14日目 眠りネズミ
リビングに入ると紅茶の匂いが漂ってきた。
「ん…?…この香りはアッサムのミルクティーかな?」
「…?」
「たぶんお前がそう言うならそうだろうな。」
「あ、この香りのこと?」
「あぁ、そうだ」
「帽子屋は記憶力とともに嗅覚も素晴らしいんですよ!」
「へぇ!そうなんだ!!私全然わからなかった!!すごい詳しいんですね!!」
「ん?まぁこれでもお茶会というものを開いているからね!!自然と詳しくなるものだよ!!毎日嗅いでいるから香りもわかるようになるしね。しかし、白うさぎ…僕の嗅覚は紅茶くらいにしか役立たないからね!!勘違いしないでくれたまえ!!」
「そんなこと…!!なにかしら取り柄を持ってるのはすごいことだと思いますよ!!私なんてなにもないから…」
「ん?君になにもないなんてことはないさ!!私はここに来てあまり日はたっていないが少なくとも君の心が広いことはわかるよ!!」
「…ぇ…?」
「ん?私より先に来た彼らがここに住んでいるからね!!少なからず和やかな雰囲気を見せているようだし!!なぜか僕にはピリピリした雰囲気なのだけどもね!!ははははは!!」
「それは貴様の日頃の行いのせいだろう…」
「そうだよねぇ…ホント帽子屋、キミは敵を作る性格をしているよねぇ…あ、口調もか。てゆうか存在?」
「チェシャ猫!!いないからどこ行ったのかと思った」
「ごめんね、アリス〜俺がいなくてそんなに寂しかった?」
「寂しくはなかったけど…どこに行ったのか気になりはしたわね」
「さて、みんな。立ち話はなんだから折角紅茶も用意してるんだし座ったら?」
「またスルーか!!」
「それもそうですね。座りましょうか」
あはははと苦笑しながら白うさぎがうながした
それぞれソファに腰掛ける。
テーブルを挟んで両サイドに三人程座れるくらいのソファと配置的にいうお誕生日席がひとつ。その真向かいにはテレビがある。
ここは私の席だ!!と言わんばかりにお誕生日席へと向い座る帽子屋。アリスたちは空いてる席へと座る。
「では早速、どういった経緯で今の状態になったのか…まとめましょうか。おねぇさんも聞きたい事がおありでしょうしね」
にこっと白うさぎが話を始めた。
「では、とりあえず自己紹介から始めましょうか。質問、まとめはその後で」
「…うん」
少し緊張した顔のアリス。この場の空気が少し張り詰めているせいもあるだろう
「僕は"不思議の国"の白うさぎです。身分は伯爵。」
「…伯爵?!…え?白うさぎくんが?!」
「はい」
「…すごい身分上の人なんだねぇ…」
少し疑問に思いながらも感心したようににいう
「えぇ…」
ふと、白うさぎくんの顔が曇ったのは私の気のせいではないだろう
「次は自分でいいか?」
「あ、うん」
「自分は三月うさぎ。まぁ村人とでも思ってくれ」
「次は私だね!!私は帽子屋!!お茶会の主催者で身分は男爵さ!!」
「…男…爵」
「次は俺ね〜。名前はお馴染みチェシャ猫だよ。公爵家のペット兼、執事ってとこかな?」
「差が激し過ぎない…?」
「そう?まぁ、不自由してないしいいんじゃない?」
「それも…そうかなぁ?」
「そうゆうことにしておきな〜考えても無意味だしね」
「では、どういった経緯かと原因と考えられることについて…」
「自分は白うさぎの部屋だな…呼ばれたので行って部屋に入ったらそのまま…」
「僕も同じです。本棚に本を戻そうと立ち上がったら…」
「俺は窓から侵入したら足場のとこに円い穴があった。とりあえず避けたんだけどなんか動いていてねぇ…逃げ切れなかったんだよね…」
「チェシャの場合…好奇心で飛び込んだのかと思いましたけど…」
「あはっバレた?」
呆れる白うさぎを横目にクスクスと笑う
「私はねぇ、数日経っても三月が帰って来ないものだから眠りネズミと共にね城に探しに行ったのだけれど白うさぎの部屋を探していたら眠りネズミがいなくなってしまい、探しに出ようとしたら穴に気付かずに…ね。彼は今どうしているのだか…ん?おぉ!!眠りネズミじゃないか!!こんなところにいたのか!!」
帽子屋がティーカップの中を見つめながら言う。
「それにしても…なんで穴が…って眠りネズミ?!」
話を続けようとした白うさぎが驚き
「…いたのか?」
三月が怪訝な顔をして眉間にシワをよせ
「…ぇ?…え?」
アリスはなにがなんだかわからなそうに頭に?マークを浮かべてキョロキョロしている
「やっと気付いたの?」
俺はクスクス笑いながら帽子屋に尋ねた
「全く…人が悪いね君も。いたならいたと声を掛けてくれればいいものを!!君のそうゆうところが嫌いなのだよ!!」
帽子屋がみんなの見える位置に眠りネズミの入ったティーカップを置く
「悪いね。つい、面白そうでさ〜ミルクティーなら色も似てたしね。」
「…大体ねぇ。食べ物もそうだが、飲み物を入れる器に他の物や生き物を入れるなんて理解が出来ないよ!!」
「俺は理解出来るからねぇ。キミとは観点が違うんだよ」
「…いい加減うるさい。お前らの喧嘩のために集まったわけじゃないんだぞ」
眉間にシワを寄せたまま三月が制止にかかる
「え〜だって…俺、別にそんなこと興味ないし。それに、こっちの生活でも俺は別に構わないしさ〜」
「チェシャ猫!!お前…」
「…ねぇ、白うさぎくん」
「はい?」
そんな彼らを放ってアリスが呆れている白うさぎに話し掛けた
目線の先のティーカップをジッとみている
「抱いてもいいか…あ、違う…みんな人間みたいなのに…なんで眠りネズミくんは動物の姿なの?」
「へ?…あぁ?そういえばそうですね…なんででしょう?」
「向こうではちゃんと自分達と同じ姿だったのだが…」
「空気が合わなかったのではないかね?」
「空気って…」
「根拠はないのだがね!!」
「ないんかいっ」
アリスが帽子屋につっこんだ
「まぁ、とりあえず…よく寝ていることだし、別に異常は見当たらなかいから、放置でいいんじゃない?起きたらわかるように誰かついてれば〜?」
「ん、そうするか。で、誰がついているつもりだ?」
「私がついていよう!!やることもないからね!!」
「あ、そうなんですよね…」
「どうかしたのかい?」
「じゃあ、残るも行くも好きに…ということにしましょう。やることない方のほうが多いでしょうし」
「それもそうだな…」
「…なんの…話?」
ふと、声がした。
「え?」
「眠りネズミが寝ている間誰が見ているかという話だよ」
「…僕…?」
「そうだよ〜おはよう眠りネズミ」
「なんだ!!起きたのかい?」
「…うん…ここ…どこ…?」
「アリスの家さ!!国に帰れないらしくてねぇ、住ましてもらっているのだよ!!」
「…ぇ…そう…なの…?」
頭に?マークが…かっ可愛い…ネズミも大好きな私にとってはもうこの姿でも全然オッケィ!!なんだけどな…
キョロキョロと回りを見渡す眠りネズミ
「あなたがアリス?」
「ほぇ!!はい!!」
動物が喋ってるとなんか違和感が…えっと…なんだろう…なんか…ね…
「…よろ…しく…?」
可愛いからいいや。
こうして新たな入居者が一人(?)増えました。
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