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ハーレム100 作者:松宮星

英雄世界

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補導しますよ!   【原 美咲】(※)

 あああああ、アタシってば不幸!
 勇者は、制服マニアのヘタレのプレイボーイ!
 そんだけでも充分、お近づきになりたくないってのに……

 ロリコンだったなんて!
 五才の女の子をナンパとか正気?

 アタシ、ロリコンは嫌なの! 駄目なの! 生理的に無理! 幼児愛とか犯罪よ!

 て言ったら、おねーちゃん『あんたの旦那だってロリコンでしょ。三十オヤジのくせに、あんたと結婚したんだから』とか言うし。
 ムカッ!
 失礼しちゃう!
 正孝さんはちゃんとした大人! アタシの高校卒業を待って式を挙げてくれたもん!
 あ〜んな、ヘラヘラフラフラしてるガキと一緒にしないで!

 ロリコンと同じ空気を吸うのも嫌!
 あいつが存在してるだけで、アタシとダーリンの愛の巣が汚されてゆく感じ!
 追い出したい!

 なのに……ナニモノカノ意志ニ操ラレテイルアタシハ、アイツニ服従スルコトシカデキナイノヨ……

 葵ちゃんは、夕方に狩人と出かけて行った。街の案内を頼まれたらしい。『明日は午前中に講義があるので、このまま帰りまーす』って居なくなるし……
 その時、葵ちゃんのお友達も消えた。『瑠那はメイド・カフェまでお使いに行くのです。行って参ります、ご主人さま』ってバイトに行っちゃった。
 夕飯後、おねーちゃんまで『では、私、明日は仕事なので帰らせてもらいますねー』と笑顔で帰っていきやがって……

 勇者一行を、アタシ一人に押しつけてみんな消えちゃうんだもん……ズルイわ、汚いわ。

 お風呂やトイレの使い方は、昨日教えた。
 テレビかけときゃ、とりあえず静か。この世界に遠所の映像を映す箱があるってのは事前に知ってたみたいで、ファンタジー世界の住人なのにごく自然にテレビを受けいれている。
 リビングに客用布団を敷き、バスタオルやらタオルやらを用意したら、アタシの用事は終わり。

 寝室でメールをチェックする。
 正孝さんの携帯は海外でも使えるタイプ。
 でも、昨日も今日も、アタシは、本当の事を何も伝えてない。
『うちを勇者一行にのっとられました。勇者は、惚れっぽいロリコンです。そいつのハーレム作りを手伝ってます』なんて書けないもん……

 園児を仲間にしちゃって、どうする気なんだろ?
 六十日後にあの子は、異世界に召喚されて行方不明になるんだ。まさに犯罪。すぐ帰すからって、許される行為じゃないわ。
 本当、いきあたりばったりのいい加減な勇者。
 無責任。
 顔も見たくない。

 ベッドに仰向けにゴロンと倒れた。
 洗濯も掃除もしてない。食事は三食ともコンビニのお弁当ですませた。人数分、作るのがめんどうだったから。
 何にもしてないけど、むちゃくちゃ疲れてる……
 何かする気力がわかない……
 明日から、勇者一行は仲間探しを再開する。アタシはそれを手伝わないといけない。

 目を閉じた。
 寝て起きたら、あいつらが消えてくれてればいいのに……そう思いながら。


* * * * * *


 オレは、カトリーヌに起された。
 眠ってすぐみたいだ。辺りは暗い。
「仲間候補がいっぱい居る所を見つけたの、ついて来て」
 夕方からカトリーヌは、別行動をとっていた。街の探索へ行っていたんだ。

 つづいて、カトリーヌの護衛につけた風の精霊アウラさんが言う。
《中を覗いてきたわ。おにーさんが探してるジョブが大量に集まってたわよ。あいかわらず戦闘力無そうな人間ばかりだけど》

 夜の時間しか集らないらしい。
 オレは眠い目をこすり、体を起こした。

 リビングには小さな常夜灯だけが灯っている。見渡すと、お師匠様もサラもジョゼも静かな寝息をたてて眠っていた。サラとジョゼはソファーの上で毛布をかけ、お師匠様は床に敷かれた布団に寝ている。

 ニーナはリビングのはじっこで、闇の精霊ソワと遊んでいた。ぬいぐるみを交えたおままごと。ぬいぐまに化けたアナムと、今日の昼間にマドカさんに買ってもらったピンクのクマが二人の間に座っていた。
 幽霊のニーナは、眠る事ができない。オレらが休んでいる間一人になっちゃうのもかわいそうなんで、昨日も今日も寝る前に遊び相手としてソワを呼んどいたんだ。
 真っ白なニーナと、髪も肌も服も何もかもが黒いソワ。
 二人は仲良しになった。境遇が似てるからかも。

《遊びに行くの? なら、あたしもー》
 ニーナが走り寄って来る。
《ソワちゃんもいっしょでいい? 夜だから、ソワちゃん闇に溶けこめるよ》
 姿を消すんなら二人ともいいよとOKした。二人は手を取り合って、キャッキャ喜んでいた。

 廊下には、マドカさんが居た。マドカさんは涙目だった。眠っている所をカトリーヌに起されたらしい。
「ごめんなさいね、若奥様。若奥様がスポンサーになってくださらないと、私達、何にもできないんですもの。助けてくださいましね」
 カトリーヌが近寄ると、マドカさんはバックステップで後ろに下がった。んでもって、涙目でカトリーヌを睨む。逆毛を立てて威嚇する小ネコみたいだ。
 何かしたのか、カトリーヌ……?
《艶っぽい起し方をしたのよ》
 アウラさんがケラケラ笑いながら教えてくれる。
《あんな事されたら、誰だって起きちゃうわよ。そのケが無くっても、ね》
 な、なにを、したんだ、カトリーヌ……

 外へ出て、駅前へと向かう。ニーナと精霊二人は透明になって。

 道々、夜だってのに明るいなあって感心したんだが、駅前はもっと凄かった。
 昼間なみって言ったらさすがに嘘だけど、やたら明るい。街灯だらけだし、店の中から灯りが漏れてるし。
「まだ十一時前だもの」
 と、まどかさん。
 夜の十二時過ぎまで駅前は賑わう。一日中営業をしている店もあるのだそうだ。英雄世界の人間は、活動時間がオレらより長いようだ。

 駅の反対側に行くと、一層、賑やかな感じになった。営業中の店がいっぱいあり、あっちこっちにピカピカ点滅する光やら、色のついた灯が灯っていて綺麗だった。

 で、カトリーヌに仲間候補が集まっている店へ案内してもらったんだが……
 中には入れなかった。
 マドカさんに止められたからだ。

「そんな所、入れません! 絶対、嫌です!」
 マドカさんは叫んだ。
「あなただって入っちゃいけません! ケーサツに捕まります! 帰りましょ!」
 マドカさんにひっぱられ、オレはその店の前から立ち去った。
 残念だ。
『イメクラ 妄想にゃんにゃん』には、婦警さんも女医さんも看護婦さんも女子高生も巫女さんも居たのに。あと社長秘書も。

「ああゆう店は十八歳未満は入店禁止なんです! 勇者さまは入ってはいけません!」
「オレ、十八歳ですけど」
 そう言うと、マドカさんは足を止め、けげんそうに振り返った。
「十八歳……?」
「です」
「同い年……?」
 不審そうな顔でマドカさんが、オレを見上げる。もっとガキに見られてたのか。そういうマドカさんだって、十三、四にしか見えないのに。

「勇者様は、こう見えても大人の男なんですよ。ね、若奥様、大丈夫だからさっきの店に戻りません?」
 マドカさんはジロッとカトリーヌを睨むと、財布の中から紙幣を数枚抜きとり、カトリーヌに押しつけた。
「お二人で、どうぞ! アタシは帰ります!」

 そのまま、スタスタと来た道を戻って行く。
 まぶしいほど灯りが灯っているとはいえ、夜だ。暗いところもあったし。女の人を一人で歩かせるなんて、できない。
 オレはマドカさんを追いかけた。
「送ります……というか、オレも一緒に帰ります」
 マドカさんは横目でオレを見た。が、速度をゆるめる気はないようで、速足で歩いて行く。
 超不機嫌。
 話しかけづらかったけど、どうせ帰るなら、寄って行きたい所がある。帰り途に、ちょうどあるし。オレはお願いしてみた。
「マドカさん、ちょっとだけ寄り道したいんですが……」


* * * * * *


 他の誰も居ない、夜の公園。
 公園の灯りに照らされて、二つのブランコがギシギシ揺れている。
 こいでいるのは、白い幽霊と黒いオバケ。
 ぶきっちょにこぎながら、普通の子供みたいにキャッキャ笑っている。
 とても楽しそうだ。

 アタシは同じベンチに腰かけている男を、チラッと見た。

 寄り道したいって、こういう事。
 幽霊と闇の精霊だっけ? 黒いのを、外で遊ばせてあげたかったのね。
 勇者はニコニコ笑って、白黒の子供を見ている。
 服装こそ、Tシャツにデニムと、カジュアルな大学生風だけど……
 お父さんみたいな目で二人を見ている。ロリコン兄ちゃんには見えない。

 今、アタシは、勇者と狩人にはさまれる形でベンチに腰かけている。
 セクハラ狩人がにじり寄ってくるんで、体はどんどん勇者へとくっついてゆく。ロリコンも嫌いだけど、レズはもっと嫌! 貞操の危機だもん!
 でも、だからって、このフラフラ勇者に好意があるわけじゃない。アタシの心も体もダーリンのものだもの。

「マドカさん、お願いがあります」
 幽霊達を見ながら、勇者が言う。
「オレが昼間仲間にしちゃった、モモセ サツキちゃんの事なんですが……」
 園児ね。
「このままじゃいけないと思うんです。マドカさんから、ご両親に魔王戦の事、うまく伝えてもらえませんか?」
 は?
「オレらの世界にサッちゃんが召喚されるのは、十数分だと思うんです。けど、いきなり召喚なんて事になったら、当人は怖いだろうし、周囲の大人たちも胸が潰れるぐらい心配すると思うんです」
 駄目。
 やめて。
 頼まないで。
 あんたにお願いされたら、アタシ、OKしちゃうのよ。ナニモノカノ意志ニ操ラレテイルカラ。
 あの子の幼稚園の名前は聞いといたけど! さくら組だって知ってるけど!
 見ず知らずの親に会いに行くとか無理!
 あなた達のお嬢さんは六十日後に勇者の仲間として異世界に召喚されます、とかアタシに言わせる気? アタシ、病院に入れられちゃうわよ!

「今世の勇者だってお師匠様に見出された時、オレ、八才だったんです」
 う。
 ここで身の上話?
「勇者見習いは世俗と交わっちゃいけないってルールがあって……オレ、さらわれるように山ン中の館に連れて行かれたんです」
 だから、何?
 同情ひこうって魂胆?
「それから、ずっとお師匠様と二人っきりでした。両親ともジョゼとも……誰とも会えず、手紙のやり取りもできないまま十年過ごしました」
「十年間……も?」
 軽い兄ちゃんのはずの勇者。その口元は、少し寂しそうだった。
「魔王が現れたんで、オレ、正式な勇者になりました。山ン中から出てこられたんですが……両親はいませんでした。八年前に亡くなってたんです」
 え?
「十年前の別れの日、父さんやベルナ母さんは、『頑張れよ』と明るく見送ってくれた。けど、二人とも大根役者で、子供にもバレバレな(から)元気でした。目がうるんでて、寂しそうだった……それが、両親の最後の記憶です」
 そんな……
「家族が離れ離れになるのは、互いにとってつらいことです」
 互いにとって……て、やっぱり、つらいわよね。八才じゃ。親元離れて、帰れないなんて……。アタシなら、無理……。
「だから、サッちゃんにもご両親にも、教えてあげてくれませんか」
 勇者がアタシに微笑みかける。
 正孝さんみたいな優しい笑顔で……
「先制攻撃の法に守られた安全な、ほんの短い間だけの召喚なんだって。すぐに無事に帰って来られるんだって」


 胸がキュンキュンした。


 ちょ、ちょ、ちょ!

 何、今のときめき?

 嘘よ、夢よ、幻よ。
 ああああ、だめよ! アタシにはダーリンがいるのに! 大恋愛の末に結ばれた正孝さんが!
 そんなかわいい顔で微笑まないで。
 一時的な気の迷いよ! 勘違いよ! アタシ、こんな兄ちゃん、好きでも何でもない!

 その時、薄暗かった公園に、ピカッと明るい光が射した。
「何をしている?」

 気がつけば……
 目の前に警官。
 懐中電灯を持った警官と婦警さんの二人組。

「間もなく零時だ。こんな時間にこんな所で遊んでいては駄目だろう? 青少年育成条例は知っているかね?」
 中年の男の警察官がそう言うと、
「住所・氏名・年齢・学校・自宅と携帯の電話番号を教えて……そちらの二人は外国の方? パスポートは所持されていますか?」
 と、婦警さんが続ける。

 これって職務質問……?
 どこの中学? とか聞かれちゃうし。
 補導……?
 いえ、あの、アタシ、高卒で主婦なんですが……

 て、パスポート……?

 えェェ!
 ンなの、勇者達、持ってないわよ!


* * * * * *


 オレのハートは、キュンキュンと鳴った……


 心の中でリンゴ〜ンと鐘が鳴る。
 欠けていたものが、ほんの少し埋まっていく、あの感覚がした。

《あと六十三〜 おっけぇ?》
 と、内側から神様の声がした。


 オレは拳を握りしめ、目の前の女性を見つめた。

 こんな夜の公園で、最強ジョブの一つに出逢えるなんて、オレはツイてる!

 婦警さんだ♪ 婦警さんだ♪ 婦警さんだ♪

 キャップに、ジャケットにミニなスカート、パリッとしてる中にかわいらしさのある制服だ。
 肩先で切り揃った髪、きりりとした真面目そうな綺麗な顔、足もすらっとしてる。
 よく通る低い声に媚びは全然無いのに、何とも言えぬ色気がある。
 かっこいいなあ。
 ミニスカポリスって言うんだ、「勇者の書」に書いてあった。

 彼女はいぶかしそうにオレを見る。
「『勇者』……?」
 コマンドってヤツが頭の中に見えたのかな? 彼女が戸惑いながら、オレを探るように見つめる。
 何もかも見通してやろうって瞳。
 いいなあ。
 鋭くって、容赦がなくって……
 ぞくぞくしちゃう……

 コマンドは本人にしか見えない。
 相棒の男性警官は、婦警さんの変化に気づいていないようだ。マドカさんと話している。
「主婦? 嘘はいけないぞ。何処の中学だ? 正直に言いなさい」
「嘘じゃありませ〜ん」
 お財布からカードを取り出し、マドカさんが警官に見せる。身分証明書のようだ。
「お姉さんの保険証かい? 勝手に持ち出しちゃ駄目だよ。他人のふりをするのは、身分詐称と言ってね、犯罪なんだよ」
 中年の警官が教え諭すように、やさしくマドカさんに言う。全然、威圧的じゃない。人のいいお巡りさんのようだ。
 けど、子供扱いされてるマドカさんは半泣きだ。
 嘘ついてません! と、ぶんぶん頭を横に振っている。ああああ、アタシって不幸!と、いつもの口癖を叫んでいる。

『誰かが接近したら、ニーナ達を隠して』と、アウラさんに頼んでおいた。透明化したアウラさんに周囲を包まれてるから、ニーナ達が警官達に見つかることはない。

 オレは婦警さんを見つめながら、コマンドの変更を試してみた。

 オレが『こちらの生活を大事にしてください。手伝いは、できる時だけで』と言ったら、カガリさんのコマンドは『リアル優先。勇者の手伝いは余暇で』に変更になった。
 婦警さんの今のコマンドがどうなってるのかは知らないけど、『勇者や仲間がピンチの時は助けて』と願ってみた。
 この世界では、子供は遅い時間に出歩いてはいけないらしい。ピンチのマドカさんを何とか助けてもらえないものか。

 婦警さんは、嫌そうに眉をしかめた。不本意そうな表情だ。
「高木さん、すみません、ちょっと……」
 と、婦警さんは中年男性に近寄りボソボソッと何かを囁いた。
「え? そうなの?」
 中年男性はしばらく婦警さんと話し、それから頭を掻いて頭を下げた。
「すみません、え〜と、櫻井まどかさん?」
 身分証明書を確認しながら、男性警官が言葉を続ける。
「本官らの勘違いで不快な思いをさせて申し訳ない。小さな子供が公園で騒いでいると、まあ、そういう通報がありましてね、こうして出向いた次第なのですよ。深夜という事もありますし、あなた、たいへん誤解されやすい外見をしておられますし、どうです、お家に戻られては?」
 身分証明書をマドカさんに返し、中年警官がカカカと笑う。
「余計な事を申しましたな。では、我々はこれで。原、行くぞ」

 オレは頭の中で名前を教えて欲しいと願ってみた。
 婦警さんはオレをチラッと見てから、オレではなくマドカさんに声をかけた。
「次にこのようなトラブルがあった時には○×署地域課、原美咲に照会を依頼してくださっても結構です。どうぞご主人様によろしくお伝えください」
「え? あ、はい」
 マドカさんは目をぱちくりとさせた。
 ハラ ミサキさんか……
 マドカさんの旦那さんと知り合いだ、マドカさんとも面識があったとか……そんな感じで、先輩警官を説得したのかな?

『六十日後に魔王戦となる。その日にあなたに十数分ほどオレらの世界に来てもらう事になる。魔王と戦ってもらいますが、怪我する恐れはありません』と、心の中で考えた。
 が、心話じゃなくコマンドなんだ、命令口調じゃなきゃ通じないかも? と、途中で気づいた。

『六十日後にオレの世界で魔王と戦え。詳細を知りたければサクライ マドカに問え』
 と、念じ直してみた。
 ミサキさんは頷き、先輩警官と一緒に公園から出て行った。

 マドカさんがふぅ〜と体から力を抜く。
「パスポートの話が出た時には、どうなるかと……」 

『パスポート』って何だ? よくわかんないが、心配かけちゃったんだな。
 いい人だなあ、マドカさん。
 オレはマドカさんに頭を下げた。
「さっきの婦警さん、ハラ ミサキさん……そのうち、マドカさんに連絡してくると思います」
「え?」
 きょとんと目を丸めるマドカさん。
 オレは、ミサキさんのコマンドを書き換えた事を伝えた。
「オレらが居る間なら、オレかお師匠様がミサキさんに事情を説明します。オレらがもとの世界に帰った後だったら、申し訳ないですが、ミサキさんへの説明お願いします」

 マドカさんはわなわなと震え、唇をひきつらせ……
 それから、にっこり笑って、こう言った。
「よろこんで……お引き受け……します」

 本当、いい人だなあ。


 魔王が目覚めるのは、六十日後だ……たぶん。
 日付が変わってたら、五十九日後。


 サツキちゃんの事も、ミサキさんのことも、マドカさんが引き受けてくれた。
 いつもの口癖『あああ、アタシって不幸!』を叫びながらだけど。

 遊び足りなさそうなニーナとソワも連れ、夜の公園を後にした。

 カトリーヌが、少し変だ。
 やたらジロジロとオレを見る。
「どうかしたの?」 と、聞いても、
「別に」と肩をすくめるだけだが……

 何なんだ、一体?


* * * * *


『勇者の書 101――ジャン』 覚え書き

●女性プロフィール(№037)

名前 ハラ ミサキ
所属世界   英雄世界
種族     人間
職業     婦警さん
特徴     先輩のタカギさんと、公園に居た
       オレらに職務質問をした。
       マドカさんを中学生と思ったらしい。
       ○×署地域課所属。
戦闘方法   不明
年齢     婦警さんになれる年齢。
容姿     肩で切り揃えた黒髪がりりしい。
       颯爽とした美人。
       制服がよく似合っていた。
口癖     不明
好きなもの  不明
嫌いなもの  不明
勇者に一言  なし。というか話しかけてもらってない。
挿絵(By みてみん)
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