表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/405

第69話:マリファ 初迷宮③

皆さん。明日はあの日ですね?そうです2月14日『ふんどしの日』です!!……明日は戦争するには良い日ですね^ー^では逝って来ます。

「う~ん、全部穴だらけだね?」 


 ニーナに問い掛けられてユウは苦い顔になる。

 オーガを倒したのはいいが、ユウの放ったストーンブレットはオーガを穴だらけにし、素材として売れる皮は穴だらけだった。


「いや~坊主すげぇなっ。

 宝箱の罠解除に失敗してよ。警報の罠が作動したんだがここは地下11Fだろ? 来るとしてもハイコボルト系と舐めてたんだが、来たのがオーガの集団ときたもんだ。

 オーガでも2~3匹なら同時に相手できるんだが、あの数だろ? 転移石を使おうにも発動する前に攻撃されるだろうし、死を覚悟したね。

 おっ紹介が遅くなったが俺はクラン『鋼』のブリット・ファだ。因みにランクはDだぜ」


「ユウ・サトウ、ランクはD」


「私はニーナ・レバだよ。Dランクだよ~」


「マリファ・ナグツです。ランクはFです」


 レナだけ返事もせずに、少し離れた場所でミルドの杖とミスリルの杖を磨いている。

 そんな姿にブリットは苦笑するが不快感はないようだ。


「その若さでDランクか……あの強さなら納得だな。

 クランには入ってないのか?」


「興味ないな」


「お前等なら引く手数多だろうに。

 助けて貰っておいて悪いが、そろそろ戻らねぇと仲間達も心配してるだろうしな。

 この礼は必ずするからカマーに戻ったら教えてくれ。ギルドに伝言を頼めば連絡はつくからよ」


 まだまだ話したいことがあったのだろうか、ブリットは名残惜しそうにしながらも転移石を取り出すと発動させ転移した。


「……うるさいおっさんがやっと行った」


 ブリットが居なくなると、レナはユウ達の側まで移動する。

 マリファはユウが強いとは思っていたが、想像以上の強さに尊敬――いや既に崇拝といっていいレベルにまでなっており、ユウを見詰める瞳には熱が篭っていた。

 ユウとニーナが剥ぎ取りが終わると探索を再開する。


 その後もハイコボルトが徒党を組んで現れるが、危なげなく倒していく。

 マリファも迷宮に慣れてきたのか変化が現れ始める。最初はニーナより先に攻撃を、レナの魔法に張り合って同じ敵を狙っていたのが、張り合うのを止めて牽制、援護に務めるようになった。


「ウオオ゛オ゛ッ」


 1匹のハイコボルトソルジャーが、ニーナの横を駆け抜けてレナに襲い掛かる。

 マリファが弓を放ち左肩に命中するが、勢いを落とすことなくそのまま剣を振り下ろす。

 ハイコボルトソルジャーの剣とレナの結界が接触すると同時に、稲光が巻き起こる。


「ギャア゛ァァンン」


 ハイコボルトソルジャーは黒焦げとまではいかなかったが、全身が痺れて動けなくなる。

 その隙にマリファが矢を放ち首に命中させる。


「……ふふっ結界に雷属性の付与。天才にしかできない芸当」


 レナがドヤ顔でユウの方を見るが、ユウは一瞬だけ目を合わせるとすぐにポーションの作成を再開する。


「……ぐぬぬ」


(ぐぬぬなんて言う奴初めてみたな。

 それにしても結界を複数展開しながら雷属性まで付与しても、まだまだ余裕があるな)


 以前のレナであれば、今頃青い顔をしていたが2ndジョブ『魔女』に就いたおかげで、MPにはまだまだ余裕があった。

 通路を進んで行くと大部屋が見えてくる。

 ニーナの『索敵』が部屋の中から発する敵意を既に感知して、レナとマリファへ合図を送る。

 

「数は5、6匹かな~?」


「……先制攻撃」


 レナが黒魔法第2位階『サンダーボルト』を放つ。

 部屋の中からハイコボルト特有の甲高い声が聞こえる。


「……む、死んでない」


 ユウ達が部屋の中に入ると、タワーシールドを持っているハイコボルトソルジャーが立っていた。

 レナの魔法を盾で防いだようだが、感電し身体が痺れているようで唸り声を上げている。

 ニーナが突っ込んでハイコボルトソルジャーに斬り掛かるが、後ろに控えていたハイコボルトファイター2匹が前に出て防ぐ。後方ではハイコボルトウィザード達が黒魔法第1位階『ファイアーボール』を詠唱する。ハイコボルトプリーストは白魔法第1位階『ヒール』でハイコボルトソルジャーを癒やすと、続いて付与魔法の詠唱を開始する。


「急がないと面倒くさいことになるぞ」


「……わかってる」


 レナは魔法を撃ちたいがニーナが戦っている為に撃てない。ハイコボルトウィザード達の詠唱があと少しで完成する間際に、ハイコボルトウィザード達の目に矢が刺さる。


「任せて下さい」


 マリファの弓技LV1『曲射』が次々と放たれる。放たれた矢は戦っているニーナを避けて、後方で詠唱していたハイコボルトウィザードとハイコボルトプリーストに刺さっていく。


「マリファ、いいぞ」


 矢を射ち続けるマリファは返事はしないが、耳がいつもの如くビンビンに動いて真っ赤になっていることから、喜んでいるようだ。

 マリファの横にいるレナは悔しそうな顔をしている。

 後方支援のなくなったハイコボルトファイターは、呆気なくニーナに倒される。


 その後も順調に進み地下19F転移の間まで着くと、ユウは死霊魔法で蘇らせたハイコボルトファイターを先に転移させる。

 しばらくすると、ハイコボルトファイターとの魔力が途切れたのを確認する。


「ボスが居るぞ。付与魔法を更新してから転移する」


 部屋に転移すると、巨大な鈍器で叩き潰されたような元ハイコボルトファイターの死体が転がっていた。

 部屋の奥から現れた魔物はオーガ(亜種)、右手には直径2メートルほどの血塗れのメイスを持っている。


「赤色のオーガか~亜種だね」


「……オーガ(亜種)は魔法抵抗が高い。燃えてきた」


 魔法抵抗の高い魔物が出てきて何故かテンションの上がっているレナだが、油断はしていないようで魔法の準備を始める。


「オオ゛オオ゛オオオッッ」


 オーガ(亜種)がスキル『咆哮』を放つ。レナとマリファは身体が竦み、レナは魔法が中断される。耳の良いマリファにはかなりキツイようで耳を押さえながら蹲っている。

 ニーナは咆哮を躱して暗殺技『暗歩』でオーガ(亜種)に気付かれずに接近し、斬り掛かるが体長の高いオーガ(亜種)の首まで届かない為、右腕を斬りつける。

 オーガの皮は頑丈で防具にもよく使われる位だ。オーガ(亜種)になれば、更に強度が上がり魔法耐性まで備わっている。そのオーガ(亜種)の右腕を、抵抗もなくニーナの振り下ろしたダマスカスダガーは斬り裂く。


「ガア゛ッ!?」


 オーガ(亜種)はよっぽど自分の肉体に自信があったのか、容易く切り裂かれた右腕の傷口を見ていた。

 その隙に竦みから立ち直ったマリファが弓矢を放つが、オーガ(亜種)の盛り上がった胸筋には刺さらずに矢は地面に落ちる。

 オーガ(亜種)はマリファは無視しても大丈夫と判断したのか、ニーナに向かってメイスを力任せに振り回す。

 凶悪な速度で迫ってくるメイスに対して、ニーナは慌てもせずに躱していく。


「これでも耐えられますか?」


 マリファは再度弓を射つ。

 放たれた矢はまたオーガ(亜種)の胸筋に向かって進むが、先程と違う点が2点あった。

 今回、マリファが放った矢は弓技LV1『強弓』、更に風の精霊魔法を纏わせた複合技だった。

 矢はオーガ(亜種)の胸筋を貫き半分ほどめり込む。



「ゴガガアアッ!」


「……煩い」 


 レナが黒魔法第3位階『雷轟』を放つ。

 オーガ(亜種)の皮が魔法耐性を持つといっても中身はそうはいかない。

 部屋の中が雷光で眩しくなるが雷轟を喰らったオーガ(亜種)はそれどころではなかった。全身から黒い煙を出しながら片膝をつく。


「えへへ。やっと首まで届くね?」


 ニーナの左手に握られたミスリルダガーが、音もなくオーガ(亜種)の首を刎ねる。

名前 :マリファ・ナグツ

種族 :ダークエルフ

ジョブ:調教士

LV :12

HP :110

MP :85

力  :26

敏捷 :42

体力 :23

知力 :32

魔力 :52

運  :3


パッシブスキル

弓術LV2 

魔眼LV1


アクティブスキル

弓技LV2 ↑UP

精霊魔法LV1


固有スキル

なし


武器:エルヴンボウ(6級):なし

防具:レザージャケット(6級):防御力上昇

  :レザーブーツ(6級):敏捷上昇

  :レザーガントレット(6級):HP上昇

装飾:レザーチョーカー(6級):筋力上昇

  :レザーバングル(6級):魔法耐性上昇

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i901892
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ