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出会い━misumi━
 約束は日曜日。
 偶然にも彼女―良佳―の住む場所は意外にも近かった。
 遠ければ大型連休を待つ必要があるかと考えてもみたが、この距離ならお互いに電車で一時間ほどで会う事が出来るのだと知った。だから、気の変わらないうちに彼女に会う事を決めた…。

―後15分…。余裕か。

 携帯電話を片手に深澄は海岸沿いを歩く。
 そういえば以前急な短縮授業で予定が空いてしまった学校の帰り道に、ここに来た覚えがある。あの時は清々しい気持ちになった反面、帰宅後に待ち受けた母親にうんざりさせられた…もうあんな事は御免だ。

―今日も重い気分での帰宅になりそうだ…。

 正直に言えば、彼女に会う事に意味があるのかと今でも考えている。
 憂鬱な気持ちにさせられるくらいなら初めから逢わない方がいい……彼女を傷つけないためにも。

―ホントの俺を知ったら、さぞがっかりするだろうな…。

 この後の展開を予想して思わず自嘲の笑みが漏れる。メールでは優しく物解りのいい―崎本 深澄―が、実際には他人に興味のない冷たい男だと分かるのにそう時間はかからないだろうから…。そして彼女がどういう顔をするのか、なんとなく分かってしまう。いつの間にか足取りは重くなっていた。

 何度目か分からない溜息をついて、不意に顔を上げる。
 眼を凝らすと待ち合わせの約束に指定した場所に人影が見えた。良佳だろうか。

―待ち合わせの前に着く…か。

 今時の女子高生には見られない心がけに少しだけ感心する。そういえば彼女はいくつなのだろうか…。

―今更ながらに彼女の事を何も知らない…。

 初めてメールを貰った時の不快感、返信をした時の緊張感…そして俺を苛立たせた彼女の言葉。短い時間をメールという手段で得ただけの関係が、どうしてこうなったのか今でも不思議になる。それでも…。

―逢う事に意味を…。

 彼女の言葉を思い出し、深澄は覚悟を決める。
 ゆっくりとした足取りで海の方を向いたまま俯く彼女に声をかけた。

「七瀬…良佳…さん?」

 その言葉に小さく肩を跳ねさせ彼女が顔を上げる。
 予想していたよりも大人びた…とても寂しそうな表情が印象的だった。
同じシーンの深澄サイドになります。
ここからの展開は同じシーンを繰り返す事になりますので、どちらか片方だけでも大丈夫です^^;
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