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お家の国のアリス
作:小枝 莉乃



22日目 事後




「ふ〜…ヤバいヤバい」

芋虫はアリス邸の門の前を街に向かって下っているところだ

今みんな寝てるところかな♪っとクスクス笑いながら


「それにしても…」

これをあの人達に教えたほうがいいのか悩みどころだな…

女王の側近といえど、何から何まで伝えるわけではない

伝えなければならない事を伝え、その他、スケジュール管理、着替や食事の用意をするくらいなものだ

それに、今、女王は恋人と一緒にいるからやる事など無いに等しい

アリスも手伝いが必要な歳でもないしなぁ…

もう16年か……
確か1年で1週間だから、あっちではたかが4ヵ月程度だろうけど…


そろそろ国が恋しくなってきたな……


芋虫は歩きながらふと、星空を見上げた。


◇ † ◇


目が覚めるとガッツリカレーの匂いが漂ってきた

「ん…?」

カレー臭…

一番に目が覚めたのはアリスだ

そして、続々と目が覚める全員第一声は「「カレー臭い…」」


あたし、なんでこんなとこで寝てるんだろ…



……思いだせない…


「むぅ…」

寝起きの頭じゃなに考えたって無駄だなと思い、テーブルの上に乗っているカレーの皿もろもろを片付けようとする


つーか、なんでカレーが…?

「手伝うよ」

上から声がしたと思ったら重ねて持っていた皿をヒョイッと奪われたところだった

「あ、ありがとチェシャ猫」


そのチェシャ猫は「い〜え〜」と言いながらキッチンに消えていった



◇ † ◇


「む〜…」

アリスは机に向かい、夏休みの宿題をやっている。が、飽きたのか暑さでダルいのかぐだーっとダレている


チェシャ猫と洗い物をした後、アリスは全員に話を聞いてまわっていた…が、諦めた


昨日なにがあったか覚えてる人がいないなんて…


「謎だ…」

独り言を呟くと部屋をノックする音が聞こえた

「は〜い?」

「アリス〜息抜きにお茶しよ〜」

返事をすると聞こえたのはチェシャ猫の声


「うん!!」

私は遊んでいたペンを置いて駆け出し勢いよくドアを開けた


―バァンッ

ん?なんか当たった感触が…


「ち…チェシャ猫…?」

「…ハァイ?」

恐る恐るドアを引いてみるとそこには鼻を赤くしたチェシャ猫がいた
当然私の顔は真っ青。


「ごっ…ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさ…」

「いや、大丈夫だから」

鼻を擦りながら私のごめんなさい攻撃を遮った

「それより、行こうか」

スッと腕を差し出すチェシャ猫


しっ…紳士だ!!
私はすかさず差し出された腕を掴んだ

なんか反射的に


いつも帽子屋みたいなエセ紳士を見ているせいか素晴らしくかっこよく見える
奴なら絶対「なにをする!!私の美しい顔が台無しではないか!!」とか文句言うに違いないのに…
まぁ、実際綺麗なんだけどさ…


「ぷっ」

そんなことを考えているとチェシャ猫に笑われた

…あ、そういえば丸聞こえなんだった…

思い出した途端恥ずかしくなったのか顔を赤らめる

「そんな恥ずかしがっちゃって〜」

「…だって!!」

「今更じゃない?」

「うぐっ」

からかうようにチェシャ猫が話す

むぅ…からかってる?この人(?)からかってる!?

「アリスって面白いよね〜」

「なにがよっ」

「思ってることがまんま顔に出てるんだもん♪」

ほらまた〜と言って空いている方の手でホッペをつつく


嫌なら腕を放せばいいのだが、一度掴んでしまった手前放すのもなんか惜しい…


と、またチェシャ猫に笑われる…

そんなことをくり返しながらふたりは中庭に向かうのでした













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