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インシュ

作者:要徹
 ――今日こそは、今日こそはお酒を買うんだ!
 その少年は、酒屋の前に佇んでいた。
 心臓が高鳴り、きょろきょろと辺りを見回している。なんとも落ち着きがない。それもそうだろう。彼は未成年なのだから。
 現在の法律では未成年の飲酒は禁じられている。酒を購入することすら出来ない。このことが学校や親へばれれば、彼はひどい叱責を受けるだろう。
 だが、それが堪らなくスリリングなのだ。何気ない日常には、このようなスリリングな体験が必要不可欠ともいえる。淫らな本を買うのと、同じようなものだ。
 少年は、過去に何度か酒を買おうと試みたが、すべて失敗に終わった。ある時は店員にみつかり、ある時は警察に通報された。少年の心は、半壊しかけていた。だが、それでも諦められないものなのだ。酒は男のロマンだと言っても過言ではない。
 少年は大きく深呼吸をすると、酒屋のドアを開いた。
 扉の先には、色とりどりの酒類が並べられていた。どうやらここには酒類以外のものも置いてあるらしく、少年以外にも小さな子供が見られる。これなら買えるかもしれない、と少年は思ったが、酒類が並べられている場所には、でかでかとこう記されていた。
『この店では年齢を確認させていただいております』
 ――いざ年齢確認をされても、親のお使いだって言えば買えるさ。
 そんな心の保険をかけ、少年はまっすぐに酒類のコーナーへ歩いて行った。
 ビール、日本酒、チューハイ、ウイスキー、様々な酒類が少年の心を刺激する。早く買わなければならないのに、あらゆる酒に目移りをして、購入する酒が決定できない。
 ――まいったな……どれを買うかまでは決めてなかったよ。
 少年がきょろきょろしていると、店員が少年の傍へとやってきた。  
 ――まずい! ここで釘を刺されたら終わりだ!
 だが、店員は彼に声をかけることはしなかった。どうやら、商品の入れ替えを行うようだ。彼は黙々と作業をしている。少年は緊張のあまり、この間そこから一歩も動けないでいた。
 店員の作業が終わると、少年は酒類の物色を再開した。
 ――早く買わないと、怪しまれちゃう。
 焦った少年は、目の前にある『ビール』と書かれた缶をすばやく手に取り、レジへと急いだ。
 レジを担当していたのは、ほりの深い初老の男だ。見つかったら怒られるかな、と思いつつも、少年は手に持っていた缶をレジに置いた。
 男は缶を手に取り、バーコードを通す。
 少年の緊張は絶頂だ。かすかに足が震えている。
 男が少年をちらりと見る。
 少年の肩が一瞬上へと動く。
「百五十円です」
 ――あ、買える!
 少年は意気揚々と財布から百五十円を取り出し、男へ差し出した。 心が弾むというものは、こういうことを言うのだろうか。手にさっき買った缶を持ち、スキップをしながら店を出た。その少年の後ろ姿は、とても幸福感に満ちていた。
 会計をした男は、少年が出て行くのを見届けてから、こう呟いた。
「大人の真似をして、背伸びをしたい年頃なんだろうなあ。本当の酒なら売らないつもりでいたけど、アレなら売っても構いやしないわな。本当に賢明な子だ」
 男は知っていた。少年の買っていった酒にはこう記されていたことを。

『ノンアルコールビール』

 あぁ、お酒が飲みたいなぁ……。

 それにしても、本当につまらない作品を書いたもんだ(笑)

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