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  酔狂学園伝 作者:留龍隆
 
 高校の勉強ってどんなのだろ
(〜行事は辛いことも乗り越えてゆくためにある〜)
 それはたしかに現実となって襲い来るもの。逃れることは出来ない。いつまでも逃げてはいられない。忘れることは出来ても時間をおいてまたやってくるから。まさしく「天災は忘れた頃に」だ。どっかのゲームに似たような感じがしてきたが友人が豹変したりとかナントカさまとかナタVSバットとか一切関係ない。
 ―――――結局、神様に頼るしかないのか。ナントカさまじゃない、救いの手に。しかし現実は残酷に僕らに襲い掛かる。だから彼らは逃れられずに汗を流し、必死になってそれをどうにかしようと努力する。しかし、そんなことになんの意味があるのか?ノイローゼになってイカれるのがオチじゃないのか?僕らはそんなんでいいのか?
 だから僕は声を大にして言いたい。「ムダだ、無駄だ。そんなことはするだけ意味がないことなのだョ 考えを改めるべきだョ このままじゃ僕らの頭はそれらに侵食されて使い物にならなくなる正常な思考がおぼつかなくなる趣味とかに時間を割かないかネ?」
 こんなことしても無意味かもしれない。誰も僕の言葉に耳を貸してはくれない。しかし僕は続けてみせるこの広大な学校という枠の中で抗えるだけのことをしてみせ



「・・・・・・おはよう俊ちゃん」
「おはようございます立夏ちゃん・・・・・・僕どれくらい寝てました?」
 立夏は左手首の内側に向いたピンク色の可愛らしい腕時計で時間を確認する。
「朝の三時だよ」
「ニュースくらいしかやってない時間帯ですねえ」
 ちゃぶ台の下に足を入れた状態で寝ていた俊一郎は起き上がると眼鏡をかけた。頭の後ろでは色の薄い髪がちょんと結ばれているが、今は寝ていたためかつぶれてひしゃげている。
「なんかうなされてたぞおまえ」
 昌が俊一郎から反対側のちゃぶ台にあぐらをかいた状態で呟いた。視線は俊一郎には向かず、教科書をひっきりなしに眺めていたが。しかし頭に入ってくれないのか、時折がしがしとはねまくった黒髪を掻いている。真っ黒な瞳も眠たげで、徹夜しようとしていることが窺える。
「ああ、まーなんともカオスな夢を見てましたから」
「思考がカオスとやらに侵食されてるんじゃないんで?危ないこと考えてる証拠」
 おさげを解きながら千代がたしなめる。切れ長の目はノートを凝視していて、見る見るうちにページは式や計算で埋まっていく。そのスピードはある種の芸の域に達している。
「ふぁいと、おー。続けるよ、俊ちゃん」
 立夏は頭の後ろで一つ、シニョンを結びなおしながら皆を鼓舞した。シニョンの結びなおしは彼女なりのハチマキのようなものだろう。
「でも、徹夜はキッツいなあ・・・・・・・・・・・・」
「そんなおまえらに夜食をプレゼント」
 昌の部屋の戸を足で開けながら、泉が盆に載せたラーメンを運んできた。
「わあすごーい」
「小腹が空いてたんで」
「しょうゆ、か」
 三人は手を伸ばし、自分の分を確保するとズルズルとすすり始めた。少し遅れて寝ぼけていた俊一郎が手を伸ばそうとした瞬間、泉が一言呟く。
「ひとり七百円な」
 ぶふっ、と吐き出しそうになる三人。伸ばしかけた手を止め、「セ〜フ・・・・・・」と冷や汗を流す俊一郎。泉は二千百円をせしめると俊一郎の残した分を見て「ちっ」と舌打ちしながら部屋を出て行った。
 彼らの仇敵、期末テスト。ようよう一学期も終わりに近づき、夏の楽しげな陽気が迫り来る頃にそれは来る。海。山。青春の香りがはじける季節の訪れを学生達が感じることが出来るのは、その試練を乗り越えた後なのだ。無論、昌達も例外ではない。千種家にて徹夜で勉強会を開いているのだった。
「あ〜もうダメえ〜・・・・・・向井さんに頼みにいこっかな」
「あいつもテストあるだろ。他の学校に編入されてったんならさ」
 それもそっか、と立夏は昌に納得すると、またカリカリと勉強を続けた。しかし眠たいのか、書いていることは意味不明。「聖徳太子がxの十七乗の憲法で森鴎外とともにオーストラリアの桜田門外はヘン」とは一体なんのことなのか。昌は本格的にごーてゅーすりーぷし始めた立夏に自分の部屋にあった布団をかけた。
「もう寝るか?いくらなんでもキツくなってきた」
「まあ賛成したいとこですが・・・・・・なんとも、はかどったのはわたしだけじゃないんで?」
「同感。まあ僕も寝ちゃったし」
 四人は睡眠も大事だ、という結論に達した。


 翌朝。ちゃぶ台の脇で眠ることにした昌は、腹のあたりに妙に重苦しい感覚が存在することに気づいて目を覚ました。世に言う金縛りをとうとう体感することとなったか、と思いおそるおそる目をあけると、そこにあったのは立夏のあたま。
「なにしてんの・・・・・・」
「あ、ゴメンゴメン・・・・・・丁度枕っぽい感じでさ」
「その辺のクッションとか使え!!」
 このやり取りのせいか目を覚まし始める残りの二人。千代は昌の所持品のはずのベッドから起き上がり、俊一郎はクッションで顔を隠したまま起き上がる。
「なんだそのカッコ」
「朝はやばいんで・・・・・・顔洗ったら大丈夫なんだけどねえ」
 のろのろと姿を消す俊一郎。ベッドの上で大きく伸びをする千代。時間は朝の九時。今日は武道大会後の土曜日だった。
「期末試験に向けて勉強するには早かったかな?」
「そうでもないと思うんで。だって、あと実際三週間しかないんですから」
「三週間は長いだろ」
 昌がぼやくと、千代は「そうした態度が一夜漬けとかの悲惨な結果を生むんで」と目で訴えかけてきた。というか憐れんでいた。
「とりあえず、今日はどっか出かけて勉強といきますか」
 
 そうして四人が選んだのは学校の図書館。さすがに人も蔵書も多いところで、四人で勉強できるスペースを見つけるのは至難の業だった。そしてようやく座れるスペースを確保すると、四人はもくもくと勉強を始めた。
「集合・・・・・・要素・・・・・・和の法則・・・・・・積の法則・・・・・・」
 ぶつぶつとうるさい昌。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 ショートしてボンしないために省電力モードに入る俊一郎。
「よし出来た・・・・・・次は古文」
 調子良さそうな千代。
「むぐ、もぐ」
 早弁してる立夏。
「おまえ・・・・・・余裕あるのか?!この状況で!!!」
「昌吉も食べるー?ほら、あーんして」
 先日の悪夢再演。昌は、うっと詰まる。結局立夏になされるままに食事をほおばるはめになり、周り全員に冷やかされたことを思い出す。精神メンタル面へのダメージは深刻だったのだ。
「ば、ばかやめろっ!!」
「失礼な。これでも前回の中間試験の結果は昌吉より上ですよー」
 メンタル面ブロークン。机に突っ伏して戦闘不能を示す昌。真っ赤な頭から煙が出てるように見えるのは気のせいだ。
「図書館ではお静かに・・・・・・で」
 千代が締めくくり、図書館で一日が過ぎた。


 翌日。千種家は来客とかで使えなかった。図書館は日曜休み。勅使河原家は神社的行事のため忙しい。千代の家は寮だそうだ。よって、使用することとなったのは一人暮らしの俊一郎宅。
「例によって、僕の部屋には入らないでください。色々あれなんでねえ」
「げえむとかどーじんしがあるってことでしょうか、ショタ風味をまとった純粋そうな俊一郎君?」
「まあ・・・・・・ねえ・・・・・・あれらとの出会いは中三くらいのことだったか」
「「「聞きたくない」」」
 居間から一歩も出ることなく、勉強に勉強を重ねる昌達。やがて、夕食の時間となった。今日のシェフは千代。料理は得意らしい。同じ女性陣である立夏におまえはどうなのか、と昌が尋ねると、「そんなねー、ゲームの幼馴染キャラじゃないんだから壊滅的じゃあないよ?でも・・・・・・」と言ったきり千代の方を向いて押し黙る。俊一郎もコホンとセキをする。
 立夏が向いた千代の方、千代は鮮やかな手さばきで料理を作り上げていた。包丁、鍋、お玉、まな板、そのどれもがまるで指揮されているかのように動く。
「そーいや調理実習のときすごかったっけ・・・・・・」
 思い出したように俊一郎が呟く。どこで覚えたのか、千代の料理の腕前はすさまじかった。
「さっすが千代ちゃん・・・・・・体の一部が調理器具だもんね・・・・・・」
 珍しく黒い顔でにへっと笑う立夏。千代の料理の才に嫉妬しているのだろうか。
「立夏さん?今なんておっしゃいました?」
「なんもー。・・・・・・どーせさー、昌吉とか俊ちゃんも料理うまい女の子の方がいいんでしょ?」
 すっかりふて腐れている。そこに、何も考えていない昌の一言。
「別に。俺舌が鋭敏なわけじゃないし、すごい料理も普通の料理も大して気にしないな。そこは判断基準にならない」
「昌吉さん、なんも考えずに言ってるんだろーな」
 俊一郎が言った言葉も立夏には聞こえていない。ぱっと顔を明るくして、そっかそっか、とひとりで納得して、上機嫌になった。
「昌さん。ナイスで」
「何が?」
 天然には敵わない、といった感じで俊一郎と千代は首をすくめた。

 高校の登校日に出向き、教科書類をもらってきたのから単語を引っ張り出して各所にちりばめようと思ったのですが、いかんせんうまくいきませんでした。あんまり載せすぎると意味わからなくなると思ったので。なんか勉強っぽくなくてすみません
 余談ですが(というか私の嗜好の話なんですが)梅沢学園は女子はニーソです。しかも黒。これだけで言うとただの変態ですねすいません。でもこれには合理的な理由が・・・・・・ないです思いつきません理事長の趣味ってことにしておいてくださいマジすいません 
 ではまた次回〜


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