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第0話:プロローグ
(ごめんなさいでしたっ!!)
 
 今更の様な気もしないでもない自己紹介の後、事態の顛末を訊ねて返ってきた言葉はソレだった。

 なんと言うか、行き成り過ぎて訳が分からない。

 それはまぁなんとなく予測はつくがどちらかと言えば目の前のこの少女も被害者には変わりない筈なのだ。

 まったく無関係だった自分を巻き込んでしまったが故にと考えればまぁ多少は理解できるか。

 もっともこいつはともかく俺としてはまぁいつものことの一言で済まされるが。

 ……変だななんでだか泣けてくるよ。

 込みあがってくる感情を何とか押し隠し、気にするなと意思を伝える。
 
(でも……やっぱり私のせいだから。失敗しちゃったせいだから…)
 
 効果は全然。

 とうとう涙まで浮かべだす始末。
 
(ああっもぅいいからソレはもういいから。何がどうなってるか聞かせてくれな。なっなっ)
 
 もうこれ以上はと慌てて話題転換。

 と言うか本命の話題に強引にでも引き戻す。
 
(ぐすっごめんなさい私のせいでこんな事にしてしちゃって…でもこれぐらいしか方法が思いつかなくて…)
 
(だーーかーーらっ泣かないっ責めないっ怒らないからっ。とにかく俺とお前に何があったか答えてプリーズ!!!)
 
 それでもなお際限なく落ち込んでいく少女に力押しでもって言葉をぶつける。

 場合によっては逆効果だが、それ以前にこのままほっといたら悪化しかしないんだから仕方ない。
 
(グスッうん、ちゃんとお話ししないと…私はともかくジージはこれからずっとの事だし)
 
 何とか持ち直してくれたことでホッとしたのもつかの間、なにやら嫌な言葉を聞いた気がした。
 
(あ…あの…フィーさん…イマナンテイイマシタカ?)
 
(あっえっと、だから…ずっとそのままだって)
 
 律儀にもう一度返してくれた言葉はやっぱり聞き違えではなくて。
 
(あの…それってこのまま一生指一本動かせないままという事なのでしょうか…)
 
 あまりの宣告に目の前の全てが真っ黒になる。

 指一本所か五感すら正常でない現状が一生もの。

 どんな地獄だよ。

 それはもう本気の叫び。
 
(あっううん体の方は明日にでも多分何とかなると…思う。大丈夫、ちゃんと元の身体と同じように動かせますっうんぜんぜん問題なんて無いから)
 
 絶望直前の心はそんな慌てたような言葉に救われた。
 
(ホントだな、ウソじゃないよな、聞き違いでもないよな)
 
(うっうん本当っウソじゃないよー。ちゃんと主導権は全部あげたから。全部ジージの身体だよ)
 
(はぁ〜よかった〜ったく脅かすなよな)
 
 心底ホッとしたと全身の強張りを抜く。
 
(で、結局のところ何が一生モノなんだ?)
 
 そして気になる部分を軽く訪ねかける。

 結局の所俺自身の問題と言えば全身が全く動かせない事ぐらいで、ソレさい解決の保障を貰えてればなんとでも出来そうな自信はある。

 これでも散々騒動とトラブルには巻き込まれてきたんだ。

 耐性は人一倍どころじゃないだろう。

 ソレはソレで哀しいが。
 
(えっと…その……その身体が…です)
 
(…は?)
 
 そして返ってきた答えはまた訳の分からないモノ。
 
(そりゃ身体が一生もののだってのは改めて言われんでもわかるが…んな事わざわざ言わなくても当たり前の事だろうが)
 
 呆れ半分に返す最中、ふとこいつが特殊な種族であることを思い出す。
 
(そういやぁそうか、フィーたちの種族だとそうでもないのか?)
 
(えっと…うん、そう。だから私は全然問題ないというか、むしろ早過ぎたから丁度良かったという感じなんだけど)
 
 どこか恥ずかしげに頬を赤らめつつ。
 
(でもジージはそうじゃないから…元の身体は私のせいで無くなっちゃったし、魂は何とか大丈夫だったけど…身体、私のしかなかったし…このままだと死んじゃうか幽霊になっちゃうかしそうだったから…)
 
(ちょっとマテ)
 
 なにやら延々と話し続けようとしているフィーの言葉を強引にとめる。

 俺の経験と言うか本能と言うか、ともかく根本的な部分で聞き逃してはマズイと警笛が鳴っているのだ。
 
(ん?ジージどうしたの?)
 
(一つ確認したい)
 
(…うん)
 
(俺の身体がどうなったって?)
 
(えっと…その……ごめんなさい。ちょっと火力を間違えちゃって…)
 
(…………)
 
(………………ごめんなさい。えっとその…私が灰にしちゃいました)
 
 物凄い勢いで頭を下げられる。
 
(………でだ、今俺はどうなってる?ちゃんと身体は在って、生きているんだよな)
 
(あっうん、それは大丈夫。ちゃんと在るから生きてるから)
 
(………じゃぁ今の俺の身体は?)
 
(うんっ私のをあげたの)
 
 
 
 
 
 …………………………ダカラチョットマテ。


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