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たった1日の友達

作者:twilight
「空想科学祭2011」のRED部門、参加作品です。
よろしくお願いします。


「そこの君、幽霊のレンタルをしてみないかい?」
ある夏休みの朝、歩いてプールに行こうとしている僕に対してそのおじさんはそう話しかけてきた。
「レンタル?ぼく、お金もってないし、そもそもまだ小学3年生だよ?」
「大丈夫大丈夫。1日100円だし、親の許可もいらないよ。
ちょっと質問なんだけど、誕生日っていつだい?」
ぼくには、おじさんがその答えを楽しみに待っているように見えた。
「8月6日だよ。」
ちなみに今日は8月5日だから、明日が誕生日。楽しみだ。
ぼくが誕生日を答えると、やっぱりと言う顔で喜び、
「8月6日なら、ちょうどレンタルをしてもらおうと思っていた子と誕生日が一緒じゃないか。これはサービスしな きゃね。」
そう言って、おじさんは小型の機械を取り出して、2つ3つほどキーを押した。
すると、おじさんのとなりにぼくと同じくらいの子供が出てきた。
「うわっ。」
ぼくは驚いてしりもちをついてしまった。
「大丈夫かい?」
そう言って、おじさんは大きな手をさしだしてくれた。
「ありがとう。」
ぼくはお礼を言ってその手を握り、立ち上がった。
その後、おじさんは隣に出てきた男の子について説明してくれた。
「この子は君と同じ小学三年生の幽霊だよ。
今日1日サービスで貸し出しをするから、仲良くしてあげてね。」
「わかった。」
ぼくはそう返事をして、その幽霊の子のほうに話しかけた。
「はじめまして。ぼく、かいっていうんだ。君は?」
「…えーと、ぼくの名前は…。」
「忘れちゃったの?」
「え?…そ、そうなんだよ。だから…えーと、レンって呼んで。」
「わかった。じゃあレン、行こっか。」
「うん。」
「えーと、今からプールにいくんだけど、いい?」
「いいよ。つれていって。」
「わかった。」
そう言って、ぼくは歩き出した。その後ろをレンがついてくる。体は浮いてるけど。
そういえば、いつの間にかおじさんはきえちゃったみたい。なんでだろ?


「はぁ、おこられちゃったよ。」
「海、ごめんね。」
「いいよいいよ。レンは悪くないよ。」
最初は、一人で泳いでいたんだけど、となりでレンがさびしそうにしてるのをみて、
レンに水をかけて遊んでいた。
でも、他の人にはレンはみえないみたいで、一人で水をだして遊んでいるって係の人に
おこられちゃったんだ。
「そろそろ12時じゃない?」
レンが言って、ぼくもそれに気づく。
「本当だ。早く家に帰らなきゃ。レン、走ろう。」
ぼくは、そういって走りはじめる。
「あ、まってよ~。」
といって、レンが追いかけてくる。
この鬼ごっこは家の前まで続いた。


「ただいま~。」
ぼくはそう言って台所へ向かう。レンも後ろをついてきた。
「今日のご飯は何?」
ぼくがそう聞くと、「そうめんだよ。リビングでまってなさい。」というお母さんの声がかえってきた。
そうめんかぁと思って、後ろを見ると、レンがお母さんの方をじっと見ていた。
「レン?」
ぼくはつぶやいた。
「あ…ど、どうしたの?」
「今、ぼくのお母さんのほうを見てなかった?」
ぼくはお母さんに聞こえないぐらいの声で話す。
「そ、そんなことないよ。」
レンはそう言って首を大きく振って、ぼくの後ろについてきた。


ご飯を食べ終わったら、宿題をやらなきゃいけない。
ぼくは、自分の部屋で宿題をやっていた。
「この問題わかる?」と僕が聞くと、
「わかんない。社会苦手だから。」と、レンは言った。
「同じだね。ぼくも社会苦手。」
ぼくは、なんかうれしくなってハイタッチをしようとする。手をすり抜けちゃうんだけどね。
レンもハイタッチしてくれる。その顔は、ぼくと同じで笑顔だった。
でも、何かレンの笑いが不自然な気がするのはなんでなのかな?


(宿題が終わったら、次は何をして遊ぼうかな~。せっかくレンがいられるのも今日までだし。)と思って、レンに何をして、遊びたいかを聞いた。
「えーと、サッカーは?」
「いいね。そうしよっか。」
そう言って、下に向かおうとするとお母さんが
「海、ちょっとおつかいをお願いしてもいい?」と言った。
ぼくはレンの顔を見た。レンはとても困ったような顔をしていた。
それをぼくは、遊びたいんだろうなと思って、
「いや、これからサッカーをしにいくから。」
と言った。でも、
「わがまま言ってると今日のご飯なしだよ!」
と怒られてしまったので、ぼくはレンに、ごめんねと目くばせして、
「わかった 。」と言って、お金とかばんをうけとった。


それからというものレンはずっとそわそわしていた。
まるでいつボールがとんできて危ない目に合うのかと怯えているようだった。
「レン、大丈夫?」
「う、うん。大丈夫だよ。」
でも、本人に大丈夫と言われてしまったので、それ以上は聞けなかった。
そう言って、スーパーまで後2,3分というところでレンがとまった。
レンは実体のないその身体をふるわしていた。
「ね、ねぇ。ちょっと、遠回りしない?」
レンが慌てて言う。
ぼくは、この場所がレンは嫌いなのかな?と思って、
「いいよ。」と言うと、レンは安心したような顔をした。
しかし、道を曲がると…工事中だった。
「おーい、そこの坊主。こ こは通れないぞ。」
と工事をしていたおじさんが教えてくれる。
「わかりました。ありがとう、おじさん。」
ぼくはそう返事をして、軽くお辞儀をして、レンの方を見た。
レンはすごく驚いたような…その中になにか別の感情がはいっているように見える顔をしていた。
「レン、どうしたの?」
ぼくは心配になって、声をかけた。
だけど、レンはぼくの声も聞こえてないみたいで顔を伏せて、何かをつぶやいていた。
「レン!レンってば!」
ぼくは、周りの目も気にせずに叫んでしまった。
なぜかは、わからなかった。
あえていうなら、そのままレンが消えてしまいそうな気がしたからかもしれない。
「あ、ごめん。」
そう言って、レンはあやまってくれた。
顔色ももとに戻っていた。
「いや、いいよ。ぼくも大声をだしてごめん。」
この時、ぼくは周りを気にせずに話していた。
さっきの感覚から、今大事なのはレンと話すことだと思っていた、それが当たり前とも。
(でも、ぼくは気づくのが遅いせいで、約束の1日の殆どは過ぎてしまった。でも、今からでも大丈夫。)
そう、海が決意した時、皮肉なことにレンの顔は蒼白となっていた。
「海、危ない!」
ぼくが気づいた時にはトラックが目の前にいた。
ブレーキを欠けているけど、間に合わないことはぼくにもわかった。
ぼくは、逃げられなかった。
まるで、ここにいることが当たり前のように。
そして、ぼくは見てしまった。レンがトラックを止めようとぼくの前に立っていることに。
だけど、レンには実体がない。トラックはレンをすり抜け、僕にぶつかる。
その時に見た、レンの顔は…泣いていた。
そし て、ぼくの意識は消えてしまった。




「君が海くん、いや、”元”海くんかな?」
聞き覚えのあり、見覚えもある。
しかし少しだけぼくが知っている人とは違うおじさんがいた。
そして、意識がはっきりしてくると、頭の中にたくさんの物事が流れこんでくるような感じがした。
「!?」
「大丈夫かい?」
ぼくの表情にも、驚いたようなような行動は見せずに、話しかけてくる。
すこし、時間が経つと頭の中が整理されてきた。
「はい…。すべてを思い出した…いや、理解しました。
ぼくがやるべきことも。そして、彼のことも。」
おじさんは納得したように笑って、立ち上がる。
「じゃあ、彼のところへ行こうか。きっとこのあたりにいるはずだ。」
ぼくは、おじさんについていく。
少し進んだ後、おじさんが思いだしたように言った。
「そう言えば、君の名前について話してなかったね。ここでの君の名前は…。」
ぼくはその名前を聞いて、つい、微笑んでしまった。
まるで、僕の中に彼がいるよう な気がしたから。
追記
文字数が足りないとのご指摘を受けて、加筆修正をかけました。流れが唐突かな?とおもっていた最後の部分を中心に編集しました。

この作品は、もともと自分の中の制約でルーズリーフの表裏1枚で書き上げようと思っていた作品でした。
その制約の関係でぎりぎり足りないという自体になってしまったみたいです。
ただ、それに気づけなかった僕が問題でした。
すいませんでした。

感想及び評価のほうも可能でしたらよろしくお願いします。
空想科学祭2011

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