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本好きの下剋上 設定等まとめ 作者:香月 美夜
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魔術と魔術具

多雨様がまとめてくださいました。
文字数の多さにビックリです。

****


「魔術と魔術具」

 「魔術と魔術具」という題目にしていますが、後者がメインです。また、魔石については基本的に扱いません。
 各項目内における順番は基本的に登場順ですが、同じ系統の物はひとまとめにしているので上にずれている物があります。
 一覧表ではなく、分類のために作ったまとめなので、わざと重複して取り上げた物があちこちにあります。一方でうっかり見落とした物もあると思いますので、あらかじめお詫び申し上げます。

─────────

 目次

 1 平民にも対応しているもの
 2 神殿の設備・備品
 3 神官長(と時々ローゼマイン)の作品
 4 冬の貴族院で使われている技術
 5 基本の魔術具
 6 騎士・文官・側仕え
 7 領主一族
 8 分類保留中
 ∞ その他、任意で使用するもの

─────────


「魔術と魔術具1 平民にも対応しているもの」


 魔力を持たない平民でも使えるように開発された魔術や魔術具について、まとめてみました。


《個人を識別する魔術》

◆商業ギルドの登録と利用……個人、工房、商会、協会として登録が可能。洗礼前は仮登録となる。基本的に平民が対象だが、ローゼマインも工房長として登録していて、工房長用のカードを持っている。

 ギルドカード/血判を押して登録する。カードを持っている者同士では、現金なしでお金のやり取りができる。
 ギルド会館のゲート/三階に行く階段の手前に魔術具の柵があり、ギルドカードを所持している者しか通れないようになっている。

◆洗礼時の登録……全領民が対象。神事なので、基本的には神官の手を介して行わなければならない。

 登録証/メダルのような形をしている。平民は血判を押すことで、貴族は魔力を流し込むことで領民登録される。
 魔力を吸い上げて登録するための魔術具/細い棒のような形をしていて、貴族の子供から微量の魔力を吸い上げ、登録証に流し込む時に使用する。


《契約魔術》

◆契約魔術……専用の魔術筆記具を用いて契約したい内容を書き、契約者全員が署名(平民は血判も必要)することで成立する。契約に違反すると大変なことが起こるらしい。有効範囲はさまざまだが、平民が所持を許されるのは街中限定の物だけである。ちなみに、有効範囲が広いほど魔術具の価格が跳ね上がる。

 契約用紙/貴族と平民で共通。
 青い特殊インク/平民用。平民は血液に含まれるごく微量の魔力を利用して個人識別をするため、署名だけなく血判も必要となる。
 魔術具のペン(契約魔術用)/貴族用で、インクではなく自分の魔力を用いて書く。

◆用途が限定された契約魔術

 黒い石のネックレス/ジルヴェスターがくれた黒いお守り。マインが石の部分に血判を押したことにより、ジルヴェスターとの養子縁組の契約が成立した。


《街全体にかかわるもの》

◆門の備品……平民の兵士でも使えるようになっている魔術具。

 救援信号を出す魔術具/ロートの代用品で、救援信号の赤い光を打ち上げる。領主の許可なく他領の貴族が街に入ろうとした時、平民の門番では対応しきれなかったため、ギュンターが騎士団に応援を要請するために使用した。

◆ネバネバ下水道……誰でも使えて、汚物でも排水でも何でも処理してくれるエコな下水道。エントヴィッケルンという魔術で設置する。エーレンフェストでは他領より数十年遅れで、ようやく下町にも導入されることとなった。

 貴族街の下水道/トイレ、風呂等の水回りに完全設置済み。貴族院の寮、領主の城、それから貴族街という順番で導入した。
 神殿の下水道/ゴミを捨てる場所がいくつか設置されていて、そこに運んでいって捨てる。
 下町の下水道/神殿方式に準じて導入。道路に沿って下水を敷設し、捨てる場所を適宜設ける。


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「魔術と魔術具2 神殿の設備・備品」


 神殿関係の魔術や魔術具について、まとめてみました。
 全て神殿に属する設備・備品であり、私的に利用できる場合もありますが、役職を離れれば返還することになります。なお、下水道は「1 平民にも対応しているもの」にあるので省略しました。


《神殿》

◆神殿の鐘……時を告げる鐘の魔術具。

 神殿の鐘/毎日、1の鐘から8の鐘まで鳴る。神殿関係者だけではなく下町の人々もこれに合わせて生活を送っている。

◆神具……神具と呼ぶが実際は魔術具。青色神官は日常的に神具へ魔力を奉納しているが、奉納される魔力を蓄積する以外に、どんな用途に使うのか不明な神具が多い。

 闇の神の黒いマント/用途不明だが、おそらく防具として使用可能と思われる。
 光の女神の金の冠/用途不明。
 ゲドゥルリーヒの杯/通称、聖杯。直轄地の祈念式で祝福に用いる。聖杯の数は一つなので、直轄地を複数の担当者で分担する場合は、リレーのように引き継ぐことになる。
 小聖杯/各地を治めるギーベと同じ数があり、ギーベに渡して使ってもらう。春の祈念式(ギーベに渡す)→秋の収穫祭(回収)→冬の奉納式(神殿で魔力充填)→春の祈念式、というサイクルで用いる。
 フリュートレーネの杖/癒しの儀式で用いる。
 ライデンシャフトの槍/用途不明だが、魔術具の武器として実用性がある。ローゼマインの冬の主討伐で使用された。
 シュツェーリアの楯/用途不明だが、おそらく防具として使用可能と思われる。シュタープを用いて作ったり、ローゼマインが祈りで作り上げる盾と名称は同じだが、物理的な魔術具なので、使用者の意思で形を変えることはない。
 エーヴィリーベの剣/用途不明だが、おそらく武器として使用可能と思われる。

◆儀式の補助で用いる魔術具

 静寂の魔術具/神殿の礼拝室で行われる下町用の儀式で、青色神官達が使用する魔術具。鈴のように鳴らすと、その場にいる平民はごく小さな声でしか話せなくなる。儀式後、正面扉を開けると効果が解除される。
 赤い布/奉納式で祭壇や床に敷いて使用する。魔力を通す糸が織り込んであり、手をついて祈りを捧げることにより、布を伝って聖杯に魔力が供給される。

◆隠し部屋……扉に魔力登録をして作り上げることができる、隔離された室内空間。本来、登録者と登録者が許可した者だけが入れる仕組みだが、神官長とローゼマインの工房は設定を変えて使用している。

 神官長室の隠し部屋/神官長の工房。一定以上の魔力がないと入れない設定にしてあるため、神官長とローゼマインしか入室できない。別名、説教部屋。
 神殿長室の隠し部屋/ローゼマインの工房。ローゼマインが眠っている間も神官長が出入りできるように、ローゼマインと神官長の二人で登録した。また、第三者は、登録者の許可を得るだけでなく、登録者の魔力で染めた魔石を身に付けていないと入室できないが、元々神殿長室の隠し部屋だけそういう設定だったのか、神官長がセキュリティを上げるために登録時に設定を書き変えたのかは不明。
 孤児院長室の隠し部屋/ローゼマインが登録。下町関係者と秘密の会談をしたい時に使う。

◆隠し部屋以外の結界

 神殿図書室/神殿関係者でなければ入れない。洗礼式の日、マインはようやく図書室を見つけたのに結界に阻まれて入れず、号泣した。
 貴族門/貴族街と繋がる門で、青色神官や貴族関係者が使用する。魔法陣で開け閉めする構造なので、平民だけでは通れない。

◆神殿長専用……代々の神殿長が管理する物。

 神殿長の聖典・エーレンフェスト/普段は神殿長室の祭壇に飾られている。神殿長の鍵と連動する仕組みで、神殿長と神殿長が許可した者しか中の記述を読むことができない。ただし全てが読めるわけではなく、まずは管理者である神殿長の魔力量や属性、その他の条件によって閲覧可能な範囲が定められ、さらに、その記述がどこまで読めるかどうかも、閲覧者の魔力量や属性等に左右される。現在はローゼマインが管理しているので、全文どころか見る者によってはとんでもない内容まで見えてしまう状態。それを知るのはローゼマインと神官長だけだが、二人とも「見なかった」ことにしている。
 神殿長の鍵・エーレンフェスト/聖典を開ける鍵で、神殿長にしか使えない。聖典の管理以外にも、別の権限が付随している可能性がある。


《小神殿》

◆神殿の守り……小神殿にいる者に悪意を抱く者が入れないよう、シュツェーリアの盾(魔術)で守られている。

 守りの魔術具/礼拝室の一番奥に魔石があり、そこに魔力を込めることで神殿の守りが機能する。

◆隠し部屋……小神殿にはなかったので、神官長が持ってきた魔石を使い、必要な人がそれぞれ作成した。ただしローゼマインは隠し部屋の作り方を知らないので、神官長が扉を作り、ローゼマインが魔力登録を行った。

 礼拝室の隠し部屋/ローゼマインの部屋には家具が運び込まれ、快適に過ごせるようになっている。神官長、ユストクス、エックハルト、ダームエル、ブリギッテも隠し部屋を作ったが、その後どうなったかは不明。ローゼマインの護衛騎士以外は隠し部屋を維持する理由がないので、一部は帰る時に閉鎖して撤去した可能性がある。


《中央神殿》

◆神殿長専用……代々の神殿長が管理する物。

 神殿長の聖典(中央)/初代王の時代から代々受け継がれてきたと伝えられている。神殿長の鍵と連動する仕組みで、神殿長と神殿長が許可した者しか中の記述を読むことができない。ローゼマインが管理するエーレンフェストの聖典とは違って、管理者である神殿長の魔力量や属性が足りないため、途中から白紙になってしまって誰にも読めなくなる。
 神殿長の鍵(中央)/聖典を開ける鍵で、神殿長にしか使えない。聖典の管理以外にも、別の権限が付随している可能性がある。


─────────


「魔術と魔術具3 神官長(と時々ローゼマイン)の作品」


 全貴族必携の、オルドナンツ、シュタープ、騎獣については省略しております。
 拾い切れていない分が絶対にあると思うのですが、大体、神官長のせい、ということでお許し下さい。


《神官長謹製》

◆神官長の薬……神官長は色々な薬を持っているが、回復薬のあまりのインパクトゆえに、「神官長の薬」といえば回復薬を意味することが多い。

 激マズ回復薬/神官長の常備薬で、魔力と体力を劇的に回復する物。しかし、合理主義者の神官長が効果を追求した結果、味が完全に犠牲にされてしまったため、とにかくマズイ。のた打ち回って苦しむほどの壮絶な不味さである。しかも、そう感じるのは人間だけではない。ディッター勝負ではわずか数滴で魔獣を苦悶させ、そのひどい味の普遍性が実証された。
 改良版の回復薬/効果面を妥協したので多少は飲みやすくなったが、これを神官長の「優しさ」だと評するのはローゼマインだけである。すなわち、マズイ。
 再改良版の回復薬/ついに登場した甘くてまともに飲める完璧な回復薬。しかし、これはひとえにギーベ・ハルデンツェルがくれたブレンリュースの実のおかげであって、神官長の優しさは関係ない。
 魔力を通しやすくする薬/記憶を覗く魔術具とセットで用いられる薬。マインにとって甘く感じる味は、神官長の意図したものではなく、偶然らしい。
 睡眠薬(?)/祈念式での襲撃と撃退の後、魔力の枯渇したマインが応急処置として飲まされた物。魔力を通しやすくする薬を濃厚にした感じで、とろりとして甘い。
 ユレーヴェ/神官長の常備薬。最初に少し飲む分を持ち歩いている。
 暗い中で視界を確保する目薬/夏の素材採集の時、洞窟内で行動するために使用した。目薬なのに、ローゼマインには苦味を感じるという謎仕様である。
 解毒薬その1/神官長の常備薬。ローゼマインが受けた毒の効果を抑制して、工房に行くまでの時間を稼ぐために使用された。
 解毒薬その2/工房にしかない解毒薬。ローゼマインの解毒に使用された。

◆武器・防具……神官長の持ち物なので、外見どおりの物とは限らない。

 全身鎧/騎士団を手伝う時の装備。見た目は他の騎士達とほぼ同じだが、耐寒・耐熱等の機能は桁違いである。
 青いマント/上に同じ。貴族院時代に同級生のハイスヒッツェが勝手にくれたマントだが、神官長の手に渡ってから十年以上が経っているので、見た目はともかく魔術具としては、大幅に改造されている可能性が高い。他の騎士はエーレンフェスト領の色である明るい黄土色のマントを着用するので、一人だけ色違いで目立つ。
 明るい黄土色のマント/約十年ぶりに領地対抗戦を観戦することになったため、ジルヴェスターから新品を贈られた。青いマントと同様、いずれ魔改造されると思われる。
 小爆発を起こす魔術具/魔石のように見えるが、手榴弾として使える魔術具。大人を軽く吹き飛ばせる程度の小爆発を起こす。

◆実用品……神官長が持っている実用品の数々。あまりに種類も数も多くて、全く傾向が読めない。

 盗聴防止の魔術具(人物指定)/手に握りこむと、同じ魔術具を握っている相手にしか話す声が聞こえなくなる。
 盗聴防止の魔術具(範囲指定)/盗聴防止の結界を作る。範囲指定のため、魔力を持たない平民も対象に含むことができる。
 魔術具の指輪/全貴族必携とはいえ、一つでいいのに予備を三つ以上所持している。マインに三回貸してくれたことがある(青い石、薄い黄色い石、黄色い石の順)。
 七色の石のブレスレット/同じ物を二つ以上所持。最初の祈念式の時にマインに貸してくれたが、神官長もお揃いで身に付けていた。
 相手のいる場所が分かる魔術具/平民の従者が移動に使う馬車に置いておくと、騎獣で別行動を取っていても任意の場所で合流できる。危険が予想された最初の祈念式で、移動手段や経路を偽装するために使用され、神官長が騎獣移動組のナビゲーター役を務めた。
 救援信号を出す魔術具/街の門にある物とおそらく同型。最初の祈念式の馬車に積んであって、襲撃を受けた時に使用された。しかし本来、祈念式に向かう神官を襲撃する愚かな住民はいないので、青色神官の馬車にこの魔術具を設置する必要はない。
 魔力量を測定する魔術具/魔石が連なったサークレット。魔力を吸い上げ、色が変わった魔石の数から魔力量を計算する。ディルクの魔力量測定に使用した。
 体内の魔力の流れを観測する魔法陣/羊皮紙に書かれた魔法陣。本来は医師のみが所持している物だが、神官長は全く別のアプローチで同じ機能の魔法陣を作り上げてしまったらしい。神殿でこっそりローゼマインの健康診断をした時に使用した。
 特定の場所を見る魔術具/八角形の盆の形をしている。基本的には領主一族専用の魔術具で、自分が管轄する守りの魔術具がある場所を見ることができる。小神殿が襲撃された時、神官長の工房から現地の様子を見るために使用した。
 隠し部屋の中から外へ合図を送る魔術具/小槌のような形をした魔術具で、叩くと扉の外側の魔石が光って知らせる。ローゼマインが所持していて、孤児院長室の隠し部屋でブリギッテの採寸をした時と布の裁断を行った時に、一緒に中に入ったモニカにこれを預けて使用させた。魔力を持たない神殿の側仕えでも使える魔術具であり、しかも自分の隠し部屋を貸し出すような奇特な貴族はローゼマインしかいないはずなので、おそらく神官長の発明品で、神官長から借りた物と思われる。なお、これとは逆に、側仕えが外から内側の魔石を光らせて連絡を取る仕組みもあって、ローゼマイン関係の隠し部屋では標準仕様となっているが、その時は扉の魔石を押すだけでいいので、この魔術具を使う必要はない。
 隠し部屋を開ける魔術具/持ち主でなくても隠し部屋を開けることができる。ハッセへの処分を発表する際、馬車部隊と共に先行したギルに預けて、事前に小神殿にあるローゼマインの隠し部屋の準備を整えさせたことがある。上に同じく、神殿の側仕えでも使える魔術具であり、ローゼマインにしか需要がなさそうなので、神官長の発明品を貸してもらったと思われる。
 隠し部屋へ連絡を取る魔術具/隠し部屋の中にいる人と会話できる魔術具で、神官長室から神官長の工房へと繋がっている。特定の人の声を無視する機能が付いていて、話しかけ過ぎたエックハルトが着信拒否されてしまった。
 声を響かせる魔術具/フェシュピール演奏会の司会の時に使った物と同型。ハッセへの処罰を発表する時に、肺活量のないローゼマインに貸してくれた。
 雪を解かす魔術具/一定範囲の雪を解かすことができるごく小さな魔術具で、地面に投げて用いる消耗品。春の素材採集で、野営できる場所を確保するために使用した。
 騎獣が消えないようにする魔術具/レッサーバスの中に置くと、ローゼマインが離れても騎獣が消えずに残る。春の素材採集で、ローゼマインが従者と別行動する必要があった時に使用した。
 小さな氷室の魔術具/夏の素材採集の時、レッサーバスに積んで使用した。中身はお弁当で、ローゼマインとちゃっかり便乗した神官長の二人分である。
 魔術具のペン(受け取り署名用)/魔力をインク代わりに使って書く。イルクナーから転移陣で送られてきた新しい紙を受け取る際に、ローゼマインの本人署名が必要だったので貸してくれた。
 魔石のブローチ/ローゼマインと神官長以外の者が、ローゼマインの工房に入る時に必要となる。神殿長室の隠し部屋に入るためには、登録者の許可を得るだけでなく、登録者の魔力で染めた魔石を身に付けておかなければならない。
 物を取り出す転移陣/大きな布に描かれた魔法陣。大量の物を一気に城へ輸送するための徴税用の転移陣と似ているが、逆の機能を持つ。ユレーヴェ調合の前段階としてローゼマインの工房を作った時、道具や設備を運び込むために使用した。
 発送専用の転移陣/大きな布に描かれた魔法陣。徴税用の転移陣とほぼ同じ機能だが、送り先は城の倉庫ではなく、対になっている携帯型の転移陣である。神官長が貴族院時代に作成した危険な魔術具の数々を、ヒルシュールの研究室から一気に回収するために使用された。
 受け取り専用の転移陣/大きな布に描かれた魔法陣。受け取り用の転移陣は、城と中央を結ぶ転移陣も含めて固定型が多いので、携帯できるタイプは珍しい。また、手を突っ込んで物を取り出す転移陣とは別物である。ヒルシュールの研究室から転送される大量の魔術具を、エーレンフェスト寮で受け取るために使用された。
 身体強化の魔術具/身体強化の魔術を補助する物で、四つの輪を二の腕と太腿に直接着用して使う。ただし、四つ全部でなくても機能するので、状況に応じて片腕だけ外すこともできるし、上半身だけや下半身だけの部分強化もできる。二年間眠っていたことでローゼマインの筋力と体力があまりに衰えていたため、長期間借りることになった。
 鳥になって飛ぶ手紙/シュタープを持っていない相手に急いで連絡する時に使う。神殿の側仕えに送る場合は送信のみとなるが、相手が魔力を持つ者である場合、返信用紙を入れておけば返事をもらうこともできる。
 素材の属性を調べる魔術具/丸い盆の形をしている。素材を盆の真ん中に置くと、詳しい属性が分かる。
 調合で作った物の品質を測定する魔術具/同型の魔術具が、貴族院の回復薬調合の実技でも使われている。
 筒型の薬入れ/腰に下げて使用する。おそらく品質保持の機能があると思われる。劇マズ回復薬は緑の魔石がついた薬入れに入っていて、ローゼマインも神官長に借りて常に携帯している。
 溢れる魔力を吸収するネックレス/結構大きめの魔石を連ねたネックレスで、神官長が貴族院でのローゼマインのお茶会対策として作成した。魔石の色の変化で、どれだけ魔力を蓄積したかが分かるようになっている。ローゼマイン仕様なので、魔力を吸収して溜め込む魔術具としてはかなりの大容量。お茶会で使った後は、側仕えが溜まった魔力を魔石に移し替える等のメンテナンスを行う。

◆ローゼマイン用のお守り……神官長がローゼマイン用に開発した守りの魔術具。防衛よりも反撃の機能が際立っているため、お守りではなく武器ではないのかと疑問に思う者も多い。なお、このお守りは神官長の邪悪な研究も兼ねており、機会を見ては改造されるので、全容が明らかになる日はきっと来ないであろう。

 ブレスレットのお守り(対物理攻撃)その1/いかなる物理攻撃に対しても、一定レベルの魔力攻撃を返す。再使用不可。もう一つの対物理攻撃のお守りと共に身に付けている場合は、威力の高くなるほうが作動すると思われる。ルーフェンへの反撃で使用→帰還中に神官長が作り直し→インメルディンクの上級貴族への反撃で使用。
 ブレスレットのお守り(対物理攻撃)その2/いかなる物理攻撃に対しても、約二倍の威力の魔力攻撃を返す。再使用不可。ローゼマインではなく、神官長がディッター勝負で使用。
 ブレスレットのお守り(対魔力攻撃)/いかなる魔力攻撃に対しても、約二倍の威力の魔力攻撃を返す。再使用不可。上に同じく、神官長が使用。
 各種お守り/上記ブレスレット三種類の他にも、ローゼマインは幾つもお守りを身に付けている。攻撃を加えた者にはえげつない報復が降りかかるらしいので、詳細は知らないほうが身の安全である。

◆ヒルシュールの講義用……神官長が貴族院時代に発明した魔術具のごく一部で、ヒルシュールが所持している。

 映写の魔術具その1/書いた文字を白い布に映し出す魔術具。講義で板書代わりに使用できる。
 映写の魔術具その2/無声動画を撮影して映し出す魔術具。大量に魔力を消費するため、一回だけでお蔵入りとなった。


《ローゼマインのユレーヴェ作りと工房の設備・備品》

◆ユレーヴェ……ローゼマインが身食いであった過去を隠すと同時に、虚弱体質を治すために作った薬。四季の素材を自力で採集する必要がある。

 ローゼマインのユレーヴェ/ローゼマインが使った素材は、リュエルの実(秋)、シュネティルムの魔石(冬)、ライレーネの蜜(春)、リーズファルケの卵(夏)。

◆ユレーヴェ素材採集で使用した物……全て神官長からのレンタル品。

 魔術具のナイフ/魔力を通すナイフ。シュタープのナイフの代わりに、秋の素材採集で使用した。
 騎士見習い用の手袋/魔力を通す手袋。冬の素材採集で使用した。
 金属製のスプーン/魔力の影響を受けないようにするスプーン。春の素材採集で使用した。

◆工房の設備・備品……同じく、全て神官長からのレンタル品。

 大きな混ぜ棒/シュタープの混ぜ棒の代わりに使用した。ユレーヴェの調合ではかなり大きな調合鍋を使用するので、それにあわせて非常に大きく、櫂のような形をしている。
 品質保持の魔法陣/布に描かれた魔法陣で、完成したユレーヴェが入っている鍋の上に被せて使用した。
 白い箱/浴槽にも棺桶にも見える箱で、底に魔法陣が敷かれている。この箱にユレーヴェを注ぎ、全身で漬かることで治療する。
 白い水差し/鍋から白い箱にユレーヴェを注ぐために使用した。おそらく、貴族の側仕え達が使う緑の魔石が底に付けられていて、鍋と直接繋がっている。


《ローゼマインと神官長の発明》

◆以後厳禁

 魔剣シュティンルーク/アンゲリカの魔剣。ローゼマインが魔力を注ぎ、さらに神官長が確認のために微量の魔力を通したことで、お説教臭い魔剣へと進化してしまった。これ以降、ローゼマインは他の人の魔剣に魔力を注ぐことを、神官長に固く禁じられている。

◆以後封印

 消えるもこもこインク/刺繍を回避したいローゼマイン、マッドサイエンティストな神官長、そして二人が全属性持ちであること、という複数の条件が重なって、うっかり開発できてしまった危険なインク。技術を公開すると間違いなく悪用されるため、シュバルツとヴァイスの衣装に使うだけで、封印されることとなった。


《ローゼマインの発明》

◆武器……ローゼマイン自身が使うことを前提として開発した武器なので、魔力が大量に必要となる。

 水鉄砲/シュタープを変形させてローゼマインが作り上げた自分用の武器。半透明の小さな水鉄砲という安っぽい見た目に反して、分裂する魔力の矢を射出することができる、かなり強力な武器である。呪文は日本語の「水鉄砲」。呪文の発音が難しい上に、構造と仕組みが分かっていないと作れないため、使い勝手はいいが普及しそうにない。しかし、神官長がいち早くハードボイルドな黒い水鉄砲を作ることに成功しており、ボニファティウスとジルヴェスターも作る気満々なので、少なくとも、エーレンフェストの領主一族御用達の武器になる可能性はある。


─────────


「魔術と魔術具4 冬の貴族院で使われている技術」


 冬の貴族院におけるセキュリティと空間接続の他、講義用の設備・備品についてまとめてみました。領主会議の間はどう使っているのか分からないので、あくまで冬限定です。


《セキュリティと空間接続》

◆寮生の識別……貴族院へ向かう新入生は全員、授与式でブローチと領地の色のマントが授与される。寮から出る時は、寮生はこの二つを常に身に付けておかなければならない。ただしマントについては、調合の実技のようにどうしても邪魔になる場合に限り、同色のスカーフで代用してもよい。

 寮生のブローチ/選別の魔術具で、身に付けている者が領民登録しているかどうかを判別する。よって他領の者が奪っても意味がない。

◆エーレンフェスト寮……領民と寮監しか入れない。冬の間の住人は、寮生、寮生の側仕え各一名、楽師五名、料理人五名、転移陣を警備する騎士達、下働き達である。途中から寮監のヒルシュールも、美食に釣られて出入りするようになった。なお、ヒルシュールはいつもどこからともなく現れるので、寮外から直接入ってくる瞬間をローゼマインは一度も目撃したことがない。

 エーレンフェストへの転移陣/寮とエーレンフェストの領主の城を結ぶ転移陣で、相互に行き来できる。
 玄関扉/本館講堂前の廊下にある専用扉と一体化し、離れた空間を繋いでいる。本館側から扉を開けることができるのは、ブローチとマントを身に付けた寮生に限られる。案内なしで領地対抗戦の会場に向かった保護者達については、帰ってくる時は寮生達と一緒だったので問題がなかったと思われる。
 お茶会用の部屋へ行く扉/本館にあるお茶会用の部屋と、玄関扉と同じ仕組みで繋がっている。
 外への扉/寮から野外に直接出られる扉。おそらく他の扉と同じく、外からは寮生にしか開けられない。

◆講堂前の廊下……各寮の玄関扉に直接繋ぐことのできる扉が並んでいる。講堂から近い順に数字が振られていて、対応する順位の領地の寮と繋がっている。また、講堂から反対側の最奥には、王族の離宮に繋がるひときわ大きな扉がある。

 13番の扉/13位エーレンフェストの寮への扉。一年生の時に使用。
 10番の扉/10位エーレンフェストの寮への扉。二年生の時に使用。翌年はさらに別の扉を使うことになるかもしれない。
 王族の離宮への扉/各寮の扉と違って、招かれれば中央に籍を置いていない者でも入れる。

◆お茶会用の部屋……寮に他領の人を招くことはできないため、本館にお茶会用の部屋が複数あって、各寮に一部屋ずつ割り当てられている。

 お客様用の扉/本館の中央棟と繋がっていて、誰でも入れる。
 寮と繋がる扉/寮生でなければ使えない。


《セキュリティと空間接続:ディッターのためのダンケルフェルガー特例》

◆ダンケルフェルガー寮……領民と寮監しか入れない。建築様式や規模は寮によって異なるが、自領への転移陣と寮外への扉の仕組みに関しては、どの寮も同じと思われる。ダンケルフェルガー寮が特殊なのは、いつでもディッターができるように訓練場が併設されていることと、ディッターのためなら何でもやるし規則も変わるということである。

 大きなゲヴィンネン/宝盗りディッター反省会のために特注で作られた、子供くらいの大きさのゲヴィンネンの駒。騒ぎになって使用が禁止されてしまったので、現在は、寮やお茶会用の部屋の飾りになっている。
 領主の魔力の籠った魔石/併設訓練場でディッター勝負を行うため、神官長とローゼマインと従者が、一時的にダンケルフェルガー寮に入れるように持たされた魔石。しかし本来、寮に他領の者は入れないし、招くという発想自体があり得ない。アウブ・ダンケルフェルガーが同行していて、ディッター勝負というダンケルフェルガーにとっての大義がかかっていたから実現した、例外中の例外である。


《図書館》

◆図書館のセキュリティ……結界による入館制限があり、蔵書の所在情報を知るシュバルツとヴァイスは、守りの魔術具で守られている。しかし蔵書を強制的に返却する魔術はないため、督促するのが限界である。

 図書館の扉の結界/未登録者は、司書に招かれなければ図書館に入れない。例外として、王子と王女は、洗礼式で王族として登録された時点で貴族院図書館にも登録した状態となるので、何もしなくても入れる。
 魔術具のペン(誓約用)/魔力を使って書くペンで、図書館登録時に使用する。所定の誓約内容を書いて魔術を成立させると、個人の魔力が登録され、入館が可能になる仕組み。契約魔術とそっくりの形式だが、延滞や勝手な持ち出しが横行している状況をかんがみると、誓約を守らなくても罰則を受けることはない。
 誓約用紙/図書館登録時に使用する。登録は一人ずつなので、一人で一枚消費する。
 シュバルツとヴァイス/図書館のお手伝い魔術具。貸し出し状況だけでなく、未返却と無断持ち出しの情報まで全部知っている。守りの魔法陣がついた衣装を着用しているので、主と主が許可した者以外が触れると痛い目に遭う。
 督促オルドナンツ/個人ではなく各寮へ送り、本の返却を督促するためのオルドナンツ。神官長が使うと絶大な威力を発揮する。

◆閲覧室……図書館を気持ちよく使ってもらうための仕組み。

 光で時間を知らせる魔術具/読書に没頭して鐘の音が聞こえなくなる学生もいるので、鐘が鳴る少し前にステンドグラスのような光が降り注いで本をさまざまな色で照らし、時間を知らせる。ローゼマインもこれには気が付くので、側近達は非常に助かっている。
 大きな声を抑える魔術具/閲覧室を静かに保つための魔術具。神殿の儀式で使われる静寂の魔術具と同系統の機能を持つが、範囲も有効時間もまるで違う。現在は魔力不足で稼働させていないため、フィリーネによると、最終試験前は利用者が増えて図書館が騒がしくなるらしい。
 館内を掃除する魔術具/現在は魔力不足のため未稼働だが、これがなくても掃除はできる。

◆資料保存の魔術

 温度や湿度を一定に保つ魔法陣/図書館資料を保存する上で最適な環境を維持するための魔法陣。図書館の建物そのものに刻まれている。
 時を止める魔術具の書箱/古い資料の状態を保全するために、時を止める魔術がかけられた書箱で、図書館の二階にある。時を止める魔術は非常に魔力を要するので、おそらく現在は未稼働。
 日光による資料の劣化を防ぐ魔術具/上に同じく、おそらく現在は未稼働。

◆開かずの書庫

 開かずの書庫/王族しか入れないという書庫。場所、入室方法、蔵書等、全てが謎。しかし、神官長によると、もしもこの書庫が、王位継承に関わるグルトリスハイトが保管される書庫であるならば、王族だけでなく初代王の血を引く者も入室できるらしい。
 開けられない書庫/上級司書の持つ三本の鍵が揃わないと開けられない書庫。三か所あって、滅多に使われない古い文献が保管されている。
 書庫の三本の鍵/上級司書でなければ持つことができない鍵で、一人につき一本ずつ所持することになっている。現在所在不明。

◆図書館関係その他

 グルトリスハイト(在貴族院図書館二階)/図書館の二階にあるメスティオノーラ像が持つグルトリスハイト。魔石を用いて装丁されているので、明らかに魔術具の本である。シュバルツとヴァイスに言われてローゼマインが魔力供給を行ったが、何のためだったのかは不明。


《講義用の設備と備品》

◆貴族院の鐘……時を告げる鐘の魔術具。講義のある日とない日で鐘の鳴る回数が変わる。

 貴族院の鐘/講義のある日は、1から8の鐘に加えて、2と半の鐘、3と半の鐘、4と半の鐘、5と半の鐘が鳴る。午前の講義は2と半の鐘から4の鐘まで、午後の講義は4と半の鐘から6の鐘までであり、鐘が鳴るたびに講義科目が変わるので、午前も午後も最大三科目ずつということになる。

◆最奥の間……礼拝室の奥にあって「神に最も近い空間」と言われている。シュタープの取得の実技で使用する。

 礼拝室の祭壇/最奥の間への扉を兼ねている。プリムヴェールが魔石に触れると祭壇の階段の一部が動き、最奥の間への入り口が開かれた。
 最奥の間/シュタープの原石となる「神の意志」が採集できる空間。採集の機会は一回限りだが、行き倒れたローゼマインのために先生方の救助隊が編成されたように、入るだけなら何度でもできる。

◆競技場……騎士の専門棟に、訓練用として複数の屋外競技場がある。一番大きな競技場は、領地対抗戦の会場としても使われる。

 空調管理する結界/透明な結界が競技場の屋根のように張られていて、場内には風や雪の影響は一切ない。しかし天候の影響がないだけで、上空から騎獣で自由に出入りできるようになっているので、普通に屋外競技場として使える。
 魔物を呼び出して範囲内に留める魔法陣/訓練等で、先生が作り出した魔物を出現させる場所として使われている。また、一度この陣に触れた魔物は自力で陣の外には出られないので、外から魔物を持ち込んで宝盗りディッターをすることもできる。

◆採集場所……各寮の近くに一か所ずつ確保されている。

 採集場所の結界/黄色く光る円柱状の結界。地面に隠された採集場所と同じ大きさの魔法陣によって維持されている。内部の季節は外と異なっており、色々な不思議植物の素材が採集できるし、魔獣もそれを目当てによく入り込んでくるので魔石も入手しやすい。冬でも雪が積もらないので、以前は、野外で行われる宝盗りディッターの宝を置く場所としても使われていた。

◆講義や式典で使う魔術具……学生の私物については省略。

 各種音響効果の魔術具/講堂での講義・式典や、一番大きな競技場を会場とする領地対抗戦で使用される。
 魔術具のペン(座学試験用)/魔力を使って書くペンで、魔術具のペンの中では一番普通の文房具に近い。書かれた字は魔力を溶かす液で消せるので、試験用紙が再利用できる。
 魔術具のペン(調合用)/同じく、魔力を使って書くペンだが、調合専用。一部の調合の実技で使用した。シュタープのペンも調合の工程で使うことがあるが、使い道が違う。
 魔力を溶かす液/試験用紙や魔法陣を書き間違えた紙を再利用するために使われている。
 魔力の圧縮濃度を計測する魔術具/魔力圧縮の実技で使用する。腕時計のように手首にはめて、付けた時点の魔力濃度を基準として圧縮されたかどうかを示す。
 魔力の圧縮濃度を計測する魔術具(改造型)/従来型では計測不可能なほど圧縮を繰り返す貴族院時代の神官長のために、ヒルシュールが改造した物。ローゼマインの実技でも特別に使用された。
 体内の魔力の動きを見る魔術具/神官長が作った体内の魔力の流れを観測する魔法陣と同系統の機能を持つが、そこまで精度は高くない。魔力圧縮の実技で、生徒の状態を確認するために、付き添う先生のうちの一人が必ず使用することになっている。ルーフェンは暑苦しい応援しか印象に残っていないが、ローゼマインの試験ではこの魔術具の担当だったので一応仕事もしていたはずだ。
 魔力の暴走を抑える魔術具/魔力圧縮の実技で、いつでも使用できるように準備されている。魔力を暴走させた生徒に着けて、事故を防ぐ。
 オルドナンツ/あまり魔力を消費しないので、シュタープの基礎の実技で教材として使われている。
 巨大化する楽譜/音楽の実技で、課題曲を示すために使用する。掲示板のほうも魔術具の可能性がある。ヒルシュールが調合の講義でこの技術を使わず、神官長製作の映写機を使っている理由は不明。
 物を取り出す転移陣/大きな布に描かれた魔法陣。シュタープの変形の実技で、見本にする盾や各種武器を運び込むために使用された。神官長が持っている物とおそらく同型。
 映写の魔術具/書いた文字を大きな白い布に拡大して映し出す魔術具で、講義の板書代わりに使用できる。貴族院時代の神官長がヒルシュールのために発明した作品なので、半ばヒルシュールの私物と化していて、ヒルシュールの専門講義でのみ使用される。
 調合で作った物の品質を測定する魔術具/回復薬の調合の実技で使用された。完成した薬を数滴垂らして測定する。


「魔術と魔術具5 基本の魔術具」


 貴族として生まれ、育てられた者なら全員が持つことになる魔術具について、子供の成長段階に沿ってまとめてみました。
 授与式で授与されるブローチについては「4 冬の貴族院で使われている技術」にあるので省略しております。


《誕生》 0歳:親から、魔力を吸収して溜め込む魔術具を贈られる。

 ・魔力を吸収して溜め込む魔術具
 体内の魔力を吸い上げる機能と、その魔力を蓄積する機能を持つ。
 登録した者以外の魔力を受け付けないので、この魔術具に空の魔石をはめて装着することで、自分だけの魔力で染めた魔石を作り出すことができる。赤子の頃からこの魔術具で自分専用の魔石をいくつも作り、自分の魔力をできるだけ溜めておいて、10歳の貴族院入学に備える。
 例外的に、ローゼマインには不要なので、使ったことがない。


《洗礼式》 7歳:親から魔術具の指輪を贈られる。

 ・魔術具の指輪
 左手の中指にはめて用いる。自分の意思で魔力を込め、放出させる機能を持つ。
 洗礼式後の子供は貴族社会に加わったと見なされ、この指輪を使って挨拶で祝福を行うようになる。


《貴族院一年生》 10歳:貴族院の講義で、騎獣作成とシュタープの基礎について学ぶ。

 ・騎獣
 専用魔石から作り上げる、動物の形を模した乗り物。自分の意志と魔力で動かして、空を飛んで移動することができる。
 講義の前に、あらかじめ自分だけの魔力で染めた魔石を用意しておき、それを用いて作成する。
 一年生終了時には全員、騎獣を作成して乗れるようになっていて、いつでも使えるように普段から専用魔石を携帯するようになる。

 ・シュタープ
 自分の魔力を自由に、最も効率よく扱うための道具。「神の意志」を自分の中に取り込むことで使えるようになる。普段は体内に溶け込んでいて、必要な時に自分の意思で取り出して使う。
 外見は、マインに言わせると「淡く光るタクト」。ただし、用途に応じて別の形に変形させることも多い。
 シュタープを得てはじめて、正式な貴族と見なされるので、貴族院でしかできないシュタープ取得はきわめて重要である。


《貴族院二年生》 11歳:貴族院の講義で、オルドナンツ専用魔石と基礎の回復薬の調合を学ぶ。

 ・オルドナンツ
 黄色い魔石から作成する伝令鳥で、相手のところに飛んで行って音声メッセージを三回繰り返して伝えると、元の魔石に戻る。ただし、シュタープを持っている者同士でなければ使えない。また、受け取ったオルドナンツは必ず返信つきで差出人に返すのが不文律。
 オルドナンツの魔石は調合によって作られた用途限定の魔石で、実際は魔術具の一種である。
 使い方については、一年生のシュタープの基礎で全員学んでいたが、自分用のオルドナンツは持っていなかったため、必要な場合は上級生や大人に借りるしかなかった。二年生の実技でオルドナンツ用魔石の調合を学ぶことにより、ようやく自由に使えるようになる。

 ・回復薬
 二年生の実技で学ぶのは、下級から中級貴族向けの基礎の回復薬のみである。しかし、この年齢の上級貴族や領主候補生ならば、魔力量もそれほど増えていないので、基礎の回復薬でも十分まかなえると思われる。
 上級貴族向けの回復薬の調合は、三年生以降に学ぶので、魔力の伸びに応じて、必要な者は回復薬の種類を切り替える。
 最終的には、ほぼ全員が自分の魔力量に合わせて、どちらかの回復薬を常備するようになる。実はさらに高性能な回復薬もあるが、その存在を知る者は少なく、調合できる者や入手する伝手を持つ者はさらに限られている。


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「魔術と魔術具6 騎士・文官・側仕え」


 職業的に使うものを拾い上げてみました。私物も私物でないものもごちゃ混ぜです。


《全コース共通》

◆中央への転移陣……中央にある貴族院の寮と人の行き来や荷物のやり取りができる。人の場合、定員は三名。

 中央への転移陣/領主の管轄だが、転移時には使用者の魔力が消費される。貴族院在学中は、領主候補生も含めて全員が使う。卒業後は、仕事で中央へ出張しなければならない者を除けば、子供の成人式の時ぐらいにしか利用する機会はない。ダンケルフェルガーでは毎年、ほとんどの騎士が領地対抗戦を観戦するために使うが、これは例外。


《騎士》

◆騎士の装備……武器はシュタープを変形させて作るので、防具が中心となる。見た目は同じでも、それぞれが魔石や魔法陣で改造し、強化しているので違いがある。また、着用する本人の魔力によっても機能が左右される。

 全身鎧/トロンベ討伐や冬の主討伐等の危険な任務や、吹雪や猛暑といった厳しい環境下における活動で、着用する鎧。右手の手甲の魔石は騎獣用の魔石である。左手の手甲の魔石は、トロンベ討伐で出会ったシキコーザとダームエルがシュタープを取り出す時に触れていたが、この二人はひときわ魔力が少なかったと思われるので、他に同じ動作をする者がいるかどうかは不明。
 略式の鎧/通常の任務で着用する。
 マント/任務中の騎士は、領地の色のマントを着用することになっている。マントの布を自分の魔力で染め、魔法陣を入れて強化する。
 魔剣/魔力を注いで成長させる剣。使用時はシュタープの剣より魔力を節約できるが、育てる段階で大量に魔力が必要となるので、所持する者は滅多にいない。なお当然だが、普通の魔剣は喋らないし、お説教もしない。

◆司法関係……貴族の犯罪者に対して用いるもの。

 記憶を覗く魔術具/重大な罪を犯した者の記憶を覗くために用いる、対になったサークレット。使用時には対象者に、魔力を通しやすくする薬を飲ませる必要がある。領主だけが持つ魔術具だが、取調べ用なので騎士団が使うことが多い。
 シュタープを封じる手枷/シュタープだけでなく、魔術も完全に使えなくなるので、身体強化をして壊すこともできない。


《文官》

◆転移陣の管理……領内で荷物を輸送するための魔法陣は、文官が管理している。

 徴税用の転移陣(発送専用)/大きな布に描かれた転移陣で、持ち運び可能。収穫祭に同行した徴税官が用いて、大量の荷物を一気に城へ送る。
 徴税用の転移陣(受け取り専用)/城の徴税用の倉庫にある。
 一般荷物用の転移陣(発送専用)/城から各地に書類や荷物を送るための転移陣。ローゼマインはまだ利用したことがない。
 一般荷物用の転移陣(受け取り専用)/各地から城に送られた書類や荷物が届く場所。ローゼマインは転移陣のある文官の仕事部屋を訪れて、イルクナーから届いた新しい紙を受け取った。
 魔術具のペン(受け取り署名用)/魔力を使って書くペンで、金属の札に署名することによって、本人が荷物を受け取ったという印になる。イルクナーからの荷物を受け取った時、自分のペンを持っていないローゼマインは神官長に借りて署名した。

◆登録証の管理……登録証の取り扱いは神官か文官が行う。エーレンフェストの街の平民の分は神殿で保管されるが、それ以外は全て城に送られて、文官が管理している。

 登録証/平民の登録は血で、貴族の登録は魔力で行われる。
 登録証入れ/城で登録証を保管するための魔術具の箱。ハッセへの処罰の際、ユストクスが管理者として一時的に持ち出すことになったが、本来、城から出すことはあり得ない。


《側仕え》

◆日用品……日々の業務で使用する物。

 魔術具の明かり/貴族の星結びの儀式の会場等、主に城で使用されている。蝋燭よりもかなり明るい。
 水差しに使う緑の魔石/見た目は魔石だが、調合されて作られた魔術具の一種。水差しの底にはめ込んで用いると、離れた場所にある水瓶と繋がって、大量の水を注ぎ続けることができる。主に風呂を満たすために使う。
 掃除のための魔術具/指定した範囲内にある物を全て飲み込んで綺麗にする、卵型の魔術具。うっかり大事な物が飲み込まれてしまわないように、注意が必要である。


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「魔術と魔術具7 領主一族」


 領主一族に関係する魔術と魔術具についてまとめてみました。


《領地の維持と守り》

◆礎の魔術……領地の基礎となる魔術。領主一族は礎の魔術に魔力を供給することが責務である。礎の魔術具本体の場所は秘されていて領主しか知らず、配偶者にも子にも知らされることはない。

 魔力供給の間/礎の魔術に魔力を注ぐための空間。床に設置された魔法陣の中で跪き、神殿の奉納式と同じ祈り文句を唱えることによって、離れた場所にある本体に魔力が供給される。入り口は領主の執務室にあるが厳重に隠されており、扉に魔力登録をした領主一族しか入れない。現在の登録者は、領主夫妻、ボニファティウス、神官長、ヴィルフリート、シャルロッテ、そしてローゼマイン。

◆守りの魔術

 街の守り/街の外壁には魔力攻撃を防ぐための結界が張り巡らされており、領主が守りの魔術で守っている。小神殿の守りと違って、人の出入りを阻害しない結界なので、街を警備する役割のほとんどは、平民である門番の兵士達にゆだねられている。ベンノによると、この結界は内から外への小規模な魔術をはじくとのことで、商人達に与えられている契約魔術が街中限定になる要因にもなっているらしい。
 領地の境界の守り/街と同じく、領主が守りの魔術で守っている。礎の魔術の力が及ぶ範囲はここまでである。魔力攻撃はもちろんのこと、貴族が手続きなく勝手に境界を越えるだけで領主には感知できるが、どちらもその時点で侵略の意図があると見なして良い。祈念式での襲撃で、マインが魔力を暴走させ、さらにカルステッドが森に隠れた襲撃者達に攻撃を加えることになったので、ジルヴェスターは境界が内側から突き破られて宣戦布告となってしまわないよう、急いで結界を強化した。
 北の離れの結界/領主の子供達が住む場所なので、強力な結界で守られている。

◆その他の結界

 白い塔/貴族の森にある塔で、きわめて重大な罪を犯した貴族を封じる牢獄。塔の扉に結界があり、領主一族であり魔力供給の間に入れる者しか開けることができない。ただし、扉が開いている状態ならば、誰でも入ることができる。久しぶりに里帰りしたゲオルギーネは、白い塔ツアーを存分に楽しんだようだ。


《領主が管理する魔術具》

◆領主が管理する魔術具……領主の管理下に置かれているが、全てが領主専用という訳ではなく、申請すれば使える物も多い。

 礎の魔術具/礎の魔術を司る魔術具。魔力供給は領主一族で行っているが、本体の場所を知るのは領主だけである。
 記憶を覗く魔術具/貴族の犯罪者の記憶を覗く時に用いる魔術具。この魔術具で記憶を覗かれたことが公表されたヴィルフリートは、罪を犯したという烙印が押されたことになる。一方で、マインも神官長に覗かれたことがあるが、その事実は永遠に闇に葬られる予定である。
 領主の印/実態は不明だが、おそらく魔術具。前神殿長に頼まれたヴェローニカが、他領の貴族を招き入れるために勝手に持ち出して使ったことがある。
 魔術具のペン(契約魔術用:領内全域)/主に貴族の婚姻(領主候補生以外)や養子縁組で使用される。平民がらみの契約でも、印刷・製紙業や手押しポンプ等、領地全体で展開させる事業の場合は使われる。
 魔術具のペン(契約魔術用:国内全域)/ローゼマイン式魔力圧縮法を教える時の契約で使用されている。神官長をして「恐ろしく高価」と言わしめる魔術具なので、これだけのために新しく製作されたのであれば、エーレンフェストの財政に大きな打撃を与えた可能性がある。
 魔術具のペン(創造魔術用)/神官長が小神殿の設計で使用したが、創造魔術は領主の許可がなければ行使できないので、神官長の私物ではない。
 双方向転移陣/領主の城と中央の貴族院の寮を結ぶ、対になった転移陣。他の転移陣と異なり、双方向に使えて人も移動できる。
 領主からギーベに連絡を入れるための魔術具/境界線上の結婚式の時、領主の留守を預かっていたボニファティウスが、ライゼガング伯爵の夏の館に立ち寄った一行に、襲撃計画について伝えるために使用した。実態は明らかではないが、おそらくオルドナンツよりも即時性と強制性を持つ通信手段である。
 領主しか入れない資料室/ハルデンツェルの奇跡を受け、ジルヴェスターが古い儀式について調べ物をするために使用した。入ることができないローゼマインに、聖典を調べる任務を与えて遠ざけたのは、きわめて賢明だったと言えよう。

◆各種消耗品……領主の許可が必要な魔術で使用される消耗品。使用頻度が低いので、常備されているのではなく、必要な時に必要な分だけ作成ないし入手している可能性がある。消耗品だが、とにかく高価な物が多い。

 魔力を通しやすくする薬/記憶を覗く魔術具を使用する際に必要となる。取調べ者の魔力を被疑者に通しやすくするための薬なので、担当者本人が調合する必要があると思われる。
 青い特殊インク(領内全域)/領内全域を対象とする契約魔術を、平民に使わせる時に必要となる。普通のインクですら安くはないのだから、契約魔術用の特殊インクでしかも領内全域版ともなれば、いかに高価かは推して知るべし。
 契約用紙(領内全域)/領内全域を対象とする契約魔術で使用される。貴族と平民で共用可能。商人用の契約用紙でさえかなり高価だが、これはもっと高価なはず。
 契約用紙(国内全域)/国内全域を対象とする契約魔術で使用される。あまりにも高価なので価格は想像しないほうがいい。
 設計用紙/創造魔術の設計段階で使用される。おそらくこれもとんでもなく高価。
 光る粉/創造魔術で使用される。詳細は不明だが、恐ろしく高価なのは間違いない。


《領主候補生限定の魔術》
 ※領主一族であり、かつ領主候補生コースで学んだ者だけが行使できる魔術。内容によってはさらに使用制限が厳しいものもあり、領主にしか行使できない場合もある。上級貴族出身の領主夫人は、そもそも使い方を知らないので使えない。

◆創造魔術……魔力では傷をつけることのできない白の建物を、自在に作り上げる。その後改造することも可能。平民にとって「白の建物」は、貴族の住まいのことであり、決して手を出してはならない場所であるが、実際には、エーレンフェストの下町の二階から下も白の建物でできている。

 魔術具のペン(創造魔術用)/小神殿を設計する時に神官長が使用した。
 設計用紙/上に同じ。
 光る粉/神官長が小神殿を建てた時に用いられたが、詳細は不明。

◆反逆者の処刑……個人と結びついた登録証を所定の手順で処分することによって、当人を死に至らしめる。

 登録証/平民の登録は血で、貴族の登録は魔力で行われている。


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「魔術と魔術具8 分類保留中」


 現時点では分類が難しい物を入れました。過去の古い知識や技術に関する物が多いです。


《王族の遺物》

◆シュバルツとヴァイス

 シュバルツとヴァイス/貴族院図書館のお手伝い魔術具で、ローゼマインが偶然主となった。昔の王族の姫が作った物だが、製法は失われていて誰も知らない。胴体にびっしりと刺繍された魔法陣はきわめて難解で古く、しかもヒルシュールによると穴だらけらしい。全貌を知るべく、現在、ヒルシュールや神官長が研究中。
 シュバルツとヴァイスの衣装/シュバルツとヴァイスを守るための色々な魔術がほどこされた衣装で、歴代の主が準備することになっている。魔法陣はダミーの刺繍等で巧みに偽装されていたが、本体よりは難易度が低かったので、ヒルシュールにも解読できた。エーレンフェストで新しく作られた衣装は、神官長が大幅に改良した魔法陣を使っていて、しかも刺繍と消えるもこもこインクで二重に魔法陣がある状態なので、以前より強力な魔術具となっている。

◆書物

 法律の書/国内の王族・貴族全員に適用される法律を記した魔術具の本で、中央にある。一度記載した内容を削除するのは、とても大変らしい。
 グルトリスハイト(王の証)/かつてユルゲンシュミットの王位は、初代王のグルトリスハイトを直接写本した者に与えられていたが、やがてその写本が変化して次期王に継承できるようになり、王の証と見なされるようになった。しかし先の政変で失われたため、当代の王は、王の証のグルトリスハイトを所持していない。
 グルトリスハイト(初代王の写本)/英知の女神 メスティオノーラが持つ最古の聖典グルトリスハイトを、初代王が神々に許されて直接写本したと伝えられている書物。本来ならば、王族だけ、正確には初代王の血を引く者達だけが入れるように設定された書庫に保管されているはずだが、書庫への入室方法が失伝したのか、写本そのものが失われたのか、あるいはさらに別の事情があるのか、何らかの理由によって現在は所在不明となっている。
 グルトリスハイト(王の写本)/二代目以降の王が、初代王のグルトリスハイトを直接写本して作ったグルトリスハイト。初代王の写本を保管する書庫に、王の証に変化するより前の、代々の写本も現存している可能性がある。聖典の内容を厳密に適用するならば、王の証のグルトリスハイトがない場合は、初代王のグルトリスハイトを直接閲覧して、新たにグルトリスハイトを作らなければならない。


《伝統の復活》

◆春を呼ぶ祈念式

 小聖杯/祈念式の舞台に、冬の奉納式で魔力が満たされた小聖杯を置いて、儀式を執り行う。正しく儀式が行われれば、舞台に隠された魔法陣と連動して、ギーベ領に一気に春を呼び込むことができる。
 春の訪れを前倒しする魔法陣/祈念式の舞台に隠された魔法陣。舞台上で貴族の女性達がハルデンツェルに伝わる古い歌を捧げると、自動的に魔力が奉納されて作動する。今までは男性が歌を捧げていたので駄目だったらしい。ハルデンツェルの祈念式に出席したローゼマインが、何気ない指摘をしたことがきっかけで再発見された。


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「魔術と魔術具∞ その他、任意で使用するもの」


 誰が使ってもいいけれど、全員が使う訳ではないものを拾い上げてみました。
 ∞は誤字ではなく、一番最後という意味です。


《色々な魔術具》

◆情報の秘匿

 盗聴防止の魔術具(人物指定)/手に握りこんで用いる物で、特定の相手にしか声が聞こえないようにする。しかし、読唇術のできる文官がその場にいれば、話している内容を読み取られてしまう。
 盗聴防止の魔術具(範囲指定)/盗聴防止の結界を作る。神官長やカルステッドが使用したことがある。
 部屋の外に音を漏らさない魔術具/フェシュピール演奏会のことがジルヴェスターにバレないように、当日会場で使用された。
 隠し部屋/登録者と登録者が許可した者しか入れない完全防音の空間で、貴族社会において本当のプライバシーが確保できる貴重な場所。魔石を用いて自分で作る場合と、あらかじめ設置された扉に魔力登録して使えるようにする場合とに分けられる。
 鳥になって飛ぶ手紙/シュタープを持っていない相手に急いで連絡する時に使う物で、一般的な意味ではオルドナンツの代用品。しかし、オルドナンツでのメッセージは、受取人の周囲に誰か人がいたら内容が筒抜けになるので、秘密の遠隔通信なら、この魔術具のほうが安全性が高いと思われる。面会ではいつも厳重に人払いをしていたくせに、オルドナンツでローゼマインに盛大な惚気を披露したアナスタージウスは、結構うっかりさんかもしれない。

◆契約と誓い

 従属の指輪/従属契約した身食いにはめさせて、主に対して攻撃ができないようにする。しかし主以外に対しては、魔力を打ち出して攻撃する手段として使える。一度この指輪をはめると、契約を破棄しない限り、外すことはできない。
 魔術具のペン(契約魔術用:地域限定)/領主が管理する広域用の契約魔術と異なり、有効範囲は狭くて商人用の契約魔術と同レベルしかない。各地のギーベ領で製紙業や印刷業の契約を結ぶ時に使用されていると思われる。
 契約用紙(地域限定)/商人が所持を許されている契約用紙と共通。街や各地のギーベ領で使われる。
 青い特殊インク(地域限定)/平民用だが、このインクを調合できるのは貴族だけである。自分で使わなくても、領主の認可を持つ商人に売り、収入源にすることはできる。
 名捧げの石/調合して自分の名を刻みつけた魔石で、名を捧げる時に用いる。名を捧げられた主は、当人の生殺与奪の権利を握ることになり、どんな無理強いも可能になるので、名捧げはめったに行われない。名を捧げるのは、唯一と決めた主に命懸けの忠誠を誓い、自分が絶対的な臣下であることを示したいという、きわめて強い意思と望みを持つ者だけである。
 名捧げの石を封じる魔術具/捧げられた名を、主が自分の魔力で縛るための魔術具。魔術が成立すると、金属製の円い箱から、石を包み込むような白い繭へと、形状が変化する。こうして封じられた名捧げの石は、主以外の者には決して触れることができなくなる。
 求婚に使う魔石/求婚する側、受ける側の双方が準備する必要がある。将来絶対に必要になるという理由で、貴族院二年生で作り方を習う。しかし、一夫多妻制ではどうしても男性が余りがちになるので、必ずしも全員に使う機会があるとは限らない。

◆医療

 ユレーヴェ/魔力が固まるのを防ぎ、仮死状態から健康な状態に戻すための薬。たいていの上級貴族は貴族院時代に自分用のユレーヴェを作っていて、常に携帯している。
 リュエルの実の回復薬/シュツェーリアの夜に採集したリュエルの実を、自分の魔力で染めた物。飴のように口に含んでおくと、魔力が回復する。
 基礎の回復薬/貴族院二年生で作り方を習う一番簡単な回復薬で、魔力と体力を少し回復させる。下級から中級貴族向け。ローゼマインは神官長の英才教育によって、二年生になる前に以下四種類の回復薬が調合できるようになったが、ローゼマイン本人にはどれも効果が足りなくて使えない。
 基礎の回復薬(高品質)/同じく貴族院で作り方を習う回復薬で、魔力と体力を少し多めに回復させる。上級貴族向け。
 応用版の回復薬(魔力特化)/体力はほとんど回復しないが、魔力は大幅に回復できる薬。
 応用版の回復薬(体力特化)/魔力はほとんど回復しないが、体力は大幅に回復できる薬。

◆服飾

 魔石の防具/魔石から作る簡単な鎧で、服の下に着用するタイプ。いざという時に誰でも使えるように、貴族院二年生で作り方を学ぶ。ボディスーツとしても使えるので、下着代わりに身に付けたり、新しい服を仕立てる際に、布の裁断や仮縫いで肌に針が刺さるのを防ぐというようなこともできる。
 マント/自分の魔力で布を染め、魔法陣を刺繍することで強化するが、どんな魔法陣にするかで機能や効果が変わってくる。男性の場合、魔法陣は誰か女性に刺繍をしてもらわなければならないが、マントに刺繍ができるのは、自分自身、親子、夫婦に限られるので、困っている人もいるかもしれない。
 ハンカチ/魔法陣をハンカチのような布に刺繍して男性に渡すことは、女性からの告白を意味する。もらったハンカチは、基本的にはハンカチとして使うしかないと思われるが、刺繍糸の素材や魔法陣の種類によっては、魔術具として使えるハンカチもあり得るだろう。
 アーレンスパッハ風のヴェール/魔法陣が刺繍されており、自分の顔を隠しながらも、視界はきちんと確保できるようになっている。

◆各種便利グッズ

 ゲヴィンネン/魔力で駒を動かすゲームで、少しチェスに似ているらしい。貴族男性の社交の他、用兵や戦術の勉強法としても使える。
 氷室の魔術具/冷蔵庫。ローゼマインは直接見たことはないが、神殿にも共用の大きな氷室がある。
 馬車の揺れ防止の魔術具/貴族街の馬車では標準的に使われている。
 声を響かせる魔術具/フェシュピール演奏会の司会でマイクとして使用した。
 各種音響系の魔術具/フェシュピール演奏会の会場で使用された。
 遠隔操作で鳴らせるベル/エントヴィッケルンを実施する際、一人だけ礎の魔術具のある場所にいるジルヴェスターと、魔力供給の間にいる他の領主一族の間で、タイミングを合わせるために使用した。
 時を止める魔術具の箱/アウレーリアが故郷から持ってきた食材を保存するために使っていたが、魚が食べたいローゼマインの要望により、エルヴィーラ経由で神官長が預かることになった。領主が亡くなってから葬儀までの間、遺体を保存するために使う魔術具とは、同型ではないが仕組みは同じであると思われる。


《魔術具を使わない魔術》

◆魔術具を使わない原始的魔術

 威圧/激しい感情の動きによって、魔力が暴走して敵意を抱く対象へ向かい、精神的・身体的に攻撃的な圧力を加えてしまう現象。主に感情を制御できない子供が引き起こす。しかし、負の感情をあえて利用し、特定の対象への攻撃手段として用いることも可能である。例えば、7歳になったばかりのマインの威圧は、前神殿長を昏倒させ、神官長を吐血させるほどの威力があった。
 身体強化の魔術/魔力によって身体能力を爆発的に強化すること。腕や足といった身体の一部分の強化や、視力や聴力それぞれの強化も可能である。使いこなすには長期間の鍛錬が必要であり、繊細な魔力制御が求められるので、決して脳筋魔術と言ってはいけない。



おそらくご不要だと思うのですが、念のために、そんなのあったっけ?と私が見落としそうになって、しかもどこに出てくるのか分かりにくい魔術具や機能について、参照元を抜き出しておきました。
 書籍版まで比較確認できませんでしたので、WEB版準拠ということでご寛恕たまわりますよう、なにとぞお願い申し上げます。


参照元を抜き出した分一覧:

> 「魔術と魔術具2 神殿の設備・備品」
> 《神殿》→“隠し部屋”→神殿長室の隠し部屋(登録者の魔力で染めた魔石が必要な点について)
> 《小神殿》→“隠し部屋”→礼拝室の隠し部屋(作った人と維持している人について)
>
> 「魔術と魔術具3 神官長(と時々ローゼマイン)の作品」
> 《神官長謹製》→“実用品”→相手のいる場所が分かる魔術具
> 《神官長謹製》→“実用品”→隠し部屋の中から外へ合図を送る魔術具
> 《神官長謹製》→“実用品”→隠し部屋を開ける魔術具
> 《神官長謹製》→“実用品”→雪を溶かす魔術具
> 《神官長謹製》→“実用品”→魔石のブローチ
>
> 「魔術と魔術具4 冬の貴族院で使われている技術」
> 《講義用の設備と備品》→“講義や式典で使う魔術具”→体内の魔力の動きを見る魔術具
> 《講義用の設備と備品》→“講義や式典で使う魔術具”→魔力の暴走を抑える魔術具
>
> 「魔術と魔術具6 騎士・文官・側仕え」
> 《騎士》→“司法関係”→シュタープを封じる枷(魔術も完全に使えなくなる点について)
> 《文官》→“転移陣の管理”→転移陣シリーズ×4種類
>
> 「魔術と魔術具7 領主一族」
> 《領地の維持と守り》→“守りの魔術”→街の守り(ベンノのコメントについて)
>
> 「魔術と魔術具∞ その他、任意で使用するもの」
> 《色々な魔術具》→“服飾”→魔石の防具(服飾として扱う理由について)


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「魔術と魔術具2 神殿の設備・備品」


《神殿》→“隠し部屋”

 神殿長室の隠し部屋/〔前半略〕また、第三者は、登録者の許可を得るだけでなく、登録者の魔力で染めた魔石を身に付けていないと入室できないが、元々神殿長室の隠し部屋だけそういう設定だったのか、神官長がセキュリティを上げるために登録時に設定を書き変えたのかは不明。

∵第266話「ユレーヴェ作りと魔力圧縮」
>  隠し部屋ができたら、神官長は自分の魔力で染めた魔石のブローチを側仕えに付けさせた。神殿長室の隠し部屋に入るためには絶対に必要なのだそうだ。


《小神殿》

◆隠し部屋……小神殿にはなかったので、神官長が持ってきた魔石を使い、必要な人がそれぞれ作成した。ただしローゼマインは隠し部屋の作り方を知らないので、神官長が扉を作り、ローゼマインが魔力登録を行った。

 礼拝室の隠し部屋/ローゼマインの部屋には家具が運び込まれ、快適に過ごせるようになっている。神官長、ユストクス、エックハルト、ダームエル、ブリギッテも隠し部屋を作ったが、その後どうなったかは不明。ローゼマインの護衛騎士以外は隠し部屋を維持する理由がないので、一部は帰る時に閉鎖して撤去した可能性がある。

∵第198話「ハッセの孤児院」
>  神官長は魔石を取り出して、自分の腰くらいの高さの壁に埋め込むように押し当てると、光るタクトを取り出して何やら唱えた。
(中略)
>  魔石がカッ強い光を放った直後、そこには赤い魔石がはまった隠し部屋への扉が出来上がっていた。
>
> 「ローゼマイン、魔力を登録して部屋を作りなさい」
> 「はい」
(中略)
> 「家具や必要な物は注文してまた運べばよい」
>
>  ちらりと神官長がベンノを見た。

∵第232話「処分」
> 「ユストクス、エックハルト、ダームエル、ブリギッテ。其方らは礼拝室にこれで各自部屋を作って整えよ」
>
>  神官長が赤い魔石をそれぞれに渡せば、4人とその側仕えが一斉に動き始めた。

【注】神官長が自分の隠し部屋を作ったことはどこにも書かれていないのですが、普通に考えると作ったに違いない、ということで、名前を追加しておきました。

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「魔術と魔術具3 神官長(と時々ローゼマイン)の作品」


《神官長謹製》→“実用品”

 相手のいる場所が分かる魔術具/平民の従者が移動に使う馬車に置いておくと、騎獣で別行動を取っていても任意の場所で合流できる。危険が予想された最初の祈念式で、移動手段や経路を偽装するために使用され、神官長が騎獣移動組のナビゲーター役を務めた。

∵第147話「襲撃」
>  朝早い時間に、ある貴族へ小さな聖杯を渡した後、騎獣で飛び立った神官長はそう言って、先にゲルラッハ子爵のところへ向かっている馬車の方向へと騎獣を駆けさせる。馬車に魔術具を設置してあるらしく、神官長には馬車のいる場所がわかるらしい。

 隠し部屋の中から外へ合図を送る魔術具/小槌のような形をした魔術具で、叩くと扉の外側の魔石が光って知らせる。ローゼマインが所持していて、孤児院長室の隠し部屋でブリギッテの採寸をした時と布の裁断を行った時に、一緒に中に入ったモニカにこれを預けて使用させた。魔力を持たない神殿の側仕えでも使える魔術具であり、しかも自分の隠し部屋を貸し出すような奇特な貴族はローゼマインしかいないはずなので、おそらく神官長の発明品で、神官長から借りた物と思われる。なお、これとは逆に、側仕えが外から内側の魔石を光らせて連絡を取る仕組みもあって、ローゼマイン関係の隠し部屋では標準仕様となっているが、その時は扉の魔石を押すだけでいいので、この魔術具を使う必要はない。

∵第179話「久しぶりの再会」@孤児院長室の隠し部屋
> 「ギルベルタ商会の方々はこちらへ入ってくださる? 神官長がおっしゃったように護衛騎士はダームエルで、側仕えはギル。モニカはブリギッテの食事の給仕をお願いします。用があれば、扉の魔石を押してちょうだい」

∵第212話「ハッセの収穫祭」@小神殿の隠し部屋
>  部屋で休憩していると、壁に取り付けられている魔石が光った。誰かが呼び出しているようだ。ブリギッテがカチャリと扉を開けると、ギルとルッツが立っていた。

∵第229話「祈念式に向かって」@ブリギッテ採寸に貸し出し
>  コリンナの前に紙とインクを並べて、自由に使ってもらうように伝えると、わたしは小槌のような魔術具をモニカに渡した。
>
> 「モニカ、採寸と話し合いが終わったら、ここをこれで叩いてちょうだい。外の魔石が光って、わかるようになっているから」

∵第237話「新しい衣装」@布の裁断に貸し出し
> 「モニカ、終わったら知らせてくださる? わたくし、ベンノとも話さなければならないことがあるの」
(中略)
>  わたしが深呼吸して呼吸を整えていると、隠し部屋の扉の辺りで魔石が光った。
>
> 「ローゼマイン様、モニカからの合図です」

 隠し部屋を開ける魔術具/持ち主でなくても隠し部屋を開けることができる。ハッセへの処分を発表する際、馬車部隊と共に先行したギルに預けて、事前に小神殿にあるローゼマインの隠し部屋の準備を整えさせたことがある。上に同じく、神殿の側仕えでも使える魔術具であり、ローゼマインにしか需要がなさそうなので、神官長の発明品を貸してもらったと思われる。

∵第232話「処分」
>  わたしの側仕え達が慌てた様子で立ち上がって、中に入っていく。わたしは先行部隊で小神殿に向かったギルに隠し部屋を開けるための魔術具を渡してあったので、ある程度の準備はできているはずだが、すぐに休むとなれば、色々と整えることがある。

 雪を解かす魔術具/一定範囲の雪を解かすことができるごく小さな魔術具で、地面に投げて用いる消耗品。春の素材採集で、野営できる場所を確保するために使用した。

∵第234話「女神の水浴場」
>  わたしがブリギッテと共に木々に近いところへ下がると、神官長とエックハルト兄様が広く開けた野営地にピッと指で弾くようにして何かを投げていった。
>  次の瞬間、その辺りの雪が見る見るうちに解けてなくなっていく。

 魔石のブローチ/ローゼマインと神官長以外の者が、ローゼマインの工房に入る時に必要となる。神殿長室の隠し部屋に入るためには、登録者の許可を得るだけでなく、登録者の魔力で染めた魔石を身に付けておかなければならない。

∵第266話「ユレーヴェ作りと魔力圧縮」
>  隠し部屋ができたら、神官長は自分の魔力で染めた魔石のブローチを側仕えに付けさせた。神殿長室の隠し部屋に入るためには絶対に必要なのだそうだ。

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「魔術と魔術具4 冬の貴族院で使われている技術」


《講義用の設備と備品》→“講義や式典で使う魔術具”

 体内の魔力の動きを見る魔術具/神官長が作った体内の魔力の流れを観測する魔法陣と同系統の機能を持つが、そこまで精度は高くない。魔力圧縮の実技で、生徒の状態を確認するために、付き添う先生のうちの一人が必ず使用することになっている。ルーフェンは暑苦しい応援しか印象に残っていないが、ローゼマインの試験ではこの魔術具の担当だったので一応仕事もしていたはずだ。

∵第291話「魔力圧縮 第四段階」
>  十人の先生が二人一組になって圧縮を見てくれていて、領主候補生から順番に呼ばれていた。
(中略)
>  視線を巡らせば、三人の領主候補生が先生に囲まれながら魔力を圧縮しようと眉間に皺を刻んでいる姿が見える。一人の先生は何か魔術具を持った状態で、圧縮する生徒の様子を注意深く見ていて、もう一人の先生は生徒ではなく、手首にはめた魔術具を凝視している。
(中略)
> 「ローゼマイン様の魔力圧縮をお手伝いするのは、わたくし、ヒルシュールとルーフェンです」
> 「私が付いているからには大丈夫だ。押して、押して、押しまくって魔力を抑えこんでいけば圧縮は難しくない。応援するから一緒に頑張ろう」
(中略)
>  ヒルシュールが手に持っていた魔術具をわたしの手首にはめる。まるでごつごつとした大きな腕時計のような魔術具はシュッとベルト部分のサイズが変わって、わたしの手首にピタリと合う。
(中略)
> 「こちらの準備はできました。ローゼマイン様、圧縮を始めてください」
(中略)
> 「いいぞ、魔力の流れを感じるか!?」
(中略)
> 「その調子だ。魔力が動いているぞ。このまま奥に押し込めるんだ! 頑張れ!」

 魔力の暴走を抑える魔術具/魔力圧縮の実技で、いつでも使用できるように準備されている。魔力を暴走させた生徒に着けて、事故を防ぐ。

∵第291話「魔力圧縮 第四段階」
> 「魔力が暴走しています! 急いで魔術具を!」
>
>  そう叫んだフラウレルムの高い声にもう一人の先生が魔術具を急いでつける。間にいた生徒の体がガクリとその場に崩れ落ちる。

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「魔術と魔術具6 騎士・文官・側仕え」


《騎士》→“司法関係”

 シュタープを封じる手枷/シュタープだけでなく、魔術も完全に使えなくなるので、身体強化をして壊すこともできない。

∵第253話「閑話 お茶会」
>  シュタープを封じる手枷は犯罪を起こした貴族に与えられる物で、魔術が完全に使えなくなるものです。


《文官》→“転移陣の管理”

 徴税用の転移陣(発送専用)/〔略〕
 徴税用の転移陣(受け取り専用)/城の徴税用の倉庫にある。
 一般荷物用の転移陣(発送専用)/城から各地に書類や荷物を送るための転移陣。ローゼマインはまだ利用したことがない。
 一般荷物用の転移陣(受け取り専用)/各地から城に送られた書類や荷物が届く場所。ローゼマインは転移陣のある文官の仕事部屋を訪れて、イルクナーから届いた新しい紙を受け取った。

∵第254話「ゲオルギーネ様の見送りとハッセ」
>  神官長は「勝手なことを」と溜息を吐いたけれど、神官長が時間潰しのお仕事セットを準備して、レッサーバスに積み込んだ事を指摘すると、転移陣がある文官の仕事部屋へと連れて行ってくれることになった。
(中略)
>  転移陣のある部屋は、徴税のための倉庫とはまた別で、領地の各地の貴族から木札や書類が届く場所になっているらしい。いくつもの箱が並んでいて、転移陣に送ってこられたものが文官に分類されていく様子は、麗乃時代の運送業や郵便局を彷彿とさせた。

【注】ここは私の推測も入っておりまして、「届く場所」とあったので、「発送する場所」は別にあるのではないかと思いました。徴税用の転移陣も、受け取り専用と発送専用があるわけですから、領主管轄の中央と行き来する転移陣以外は、双方向タイプ転移陣はないのかなぁと考えた次第です。

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「魔術と魔術具7 領主一族」


《領地の維持と守り》→“守りの魔術”

 街の守り/〔前半略〕ベンノによると、この結界は内から外への小規模な魔術をはじくとのことで、商人達に与えられている契約魔術が街中限定になる要因にもなっているらしい。

∵第61話「既得権益と会合の結果」
> 「あぁ、契約魔術が効くのは、基本的に契約を交わした街だけだ。街の中で起こった小規模な魔術が街を囲む外壁に張り巡らされた魔術結界を通り抜けることはない」

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「魔術と魔術具∞ その他、任意で使用するもの」


《色々な魔術具》→“服飾”

 魔石の防具/魔石から作る簡単な鎧で、服の下に着用するタイプ。いざという時に誰でも使えるように、貴族院二年生で作り方を学ぶ。ボディスーツとしても使えるので、下着代わりに身に付けたり、新しい服を仕立てる際に、布の裁断や仮縫いで肌に針が刺さるのを防ぐというようなこともできる。

∵第237話「新しい衣装」
>  針子達に手伝ってもらいながら服を脱いだブリギッテが、持っていた魔石のうちの一つを変化させ、体の線に沿うようにして固める。これで肌に針が刺さることもなく、立体裁断ができるらしい。
>
>  この魔石で作る鎧の基本となるもので、衣装の下に着込んでおく防弾チョッキのような役目も果たすそうだ。荒れている領地では、突然の攻撃を防ぐために、文官や側仕えさえ身に付けておくのが常識になっているそうだ。

∵第241話「衣装のお披露目と報酬」
>  肘の上ではなく、二の腕辺りから袖を付けた方が良いこと、魔石で作る下着部分が見えないように脇の辺りをもう少し詰めた方が良い、という意見をもらった。

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