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九発目 紅い子供部屋の鏡(下)
「主はわがままじやな、妾の力を貸す事などほとんどないのじやぞ?」

「だからといって巨神兵並の力は要らないから」

「力は正しく振るえば万人を守る盾と成り、誤って振るえば世界を滅ぼす矛に成る。

それだけじや」

「その世界を滅ぼす矛と言うのが危ないと、言ってるだろ天」

さっきからこの堂々巡りを繰り返している。
一種の無限ループだ。

「大体、俺は口や目からビームを出すような人間にはなりたくない」

わりと真剣に言ったその言葉を聞いて、天は少し止まったあと爆笑した。




「はははははははは、ははははははははははははははははははははははははははははははははははははは。
主よ、だから巨神兵だったのじやな。

ははははははははははははははははははははははははははははははははははは。主は意外と素直なのじやな。

ぷっ、はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」

何だか凄く馬鹿にされてるような感じがする。

天は、笑い過ぎて呼吸ができなくて苦しんでいる。笑いすぎだこのやろう。


「主よ、いくら妾の力でも流石にビームは出せないのじやよ?」


天が顔を物凄いニヤニヤさせながら言ってきた。

少しイラっ、と来たので天の鼻を摘まんでみる。伸びろ。

「それじゃあ一体『鬼の力』は何ができるんだ?」

「ほれより、はやきゅはにゃちてほちいのしゃが(それより、はやく離して欲しいのじやが)」

「説明するか?」

鼻を更に引っ張ってみる。何だか楽しくなってきた。

「わきゃった、わきゃったのしゃのしよ。
しゃからはなしゅのしゃ(分かった、分かったのじや主よ。
じやから離すのじや)」


鼻を引っ張って遊んでいたかったが、話が進まないので離す事にした。残念。

「ほら、離したぞ」

「主よ、酷いのじや!。
妾の鼻を引っ張るなど何故そのような酷い事が出来るのじや!?この身体は主の身体に似ていると言うのに」

「感覚が繋がっていないなら、それは別の身体だ。
それより早く説明してくれ」

「しょうがない主じやの」

天が少し呆れ顔で呟いた。

「主は神力と魔力を知ってるのじやな?」

「あぁ一応香から聞いたからな」

「なら話は早いのじや。

『鬼の力』はその二つの力とは別の力なのじや。

主よ、寿司職人が作った寿司と、素人が作った寿司。どちらが美味しいと思うのじや?」

「それは寿司職人の方だろ。
形なども綺麗だろうからな」

「そうじや。
しかし、素人でも職人でも寿司を作ったという結果は変わらないのじや。

つまり、神力と魔力はそんな感じなのじや。

しかも、魚を生から寿司等どにしようとすると素人には出来ないものもあるじやろ?
神力と魔力はそんな関係じや。

ただし『鬼の力』はそれらとは全くの別ものなのじや。

魔力と神力は物を作り出す力じや。
火や水や風や土や雷の他に光や闇、挙げ句のはてには重力や無機物までも作り出す事が出来るのじや。
しかし、『鬼の力』はただ純粋な破壊をもたらすのじや。
優しい心があれば破壊の衝動に勝てるかもしれぬ、なのじや。
主にはその覚悟を決めてもらわないといけないのじや。
世界を混沌に落とす者か、世界を救う英雄になる者かを決めるのじや」

天が真剣な表情をして語る。こちらも真剣に返すのが礼儀だろう。

「俺には世界を混沌に落とす気も世界を救う気もない」

「そうかならじや」

天が何かを言う前に更なる言葉で遮る

「ただし、ただしだ、俺の周りの人を守るために必要な力なら、たとえ世界を滅ぼす力さえも手にするさ」

少しキザっぽく言ってみた。やべ恥ずかしい。

「ふふ、はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは。
本当に主は正直と言うか真面目と言うか迷うのじや。

分かったのじや。
主に妾の力を授けるのじや。精進するのじやぞ?」

天が嬉しそうに笑う。やっぱり笑ってた方が良いな。

「さて、そろそろ起きる時間じや。
また会う時までさよならじや」

天のその声を引金にしたかのように目の前に扉が表れる。

「またな、天」

そう言い扉をあけた。
テストなので更新が大幅に遅れます。
すいません


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