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不思議な夢〈ニート編〉
「ハルトン、罪だなぁ~。好きな人いるのに、別の女の子とベッドを共にするなんて」

 未来が超楽しげに俺の手元を見る。そこには噂のあの本だ。俺が未来に口を開く。

「まぁ、あのちび魔王だからな。まさかだろ?」
「まさかでもないでしょ? 予想通りで、予想外だよ」
「う~ん、まぁな……」

 予想通りで、予想外か。見事にハルトの気持ちを表した言葉だろう。漫画ではよくある話だが、まさか自分がこんな目に……。そう思っているに違いない。まさに、未来の言葉通りだ。未来が大欠伸をしながら、寝転がる。

「あ~あ、これからハルトンはどうするつもりだろ? マジであの場所荒れてるし。ハルトンは嫌われ者だからなぁ~」
「大体、どうしてあんなに嫌われているんだ?」
「ジジイの側近だからね。偉い人にこびを売っているお調子者だとでも思われているんじゃないの? 前の側近も苛めに耐えられなくて逃亡したみたいだし。実際は男だから嫌われているとか、そういうものでもないみたいだよ。まぁ、何て言うのかな。嫉妬みたいな感じ?」
「お前の情報網は凄いな。他には何か知っているか?」

 俺の言葉を聞きながら、未来が転がりまわる。鬱陶しい。未来の頭を押さえると、やっとのことで返答した。

「え~っとね。俺の調査だと、あの場所……裏の支配者がいるみたいだよ。誰かは知らないけれど。アーミスって名前だって。まぁ、本名じゃないだろうね。あだ名かな?」
「ほ~、そいつがハルトにちょっかいを出すのか?」
「それは知らないけれど。まぁ、支配者っていうんだから。そういったことを指示しているんじゃないの?」
「お前はいつも知っているようで知らないな」

 呆れる俺を見上げながら、未来が膨れる。

「何にもしていない人に言われたくないし。どうしても知りたいのなら、狭間の記憶に触れればいいんだよ。皆の記憶を片っ端から見ていくと、結論は出てくるはずだけど」
「それじゃあ意味ないだろ? 面白味に欠ける」
「何なの? 知りたいの? 知りたくないの?」
「知りたいが、ズルをしてまでは知りたくないんだ」
「じゃあ、自分で分析しなよ。大体、俺に聞く時点でズルしてるじゃん」

 成る程、ごもっともです。すぐに認めて、未来に問いかける。

「そのアーミスという奴はどういう奴なんだ?」
「だから、知らないって」
「いや、お前の事だ。知ってるだろ?」
「ズルしないんじゃなかったの?」
「いや、ズルも悪くないなぁ~と」

 笑顔を送る俺。それを見て、未来が笑顔で返答だ。その瞬間、世界が回る。あれ? って思ったら、ここはどこ? キョロキョロ見回し、理解する。

 狭間に飛ばされたー! 

「ギャー!?」

 喚き、焦り、大声だ。

「すみませんでした! 許して下さい! 助けて下さい! 未来様! 俺が悪かったです! 二度と変な事は聞きませんので、お願いします! マジで勘弁して下さい! 俺はここでは生きていけないんです! 一人じゃ無理です! 本当、冗談抜きで! 本当、マジで勘弁してくれ! 一生に一度のお願いだ! すまん、一日に一度のお願いに代えて下さい! 本当、この通りお願いします!」

 必死になりながら土下座をする。どこに行っても、俺は無力だ。口で物を言うのは容易だが、行動に移せない。何せ、行動に移せる力がない。自分の無力に歯がみしていると、不意に後ろに気配を感じる。そして、世界が変貌する。

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