19日目ベットにいるのはだぁれだ?
―ぴちちちち
「ん…」
小鳥のさえずりとカーテン越しの朝の木漏れ日に目が覚める
……予定だった
だが実際アリスはあまりの窮屈さに目が覚める
なんでこんなにきついんだろ…
確か昨日はチェシャ猫と…
えっ…もしかしてこの後ろから抱き締めてる手はチェシャ猫!?
少し赤くなりつつ、とりあえずベットから出ようと、横向きの体制からぞもぞ動くと、なにかお腹の辺りにあたる感触…。
空いている両手で布団をめくり見ると、それは見慣れたピンクと紫のシマシ…マ…
え?チェシャ猫?可愛いなぁ…こんなペット欲しいなぁ…
ん?ちょっと待てよ…猫になってる…?てことは?
「後ろの誰よ…?」
考えられるのは帽子屋と三月ちゃん
大きさ的に考えて白うさぎくんはないし…
けど…抱え込まれてることを考えると…ぼーし…や…?
うげ…不快。
てゆーかなんでこの部屋にいるのよ。リビングにいたんじゃなかったのー?
よし、昨日の恨みもあるし気を使う必要もないな…腹パンチでも食らわしてやろ
―ゴスッッ
考え付いたと同時に後先考えず肘鉄を後ろ目掛けて放つアリス
「ガハッ?!」
……
…………
……え?誰?
…聞こえた声は癪にさわる帽子屋の声ではなかった
なーんか聞いたことあるような無いような…
「あ"ー…?」
頭をボリボリかきながらむくりと起き上がった…その男は数秒の間をあけた後ハッとしたように声をあげた
「っ!!ヤベっ!!そのまま寝ちゃったのか俺!?」
頭を抱え込み、どうしよう…どうしよう…とひとり焦っているようだ
「……?」
なんか見覚えが…
「…緑…お兄ちゃん…?」
「……!!」
呼ばれた彼は体をビクッと硬直させながら、恐る恐るこちらを振り返った。
「や…やぁアリス?目覚めはいかがかな…?」
にこっと笑顔だけど青ざめてるよ…
「……それより…なんでここに…」
「いやっ…それは……ごにょごにょ…」
「……?」
うわーっアリスの眉間にシワが…っ
ヤバイヤバイヤバイヤバイ
「いっいや、下心があったとかじゃないんだっ!!ただ、
人肌恋しかったとゆうか…って違う!!違うっ!!ジョークだ!!アリス違うんだ!!お願いだからそんな気色悪い物を見るような目で見ないでくれ!!そんな端に…俺から距離をとらないでくれー!!!」
腕を伸ばして待ってくれーのポーズ…今にもなんか泣き出しそうだ。
「…ぷぷっ…」
その光景に思わず笑ってしまう
「え?」っとゆう表情でこちらをみる彼
「いや、前にもこんなことあったな〜と思って」
ふふっと笑いながら話すアリス
「げ…マジかよ!?」
そんなことあったかなぁ…とあげていた方の手を頭にもっていく
「あったよ〜、確か私が小学生のとき?かな?お兄ちゃんが私のベットに入ってた緑お兄ちゃん見つけて
「お前はロリコンかー!!!!!!」って」
「…あははー」
思い当たる節があるのか苦笑いしている
「…ところでさ、アリス」
「ん?なに?」
「枕元にウサギがいるんだけど…飼い始めたの?」
「…え?」
バッと上にある枕元をみると確かに茶色いウサギが寝息をたてている。なんて無防備なの…撫で回したい…
「…………………」
「…アリス?」
振り向いてからの長い沈黙に不審に思ったのか彼が声をかけた
でもなー、寝てるの邪魔しちゃダメだよね!!我慢よアリス!!あぁ!!でもなにあのふわふわな栗色とも言えない茶色!!撫で回してくださいって言ってるようなものだわ!!あぁでも…
「アリス!!」
「ぴょ!!?」
あれ?私、今変な声出し…た?
恥ず!!!!
「ぴょってなんだよ……で、あのウサギは飼ってないの?じゃあ山に返しに行くけど?どうせアリスは無類の動物好きだから返せないだろうし?」
「あっ…えっ!!」
これはマズい!!バレるわけにもいかないし捨てられたらそれこそどうなるかわかんない!!
「あっ!!違うの!!友達!!そう、友達から預かってるの!!」
手をバタバタ動かしながら咄嗟の言い訳を口走る
「……へぇ?」
ヤバい…絶対不審がられてるよ…
案の定彼はアリスに質問し始めた
「その友達はいつ帰って来るの?」
「えと………、一年後くらい?」
「長いなぁオイ…」
「お父さん達もそれくらい帰って来ないって連絡あったし…いいかなぁ〜って…」
「赤は?」
「おねぇちゃんはね、一年くらい友達と旅行行くんだって」
「ふぅん、で、そのウサギは誰から預かったの?」
「……おねぇちゃんと旅行に行ってる友…達……」
アリスの目線が泳いでいる
「ほほう。じゃあ今から赤に電話して確かめて見ようか」
「えっ!!」
青ざめた
「ん?なんか問題でもあんの?」「え…いや…」
「そう?」
耳に携帯を当てる彼
「あ、もしも…」
「…にぎゃぁぁぁあぁぁぁぁ!!!!」
奇声をあげながら彼から携帯を奪いとった
「おねぇちゃん!!違うの!!」
すかさず耳に携帯をあて話出す
「アリス」
「これには色々と訳が!!!!」
「アリス」
彼が肩をちょちょいと叩く
「なによー!!」
半狂乱になりながら彼を振り返る
「画面、見てみ」
「え?」
「画面。」
む、っとしながら携帯の画面を見ると
SA・DA・KO☆
「…………きゃぁぁあああ!!?」
「うは。良い反応♪」
当然通話中の訳もなく…
「なにすんのよ!!信じらんない!!騙したのね!!出てけー!!」
涙ぐみながらそこらへんにある時計やら枕ならを投げ付け追い出そうとするアリス
「ちょ!!痛!!わかった!!わかったから!!」
「わかったなら出てけー!!!!」
「痛い!!目覚まし痛い!!わかった!!出てくからヤメっ!!痛!!」
ドアまで追い詰めたアリス
「はぁっ…はぁっ…」
「ちょ、まぁ落ち着け……出て行く…部屋から出て行くから…これだけは聞いてくれ…」
「……なによ」
目覚しを片手にあげて、いつでも投げられるポーズ
「ウサギに肉球があるって本当か?」
手をわきわきさせながら真顔で言われた
「ないわーー!!」
「うおっ!!」―バタン。ゴン。
「……まぁ…品種によってあるのもいるんだけど…とにかく、人の姿の時に見つからなくてよかったぁ…」
ふぅっとため息をつくと後ろから声が聞こえた
「…ったく…朝っぱらからうるさいなぁ……」
「あ、ごめんチェシャ猫」
「いいよ別に」
くわっとあくびをする
ぅ…のんきだけど口調が怒ってる…
「それにしても、奴は何者だ?」
いつの間にか横にいた茶色いウサギ…三月が問い掛けた
たぶん、さっきの騒がしさで起きたのだろう。ごめん。
「んとね、お兄ちゃんとの友達だよ。よく一緒に遊んでたんだ」
「ふむ。」
「それより、…なんで三月ちゃんたち動物になってるの?」
「ん?なに?…いつの間に…」
その反応だと今気付いたのだろう
チェシャ猫もそうみたい
「昨日の夜までは平気だったのにね?」
三月の身体が一瞬光った。
しかし、その光も一瞬で弾け飛ぶ
「むっ、…むむ?」
「え?どしたの?」
「戻れない…ね、」
「うむ、」
「え…」
三人の間に妙な緊張が走る
「まぁ、この姿でも問題はないし、いいんじゃない?」
チェシャ猫がため息をついた
「まぁ、それもそうだな……あ?」
「あ?どうした?」
「アリス、先ほどの奴はどこにいる?」
「え…たぶんリビング」
「白うさぎと帽子屋はどこにいる?」
「え……あ…!!」
「最後に見たのはリビングだ。バレたら色々とマズいんじゃないか?」
「どうしよう!!お兄ちゃんに伝わる前に口止めしなきゃ!!」
「とりあえず、急ぐぞ!!開けてくれアリス!!」
「俺も。場所には困らないけど、猫社会は面倒だし、家があるにこしたことはないからね」
アリスがドアを開け、三人(?)で駆け出す
「……あ、猫のままで家にいれば問題はないのか…」
走り出してすぐ思い付いたようにチェシャ猫が言う
「うちんちペット禁止なの!!」
「野良猫が居着いたとか」
「お母さんが帰ってきたら殺されちゃうわよ!!動物大っ嫌いだから!!」
「うげぇ…」
「待て、大丈夫なのか?」
それを聞いていた三月ちゃんも話しはじめる
「なにがっ」
「臭いとか毛とか」
「帰ってくる前にあなた達を返せたらなんとかなると思う!!」
「とりあえず今は目の前の問題ってね」
リビングのドアが見えてきた
走っている勢いに任せてアリスは思いっきりドアを開けた
|