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遊びましょ〈ラレス編2〉
「キャー!?」

 叫び声を上げながら目覚める。辺りを見回す。あれ? ここは……あたしの部屋? 今の出来事は夢だったの? ……嫌な夢だわ。時計に目を向けると、朝の八時前。日付は……十月六日。

 気分の悪い朝。そんな中、仕事の準備。まったくヤル気が出ない。準備を終えて、部屋を出る。

 廊下を歩いていると、朝っぱらから嫌な顔を発見。夢に出てきたあいつ……。ハルトの姿。あたしが眉をしかめていたら、ハルトが話しかけてきた。

「おはようございます、ラレスさん。いい朝ですね」
「全然よくないわよ」
「何を怒っているのですか? 相変わらずに、早朝から不機嫌ですね」
「うるさいわね。あんたのせいで、悪夢を見るし。朝からあんたに出くわすし。今日のあたしはついてないわ」
「そこまで言わなくても……」

 ハルトが不愉快そうな顔をする。あたしがハルトに質問。

「そういえば、今日は一人なの? 珍しいわね」
「えぇ、ちょっと気分が良かったので。散歩をしていたのですよ。まぁ、ラレスさんに会って、一気になえましたけど……」
「悪かったわね」

 不機嫌に返答するあたし。ハルトが笑いながら、あたしに言う。

「それでは、僕は部屋に戻りますので」
「あぁ、そう。じゃあね」

 そう言って、お互いが通り過ぎる。ほんの一瞬、すれ違いざま。視界の端……ハルトの隣に幼い少女が見える。思わず立ち止り、振り返るあたし。その時には、ハルトの姿が消えている。何だか気味が悪い……。胸がざわめく。まさかね……。



 食堂に到着して、いつも通りの日々を過ごす。今日は……ハルト達は来なかったわね。黒コートの姿も見ていないし。不気味な居心地の悪さを感じながら、時間が過ぎていく。

 あの夢……気味が悪かったけど。ただの夢よね? 頭の中に揺らぐ疑問を打ち消して、とにかく料理を作り上げる。考えない、考えない。今は仕事に集中しなくちゃ……。

 スープの入った鍋の中を、玉杓子でかき混ぜていたら。何か……重い物が引っかかる。こんなに大きな具材なんて入れた覚えはないけど……。すくい上げてみると、よくわからない……何これ?

 気持ち悪い物……。一見、理解不能な物……。初めは何なのかわからなかったけれど。よく見たら、それが人形だと理解できる。フランス人形……。誰がこんな物を鍋の中に入れたのよ?

 気味の悪さに怯えるあたし。ビビっていたら、人形が喋り出した。

「鬼ごっこ、鬼ごっこ。鬼はあなた、鬼はあなた。ほら、早く捕まえないと閉じ込められちゃう。ほら、早く捕まえないと殺されちゃう。逃げて、追いかけて、逃げて、追いかけて……」
「キャー!」

 あたしが悲鳴を上げたら、ミネルが駆けてくる。あたしに向いて、問いかける。

「どうしたの? ラレス? 大声なんか出して」
「人形が喋ったのよ! その人形が!」

 ミネルが人形に目を向ける。すぐに振り返り、あたしを見る。

「この不気味人形は何なの? 新しい料理?」
「違うわよ! 誰かが、鍋の中に入れたのよ!」
「鍋の中に人形なんて、誰が入れるの? いくらなんでも、人形を食べる人なんて見たことないけど……」
「きっとハルトの奴だわ! あいつが入れたのよ! そうよ、そうに違いないわ!」

 半狂乱で騒ぐあたし。気持ち悪いし、凄く怖い。嫌がらせにしては、性質が悪すぎる。昨晩の夢は……夢じゃなかったの? とにかく、こんな嫌がらせは止めてほしいわ。泣きそうになるあたしの前。ミネルは人形に目を向け、止まっている。

 不意にミネルがあたしに向く。真顔で話しだす。

「そっか……ラレスが鬼なんだ」
「どうしたのよ? ミネル……?」
「鬼は悪者だよね? 鬼はいちゃいけないよね?」
「え……? 何言ってるの? これ以上、怖い事を言わないで……」

 あたしが戸惑っていると。突然、ミネルの方から何かが飛んでくる。あたしの肩に直撃して、激痛。肩を見ると、包丁が突き刺さっている。これは……何? 頭で理解ができない中、ミネルが感情のない顔で話しだす。

「鬼は退治しなくちゃ。悪さをする前に、やっつけなくちゃ……。そうだよね? ラレス?」

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