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騎士団長の息子

騎士団長の息子出すの忘れてました。

「悪い事って何をすれば良いんですかね?」

「はい?」


食堂で何時ものようにラブラちゃんとキャサリンちゃんとお昼ご飯を食べながらちょっとためしに聞いてみた。


「私が変態アホ王子に嫌われるには悪いことをしなければいけないですものね。」

「あの、薔薇姫様?あの………例えば、私をいじめてみるとかですか?」


ラブラちゃんは困惑したように言った。


「ラブラさんみたいな可愛い子を苛めなきゃいけないなら王子を苛めた方がましですわ!」

「薔薇姫様、それは駄目ですよ~。」

「だって!ラブラさんは綺麗で可愛いのです!守ってあげたい‼王子になら階段から落ちるように飛び蹴りを食らわすなんてお手のものです!」

「更に駄目ですよ~。薔薇姫様帰ってきて~。」


私はラブラちゃんの手を掴むと言った。


「私の予想では来年ピンクゴールドの髪の毛の可愛い天使がこの学園にやってくる予定なのです。私はその子を苛めなくてもいつの間にか苛めたことになり、王子との結婚はなくなり幸せに暮らす予定です。」

「ぴ、ピンクゴールドの髪の毛の天使ってどっから………」

「………勘?」


ラブラちゃんの顔がひきつっている。


「そんな本当に来るか解らない天使を待つより、私を苛める方が早くないですか?ほら私、おっちょこちょいだし、王子にうっかり胸揉まれちゃったし……自分で言うのもなんなんですが、ヒロイン気質だと思うんですよ!」


私はニッコリ笑って言った。


「ラブラさんがヒロインのお話が読んでみたいです!」


ラブラちゃんがフリーズしてしまった。


「ラブラさんがヒロインなら私は全面的にバックアップいたしますわ‼まず最初に王子をセクハラで訴えるところから始めましょう!」

「私の考えているストーリーとはジャンルが代わってしまってる気がします‼薔薇姫様帰ってきて~。」


ラブラちゃん可愛い‼

王子をぶん殴りたくなってきた。


「お前、俺を訴えるとか言ってやがったな。」


ちょうど良いところに王子登場です。


「はい!その前に一回歯を食いしばれですわ!」

「殴る気満々かよ‼俺の顔面殴る気満々かよ‼」

「はい!………駄目?」


なるべく可愛く見えるように首を傾げてみる。


「可愛いが、言ってることは酷いぞ。」

「一回だけ!ね!」

「………」


その時だった。

私と王子の間に騎士団長の息子が割って入った。

彼は私を強く睨み付けて言った。


「貴様!この方が誰だか解っての狼藉か?」

「勿論ですわ!」

「女だからと言って武力行使されないとタカをくくっているのかも知れんが、王族に危害を加えるのであれば話は別だ。」

「なら、武力行使されたらいかがですか?私は構いませんよ。」


騎士団長の息子は苦々しげに顔を歪めた。


「カーディナルは少しは俺の事を敬えよ。」

「五月蝿いですわ。変態アホ王子。」

「貴様!」


騎士団長の息子が腰に差していた剣を抜こうとするのを見て私は一気に間合いをつめると、その手を掴み力を込めた。

長い剣は間合いを詰められ、手を拘束されると抜くに抜けないものだ。

私は髪飾りを加工して作った短剣を騎士団長の息子の首筋に構えて呟いた。


「女だからと油断しているから敵の力量も解らないのだよ。今のでお前は一回死んだと思え。」


私がゆっくり離れると騎士団長の息子は真っ青な顔をしていた。


「ビルド、お前が弱いんじゃなくてうちの天使が無敵なだけだよ。」

「お兄様!私は別に無敵じゃないですよ。」

「カーナ、今君に付いている諜報部員が先に動かないようにって、みずから動くのはどうなんだろ?」

「………この前、お兄様についていた諜報部員を私の有意義な時間を作るためだけにフルボッコにしてしまったせいでちょっと怒られて凹んでる彼に動いてもらうのはちょっと…………それに彼、手加減できないんです。諜報部員じゃなくて暗殺部隊から引き抜いた人だから……」


お兄様はニコニコ笑いながら頭を撫でてくれた。


「上で殺気だった気配を感じたが暗殺部隊上がりならまだまだだね。」

「大丈夫です。殺気を消す訓練中ですわ。私が教えてますから直ぐに習得できます。」

「カーナが直々に?彼を気に入っているのかい?」

「いずれお父様の所に行く方ですので、みっちり仕込んでいます。」


お兄様は軽く笑うと言った。


「カーナの特殊部隊が評判良いのはカーナが先生だからなんだね。」

「買い被りすぎですわ。」


不穏な空気を出す宰相の子供達はさぞ恐ろしく見える事でしょうね。

だから、逆らうなって作戦ですよねお兄様!

解っていますよ‼


「おい、バート!カーディナルにはそんな物騒な事をさせないで王家の妻になる勉強をだな………」

「カーナをお前にくれてやる気はない。」

「おい!」

「カーナが良いと言わない限りない。って事で一生ない。」

「おい!」

「仕方ないだろ、お前の評価はアホでド変態なんだから。」

「だから、その変態行為は誤解だ!」

「誤解だろうが何でも良いんだ。僕の幸せはお前がカーナに嫌われる事なんだから。」


ああ、お兄様の性格悪い。


「カーディナル、お前の兄はこう言う人間だぞ‼」

「お兄様格好いい‼」

「何でだ‼」


何だかんだでこうやって弄られてくれるから王子の事を嫌いになりきれないのだと思う。

どうか、私じゃない可愛いヒロインと幸せになって欲しいと心から思ったある日の出来事だった。

あれ、ビルド君ちょい役すぎ………


カーナちゃん部隊最強?

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