お昼ご飯
短めです。
ラブラちゃんと食堂でお昼ご飯を食べています。
勿論キャサリンちゃんも一緒です。
「薔薇姫様!何故庶民クラスの方とご飯を食べているのですか?」
「駄目ですの?お友達とお昼ご飯を食べるのが夢でしたが………私ごときが友達とお昼ご飯だなんていけませんでしたか?」
「ち、違います‼私達がでしゃばったまねをいたしましたわ!」
さっきから貴族の可愛い女性に注意をされます。
やっぱりラブラちゃん達に迷惑かも?
「私、席を代わった方が良いかしら?」
「大丈夫です!一緒にお昼ご飯食べましょう‼」
キャサリンちゃんは優しい。
ラブラちゃんは少し顔がひきつっている。
なんかすまぬ。
「ご一緒しても良いかな?」
「あ、ド変態。」
「止めろ。謝るから止めてくれ。」
王子が登場して二人がフリーズしてしまった。
「最近カーディナルは俺に冷たすぎるぞ!ココルには会いに行ってるらしいな。」
「ココル姫は私の癒しですから!可愛いのですわ!」
「俺と結婚すればココルがお前の妹になるぞ。」
「大丈夫です。間に合ってますわ。」
「間に合うってなんだ?」
王子は構うことなく私の横に腰をおろした。
「ヤードとココル姫が結婚すればココル姫は私の妹、私はド変態とは結婚する必要がなくなる。一石二鳥と言うやつですわ‼」
「は、はぁ?ヤードラルはココルとそんな関係なのか?!」
「いえ………でも、ココル姫はヤードが大好きですし……なるようになりますわ!」
「どうにかする気だな。」
「まさか、可愛い弟に幸せになってほしいだけですわ!」
「嘘をつけ、そんなに俺が嫌いか?」
「………嫌いか嫌いじゃないかと聞かれれば………」
「止めろ!お前は俺を簡単に切り捨てる類いの人間だからな!兄妹揃って酷いやつらだ‼」
私はニコニコしながら言った。
「お兄様を侮辱するなら目潰ししますわよ。」
私を見ていた王子はサッと視線をそらした。
「バートばっかり。」
「愛するお兄様ですから………それより、お兄様はどこですの?」
「………バートばっかり‼」
王子は拗ねたようにラブラさんの方を見た。
「お前も、カーディナルと友達では大変だろ。」
「い、いえ………」
ラブラちゃんが緊張していますよ。
「ラブラさんは大事なお友達ですので、何かしたら殺します。」
「お前ら家族は王族に対して殺す殺す言い過ぎだ‼」
「………ブラウド様には一度も言ったことが御座いません‼」
「叔父上以外には言ってるのか?そっちの方が問題あるだろ!」
「………そうですわね!って訳で私との婚約話は取り止めでお願い致しますね‼」
「何でそうなる‼」
「何でそうならないんですの?訳が解りません‼早く候補からはずしてくださいませ‼家族全員それを望んでいますのよ。」
「お前らそれが狙いか!」
王子と私がにらみ合いをしているとラブラちゃんが小さく言った。
「婚約?」
「聞いてくれるか?カーディナルは昔俺と婚約する予定だった。それをコイツは『貴方のようなアホ王子との婚約はこちらから願い下げですわ。』とか言って断りやがったんだ。」
「アホと婚約関係を結ぶほど私、暇では御座いませんの!」
私がニッコリ笑顔を作るとそこにお兄様が現れた。
「楽しそうな話をしているね。」
「はい!お兄様‼」
「楽しくな~い!」
お兄様はニコニコしながら私の頭を撫でてくれた。
私達はそのまま同じテーブルでお昼ご飯を食べたのだった。
ヒロインはまだカーディナルちゃんに追いかけ回されているようです。