記憶しかない。

「それでは手続きをしますので、もう一度ギルドの中にお願いします」

 振り向くと冒険者どもが騒いでいるが、変態がいるので無視してギルドの中に入る。

「それではEランク依頼として処理させてもらいますのでギルドカードをよろしいでしょうか」

 カードを渡す。
 カードを受け取ったへレンが改めてこちらを見る。

「一つお聞きしてよろしいでしょうか」
「なに?」
「あのウルフは、一匹ずつ倒したのですか?」
「群れがいたから倒した」
「40匹の群れですか・・・・・Dランクの依頼ですね。ちょっとお待ちください。ギルマスに相談してきますから」

 へレンが奥に行くとすぐに戻ってくる。

「今回のウルフの討伐をEランク14回の依頼達成としまして、ユナさんをEランクとさせてもらいます」
「そんな簡単でいいの?」
「ギルマスの許可はもらいました。Dランクの討伐の依頼を一人で倒したのですから十分にその資格はあります」
「Dランク?」
「はい30匹以上の群れの討伐はDランクになります。50匹以上でCランクの下位の依頼になります」
「まあ、上げてくれるなら断る理由はないからいいけど」
「では、手続きをしますね」

 何かしらカウンターの中で操作をしている。

「まず、こちらが依頼達成料になります。ウルフの肉、毛皮、魔石の42匹分になります。でも、ウルフが解体されていなかったため2割引かせてもらっています」

 フィナが言っていたことだろう。
 普通の冒険者は自分たちで解体をしてから持ってくるらしい。
 2割は解体作業費になるのだろう。
 フィナにあらかじめ聞いていたのでヘレンの言葉にうなずいて皮袋に入ったお金を受け取りクマボックスの中に入れる。
 最後に手続きが終わったギルドカードをも入れる。

「これでユナさんはEランクになりましたので頑張ってください」
「ありがと」

 宿に戻って遅くなった昼食を食べ部屋に戻る。

 ウルフを倒したのでステータス画面を呼び出す。

名前:ユナ
 年齢:15歳
 レベル:13
 スキル:異世界言語 異世界文字 クマの異次元ボックス クマの観察眼
クマの探知
 魔法:クマのライト、クマの身体強化、クマの火属性魔法 クマの水属性魔法 クマの風属性魔法 クマの地属性魔法 

 装備
 黒クマの手(譲渡不可)
 白クマの手(譲渡不可)
 黒クマの足(譲渡不可)
 白クマの足(譲渡不可)
 クマの服(譲渡不可)
 クマの下着(譲渡不可)

 一個スキルが増えた。

 クマの探知
 クマの野生の力によって魔物を探知することができる。
 (魔物や盗賊などの位置を把握できる)

 確かゲームのときは盗賊が会得できるスキルだったはず。
 こんなスキルまで習得できるクマって。
 でも、このスキルで魔物捜しは楽になるね。
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