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第47話:ルーキー狩り④

 レナが吹っ飛ばしたアイアンゴーレムの破片を拾って、アイテムポーチへ入れていく。素材として、鍛冶屋のおっちゃんのところへ持っていけば喜ぶかもしれない。

 魔玉の方は幸い無事見付かった。アイアンゴーレムは名前付きでランク4の完全な魔玉が、ストーンゴーレムからはランク3の魔玉の欠片が手に入った。レナのエクスプロージョンで木っ端微塵になっていたら、レナの頭をもう1発叩くところだった。

 それにしてもゴーレム系はスキルを持っていないのか? 名前付きですら、スキルを持っていなかった。

 ランクの高い迷宮に行けば、上位のミスリルゴーレムやアダマンタイトゴーレムなどが居るらしいが……


「地下21Fからはオーク系がメインで出現する。転移する前に付与魔法の更新と、ニーナのダガー2本とも貸してくれ」


「私のダガー?  いいよ~」


 ここまでで付与魔法のレベルが4に上がったので、ニーナのダガーに錬金術でスキルを付与する。

 

 ソードブレイカー(5級):切れ味上昇・攻撃時にMP吸収

 黒曜鉄のダガー(5級):攻撃時にHP吸収


「わ~い、私のレベルでこんなすごいスキルが付いた武器持っている冒険者いないよ~」


「……前衛職には喉から手が出るほど欲しがるスキル」


 レナが物欲しそうにこちらを見ているが、後衛職が喜びそうな付与魔法といえば、詠唱速度上昇・魔力上昇・消費MP減少等か、次に武器を買い換える機会があれば付けてやるか。


「俺が先に転移するからここで待ってろ。5分ほどで戻る」


「……何故?」


「魔物が居るかもしれないし、昨日の奴等の件もある」


 レナはあまり納得していない表情だったが、念には念を入れておいて損はない。 

 水晶に触れて地下21Fに転移する。天網恢恢で周辺を探ると周辺に魔物は居るものの、待ち伏せや怪しい奴等は見当たらなかった。


「よし、問題ないな」


「索敵にも反応なしだよ~」


「ニーナ……なんで居るんだ?」


 そういえばレナは渋々返事をしていたが、ニーナは一切返事をしていなかった。


「ん? えへへ~」


 反省していないみたいなので、こめかみをグリグリしておいた。

 すぐにレナも転移して来た。理由を聞くと、ニーナが俺が転移したあとにすぐ転移したので自分も転移したそうだ。


「お前等、今回は何もなかったからいいものの、何かあったらどうすんだ」


 ニーナは頭を抑えて蹲っている。グリグリが強過ぎたみたいだ。レナは小声で私なら対処できると言っているが、俺にはしっかり聞こえている。

 もっと説教をしたいところだったが、天網恢恢に魔物が引っ掛かったので途中で切り上げる。


「魔物が来るぞ。数は4体」


 通路の先からオークソルジャー3体とオークジェネラルが現れる。今までの魔物のように闇雲に襲ってくるのではなく、オークジェネラルが指揮を取っている。


「今までと違って魔物も連携をとってくるぞ!」


 狭い通路で全身筋肉の塊のオーク達が相手ではニーナには不利かと思ったが、狭い通路を逆に利用して魔力で造った糸を張り巡らせている。


「ブオォォォッ!?」


 突っ込んで来たオークソルジャー達が糸に絡まる。横転する者、足や腕に糸が食い込んで暴れまわっている者も居たが、1匹のオークソルジャーが糸を潜り抜けてニーナに襲い掛かるが、オークソルジャーの戦斧がニーナに当たったかと思うとすり抜けていった。

 当たるギリギリで躱した為にそのように見えたようだ。攻撃を躱されたオークソルジャーはすぐに攻撃に移ろうとするが、ニーナが躱す瞬間に斬りつけており、首と腕が切り裂かれていた。

 レナは糸に絡まっているオークソルジャー達にアースランスを叩き込んでおり、身動きの出来ないオークソルジャー達は、そのまま串刺しになり絶命した。

 このままだとスキルを奪う前に全滅されるので、オークジェネラルにウインドカッターを放つ。オークジェネラルはウインドカッターを鋼鉄のハンマーで弾き返すと、スキル『咆哮』を放ってくる。こちらも対抗して『咆哮』を放つと、相殺ではなくオークジェネラルの動きが止まる。

 オークジェネラルの『咆哮』レベルが2で俺の『咆哮』レベルが3だった為だろう。

 身動きの出来ないオークジェネラルから、『槌術LV4』『身体能力上昇LV2』『統率LV2』『腕力強化LV1』『槌技LV3』『闘技LV3』『咆哮LV2』を奪ったあとに首を刎ねる。オークソルジャー、オークジェネラルからは高く買い取ってもらえる部位がないため放置し、魔玉の欠片だけ回収する。


 その後もオーク系ばかりを狩っているとお目当ての魔物が現れる。


名前 :***

種族 :ベナントス

ランク:4

LV :16

HP :702

MP :143

力  :234

敏捷 :23

体力 :323

知力 :16

魔力 :73

運  :20


パッシブスキル

嗅覚LV2


アクティブスキル

時空魔法LV1


固有スキル

なし



 思わず叫びそうになるのを堪える。このベナントスの胃袋と錬金術LV3でアイテムポーチが創れる。

 このベナントスという魔物は眼が退化しており、見た目はアリクイみたいだ。嗅覚で死肉を漁る為、迷宮の掃除屋と呼ばれている。 

 今も俺達が倒したオークソルジャーを食っているが、明らかに自分達の体積以上の量を食べている。

 こちらから攻撃しない限り敵対行動は取らないので、退化してほとんど隠れている眼を見つけ、早速時空魔法を奪う。奪った瞬間にベナントスが時空魔法をどのように使っていたかも理解した。時空魔法で食った死体を違う空間に保管しているようだ。しかもその空間では腐らないようで、長期間死体が無くてもこいつ等が飢え死にしないのもそのおかげだった。

 『時空魔法』『錬金術』『ベナントスの胃袋』で便利なアイテムポーチが創れそうだ。

 スキルを奪ったあともオークソルジャーの死体を食べているベナントスの首を切り落とす。胃袋を剥ぎ取り次のベナントスを探す。


「そんなに胃袋ばっかり集めてどうするの?」


 ニーナが呆れた顔をしながら言うのも解る。

 あれからベナントスを見付けては狩って、胃袋を剥ぎ取るの繰り返しだ。1匹だけ名前付きのベナントスが居たので倒して胃袋を剥ぎ取ると、予想通り『上質の胃袋』が手に入った。

 これだけ胃袋があれば好きなだけアイテムポーチを創れる。


 その後も順調に進み地下25Fまで降りると、違和感に気付く。

 今までのフロアと違い索敵に反応が無い上に、天網恢恢もうまく広げられない。


「おかしいな~」


 ニーナも違和感に気付いているようだ。


「レナは何か感じるか?」


「……壁・地面・天井から弱い魔力が放出されている。」


 確かに薄ら魔力が漂っている。それと現れる魔物がベナントスだけなのもおかしい。

 そういえば以前仕入れた迷宮の情報で、ゴルゴの迷宮で安全な階があると記載されてたな、それがここか?

 周囲を警戒しながら進み、大きな部屋に着く。

 嫌な予感がする……


「急いで次の階へ行くぞ」


「ほ~い」


「……わかった」


 部屋の出口に差し掛た時に竜人が立っていた。昨日の奴だ。


「やあ、また会ったね。そんなに急いでどこに行くのかな?」


 広い部屋、索敵の効かないフロア、タイミングが良すぎる。

 こいつが待ち伏せをしていたのは間違いないが、地下20Fのボスは居た。天網恢恢で常に確認していたので後から追い抜かれてはいない。


「儂等と少し話でもせんか」


 入口にはドワーフとエルフが立っている。3人共昨日とは違い、レベルに相応しい装備だった。

 3人のステータスと装備を確認すると、背中から冷たい汗が吹き出ているのがわかった。


  

名前 :ゼペ・マグノート

種族 :竜人

ジョブ:竜戦士・竜騎士

LV :36

HP :2388

MP :466

力  :566

敏捷 :326

体力 :677

知力 :133

魔力 :132

運  :55


パッシブスキル

身体能力強化LV5

HP回復速度上昇LV4

槍術LV6

皮膚硬化LV3

竜眼LV2

再生LV3

腕力強化LV4

状態異常耐性LV2


アクティブスキル

闘技LV3

槍技LV5

咆哮LV3

ブレスLV3


固有スキル

再生


装備

武器:飛竜の槍(4級):竜・龍系に対してダメージ上昇・攻撃力上強化

防具:ダマスカスヘルム(4級):麻痺耐性強化・毒耐性強化

  :ダマスカスアーマー(4級):混乱耐性強化・睡眠耐性強化

  :ダマスカスガントレット(4級):即死耐性強化・誘惑耐性強化

  :ダマスカスブーツ(4級):魔法耐性強化・状態異常耐性強化

装飾:ゴルドバのネックレス(4級):消費MP減少

  :鬼の腕輪(3級):腕力激化

  :妖精のピアス(4級):幻惑耐性強化

  :ミラージュの指輪(3級):解析に対して偽って表示する。



名前 :ボル・グリル

種族 :ドワーフ

ジョブ:重戦士・シーフ

LV :33

HP :1892

MP :382

力  :433

敏捷 :217

体力 :584

知力 :73

魔力 :114

運  :48


パッシブスキル

豪腕LV1

盾術LV3

斧術LV5

身体能力上昇LV4

罠発見LV3

投擲LV4

索敵LV4


アクティブスキル

闘技LV3

盾技LV3

斧技LV4

鑑定LV4

開錠LV3

罠解除LV3


固有スキル

剛力


装備

武器:大地の戦斧(4級):地属性・重量操作

防具:ミスリルのフルプレートアーマー(4級):魔法耐性強化・物理攻撃耐性強化

  :魔法の盾(4級):魔法耐性強化・状態異常耐性強化

  :装飾:竜の腕輪(4級):全能力上昇

  :岩石竜の指輪(4級):防御力強化



名前 :セーヤ・ロート

種族 :エルフ

ジョブ:魔術師・精霊使い

LV :35

HP :988

MP :1825

力  :102

敏捷 :163

体力 :133

知力 :367

魔力 :583

運  :31


パッシブスキル

詠唱速度上昇LV5

魔眼LV3

MP回復速度上昇LV4

消費MP減少LV3


アクティブスキル

精霊魔法LV6

黒魔法LV5

解析LV3

結界LV4

魔力覚醒LV4


固有スキル

魔力強化


装備

武器:ミルドの杖(4級):消費MP減少・魔力強化

防具:グレーターデーモンのローブ(4級):魔法耐性強化・状態異常耐性強化・物理攻撃耐性強化・精神攻撃耐性強化

  :竜皮のマント(3級):竜・龍攻撃耐性強化・火水耐性強化・魔法耐性強化

  :エルメスの靴(4級):敏捷強化

装飾:デビルリング(4級):闇耐性強化・沈黙耐性強化

  :精霊の指輪(4級):全属性耐性上昇・精霊魔法強化

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