挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ハーレム100 作者:松宮星

天界

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

72/224

神獣の牙      【ドゥン】(※)

 ドゥルガー様は戦の女神だ。
 あらゆる戦闘を得意としておられ、物理攻撃の他に強力な魔法が使用できる。

「ドゥルガーさまはおだてに弱い方だから」
 うふふと笑い、イザベルさんが教えてくれた。
「尊敬の眼差しを向ける子には親切だし、頼りにされるのも大好きなの。ご機嫌になるわよ」
 オレが仲間探しをする間、ジョゼとサラの修行をつけていただけませんか? と、ドゥルガー様にお願いした。
「二人が魔王戦で一人前の働きをするには、ドゥルガー様の御助力が必要なのです」
 ドゥルガー様は鷹揚に頷き、《聞き届けた》と、おっしゃった。非常に嬉しそうなお顔だった。

 イザベルさんも鍛錬を積みたいとその場に残ったんで、オレはお師匠様とセリアと一緒にガブルエルちゃんの魔法で移動する事にした。

 ガブルエルちゃんが面会可能の神様の一覧を表示する。
《現在、面会可能な方はこれだけでーす》
 空中に浮かんだ文字は、たったの三女神分だった。

 何で?

 面会可能な女神様達は百人以上居たはずなのに……
《それが乙女心というものですよ〜》
 ガブルエルちゃんがチッチッチッと右の二の指を振る。
《みなさま、自分こそナンバー1だとお思いですから〜 『この私を無視して、輪廻世界の一女神ごときに先に会いにいったわけ〜? むき〜! なんたる侮辱! ちょ〜許せな〜い!』で、面会拒絶札を出されたので〜す》

 会いに行くのには、それなりの順番が必要だったのか……?
《ん〜 気を使っても、ダメだったでしょう。みなさま、自分達こそ最高! と思いこまれていますからねえ。一番じゃなきゃ同じなんでーす。キャハッ♪》

 く。
 女の人って……
 めんどくさ……

《姉妹神に会いに行くとか〜 神様の寄り合いの場に行くとかしてれば〜 いっぺんに数人仲間にできたかもしれませんが〜 もう手遅れですね〜 キャハッ♪》
「いいさ、最初はドゥルガー様で。イザベルさんがパワーアップできたんだもん。後悔はない」
《ほんとに〜? 女神様をいっぱい仲間にできてれば、数千万どころか1億ダメも夢じゃなかったのに〜?》
 う。
「……いいんだよ! とりあえず面会可能な方がまだ三女神いらっしゃるんだろ? 案内してくれ!」

 えっと……
 面会可能なのは、パンテオン界とドゴン世界と幻想世界の……戦の女神?
 全員、戦の女神?
 ジョブ被りの予感……





 残念なことに、オレの予想は、見事に的中してしまった。
 女神を増やせなかった……
 魔王に確実に大ダメージを出せるのに……

「どうにかならないものでしょうか?」
 セリアがガブルエルちゃんに食らいつく。
「非礼をお詫びした上で、もう一度、女神様達に面会を申し込む事はできませんか? 勇者様は四十六日の間に、四十八人仲間を増やさねばいけないのです。戦の女神様とはジョブ被りしない方をご紹介願えませんか?」
《無理ですね〜 一年ほど土下座を続ければ片手の数ぐらいの女神様ならお許しくださるでしょうー でも、たったの四十六日では女神様達のご機嫌は直りませーん》
「そこを曲げて何とか、ガブルエル様のお力で」
《無理なものは無理で〜す》
「ですが!」
《内緒の覗き見も無理でーす。絶対、バレますし、拗ねちゃった神様のお姿は人間の目には映りませーん。会いに行っても、神罰が下されてプッチンになるだけですよ〜》
「そんな……」
「いいよ、セリアさん」
 ガブルエルちゃんに対し頭を下げる学者。その肩に、そっと触れた。
「ありがとう、心配してくれて。けど、無理なところで粘ってもしょうがない。次の出逢いを探そう」
 セリアがのろのろと顔をあげる。興奮しているせいか、顔が朱色に染まっている。

《天使・女神様の仲間参加可能な方々との面会は終了しました。後、面会をご案内できるのは神獣だけでーす。キャハッ♪》


 神獣といっても、何処そこの番人などの仕事をしている獣は駄目。
 神様の乗り物をやってるのも駄目。短時間でも乗り物がいなくなっては不便だし、自分のモノが他人に指図されるのは不快だ、と考える方々が多いからだそうだ。

 神様って、意外とケ……

 いやいやいやいや。天界に居るんだ、神様を貶めるような考えは抱かないようにしておこう!

《お役目に就く前の、神獣たちの待機場所にご案内しましょうか〜?》
 待機場所って、天使天国みたいな所だろ?
 右向いても神獣、左向いても神獣、前にも後ろにも神獣。頭上にも神獣。
 あっちにもこっちにも、どこもかしこも神獣。
 遥か遠くまで、神獣がズラ〜〜〜〜〜と。
 う〜ん。
 萌えられそうにない。

 そもそも、神獣ってどんな姿してるんだ?
 天馬も一角獣も、聖なる鳥も、聖なる鹿も、聖なる兎、聖なる蛇も、聖なる魚も、神獣?
 鳥も爬虫類や魚もあり? 何でもあり?

 つーか、動物萌えとか、かなり無理が。
 その上、イメージが固まらないときては、萌えようがない。

《それでは、ドゥルガー様にお願いして乗り物の神獣を紹介していただいてはいかがですか〜? キャハッ♪》
 ドゥルガー様の乗り物ねえ。
《聖獣ドゥンちゃんでーす》
「性別は牝か?」と、お師匠様が尋ねる。
《壱号ちゃんは、ライオンで牡でーす》
 駄目じゃん。
《弐号ちゃんは、白虎で性別未定でーす》
 性別未定?
《聖獣は天使といっしょで、本来、性別がありませーん。持ち主となった方がご希望なさった場合のみ、性別が付加されまーす》
 へー
《ライオンは牡の方が見目がいいので、ドゥルガー様は壱号ちゃんの牡化を希望されました。でもでも、虎は牝でも牡でも見た目が変わらないので、性別未定のまま放置なさっておられまーす》
「んじゃ、頼んで牝にしてもらうことも」
《可能ですねー キャハッ♪》 


 天使達の指導を受けて鍛錬をつむサラ達の横で、オレ達はドゥルガー様とお話した。
 ドゥルガー様に騎乗獣弐号を拝見したいとお願いすると、あっさりとOKがもらえた。

《白虎は、百獣の王ライオンと並ぶ強力な生き物だ。東国では、白虎が水龍と対決する画が好んで描かれる。白虎は、神秘的かつ強大な生き物と讃えられておる》
 おおおお!
 龍と対決しちゃうぐらい強いのですか!
 それは、ぜひ仲間にしたい!
 凄い女神ドゥルガー様の騎乗獣だから、すっごい神獣なんですね!
 可能ならば魔王戦で神獣も共に戦って欲しいと願うと、ドゥルガー様は優美なお顔に笑みを浮かべられた。
《貴様、他の女神のものではなく私のドゥン弐号を望むとは……なかなかみどころのある奴。私のドゥン達は最高なのだ、毛並みはいいし、爪も牙も刃のごとくきらめいておるし、利口だし、獰猛だし、魔族を頭からバリバリ喰らってくれるし……》
 それからしばらく、ドゥルガー様のペット自慢が続いた。聞きもらしたら怒られそうなんで、ちゃんとかしこまってお話を伺った。
 語るだけ語ってから、ドゥルガー様は鷹揚に頷かれた。
《良かろう、ドゥンも魔王戦に貸してやろう》
 さすが女神様、太っ腹。

 けど、白虎ってどんな姿なんだ?
 勇者世界に虎はいないのだ。
 さっぱり思い浮かばない。

 ドゥルガー様が聖獣ドゥンを呼び寄せ、騎乗してみせてくれる。
 だが、イメージがわかないまま聖獣を見たせいか、白馬にしか見えない。
 龍と戦うってことで、牙を生やしてはいるが。

《白虎とは、逞しく、大きく、しなやかで、》
 ふむふむ。

《爪は鋭く、》
 あ〜、 そうだった。爪があるんだよな。
 ドゥンの足元が蹄から、長い爪の生えたネコ科獣のものに変わった。

《強力な顎を持ち、魔族やアスラを噛み砕くのだ》
 ドゥンのイメージが又、変わる。
 丈夫な顎と鋭い牙、恐ろしげな爪を持った、デカい白毛の狼へと。

 格好いい生き物だとは思うけど、そんだけ。
 萌えない。
 やっぱ、無理だわ、動物は。

「諦めてはいけませんよ、勇者様」
 オレの横のセリアが責めるような口調で言う。
「戦女神様の神獣ならば、大ダメージが期待できます。女神様をもう仲間に加えられない以上、ここで萌えておかねば!」
 と、言っても……
「幻想世界では、猫にウサギにクマに狼に萌えられたのでしょう? あと人馬も。いけますよ!」
「無理。シロさんやピアさんはラブリーすぎるから萌えたわけだし……ミーは人型の時に媚薬効果付きの舌で舐められたからで……正気だったら萌えなかったよ」
 たぶん。
「人馬のクロエさんは、キャアキャア叫んでるのが可愛かったら萌えちゃったようなもんだし。あれは危機的状況の吊り橋効果もあったんだ」

「なるほど。よくわかりました」
 セリアがメガネのフレームを持ちあげながら、言う。
「勇者様の好みを総合した上でご助言いたしましょう」
 助言?
「勇者様、私の知識に間違いなければ、虎とは巨大な猫の事です」
 へー。
 ドゥンの姿が、白猫に変化する。しなやかな白毛で、目は金色。
「ドゥルガー様の騎乗獣は、魔族を葬れるお強いお方。獰猛かつ野性的でありながら、ドゥルガー様の命令に従う知性にもあふれております」
 ふんふん。 
「又、齢を重ねた神獣はさまざまな術を使え、人化の術も覚えている方々が多いと聞き及んでおります」
 ほほう。

「というわけで」
 セリアがメガネを輝かせる。
「ワイルド系の美女で、ドゥン様を想像してみてはいかがでしょう?」
 へ?
「擬人化です。既に人猫族にお会いになっているから、想像は可能なはずです」
 ミー?
 幻想世界で会った猫娘は、ネコ耳、ネコ尻尾。
 裸オーバーオールだったものの、子供だったんで胸はぺったんこ。膨らみの楽しさはなかった。
 おかっぱのやわらかそうな金髪、大きな瞳には縦長の金の虹彩、上唇はネコっぽく波打っていて、可愛いかったなあ。見かけは。
 ヨダレを垂らしてた顔ばっか思いだしちゃうけど。

 ドゥンの姿がミーそっくりになったんで、ギョッとした。
 ちょっとイメージするだけで、その通りになっちゃうんだもんな、この世界の住人。心臓に悪い。

 けど、細っこいミーの上に、手が十本もある大柄なドゥルガー様がのってるんだ。
 かわいそうに見える。
 騎乗獣は逞しくなくっちゃ駄目だ。

 そう思ったら……
 一瞬で、ミーの手足がムキムキになった。

「う」
 童顔なのに、手足むきむき。体ごっつい系。
 バランス悪すぎだろ、それ!
「体型は勇者様のお好きなボンキュッボンで、是非!」
 いやいやいやいや。
 無理無理無理無理。
 これで胸とお尻が大きくなったら、よけいバランスが悪くなるだろ!

「お困りのようですわね」
 背後から、うふふと笑い声が聞こえた。
 イザベルさんだ。
 振りむこうとすると、
「いけませんわ、勇者さま」
 やわらかな手に頬を押さえられ、動きを制される。
「今、あなたがご覧になる相手は、あちらの神獣でしょ? 浮気はいけませんわ」
 浮気って……

「ねえ、勇者さま」
 オレの耳元で、ハスキーな色っぽい声がする。

「白虎は優美でしなやかで美しい生き物なのよ。擬人化するのならそれなりに筋肉があって、ぷるんぷるんのぷりんぷりんで、しなやかさもある……アナベラさんの体がお勧めよ」
 アナベラ……
 ビキニアーマー戦士の健康的な肉体美が頭に浮かぶ。
 うぉ。
 両手両足をつく四つん這いの姿勢でビキニアーマーとか……
 反則だろ、それ!
 すっげぇ、たっぷん、たっぷん!
 動くと、ゆさゆさじゃん!
 オレのハートは、どキュ――ン! と、鳴った。
 顔にカーッと血が上り、ちょっと鼻がムズムズ。
 で、でも、その体にミーの顔はやっぱり合わなさすぎ。

「お顔もワイルドに獣チックにいきましょうよ」
 だ、誰の顔で……?
「ねえ、ご存じ、勇者さま?」
 オレの右頬をやわらかなイザベルさんの髪が撫でる……
「いつも無粋なもので隠してらっしゃるからご存じないかもしれないけれど……」
 イザベルさんがオレの耳にフッと息をふきかけながら、話す。全身がぞくぞくしてくる……
「とても豊かなのよ、パメラさん……アナベラさんといい勝負なの」

 パメラさん……
 ドラゴンのきぐるみを決して脱がないけれど、その顔は……神像のように美しく、幼子のように無垢で……

 ドゥルガー様が騎乗している白虎は……
 真っ白な髪、真っ白な肌のパメラさんとなっていた。
 紐ビキニによく似た局部だけを隠すビキニをつけ、四つん這いになっているんだ。
 大柄なドゥルガー様を乗せるその顔はちょっと苦しげで、それでいて主人に仕える悦びに満ちている。
 歩く度に揺れる胸とお尻、それに長い尻尾の動きがとってもエッチで……
 魅惑的で……
 熱い息を漏らす顔がせつなげで……


 オレのハートは、キュンキュンと鳴った……


 心の中でリンゴ〜ンと鐘が鳴る。
 欠けていたものが、ほんの少し埋まっていく、あの感覚がした。

《あと四十七〜 おっけぇ?》
 と、内側から神様の声がした。


「さすがだな、イザベル」
 仲間欄が丸見えのお師匠様には、オレがイザベルさんに囁かれるまま萌えちゃったってバレバレなのだ。
 セリアがジロリとオレを見る。
「そうですか、萌えたのですか。良かったですね、勇者様。これで魔王戦勝利に一歩近づけましたね、喜ばしい限りです。おめでとうございます」
 あまり、喜んでるように見えないけど……
 セリアのきつい眼差しが、オレの背後へと向けられる。
「口だけは達者な占い師なのです。今後もその詐欺の手口を有効に用い、勇者様の危機を救う為に働いてください」

「うふふ。あなたって、ほ〜んと素敵だわ、セリアさん」
 あン……
 だめ……
 イザベルさんのあたたかい息が耳に……
 気持ちいい……
「私の過去がわかっても、全然、態度が変わらないのね」

「過去は過去、現在は現在です。前世のあなたが神であったとしても、今は役立たずの占い師に過ぎません。まあ、天界に来て、多少は強くなったようですが」
 セリアがおっかない顔でイザベルさんを睨む。
「ノルマは116万4706ダメージ以上です。魔王戦ではしっかり働いてください」
 ぷいっとセリアはオレらから顔をそむけ、ドゥルガー様のもとへ向かった。ドゥンの仲間入りの報告と参戦を快く認めてくださった女神様への感謝の気持ちを伝える為に。

「かわいらしい方よね、セリアさんって」
 あああ……耳元でしゃべらないでください、背筋からゾクゾクしちゃいます〜
 そんなオレに、イザベルさんがうふふと笑う。

「ねえ、勇者さま……幻想の方が真実より美しいとは思わなくて?」
「そ、そうですね……」
 オレの声はうわずっていた。
「時には、そうだと、思います」
 イザベルさんが嬉しそうに笑う。
「なら、真実は秘めておきますわね」
 イザベルさんがスッと身を引いて、オレから離れる。
 ホッとしたような、ものたりないような。

「本物の白虎の姿……今更お教えしてもつまらないもの」
 え?
「トネールに幻影を作ってもらおうと思ったけど、やめておきます。萌え萌えなドゥンちゃんのお姿を、心ゆくまで楽しんでくださいましな」

 オレは、ドゥルガー様へとチラッと視線を向けた。
 その下で大きな方の乗り物となっている女性は、すぐにも大事なところがこぼれ出そうな水着を身につけて四つん這いになっていて……歩く度にたぷんたぷんと、二つの垂れ下がった山が……
 オレは慌てて鼻の下を押さえた。
 やばいでしょ、イザベルさん、ドゥンの姿があのままじゃ!
 直視できないよ!

 オレの前にそっとハンカチが差し出される。
 無表情のお師匠様が、オレの鼻の下を静かに見つめている。

 頬が紅潮した。

 いや、あの、お気づかいはありがたいんですが……
 できれば、今のオレ、見ないで欲しいんですが……





 これ以上、神様にも天使にも神獣にも萌えられそうにないので帰還する事となった。
 ドゥルガー様はジョゼとサラの修行を切り上げさせ、それぞれに今後の課題などの助言をくださった。
 たった半日の弟子入りだけど、戦の女神の指導が受けられたのだ。
 ジョゼが『雷神なんちゃらピッカリ拳』を習得する日や、サラが大魔術師となる日は、多少近づいたのだろう……と、思いたい。

「魔王戦当日は、申し訳ありませんが、ドゥルガー様もドゥン様も天界にいらしてください」
 オレは念を押した。
 魔王戦でオレが開く魔法陣は、天界とオレらの世界を結ぶものだ。その日、ドゥルガー様が所属世界の輪廻世界にいらっしゃったら召喚できない恐れもある。
《人間達の暦はわからぬ》
 きっぱりおっしゃってから、こう付け加えてくださったので安心した。
《貴様からの召喚がかかるまで、弐号は天界に置き、私も本体か分身を天界に置いておく。召喚に応じ送るのは分身ゆえ、どちらかが居ればよかろう?》
 魔王戦にはドゥルガー様本人はいらっしゃらない。
 と、いうのもお強すぎるからだ。
 その気がなくとも、ほんのちょっと指を動かすだけで山をも崩してしまわれる方なんで……
 わずかでも本気を出せば、魔王どころか、国ごと、最悪の場合は世界ごと滅ぼしかねないのだそうだ。
 安全上の理由から、他世界からの召喚には、百分の一程度の実力の分身を送るのが常なのだとか。

 ドゥルガー様の騎乗白虎が『がお〜』と吼える。あああああ、パメラさんそっくりだから、鳴き声まで一緒だ。

《魔王戦の日にはお休みもらって駆けつけまーす。プッチンできるのが楽しみでーす、キャハッ♪》
 犬耳でエルフ耳な天使ちゃんが、オレらに手を振ってくれる。

 お師匠様が、『勇者の書 24――フランソワ』の表紙を雲の上に置く。
 そいや……今回の旅、お師匠様と、あまり話をしなかったよなあと思う。オレのフォロー役をセリアがやってくれたからだろうか?
 お師匠様のスミレ色の瞳がジッとオレを見る。無表情の綺麗な顔が、オレと向かい合っている。
「オレ……賢者になりますから」
 このところ思っていたことが口からもれた。
「魔王戦に必ず勝って、賢者になります。そのつもりでいてくださいよ。お師匠様が賢者でいられるのも、あとわずかな日々です」

 お師匠様はほんの少しだけ目を見開き、それから静かに口元をゆるめた。
「魔王が目覚めるのは四十七日後だ。よく考えた上で答えを出すといい」

 後を継いで賢者になるって言ってるのに。
 よく考えろとか……
 又、ガキ扱いかよ。


 魔王が目覚めるのは、四十七日後だ。


 そんな事を思いながら、オレは……
 天界に別れを告げ、お師匠様達と共に、もとの世界へと還っていった……


* * * * *


『勇者の書 101――ジャン』 覚え書き

●女性プロフィール(№053)

名前 ドゥン(弐号)
所属世界   輪廻世界
種族     神獣
職業     女神の騎乗獣
特徴     獰猛な白虎。
       ドゥルガー様の乗り物は
       二体いて、壱号はライオンの牡。
戦闘方法   爪と牙
年齢     不明。
容姿     オレの想像というか妄想では、
       白髪で白い肌のパメラさん。
       危ない水着姿の四つん這い姿勢は
       エッチでキュンキュンもの。
口癖    『がお〜』
好きなもの  ドゥルガー様。
嫌いなもの  敵。
勇者に一言 『がお〜』
挿絵(By みてみん)
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ