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ハーレム100 作者:松宮星

精霊界

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しびれるような快感 【エクレール】(※)

 雷の神殿は、雲の中にある。
 雲は、白くてほわほわしてて綿みたいだ。思わず触ってみたくなるけど、あっちこっちで目にも止まらぬ速さで電気的な光が走っている。雲に触れた途端、感電しそうだ。

 オレと仲間達は、雷の神殿の闘技場で精霊達に囲まれていた。
 敵は、皆、同じ形をしている。赤や緑に白から青さらに紫にまで、めぐるましく自身の光を変化する球状の光。発光しながらふよふよと空中を浮遊している。その数は十二。
 時にバチバチと火花を散らせる彼等は、オレらの世界で言う球電と似ていた。

《ハジメ》

 審判の合図と同時に、四方から稲妻が光り、複数の光の束がオレらへと降りかかる。

瓏ナル(ディフ)幽冥ヨリ(ェンス・)疾ク奉(ガード)リシ麗虹鎧・バリア
 パーティ全体が、光の防御壁に守られる。雷撃が、全てが目に見えない結界に阻まれ四散してゆく。
 空気を揺らす轟音すら防いでいる。雷の精霊がもたらす魔法効果を全てシャットアウトしてるんだ。

「ファイアァァー!」
 サラが気合をこめて生み出した炎が、球電を呑みこんでゆく。
 彼等の存在する空間を炎が呑みこむと、球電の形が揺らぐ。けれども、消滅させるまではいかないようだ。

「『ソル』と『ヴァン』、ジョゼちゃんの守護を」
 左の二の指と三の指の指輪に接吻し、イザベルさんが妖しく笑う。
 イザベルさんの土の精霊が、薄い皮のようになってジョゼの全身を包みこむ。絶縁効果の高い硅石になったのだ。もう一体のしもべは透明化して、ジョゼの頭部を覆う。風の結界で、光と熱と轟音から守護する為だ。
 イザベルさんの精霊は充実してきた。左手には炎水風土の指輪があり、右の小指には氷の精霊を封じた指輪がある。

「アウラ、サブレ、守護を頼む」
《おっけぇ》と風の精霊アウラはあっさりとしたものだが、
《喜んで、ご主人様》
 土の精霊サブレは、浮き浮きした感じで答えた。
《電マ、初めてなんです……あんなにバッチンバッチンで、火花まで……あぁん……ステキ、激しそう……》
 何を期待してるんだよ、おまえ。

 ジョゼと共に、マリーちゃんの結界外に飛び出す。
 球電から幾筋も光が生まれ、雷撃がオレらを襲う。
 しかし、何の衝撃もない。土の精霊が守護してくれてるから、雷も熱も衝撃波も全部吸収してもらえる。風の精霊のおかげで、視覚聴覚も無事。バチバチドドォォンと音はするけど耳にうるさいってほどじゃないし、まばゆい光を直視しても平気だ。

 水は雷と相性が悪いんで、今回も水の魔法剣はお休み。
 オレは拳をもって雷の精霊に挑んだ。
 だが、オレの拳は何の手ごたえもないまま、球電の中を素通りした。
 実体が無いんだ。空中の放電のようなものなのか。

 だが、オレのすぐ近くの球電は消え失せた。
 ジョゼの正拳に貫かれて。
 義妹は気合を込めて突きや蹴りを放ち、球電を次々に散じさせてゆく。
 勇者(アイ)は8~12万ダメージぐらいを計測している。
 実体がない敵を拳で葬っている……?

《闘気をもって、雷の精霊の存在基盤を揺るがし四散させているのですわ》
 氷の精霊グラキエス様が、上から目線でオレに助言する。
《雷の精霊には実体がありませんのよ、ただ殴っただけでは効果がないの。よろしくって?》
 物理攻撃には、+αが必要ってことか。
 つっても、オレはジョゼみたいに拳に闘気をこめられない。魔力を宿すのも無理。
 精霊支配者として、みんなの力を借りるしかないか。

 雷に有利なのは、風。雷の通るべき道を邪魔できるからだそうだ。だけど、アウラさんには視覚や聴覚の保護を頼んでいる。
 水の精霊は、雷と相性が悪い。
 サラの攻撃はあんま効いてない。炎も有効とは言えない。
 となると……

「グラキエス様、右手に宿って」
(わたくし)?》
 ホホホとグラキエス様が笑う。
《よろしくてよ、ジャン。あなたのお手並みを拝見させていただくわ》

 殴れないんなら、殴れるようにする。
 凍らせて固めりゃ、実体ができる。

 と、思ったんだけど……

《感想を伺ってもよろしいかしら、ジャン?》
「……作戦ミスでした、すみません」
 オレは右手を振りまわしながら、グラキエス様の高笑いを耳にしていた。

 オレの右の拳から手首までは、球電にめりこんでいた。グラキエス様の拳で殴った途端、雷の精霊は周りの空気を巻き込んで急速冷凍しちまったんだ。
 腕を振ったぐらいじゃ、駄目だ。
 抜けねえ!

《ソコマデ》

 オレと仲間達、対戦相手、そして観客にまで、審判の声が響き渡る。

 勇者一行と雷の精霊の戦いの初戦は、オレ達の判定勝ちとなった。





 しもべ希望者との交渉になった。が、オレのしもべ希望者は来なかったし、萌えツボにヒットする精霊もいなかった。

 イザベルさんは雷の精霊『トネール』をゲットし、右の薬指に新たにロードライト・ガーネットの指輪をはめた。薔薇石と呼ばれる紫の宝石だ。

 んで、ジョゼの所にも、しもべ希望者が来た。
 紫色の小鳥で、『レイ』と名乗った。ジョゼに四散させられた球電の1体らしい。ジョゼの闘気に魅せられたのだ、と言った。
 その申し出を、ジョゼは丁寧に断った。今までそうしてきたように。
 炎・土界には、異世界人にかたっぱしから声をかける奴もいた。外に連れてってもらえるんなら、主人は誰でもいいってわけで……ジョゼは『自分は付き添いでPTに居るだけだから』と全ての申し込みを断ってきた。
 けど、断られても、レイは諦めなかった。『自分の主人はあなた以外いない、考えを改めてくれないか』と粘り、又、来ると言って消えたんだ。
「あの精霊は、今までの輩とは違う」
 困惑しているジョゼに、お師匠様が助言した。
「おまえを欲しているのだ。どうすべきか、どうしたいのか、少し時間をかけて考えてみるといい」。

 雷の精霊への再挑戦を願ったオレ達は、闘技場の階下に転移させられた。
 雷の神殿の地下は、氷の神殿以上に混雑していた。
 壁には、氷の神殿同様、対戦順番表がある。
 オレらを含め、PTの数は十九。
 オレらと入れ代わりに、リザードマンが数人消えた。闘技場に転移させられたんだろう。

 十八組の異世界人の対戦&しもべ申し込みタイムが終わらなきゃ、オレらの番は回ってこないんだ。

 大広間なみに広いとはいえ、地下には百人近く居る。さすがに狭っ苦しい。
 萌えて仲間にできそうな美女でも居れば良かったんだけど、野郎と人外ばっかだ。視覚的に、まったく楽しくない。

 雷の精霊は実体が無い分、氷の精霊よりも戦いづらい。戦闘で活躍できなかった奴らが、再挑戦へと流れやすいんだ。
《雷の方々、()が強すぎますもの。こうなって、当然ですわ》
 氷の精霊も雪片や氷片のような微細な姿となれば、一方的(ワンサイド)に勝てる。だが、挑戦者の良い所を引き出してあげる為に、わざわざ大きな(まと)となって対戦しているのだとグラキエス様はおっしゃる。
《氷の精霊は、下々のものにも愛の手をさしのべますの。私達の懐の広さ、おわかりになったかしら?》

「度量が狭いわけではない、自ら思考しない怠け者を厭うだけだ……って、トネールは言っているわ」
 ロードライト・ガーネットの指輪に、イザベルさんが軽く口づけする。
 今、オレ達勇者一行は、紫雲にのって、地下神殿の天井付近に浮かんでいる。待合所が人ゴミすぎて狭苦しいんで、イザベルさんがトネールを紫雲に変化させて、オレらを退避させてくれたんだ。
 トネールはベッドやらソファーやらテーブルやら、イザベル御殿のモノをのっけってあまりある大きさなんだ。
「実体が無い敵に対しても、焦らず、思索し、活路を見出す。揺るぎない闘志と柔軟な思考力、そして電光石火の行動こそ美しい……だそうよ」

「お兄さま……あの……」
 思いつめた顔の妹は、言いかけた言葉を飲みこむ。その顔はオレに相談したい! って叫んでいたけど、オレを煩わせては申し訳ないとばかりに黙ってしまう。
 オレは妹の頭をポンポンと撫でた。
「オレの為に強くならなきゃとか、考えなくていいから」
「お兄さま……」
「しもべ申し込み、嫌なら嫌って断っちゃえよ」
「……はい」
「まあ、お友達って事で気楽に付き合ってもいいと思うけど」
「……はい」

 待ち時間の間、紫雲の上で、仲間達は思い思いの時を過ごした。

 サラは、マリーちゃんから回復魔法を教わっていた。『暁ヲ統ベル(エターナル・)女王(マリー・)ノ聖慈掌(セインツ)』じゃなくて、『ヒーリング』等、普通の名前の魔法ばっかだった。
「あれは、『マッハな方』の、オリジナル魔法、なんです〜 ちょっと、独特な、精神状態に、ならないと使えません〜 あの方と、あの方を、降ろせる、私の、専用魔法、なんです〜」
 平凡な魔法しかお教えできずすみませんと謝るマリーちゃんに、サラはぶんぶんとかぶりを振った。あのナニな呪文、できれば覚えたくないだろう。

 ジョゼはほとんどの時間、格闘の演武をしていた。迷っている時はまず体を動かし、自分の心と正面から向き合え……ベルナ母さんの教えだ。

 お師匠様は書き物をしたり、異次元倉庫の非常食料を点検したりしていた。

 イザベルさんは紫雲から降りて、下で商売を始めた。
 水の精霊を半透明な天幕に変化させ、炎の精霊を椅子に、土の精霊を机と絨毯にし、『イザベルの占いの館』出張所を開いたんだ。風・氷の精霊に清浄な冷気を作らせてるんで、天幕の中は涼しくて空気が美味しいらしい。
 占いの館は、行列ができるほど盛況だった。イザベルさんの魅力は、異世界人にも通じるようだ。見料は、異世界の食べ物、貴重品、武器等。異世界人相手に、イザベルさんは楽しそうに占いをしていた。

 そんな仲間達を見渡しながら、オレは……
 次の戦闘の事を考えていた。

 あと七日で、雷光闇の三エリアで仲間を集めないといけない。雷界でのしもべ探し戦ができるのも、あと一回ってところだろう。
 次こそは格好いい所を見せないと。
 しもべになってくれた精霊達に協力してもらう他にも、やれる事はやっておくべきだろう……
 オレの視線は、オレらの荷物を置いてある場所へと向いた。
 その中にあるひときわ大きな革袋が、『ルネ でらっくすⅡ』だ。

『勇者様、困ったなーという時にはこれです!』
 発明家ルネさんの言葉が、頭の中に甦る。
『私の発明品を詰めた、その名も『ルネ でらっくすⅡ』! 行き先が精霊界である事を考慮した、改良版です! あらゆる危機に対処できる、発明品を詰めておきました! 旅のお伴にどうぞ!』

 この旅で、『ルネ でらっくすⅡ』はそこそこ利用している。
 夜も昼もない精霊界じゃ『自動ネジまき 時計くん』が必要だし、『どこでもトイレ』は大活躍。携帯洗顔器『お顔ふき君』は、女性陣に大人気だ。

 だが、『ルネ でらっくすⅡ』には旅先便利グッズ以外の物も入っている。
 今まではリスクを恐れ使わなかったが……
 戦闘のチャンスはあとおそらく一度。
 もう、なりふりかまってはいられない。
 あるものは何でも利用する!

 この世界に来て十三日目にしてオレは……
 禁断の袋から兵器を取り出してしまったのだった……
 雷界専用と書かれた危険な兵器を……


 雷の精霊との二戦目。
 オレは開始の合図と共に仲間達から離れ、壺のような発明品を小脇に抱え、球電達が四方八方に雷撃を飛ばす中へと飛び出した。
 ほとんどの雷撃が、オレへと誘われる。
 サブレとアウラに守られているからいいようなものの、そうでなきゃ真っ黒焦げになってるところだ。
 オレの頭、左腕、腹、背中からは、先端を尖らせた金属の棒が伸びている。避雷針というか、導雷針だ。マリーちゃんの結界を狙っていた雷すらも、オレから伸び得る金属へとひっぱられる。
 バンドで固定したそれらの末端にはコードがあり、コードはオレの脇の下の壺の底へと繋がっていた。
 一見、壺なそれは……
 魔法機関を応用した熱電量蓄積型兵器……
 集めたエネルギーをそのまま、レーザー砲の燃料として再利用してしまうという……
 環境にやさしい兵器『エコなレーザーBomb君』なのだ。

『エコなレーザーBomb君』をぶっぱなす。
 周囲の磁場が狂わされ、雷が形を保てず四散する。
 58万ダメージとか出てるし!
 すごい! ルネさん! 威力は抜群!
 光の粒子砲は神殿周囲の空に吸収され、消滅する。魔法防御結界が張られているんだろう。観客にまでは被害は及ばない。
 オレは、体の向きをちょっとづつ変えて、レーザー砲を連射した。
 連射せざるをえなかった。
 壺の上部にある蓄積メーターが右にふりきれてるんだもん。
 許容オーバーな雷エネルギーを、吸いまくってしまったんだ。
 中身を減らさないと、きっと、おそらく、たぶん……
『エコなレーザーBomb君』は、ルネさんの発明品にふさわしい最後を迎える。
 いや、もう駄目かも……
 十発は撃ってるのに、メーター戻んないよ!
 間に合わない気がする!
「サブレ、衝撃波に備え準備! ティーナ、すっごい爆発になるだろうから吸収して!」

 撃って撃って撃ちまくった。

 なのに……
《ソコマデ》
 審判が試合を止めちゃうし!
 撃たないと、マズいんだってば! っとオレは叫びかけた。

 そんなオレの脇の下で、『エコなレーザーBomb君』がもの凄い異音と熱を発し始めた……

 閃光。
 轟音。
 爆風。

 来るとわかっていたから、爆発衝撃は耐えられた。
 つくづく精霊を仲間にしといて、良かった。
 生身だったら、爆発で木端微塵だったよ。

 ふと見ると、オレのすぐ側に人が倒れていた。
 衝撃波に巻き込まれたようだ。球電だった奴だ。磁界を狂わされると、雷の精霊は存在の基盤が揺らぐのだそうだ。その影響で人型になったのだろう。
 紫の髪は、水晶のような形でツンツンと尖ってる。が、人らしくないのはそこだけで、整った顔も、凹凸のあまりないスラリとした体も、大人の女性のようだった。体、腕や足にプロテクターのように紫水晶をつけている。
 大丈夫かな? と、思って抱き上げた瞬間だった。

《いやぁん!》
 精霊はすっとんきょうな声をあげて、オレを突き飛ばした。オレは床に尻もちをついた。

《はぁん、もう! エッチぃ!》
 精霊が両腕で自分の体を抱き締め、床に座り込む。
 エッチって、そんな……
 心配して抱き上げただけなのに。

《キミってば、いっつも強引。駄目よぉ、性急だと、モテないぞぉ。心の準備をさせてよぉ》

 へ?

 精霊が上目遣いにオレを見上げて来る。まつげが長い。紫の瞳はキラキラと色っぽく輝いている。
《あたし、エクレール。二回も負けちゃったんだもん……もぉ、キミしか居ない、あたしをキミのモノにしてぇ》

 う!
『キミのモノ』? 
 しも、べ きぼう、ですね?

《うん。連れてってー ね、ね、ね、こんぐらいでどう?》

 そう言った途端、ぺったんだった胸がぷるんと膨れ上がり、お尻もぽよんとし、腰のくびれが目立つようになった。

《そんでもって、これで、どーだー?》
 プロテクターのように、体を覆っていた紫水晶が小さくなってゆく。
 首から胸元がバイーンと開き、胸元強調!
 股のあたりもキュッとつりあがる!
 雷の精霊は色っぽく微笑みながら立ちあがり、オレへと背を向け、桃のようなかわいいお尻をクイッとつきだしてきた。

 そ、そのデザインは……
『勇者の書』でも大人気の、大人の魅力……
 Tバックってヤツでは……

 当然のことながら……


 オレのハートは、キュンキュンと鳴った……


 心の中でリンゴ〜ンと鐘が鳴る。
 欠けていたものが、ほんの少し埋まっていく、あの感覚がした。

《あと七十一〜 おっけぇ?》
 と、内側から神様の声がした。


 オレは魅了されてしまった。
 触ろうとしたわけじゃない。ふらふら〜と腕がのびちゃっただけだ! すぐ側に挑戦的にお尻がつきだされてれば、誰だって惑う! 男だもん!

 しかし、触れた瞬間、オレは地獄を見た。

《きゃふぅん!》

 雷の精霊の悲鳴を聞きながら、オレの意識は遠のいていった……


暁ヲ統ベル(エターナル・)女王(マリー・)ノ聖慈掌(セインツ)捌式(ゼロエイト)!」
 マリーちゃんが、いつものナニな呪文を唱えてくれる。

「んもう、バカ……スケベ」
 サラが、ペシペシとオレの頬を叩く。鼻の頭が赤い。

宵ヲ彷徨フ(クレセント・)月将ノ(シェイド・)菩蓮掌ディスアピア!」
 マリーちゃんが聞きなれない呪文を唱えると、体からしびれが抜けた。状態異常治癒の魔法だったようだ。

「どうぞ、勇者さま」
 体を起こしたオレに、イザベルさんがアメジストのブレスレットを渡してくれる。
「アメジストは、決断力・愛情・献身・豊かな感受性を与えてくれる石よ。邪気を祓うとも、恋愛成就のお守りともされるわ。あなたにぴったり」

 雷の精霊エクレールが、オレにすまなそうに頭を下げる。
《ごめんなさい。あたし、くすぐったがりなの。触る時には、先に断って。覚悟しとけば、たぶん我慢できる……と思うから》

 触るなら、命がけになりそうだ……





 初戦でオレの右手で凍った球電が、エクレールだったようだ。
 極度のくすぐったがりなんで、エクレールは今まで仲間との接触も避けてきた。
 なのに、オレは凍らせた上とはいえ、体の中を触りまくっちゃったわけで……更に二度も完璧にエクレールを倒している。
 身も心もオレに屈服した。オレを主人と認めると、エクレールは誓った。


 ジョゼは、雷の精霊レイと主従契約を結んだ。
「あの……しもべって言い方、好きではないので……お友達としてで……。その……契約も……お兄さまが魔王を、倒すまでで……。それでも、よろしければ……」
 いいと、レイは答えた。ジョゼの技量に惚れぬいてるんだろう。

 契約の証のアメジストのペンダントを首にかけ、小鳥を肩にとまらせてるジョゼを見てたら……
 何となく、胸がざわっとした。
 ジョゼは小鳥に、ほわっと微笑みかけている。
 内気なジョゼに、友達になれそうな精霊がくっついたのに……
 何でだろう、もやもやする。
 むぅ?


 魔王が目覚めるのは、六十九日後だ。


 精霊界の最長滞在は二十日の予定。
 残り六日で、光闇の二エリアを巡る。
 オレは八大精霊の全てを仲間にできるのだろうか……?


* * * * *


『勇者の書 101――ジャン』 覚え書き

●女性プロフィール(№029)

名前 エクレール
所属世界   精霊界内の雷界
種族     雷の精霊
職業     雷の精霊
戦闘能力   高いみたい。
戦法     雷でビカビカーン
       球電になって雷攻撃。
留意すべき点 風に不利。
       硅石になった土に攻撃が通じない。
職業の説明  雷を司る
特徴     くすぐったがり。
       二度、オレに負けたんでしもべになった。
       お触り禁止。
年齢     しもべ初体験。
容姿     本体は雷。いろんな姿に変化できる。
       人型になると、ツンツン頭で、
       体や腕や足に、プロテクターのように
       紫水晶を装着している。
       体部分のクリスタルは胸元が大きくえぐれ、
       Tバックとなっていてエッチ。
口癖    『ね、ね、ね』
好きなもの  不明。
嫌いなもの  突然、触られること。
勇者に一言 『もぉ、キミしか居ない、
       あたしをキミのモノにしてぇ』

挿絵(By みてみん)
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