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Chapter:01 遭遇
Episode:05
――ともかくここを離れないと。
 シュマーの内部に入られでもしたら、大変なことになる。
 急いで交信記録を消しながら、別の通信ポイントへと移る。
 なんだかひとつ飛んだだけじゃ安心できなくて、二つ、三つと移動した。

 けど。
――警告が消えない?!
 その「誰か」は、あたしの後をぴったりとついてきていた。
 まるで頭から、冷水をかけられたような気がする。
 でも、どうにか逃げないといけない。相手が誰にせよ、捕まったら大変なことになる。

 なるべく自分が知っているポイントを経由するようにしながら、必死で逃げ回った。
 けど、捲けない。
 向こうのスピードが速すぎて、太刀打ちができない。
 足跡を消さなければ逃げられるかもしれないけど、それをやってしまったら終わりだ。

 逃げ道がないかと、ざっと通信網を見渡す。幸いすぐ近くに、使われていないルートがあった。
 ここを使えば、そう思って通ろうとして。
――しまった!
 ブロックされてる。こっちの手を読まれて、先回りされてる。

 逃げられない、そう思ったとき不意に、魔視鏡に伝言が現れた。
『意外にやりますね、楽しかったですよ。――では、またいずれ』
 わざわざこんなふうに危険を侵してメッセージを送るなんて、よほど自信がある証拠だ。
 急いでメッセージから逆探知しようとしたけど、当然そんなことをさせてくれる相手じゃなかった。やっと分かったのは、学内からアクセスしているってことだけ。
 そして警告表示が消える。

 思わず倒れそうになったけれど、どうにかこらえてきちんと、手順を踏んで交信を終えた。
 身体が汗でびっしょりだ。
 息が苦しい。
 戦場で太刀を振り回している方が、よほど楽だ。

「ただいま、遅くなっちゃってさ〜。あれ、ルーフェ?」
 ロア先輩が戻ってきたけれど、立ち上がる気力もない。
「どしたの!」
「交信してて……誰かに、追いかけられて……」
 やっとそれだけ言うと、すぐ先輩は事情を飲み込んでくれた。

「わかった。キミの端末どこ通ったか記録するようにしておいたから、あたしが足跡みてあげるよ。
――だから心配しないで?」
「はい……」
 少し安心して、立ち上がる。

「ルーフェはもういいから、寝るんだよ? かなり顔色悪いから」
「……すみません」
 ロア先輩が見てくれるのだからだいじょうぶ、そう自分を無理やり納得させて、あたしはベッドにもぐりこんだ。



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