ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
Chapter:01 遭遇
Episode:01 遭遇
◇In Library
 ふっと気配を感じて、その男子生徒は顔を上げた。 
 長身で、整った顔立ちに紅い瞳。
 腰まである髪は珍しい銀色――前髪の一房だけ瞳と同じ紅色――で、それを一度うなじのところでまとめて、さらに三つ編みにしていた。
 掛けられた縁のない眼鏡が、いかにも知的な感じを与える。

 名は、タシュア=リュウローン。おそらく学内でも、知らぬものはいないかという有名人だ。物腰は穏やかで、言葉遣いも丁寧。しかもその態度は上・下級生を問わず変わることがない。

 だが。
「人が本を読んでいる時に、横からのぞかれることがどんなに迷惑か、想像もできないのですか?」
 言葉こそ丁寧だが、その声は氷よりも冷たい。

 実はこのタシュア、その容姿以上に「毒舌家」ということで知られている。とうぜん覗きこんでいた、金髪碧眼、妖精のような雰囲気の華奢な美少女――つまりルーフェイア――も、その毒舌の餌食となった。

「あなたが同じようなことをされた時のことを、考えてみなさい」
「すっ……すみません」
 おそらく悪気などまったくなかったのだろうが、タシュアにそう言われて、ルーフェイアがすくみあがる。

「謝るのでしたら、最初からやらなければいいでしょう」
「ご、ごめんなさいっ!!」
 たちまちその瞳に、涙があふれた。だがタシュアは言葉を止めない。
「なんでも泣けば済むと思ったら、大間違いですよ」
「…………」

 必死に泣くのをこらえようとしている少女を、タシュアは冷たい視線で見返す。
 たまたま居合わせた生徒たちが、この成り行きを心配そうに見ている。だが恐れをなしてか、口を挟む者はいなかった。
 と、そこへ図書館とは思えないほどの声が響く。

「ちょっとタシュア、なに下級生いじめてんのよ!」
「誰もいじめてなどいません。礼儀を失しているのを指摘してあげただけなのですから、むしろ感謝してほしいくらいですね。
 それにロア、あなたも図書館でそんな大きな声を出すなど、上級生の態度とはとても思えませんが?」
「なんですって……!」
 いっぱつで完全に頭に血が上ったロアに対し、タシュアは嫌味なほどに冷静なままだ。


Web拍手 ←Web拍手です

FT小説ランキング  毎日OK:FT小説ランキング“ルーフェイア・シリーズ”に投票
 順位だけ見たい方はこちら

NEVEL Ranking  月に1回:NEWVELランキング“ルーフェイア・シリーズ”に投票


◇イラストいろいろです。随時募集中です♪◇
シエラ学院制服  Blue Ocean  ルーフェイア・シリーズ

自サイト美術室はこちら
掲示板はこちら。お気軽にどうぞ♪


筆者サイト
↑筆者サイトへ
最新話へのリンク、改行なし版等があります


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。