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七夕祭り〈ニート編〉
「頭痛い、気持ち悪い、しんどい、吐きそう、気分悪い」
「お前、少しは黙ってろ」

 隣で騒ぐ未来に言う。今日の未来は元気がない。返事が遅れて返ってくる。

「ん……」
「お前、大丈夫か?」
「ん……」

 小さく頷く未来。笹の時間を戻したのはこいつら……ハルトと未来だ。生き物の時間を戻すことは負担が大きいため、滅多な事では行わない……というか、行えないらしい。植物がギリギリ可能レベルだそうだ。動物の時間を戻すことはこいつらにはできない……。と俺が頭の中で考えていたら、未来が答える。

「いや、そんなことないんだよ。俺とハルトンが二人揃えば可能なの。半分同士で完全体だからね。まぁ、ある程度の制限はあるけど……」
「そうなのか? それにしては、お前えらくしおれてるな。笹の時間を戻して、疲れ果てたんじゃないのか?」
「ううん、これは別話。いやぁ~、エアちゃんを部屋に戻した後にね。中庭でハルトンとお喋りしてたんだけど。何だかえらく盛り上がっちゃってさぁ~。それで、喋っているうちに、ちょっと一勝負しませんか? って話になって……」

 うん? 何だか話が逸れそうだな……。俺が眉をしかめていると、未来が続けて説明する。

「狭間に飛んで、師弟バトル。みたいになって。二人で大暴走していたわけね。それにしても、本当にハルトンは厄介だよ。『未来さん、僕は弱いので手を抜いてくださいね』とか言いながら、自分は本気出すの。しかも、以前よりも断トツに強くなってるの。いや、俺も手を抜いていられなくて……」

 未来が青い顔に笑顔を混ぜて語り続ける。結論は一つ。こいつらの心配をした俺がバカだった。長々と語る未来に俺が問いかける。

「それで、目は壊れていないのか?」
「え? うん、ギリギリセーフだよ。まぁ、少しでも使用したら壊れそうなレベルだけど。以前なら、壊した方が楽になるから、わざと壊すような事をしていたけど。ハルトンが片目見えなくなってから、それはできなくなっちゃったし。中途半端に疲れたね」
「お前らバカだなぁ~」
「バカじゃないし。あれだよ、あれ。あの……猫が興奮して夜中に大暴走みたいな感じ。何かそういう時ってあるじゃない。無駄にはしゃぎ回りたい気分になる時。何か、キー! って気分になって。ワッシャー! みたいに走り回って。もう何だかね、楽しくて仕方ないの」
「やっぱりバカだな」

 コーヒーをすすりながら、未来に言う。聞くんじゃなかった……。本はこんなにも真面目なのに、まさか裏ではそんな展開が……。やっぱり現実は現実だな。シリアスばかりではないらしい。そこに混ざってあるのはコメディーか。

 喋り過ぎて余計に気分が悪くなったのか、未来が唸りながら転がっている。俺はもう何も言わない。未来と同様にバカをして、転がっている主人公を想像する。今度会ったなら言ってやろう。お前は主人公の自覚があるのか? と……。

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