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七夕祭り〈その1〉
 七月五日

 お昼を食べ終わると、いつもの三人でジジイの元へと向かう。今日は仕事があるのだろうか? ジジイの部屋の前に行き、ノックする。反応なし。また出かけているのかな? 扉を開いて、中に入る。

 すぐにジジイを発見だ。僕の足元にて、寝転びながら天井を見上げ、カメラを構えている。何をしているのだろう? 僕がジジイに問いかける。

「何をしているのですか?」
「な~んじゃ、ハルちゃんか。ミニスカートの女の子を期待していたのじゃが……」
「成る程」

 頷きながら、ジジイの顔面を踏みつける。広がるのはジジイの叫び声。転げまわるジジイを無視して、奥へと進む。

 老人を踏みつけるのはいけないことかもしれないけれど。この爺さんは最強だから。僕の攻撃など避けようと思えば軽く避けられるはずだ。避けないのはわざとだろう。ジジイを踏んだことに関しては、僕も全然気にしていない。

 シナの手を引っ張りながら、その辺りにあるソファーに座る。シナを持ち上げ、膝の上に置き。ライさんが僕の隣に着地だ。ライさんがジジイに向いて口を開く。

「ウェテオ殿、今日は何をすればよいのですかな?」
「早く起きて下さいよ。いつまで寝転がっているのですか?」

 返事のないジジイの代わりに、僕がジジイに問いかける。ジジイは起き上がる気配がない。未だに扉の前でカメラを構えて見上げている。しばらく経ち、返事だけは帰って来た。

「そろそろ来る頃じゃよ。今日の作業は、可愛い女の子と共同じゃからな」

 共同作業? ちょっと待ってよ……。ほとんどろくな人がいないこの世界で共同作業なんてついてない。嫌だなぁ~。と思いながら、黙ってその人を待つ。

 しばらくして、部屋にノックの音が聞こえてくる。少しだけ扉が開き、女の子が顔を覗かせる。地面のジジイに気付いて、停止。困り顔でうろたえながら、中に入らず扉を閉める。ユムアさんだ……。

 数秒経って、また扉が開いた。ユムアさんが泣きそうな顔でジジイに目を向ける。それを見て、僕がライさんにお願いだ。

「ジジイをこちらまで転がして来てください。丁重に扱わなくていいので、蹴り飛ばしてくれて結構です」
「はい、かしこまりました」

 ライさんが飛んで行き、ジジイを転がしながら僕の前までやってくる。僕はシナを下ろして立ち上がり、ジジイを引きずって椅子まで持っていく。そのまま持ち上げ、椅子の上に放り投げる。机の上を見ると、またゴミ溜めになっている。せっかく掃除をしたのに……。たった数日で、どうしてこんなにも汚れるのか?

 その後すぐにユムアさんが入って来た。小さくなりながら、こちらに来る。僕達から距離を置き、立ち止る。ジジイはシクシク泣きながら落ち込んでいる。写真を撮れなかったことが悔しいらしい。僕はジジイの頭を叩きながら、問いかける。

「それで、今日は何をすればよいのですか?」
「そうそう、今日はのぅ~。七日に行う七夕祭りの準備をしてほしいのじゃよ」
「七夕ですか……」

 神様は祭り好きだ。何かあればすぐに行事を行おうとする。それほどまでに暇なのだろう。寿命はないし、食事だって本当は必要ない。一言で言えば、何もしなくても生きていけるのだ。だから尚更、そういったイベントは活気づく。

 シナが僕を見上げて言う。

「祭りをするのか? 屋台は出るのか?」
「さぁ? どうなのですか?」
「まぁ、ちらほらとな」

 ジジイが楽しそうに答える。ジジイの返答に喜ぶシナ。僕が話を元に戻す。

「それで、僕達は何を?」
「あれじゃよ。七夕といえば、笹にお願い事を書くじゃろ? それを準備してほしいのじゃ。屋台などの準備は別で行うが、笹がないと盛り上がらないからのう~。お主らで用意してくれるとありがたいのじゃが」
「成る程、笹を用意すればいいのですね」
「後は飾りもな。ダイナミックでエロエロな雰囲気の笹にしておくれ」
「ダイナミックで普通の笹ですね。わかりました」

 ジジイの意見を途中改善する僕。それを見て、ジジイが口を尖らせる。放っておこう。この爺さんに係わっていたら、話が進まない。僕が隣を向くとユムアさんと目が合う。うわぁ~、気まずいなぁ~。

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