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瞳の色

全体的に振り回されます。

私は今逃亡者の気持ちを味わっています‼

アイツ、殺っちゃって良いですか?

すみません。

解っています。

思ってみただけです。


「カーディナル様!」


見つかったようです‼

"隠密"と言う技で姿を消します。


「カーディナル様………いや、仄かに薔薇の香りが………」


怖いです‼

ワンコか?お前!

誰か助けて。

私が怯えている事なんてビルド君は気が付いていません。


「ビルド、うちの天使を追いかけ回すのは止めろ‼」

「バーテミック様………自分は強くなりたい。だから諦める訳にはいきません‼」


お兄様が囮になってくれている間に私は窓から脱出した。

お兄様に手をふってから行ったから時間稼ぎをしてくれるだろう。





「助けてください!」


私が助けを求めたのはブラウド様の所だった。


「どうしたのですか?」


慌てたように私の顔をのぞきこむブラウド様についつい安心してしまいウルウルしそうになった。


「び、ビルド君が~」


私は溢れる涙を押さえられていなかった。

私の瞳から涙が溢れるのをみたブラウド様が真っ青な顔でオロオロしだした。


「………何があったんですか?事と次第によっては自分が責任を持って彼を殲滅しますから教えて下さい。」


ブラウド様の優しい声についつい今までの事や、さっきの匂いうんぬん言われた事を持っていたハンカチで涙をふきながらズビズビ話した。


「そうでしたか。」


私はズビズビの顔でハッとした。

うわ、今メイクがどえらいことになっちゃってんじゃ?

うわ~見られたくないよ~‼

目の前にいる人は尊敬が服を着ているような人だ。

私はハンカチで顔を覆った。


「ナル、大丈夫ですか?」

「見ないで下さい………今顔がグチャグチャなので。」


ブラウド様は私の顔からハンカチをとると言った。


「グチャグチャってほどではないですよ。」

「ふぎゃ!見ないで~‼」

「可愛らしいですよ。」

「ブラウド様が意地悪する!」

「意地悪ですか?」

「意地悪。」


ブラウド様は苦笑いを浮かべて言った。


「意地悪したかったんじゃ、ないんですけどね。ごめんなさい。」

「本当に意地悪とは思ってません。」

「ありがとうございます。」


私はポケットからコンパクトを出すと顔をチェックした。

目の回りがパンダになっている。

泣きたい。

いや、泣いたからこうなったんだ。


「メイク直したい………」

「母からメイク道具を借りて来ますよ。」

「………ありがとうございます。」


ブラウド様はちゃんとメイク道具を持ってきてくれた。

ちゃんと直して復活。

私がもとに戻るとブラウド様がゆっくり私の頭を撫でてくれた。


「ナルはメイクしてなくてもあまり変わりませんね?」

「い、いつから見ていたんですか?」

「………いけませんでしたか?」


私は顔を真っ赤にしてうつむいた。

穴があったら入りたい。

私は悔しくてブラウド様を睨んだ。

その時、私はあることに気が付いた。


「ブラウド様………」


私はブラウド様の顔に手を添えて瞳を見つめた。


「え?」

「ブラウド様の瞳………黒じゃないんですね。」

「へ?」

「藍色。濃紺ですのね。バネッサ様とガルド様の二人の瞳の色が混ざった色。綺麗。」


ブラウド様は完璧に固まってしまっていたが、私は気にせずその瞳を見つめた。


「あ、あああ、あ、あの!そろそろ良いですか?」

「あ、ごめんなさい。失礼をしました。」

「いえ………」

「ブラウド様の瞳は何時までも見つめていたくなるような綺麗な色ですね。」

「貴女の濃い緑の瞳には負けると思いますが?」


私はニコッと笑った。


「お母様の色なのでそう言われると嬉しくなっちゃいますわ。」


私がクスクス笑うとブラウド様はゆっくりと言った。


「次は貴女の瞳の色のような魔石を作りましょうか?」

「私はブラウド様の瞳の色の魔石が欲しいです。見ているととっても穏やかな気持ちになります。」

「そ、そうですか?」

「はい!」


ブラウド様は頬を少しだけ赤くして困ったように笑った。

照れてしまったのだろう。

イケメンの照れ顔にキュンキュンだ!

私は良いものを見た気分で幸せな気持ちになったのだった。


ぐるんぐるん!

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