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真・恋姫†無双-白龍翔天-  作者:
第一章
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第9話 反董卓連合・急章

虎牢関を制した一刀たち。

一刀は華雄との約束を果たすため桃香とともに董卓と賈駆を探しに行く。

果たして結末は。

 「へぅ……」


 董卓を発見したと馬超から内密の知らせを受け、向かった先にいたのは…

 触れてしまうと壊れてしまいそうなくらい華奢で小柄な、そして儚げな美少女だった。


 「桃香」

 「うん、そうだって」


 ……そうか。

 白蓮から董卓の人柄を聞いてはいた。それに女性だろうということも予想していたが……

 さすがにこれは……ねぇ?


 (ってことは隣のメガネっ娘が賈駆?)


 桃香に耳打ちする。


 (うん、まだ信用されてないみたいだけど……董卓さんが自分から名乗り出ちゃったし、彼女も仕方なく教えてくれたよ)


 この娘たちが洛陽で暴虐の限りを尽くしたと噂の董卓に賈駆だとは誰も思わないだろう。


 「ねぇ劉備、さっきから話してるけど誰なのよコイツ」


 ……あっ、名乗るの忘れてた。


 「一刀さんは『天の御遣い』だよ」

 「コイツが? 確かに光る服なんて見たこと無いけど……」

 「俺のことはいいとして、無事で良かったよ。華雄との約束だからね」

 「華雄って……華雄将軍は生きてるの!?」


 「うん、彼女の力は惜しいからね……説得した」

 「……良く出来たわね。とにかく、生きてるなら良かったわ」

 「あの、御遣いさま」


 何かを決意したような表情で董卓ちゃんに問い掛けられる。


 「えっと……なにかな」

 「私の真名は月と言います」

 「ちょ、ちょっと月!?」

 「詠ちゃんも」

 「……はぁ。真名は詠よ。これでいいんでしょ、月?」


 うん、と言って顔を綻ばせる董卓ちゃんが可愛らしい。


 「……えっと、なんで?」

 「劉備さんからお話を伺いました。私たちを保護したいと、その提案の出所は御遣い様だと」


 桃香も別に言わなくていいのに……面と向かって言われると気恥ずかしいな。


 「いや、当然のことをしたまでだよ」

 「……その『当然のこと』を当然のように出来ることが重要なのよ」


 ぼそり、と賈駆が呟いたことは聞かなかったことにしておこう。


 「ですから、私たちの真名を受け取っていただけませんか」

 「そっか……俺は北郷一刀。よろしくね月さん、詠さん」

 「へぅ……その、呼び捨てで構いません」

 「ま、これから劉備の下で真名で過ごさなきゃならなさそうだしどうせ教えることになってたわよ。もう董卓、賈駆という名前では生きられないだろうから。アンタ劉備と仲がいいみたいだし……ってなに月を誑かしてんのよっ!」

 「うおっ!?」


 あ、あの男の急所はやめてください……あと数センチで直撃してたから。


 「……詠ちゃん」

 「だ、だって月ぇ!」

 「は、はは……とりあえず月と詠は桃香のところに行くってことでいいの?」

 「そうよ。あんたにもだけど……劉備たちにも恩義があるからね」


 董卓・賈駆を助け、華雄・呂布を捕らえた。唯一張遼だけはわからないが……曹操の軍が何やら動いてたらしいから白蓮の足止めをくらったあと逃げ延びたか捕まったんだろう。捕まったなら人材好きの曹操が殺すわけもない。


 「御遣いさま。私たちは劉備さんたちのもとへ行きますが、それとは別に貴方のもとへ行かせたい人がいます……よろしいでしょうか」

 「いいよ。あと出来れば名前で呼んでほしいかな」

 「へぅぅ……」

 「うー……月に怒られるから今回は蹴らないでおくわ。それとその娘は今、身を隠してる。ほとぼりが冷めたころに行かせるけど……それでいいわね? きっと戦力になるから」

 「わかった。っとあんまり長話もな……じゃあ俺はここで失礼するよ」

 「うん、またね一刀さん♪」

 「馬岱さんもありがとう!」

 「どーいたしまして♪」


 早く白蓮のもとに行かねば。

 その思いとともに少し早足で戻るのだった。




 「北郷一刀、か……劉備さんもだけど、ああいう人はこの乱世に珍しいよね」

 「そうだな。護衛として少し行動を共にしただけだけど、人となりが伝わってきたぜ」

 「お姉さまは劉備さんに一目ぼれかな? 蒲公英はー……にししっ」




 「一刀っ!」

 「おわっ……」


 天幕に戻った瞬間、白蓮が抱きついてくる。


 「無事で良かったよ。ケガは無い? それとなんでそんなに……」

 「聞いてくれ一刀! あのなあのな、張遼と一騎打ちして傷を負わせたんだ!」


 ……一騎打ち?


 「………………え」


 ……ええ!?


 「一刀に、その……な? 出陣前に抱き締めてもらったあとからなんだか負ける気がしなくて、それに戦ってる時も身体が軽かったんだ!」


 驚いた。力量を考えると張遼は星といい勝負くらいだとつけていた。さらにさすがの星でさえ騎馬戦となれば不利は否めないだろう、と。その相手に無傷で、なおかつ一撃いれてくるなんて……


 「一刀、これが愛の力って言うやつだな!」


 興奮状態の白蓮は結構恥ずかしいことを言ったのに気にもとめてない。


 「ははは……ところで華雄は?」

 「ん? あいつなら雛里に地理を教わりにいったぞ」


 へぇ……放浪する際の行き先の目安をつけるためだろうか。


 「ありがと。ちょっと行ってくるよ」

 「うん、じゃあまたあとでな! 愛……くふふ」


 ニヤニヤしてる白蓮をおいて華のもとへ。




 「ん、一刀か。上手くいったのか?」

 「うん。月と詠、これでわかるよね」

 「そうか……これでお前が私にした約束は果たされた。これからは私が約束を果たす番だな」

 「雛里に地理を教わっっているのはそのため?」

 「ああ。南方にも足を伸ばしてみたいと思ってな」

 「会わなくていいの?」

 「大丈夫だ、問題ない。いずれ何処かで会うこともあるだろうさ」

 「そっか。あ、そうそう……はい、これ。華蝶仮面のやつ」


 渡したのは星愛用―――白蓮や雛里は華蝶仮面が星だということに気付いてないらしい―――のマスク。


 「確かに受け取った。では私もそろそろ行くか」

 「もう行くのか……いや、ならこれも渡しておくよ。最初のほうは大変だろうから使ってね」


 あまり大荷物になっては動きづらいだろうから、しばらくは問題なく日々を過ごせるだけのお金と塩・味噌を渡す。


 「む……ありがとう。世話になったな」

 「次に会う時は平和な世の中であったらいいな」

 「そうだな。そのためのお前と私だ。頑張ろう」

 「ああ。じゃあな、華雄」

 「またな、一刀」


 身を翻し去って行く。


 「さて……」


 新たな目標を見つけることもできたし、今はみんなで幽州に帰ろうか。




 反董卓連合解散から早1か月。戦後処理は大変だ。戦死者、重症者共にわずかではあったがいたということに変わりはない。

 彼らが呂布や張遼たちの猛攻を、身体を張って食いとめてくれた。

 死者の家族には生活の保障と彼らが勇敢であったことを伝える弔問を。兵役をこなすことができない兵に職を斡旋したり、溜まっていた書類―――それでも風や国譲さんたちのおかげで通常の量に2割増しくらいで済んだ―――を片付けたり。

 盗賊や五胡はどうだかわからないが、連合参加組との戦はしばらくはないだろう。

 内政もまだまだ発展途上。衛生環境の改善などのインフラは、まだ手をつけていないことが多い。


 だけど充実している。街の人々の笑顔が見られるのだから。さ、もうひと頑張りするか。


 コンコン、とノックの音が響く。ノックに関しては入室の際の心得として広めている最中だ。


 「どうぞ」

 「失礼します」


 現れたのは国譲さんだった。


 「御遣い様にお会いしたいという方がいらっしゃっています。なんでもこの紹介状をお見せすればわかる、と」


 そう言って一通の手紙を受けとる。


 「ん……月と詠からか」


 ならば話は一つだろう。


 「わかった、今行くから国譲さん、白蓮呼んできてもらえる?」

 「かしこまりました。……それと手紙をお渡しになった方は大層可愛らしい女性でしたよ。では失礼します」

 「……」


 えっと、あの?

 まぁいい、とりあえず客が先だ。




 「君が月と詠の関係者でいいんだよね?」

 「そーよ」


 可愛らしい、けど気の強そうな女の子。

 なんとなく曹操を彷彿とさせる印象だ。


 「これからお世話になるわ。よろしくね」


 差し出された手を握り、握手を交わ―――


 「っ!」


 瞬間、投げられそうになるが踏ん張る。


 「……へぇ? 武はからっきし、ってわけでもないのね」

 「武に関しては一応鍛えてるし、鍛えられてもいるからね。俺は北郷一刀。『天の御遣い』のほうが有名かな」


 鍛えてると言っても恐らくあっちは軽々、こっちは本気。やはり差が有りすぎる。


 「いきなりこんなことされて怒らないんだ」

 「試そうとするのも無理はないと思うからね。それに綺麗な女の子には弱いんだよ」

 「……変なやつ」

 「よく言われるよ。ところで名前を教えてもらってもいいかな」

 「いいわ。少しだけだけどあんたのことを認めてあげる。私は―――」


 やっぱり曹操みたい、と思ったのも一瞬だけ。

 なぜなら続く言葉に驚いたから。




 「―――董白。字は叔穎よ。月姉さまの妹。改めて、よろしくね」




 史実における董卓の孫娘。彼女はこの世界で、妹として登場したのだった。

 ……あれ? 実弟に董旻っていなかったっけ……。

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