城の外に出たら、前回ストーリーの参加者とよく出会います。
城の中にいたら、あまり出会いません。
プレゼント〈その1〉
十一月十五日
彼女に会ってから、丁度一か月が経過した。一か月……早いものだな。ペンダントの写真を眺めながら呆ける僕。誕生日プレゼントに貰ったペンダント。今では僕のお守りだ。いつも共に行動している。
…………。あれ? 今日は何日だったっけ? 不意に頭の中が真っ白になる。携帯を取り出して、日付を確認。十一月十五日……。十一月十五日? 十一月十五日って……。携帯の予定表を開いてみる。もしかして……。
思った通りの展開に、発狂気味の僕。だって、今日は彼女の誕生日。すっかり忘れていた……。変な能力が付いて、人間を止めて。バタバタしていたから、忘れてた。言い訳をしながら、路頭に迷う。
どうしよう? どうしよう? 今、何時? もう一度、携帯を確認。お昼の三時……。うっそ……時間がない。とにかく、何かプレゼントを用意しないと。
未来さんから貰った制服に着替えながら、ライさんに状況説明。自分も付いて行くと訴える子ども二人をライさんに任せて、狭間に移動。お金は持ったし、携帯はある。忘れ物はないだろう。ダッシュで狭間を駆け抜ける。
やっぱりプレゼントを買うのなら、神様関係の物ではなくて。普通の人間用の物がいいだろう。何せ彼女は人間だし……。この間は携帯ストラップを買ったから、今回は別の物にしよう。
学校の近辺。大きな百貨店の前に到着して、狭間から出る。百貨店の中に入り、プレゼント探しを開始。筆記用具はありふれているし、食べ物は好き嫌いがあるし。う~ん、どうしようかな?
僕が悩みながら品物を眺めていると、不意に声を掛けられる。そちらに目を向けると、懐かしい人。タテさんだ。え~っと、前回ストーリーで知り合った寝相の悪い風の神様。タテさんが僕に言う。
「やっぱりハルト君だ。こんにちは!」
「こんにちは。タテさんはいつも元気そうですね」
「うん、元気だよ」
楽しげに答えてくれる。不思議なのだけど、この人って悩みとかあるのかな? 僕が考えていたら、タテさんが話しだす。
「それにしても、ハルト君……人間を止めたって聞いたから、どうなっているのかと思っていたけど……。案外に普通だね。もっと凄い事になっているのかと思っていたのに」
「凄い事って、どんなことですか?」
「う~ん、もっと魔物みたいな姿になって、都市の中を暴れ回っているとか?」
「…………」
姿違えど、状況近し。普段は暴れ回っていないけれど、たまに人を傷つける。まだマシだ。まだ死人は出ていない。たぶん……。まぁ、無意識のうちに誰かを殺している可能性も考えられるけれど。
今度は僕が質問だ。タテさんに問いかける。
「そういえば、タテさんはどうしてこんなところに? もしかして、買い物ですか?」
「ううん、僕はケルノちゃんの付き添いだよ。だけど、困った事に途中でケルノちゃんと逸れちゃったんだ。ケルノちゃんはまだ子どもだから、普通の人間には見えないし。どうすればいいと思う?」
う~ん、それなら……。僕が一案出してみる。
「神様電話とかで連絡をするとか……」
「それがね。この間、僕……電話を壊しちゃって」
「そうですか……」
それじゃあ、どうしようもないな。せめて相手の電話番号がわからない事には、僕の電話を貸したって意味ないし。僕がため息をつきながら、呟く。
「せめてケルノちゃんの電話番号がわかれば、どうにかなるのですけどね……」
「電話番号はわかるよ。電話はないけどね」
「え? ケルノちゃんの電話番号を覚えているのですか?」
「うん、普段からよく使っているから。数字を眺めているうちに、覚えちゃったんだ」
「それなら、僕が電話を貸しますから。ケルノちゃんと連絡を取って下さい」
「ありがとう、ハルト君!」
僕が電話を手渡して、タテさんが電話を掛ける。まぁ、未知の相手からの電話にケルノちゃんが出てくれるかどうか。それが問題だけど……。しばらく経過して、タテさんが電話で会話を始めた。ケルノちゃんは出てくれたみたいだ。
タテさんが電話をしている間に、彼女のプレゼント探し。だけど、なかなかいいのが見つからない。時間がないのに……。今は何時くらいだろう? 三時半か? 多分、それくらいだ。
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