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理由━misumi━
 
 返ってきたのは、またも予想していたモノとは違っていた。

(デタラメ・・・ねえ)

 休み時間、深澄は一人自席で携帯電話と睨めっこしている。周りはざわざわと賑やかで、自分の周りだけが何処か違う処に行ってしまったように「静か」だった。
 頬杖をついて、次の返信の内容を考えているとふと影が深澄の手元を染める。突然の人の訪れを告げていた。流石だ。

「珍しいじゃん。崎本が学校で携帯見てるなんて」
 彼は面白そうに表情を緩めると、目の前の席に勝手に腰掛ける。
 生憎にも休み時間だった為、前の席の主はいない。内心「チッ」と舌打ちをするが、それが目の前の流石(こいつ)に通じる筈もない。

(空気くらい読めよ・・・)

 心の内で悪態を吐くと深澄は開いていた携帯を閉じ、にこやかに彼を見つめる。
「用事のメールが来てたものでね・・・・流石こそ、どうしたの?休み時間に僕の処に来るなんて珍しいじゃない」
 何事もなかったように笑顔を浮かべ、淡々と答える。そこに既に「自分(オレ)」はいない。
 彼は「うっ」と、言葉を詰まらせるともじもじと口の中だけで「何か」を呟く。言いにくい事なのだろうか。彼はそれきり俯いてしまった。

「それじゃあ聞こえないよ、流石」
「あっ・・・・あ~」
 深澄の言葉にようやく口を開くと、どこか遠くを見つめだす。すでに目の前にいる深澄の事は見えていないようだ。視線を彷徨わせ、宙をふらふらと行ったり来たりさせると、何を思ったのか急に彼はこう言った。
「あのさ・・・友枝と付き合ってんの?」
 限りなく小さな声。相手が聞き取れる最低限の声で彼は呟く。そこに何の意図があるのか・・・。

(・・・そ~いうことね)

 その言葉の意味を理解して、深澄は小さく溜息をついた。実に「クダラナイ」と思う。
 流石は深澄が吐いたため息に気がついて「どうなんだよ」と、小声で聞いてくる。この意味不明な程の「小さな声」にも、意味があった事を深澄は知った。
 深澄の斜め前には彼女・・・友枝の席がある。大方、聞こえたらまずいのだろう。
「別に・・?」
「何だよ、別にって」
 深澄の言葉に、流石は掴みかからない勢いで身を乗り出してくる。それこそ「鼻息」がかかるくらい近くに。
(男に詰め寄られてもな・・・・ウザ・・)
 深澄はさりげなく身を引くと、先程よりも緩やかに笑みを作ってやる。
「流石の思っているような事はないよ」
「ホントか!?」
 鼻息の荒い男だ。ホントにうざい奴・・・。
「誤解だよ。何もないって」
 終始笑顔を取り繕って「大丈夫、今そういうのに興味ないし」と決め手となる「言葉」を言ってやる。案の定、彼はその言葉を聞いて「そっか・・・そうだよな」と呟く。
「なんか・・・悪かったな、休み時間に」
「いいよ・・君の誤解が解けたのならそれで」
 もう一度笑顔を浮かべる。その表情を見て、彼も笑顔になる・・・くったくのない笑顔。
「ありがとな」
 そう言うと、彼はそのまま教室を出て行った。後には何とも胸糞悪い後味だけが残る・・・。

(時間の無駄だったな・・・・ホント)

 時計に目をやれば、もう次の授業が始まろうとしていた。
 立て続けに授業中、携帯をいじるのは気が進まない。深澄はもう一度溜息を吐くと、仕方なく携帯電話をポケットにしまう。
 楽しみは後に取っておこう・・・。
 そんな風に自分に言い聞かせ、彼は教科書を開く。

 そしてまた、教師の声とクダラナイ授業に耳を傾けた・・・。
 

 
 
全然、「理由」になってない\(゜ロ\)(/ロ゜)/
・・・・どうしたのさ、みっちゃんよ(-_-;)

うん。こんばんわ。
最近、中々更新していなかった作者です。
今回は、メールへの返信はなく、いつぞやの「流石」氏の登場です。
さあ、今後どうなっていくのでしょうか(>_<)
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