新たな風
何かを始めるには何かが終わらなければいけない。歴史が同じ事を繰り返すのはそのせいなのかもしれない。この話しはその終わりと始めに生きた者達の話しだ。
物語の舞台であるハインランドには騎士道というものがあった。王に忠誠を誓い、女性には優しく、そして誇りを大切にする生き方である。
このハインランドでは戦争が起きバン・ザルバ王が率いるファラント国と、ハイネ・オルテンシア女王が率いるソレイル国が雌雄を争っていた。
しかしファラント国にはラクスという猛将がおり、必ず戦争前の一騎打ちでソレイル国が負けるために戦意が落ちソレイル国は負け続けた。しかしソレイル国には一騎打ちには強くないが指揮能力が高く知力がある騎士達がいたために潰滅的な打撃はくらわなかった。しかし徐々に領地を失いはじめていた。
ファラント国がソレイル国から奪った領地にいた市民達は、三等市民と呼ばれ税も多くとられ歎き悲しんでいた。
元ソレイル国の土地ナスラ村にまだ騎士になれない歳の若者達が2人いた。
「な−、スコール最近ちゃんとした飯食ったか?」
「いや、あんまり食ってない…ギルの家はどうだ?」
「俺んちも最近はどんどん食べる量が減ってるよ」
「「はぁ…」」
今、二人同時にため息をしたのはスコールとギルランダだ。二人とも家が近く兄弟のように仲が良かった。
「また狩りにでも行くか!」
ギルランダはそう意気こんだがスコールは、
「前みたいな事は嫌だぞ」
と、言い放った。
「たしかに…」
4日前に行った時は収穫が0で、逆に動きすぎて飢えてしまった。
「でも今日は良い予感がするんだ」
「ギル…お前の予感はあてにならない」
「いや!今日は信じてくれ!夢をみたんだ」
「夢?」
「そうだ!俺は空たかく浮いていて雲のせいで何も見えなかった。でもお前が馬にのり凄い勢いで駆けたおかげで雲は晴れた。そしてお前は獲物を捕らえて俺の方に向かって獲物を見せてくれた」
「………」
「なんか反応しろよ」
「そんなに狩りに行きたいのか?」
「ああ」
「じゃあ行くか」
「一応言っておくが嘘じゃないぞ」
「分かった、分かった。じゃあ昼を食べ終わったら東門の前で」
「分かった。じゃあ後で」
「またな」
そして二人の若者達は馬に乗り今東門からでようとしている。
物語は、まだかまだかと始まりを急いでいる。 |