秘密 ブラウド目線
本日二回目!
彼女が連れてきた親友は強烈な女の子だった。
彼女の親友のラブラさんはどうやら俺と彼女をくっつけたいみたいだ。
ハッキリ言って嬉しい。
だが、俺の持っている地位などジェイスの足下にも及ばない。
彼女が欲しい。
この気持ちはジェイスも一緒だ。
ジェイスはよく俺の所に来るようになった。
『カーディナルはムカつく。だけど綺麗になった』
ジェイスは嬉しそうにそう言った。
全身から彼女を好きだと言っているようなそんな雰囲気。
俺にそれは許されない。
彼女が俺をたずねてくる時だけが彼女と一緒にいられる唯一の時間だ。
そんな俺が彼女を好きだなんて言って良いわけがない。
ラブラさんの気持ちは嬉しいが無理だ。
ラブラさんを怒らせて敵認定されてしまったが、仕方がない。
彼女がここに来なくならないと良いな。
彼女達が帰った時に思った。
どうしようもない感情だ。
だって、ラブラさんは俺の敵になったんだから。
あれから、彼女がよくうちに来るようになった。
「ラブラちゃんとお菓子を作ったのでお裾分けです」
何故だろう?
本当に些細な事でも彼女が来てくれる。
「どうかしましたか?」
彼女を見つめていたら心配された。
「最近、よく来てくれるので嬉しいと思って」
思わず出た言葉に彼女は驚いて居るようだった。
「ら、ラブラちゃんが、ブラウド様にはお世話になったからプレゼントしてきて欲しいって言って下さって………」
?
何故ラブラさんがそんなことを?
「それなら、ラブラさんにもお礼を言わないとですね」
「じゃあ、今度またラブラちゃんと一緒に来ますね」
「はい。お願いします」
俺は真相が知りたかった。
彼女がお茶とお菓子の用意をしに行くと、俺はラブラさんに言った。
「何故、彼女をここに?」
「私、言ったでしょ?敵になるって!」
「はい。言いましたね」
「だからだけど?」
「?」
訳がわからず首を傾げるとラブラさんはニコッと笑った。
「私、言ったでしょ?カーディナルを幸せに出来るのは貴方だと思うって」
「………」
「だから、敵になったの」
訳がわからん。
「自分の気持ちを圧し殺して、カーディナルへの気持ちを無かったことにするつもりなら大間違いなんだからね。私はそんな逃げ道許さない‼たがら、何度でもカーディナルをけしかけるからそのつもりで居てね!」
………
なんなんだこの子は………
俺はその瞬間思いっきり笑ってしまった。
こんなに笑ったのは初めてかも知れない。
腹筋が痛い。
「ち、ちょっと!笑いすぎ‼」
俺がソファーの上でヒーヒーしていると彼女が帰ってきて驚いたようだった。
「ぶ、ブラウド様大丈夫ですか!ラブラちゃん何があったの‼」
「わ、笑われただけ………」
「わら………笑ってるんですか?」
彼女はさらに驚いた顔をして言った。
「何がそんなに面白かったんですか?」
「………クックク………秘密です」
「秘密‼………いつの間にそんなに仲良しになったんですか?二人だけでずるい」
彼女が拗ねたように口を尖らせた。
可愛過ぎるだろ‼
思わずラブラさんを見ると口を左手で押さえ、右手の親指を立ててグッとされた。
ラブラさんと俺の気持ちは一緒かも知れない。
「………仲良しずるい」
「仲良しではないですよ」
「秘密の共有をしてるのに?」
ラブラさんはニコニコしながら言った。
「ナルと私が仲良しだから、ナルとの時間をとるなってブラウド様が…」
「嘘をつくのは止めて下さい」
「テヘペロ!」
ラブラさんはニコッと笑った。
「ブラウド様が呼んでくだされば私は何をおいても直ぐに駆け付けますのに」
「だだのお茶の誘いでも?」
「はい!」
「私とブラウド様どっちが優先?」
「………ブラウド様におよばれしたら、ラブラちゃんを連れてうかがいます。お二人を比べることは私には出来ませんから」
ああ、可愛い。
思わず顔が緩んでしまう。
ラブラさんを見れば俺と同じような顔をしていた。
ラブラさんとは気が合うかも知れないと思ってしまったのは秘密だ。
ラブラちゃんが暴走ぎみ?