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ハーレム100 作者:松宮星

あなただけを……

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聖女と神の使徒と  【マリー】

 ダーツの矢は、【マリー】に当たりました!

※この章の各話は、それぞれ独立した話です。共通の設定もありますが、ストーリーに繋がりはありません。
 邪悪あるところに光あり・・・

 光の中に生まれ、光を広める。それが俺の定めなのだ。

 俺は、殺人的なスケジュールをこなしておられる神々の仕事を、いくばくか代行している。
 神に代わり清き者を守護する『奇跡』代行アルバイターに就いているのだ。

 なぜならば、俺は聖なる血を受け継ぎし神の使徒・・・
 内なる霊魂に従い、十二の世界のいずれかに降臨し、邪悪を葬り続けてきた。
 完全歩合制だが、バイトの報償は貰っている・・・俺が所属する世界の、とある神からな。
 邪悪を一匹葬る度に、俺は俺の夢に近づいている。

 だが、その報酬が無かったとしても、俺の定めは変わらん。

・・・邪悪によって滅びる世界など、二度と金輪際もう決して絶対にあってはならぬのだ。
 まったき光の世界が満ちるまで、俺の戦いは果てなく続く。


 俺から言えることは、ただ一つ・・・

 常に光であれ。

 堕落したものに、神の慈悲はない。
 邪悪に堕ちたものは、粛清せねばならぬ。
 俺の敵には回るな。

 しかし、人の世の『堕落』は俺には意味がない。死刑囚であろうとも、乞食であろうとも、いかがわしい商売をしていようとも、魂さえ清らかであれば無問題だ。

 おまえがこの世界から『背信者』とそしりを受けようとも、俺はまったくこれっぽっちもみじんも気にせん。

 信仰は形ではない。
 尼僧であるか否かではない。
 おまえ自身が、正しくあればいいのだ。

 聖女でも、俗人でも、同じだ。
 おまえがおまえである限り、神の使徒として守護し続けよう。

 邪悪と対する時は、必ずや降臨する。
 おまえの心が清ければ永遠に・・二人の絆が絶たれることはない。

 この男は、馬鹿でスケベでおひとよしのカスだ。邪悪すらも仲間にひきこむ、節操無し。神に選ばれた勇者であったくせに、いい加減な男だ。
 あっぱれでも、みごとでも、エクセレントでもない。
 だが、まがりなりにも、魔王から世界を救った男だ。
 反対はせん。

 カスなりにおまえを愛し、守るであろう。

 かろうじて、ようやく、すれすれに、合格にしておく。

 この男がおまえを泣かせた時には、俺が鉄槌を下す。
 八百万那由他の世界へ吹き飛ばし、粛清してやる。
 約束する。

・・幸せとなれ、マリーよ。

 俺の内なる霊魂は、聖なるものの幸福のみを欲している。

 聖気(オーラ)を120%解放して、この世界を・・おまえを消去せずに済んで良かった・・

 そのことのみ、きさまには感謝している・・勇者・・いや、賢者よ。
 マリーを、きさまに託す。



・・・内なる俺の霊魂が、マッハで旅立てと告げている。

 十二の世界の何処かで、清き者が助けを求めているのだ。

 俺は行くぞ、マリーとマリーの下僕よ。

 おまえ達に、神のご加護があらんことを。

 あばよ・・・

 また、会おう・・・


* * * * * *


「また……」
 マリーちゃんがほんわか微笑み、オレへと手を振る。

 だが、もうオレはオレに戻っていた。

 やわらかな笑みを浮かべたまま、マリーちゃんはこぼれそうなほど大きな瞳から大粒の涙を流した。
 あの方に憑かれている間は、誰しも凶悪な顔つきとなる。中身が違ってるのは、一目瞭然なのだ。
 オレの内からあの方が去ったと、マリーちゃんにもわかったのだろう。名残惜しそうに、オレを見つめている。

 俺の左手首に巻いていた、紙の輪っかは散り散りとなった。
 裏冒険世界の巫女――スメラギ ユリカさんの神社(うち)に伝わる技術で作られた口寄せアイテムだった。
 神霊の名や特徴を記した紙を寄り合わせてらせん状に巻いて、腕輪っぽくしたもの。所々から雷マーク型の紙の飾りが垂れたそれを装備すると、記された神を降ろせるってなもので……

『マッハな方』から貰ったそれは、『マッハな方』を降ろせるものだった。

『きさまに預ける。魔王を倒せた時の褒美だ。いらんのなら、燃やしておけ』
 そう言われていた腕輪を、オレはマリーちゃんと相談の上、使う事にした。

 腕輪をもらった事は、魔王戦の後すぐにマリーちゃんに伝えた。だが、マリーちゃんは『今は、まだ、使うのは、早いかと〜』と、使用を遠慮し続けてきた。
 忙しい時期に私用でオレを煩わせては申し訳ない、多分そう思ったのだろう。

 ヴェラやニノンが北の故郷の村に帰り、勇者システム改革が軌道にのったので、ようやく腕輪の使用に応じてくれた。
 魔王を倒してから、既に三カ月が経っている。

 オレに降りて来たあの方は、あいかわらずマイペースだった。

 神降ろしの憑依体となるとその間の記憶はあるものの、降りて来たものと直接会話ができない。
 オレは会話に参加不可だったが、マリーちゃんは話せたのだ。

 なのに、『マッハな方』は言いたい事を、一方的にまくしたてただけで還って行った。

 神の庇護をうける身では、神の望まぬ事はできない。
 本名を名乗ることも、ずっとマリーちゃんを守り続けている理由も、何処でどんな暮らしをしているのかを語るのも、禁忌なのではないかと思う。

 それでも、精一杯の事を伝えたかったのだろう。
 マリーちゃんの顔を見ながら。
 幸せになってくれ、と。
 それこそが、自分の望みなのだと。


 マリーちゃんに、ハンカチを差し出した。
「ありがとう、ございます〜」
 スローテンポな、可愛らしい声。
 ほわっと微笑み、マリーちゃんがオレのハンカチで、そっと目元をぬぐった。

 知りたいことはいっぱいあるだろうに、マリーちゃんは口を閉ざしていた。いつもと同じにこやかな笑みをたたえて『マッハな方』の話を聞いていた。

『あの方には、何も、聞きません〜 今まで通り、たまに、会いに、来て下されば……それだけで、幸せですから〜 あの方が、自ら、語って、くださる時を、待ちます〜 語るべき、時が、くれば、きっと……。だから……』
 裏英雄世界で、マリーちゃんはそう言っていた……

 マリーちゃんは、あの時と同じ、少し寂しげないじらい微笑みを浮かべている……

 オレの胸はキュンキュンした……

「マリーさん……」
 愛しい女性を見つめた。

「あなたへの思いに、オレはためらいを感じていました。聖なるあなたを自分のものにしたいなんて……罪深い欲望なんじゃないかって。けれども、もし……」
 オレは拳を握りしめた。
「オレが一人の女性として慕っても、あなたが清らかなままでいられるのでしたら……この気持ちを諦めたくない。世界で一番、あなたのことを愛しています。結婚してください。お願いします」

 穢れなき乙女が、オレを見つめる。
 黒の頭巾に、尼僧のドレス。
 禁欲的な僧衣に包まれた小柄な体。
 幼く見えてしまうほどあどけない、可愛らしい顔。
 おっとりとした眉も、形のいい鼻も、やさしい微笑をたたえた唇も頬も愛らしい。
 澄み切った青い瞳が、困ったようにオレを見つめる。

「私が、異世界人、なのは、ご存じ、ですよね〜?」
「知ってます! そんなこと、ぜんぜん障害になりません!」

「でも〜 よろしいの、でしょうか〜? 賢者さまは、みなさまから、深く、慕われてますし……賢者さまの、お心が、ほんとうに、求めている方は、きっと……私などではなく……」

「よろしいです! てか、あなたしか居ない! あなたを守りたい! オレ、弱っちいダメダメな勇者でしたけれど、これからはあなたを幸せにする為に頑張りたいんです! あなたと一緒に生きることが、オレの幸福ですから!」

「賢者さまの幸福……」

「あなたに恋焦がれる馬鹿なオレを救ってください。愛しています。オレの花嫁になって、生涯をオレと共に生きてください。お願いします」

 ふと見ると……
 小さくだが、マリーちゃんが右手を開いては閉じと動かしていた。

 不安になったり心が乱れた時に出る、マリーちゃんの癖だ。
 お兄さんと手をつないで雪の中を彷徨った記憶が、そうさせるのだろう。
 無意識にお兄さんに頼っているのだ。

 けれども、これからは……

 マリーちゃんの右手をそっと握った。
「大丈夫です。オレ、ずっと側にいますから……。ぜったい、一人にはしません」

「賢者さま……」
 マリーちゃんは、しばらく右手とオレの手を静かに見つめ、それから弱々しく微笑んだ。
「……私が、そばに、いれば、賢者さまは、お幸せに、なれるの、ですか〜?」

「なれます!」
 即答した。

「そう、ですか〜」
 マリーちゃんが、ほんわか微笑む。
「……嬉しいです〜」
 青い瞳で、まっすぐにオレを見つめ、可愛らしい笑みを形づくる。

「でしたら、お嫁さんに、なりたい、です〜」
 え?

「……賢者さまが、私の、一番、大事な方、ですから〜」

 おおおおおお!

「本当に?」
「はい〜」
 小さな柔らかな手が、オレの手を握り返してくれる……

「毎日、お祈りしていました〜 賢者さまが、お幸せになれる、ように。賢者さまに、神の、ご加護が、あります、ように〜 って」

 えぇぇ?

「毎日?」
「はい〜」

「……いつからです?」
 マリーちゃんが、小首をかしげる。
「はっきりと、いつとは〜 思い出せ、ません〜 賢者さまは、真面目で、一生懸命で、とても、お優しい方だから……いっしょに、旅をしている、間に、少しづつ、少しづつ、大好きに、なって、ゆきました〜」
 マリーちゃんが、ほわ〜っと微笑み、オレの手をニギニギしてくれる……
「今では、神様の次に、お慕いして、います〜」

 きゃぴりんより下か!
 でも、いい!
 人間の中じゃ、一番だ! 聖修道院の院長様よりも、『マッハな方』よりも、マリーちゃんはオレの事を……


 オレのハートは、キュンキュンと鳴った!
 鳴り響いた!


 愛しい女性を腕に抱きしめた……

 マリーちゃんは、とても小さくて、やわらかだ。
 いい匂いがする……聖職者は香水なんかつけないから、これはマリーちゃんの匂いか……ミルクのような、甘い香りだ……

 胸はキュンキュンと高鳴り続けた……


* * * * * *


 ステンドガラスから差し込む光が、天界の光のように厳かで眩しい。
 祭壇の前で、オレはマリーちゃんと並んで立っていた。

「あなたは、すこやかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しい時も、夫として妻マリーを愛し、敬い、慰め、助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」
 神父様の問いに、静かに、しかし、思いをこめて答えた。
「誓います」

 神父様が同じ問いかけを、マリーちゃんにする。
 純白のベールとドレスに包まれたマリーちゃんは、可憐な花嫁だ。
 尼僧の頭巾の下に隠れていた髪は、女の子にしてはかなり短い。けど、亜麻色で、ふわふわで、かわいらしい。やわらかな髪質なので、伸びたら、風に軽やかに舞うさらさらの髪となるだろう。

 マリーちゃんが、にっこりと微笑み、いつものスローな声で答える。
「はい〜 誓い、ます〜」

 胸がジーンとした。

 魔王戦から年月は流れ……

 オレは賢者を勇退し、マリーちゃんは聖女の役を退き、聖修道院を出た。
 二人の結婚が、『聖女の堕落』としてではなく、『聖なる婚姻』と認められたのは、聖修道院からの働きかけと、仲間達(みんな)のおかげだ。
 貴族社会に多大な影響力を持つポワエルデュー侯爵家・オランジュ伯爵家・ボーヴォワール伯爵家の力ぞえ。
 国一番の占い師に復帰したイザベルさんの、『聖なる婚姻』によって国に光が満ちるという占い。
 その占いを、『広めちゃおう くん』という歩く拡声メカで、発明家のルネさんが宣伝をしてくれ……
 不穏な騒動が起きる前に、リーズとアナベラが式を邪魔しようとしていた者達を制してくれた。

 みなには、心から感謝している。

 お師匠様、義妹、幼馴染、そして仲間達を招き、今日この日を迎えられたことが夢のようだ……

 指輪を交換し合い、マリーちゃんのやわらかな頬に口づけを贈った。

 マリーちゃんが、幸せそうにほんわか微笑む。
 綺麗だ……
 その満ち足りた笑みを見てると、オレまで頬がゆるんじゃう。

 いつも優しく微笑み、オレを励まし続けてくれた心美しい女性は、オレの妻となったのだ。



「おめでとう」
「おめでとうございます」

 教会の前に詰めかけてくれた人達に、二人で会釈をした。
 国を挙げての結婚式は辞退し、質素な式としたのに……
 すごい人だ。アウラさんの結界の外に、びっしりと居る。教会前の通りは、人で埋め尽くされている。

「マリー様、どうぞお幸せに」ってな祝福や拍手が途切れない。
 神聖魔法と回復魔法が得意で、ひとところに留まらず、悪霊祓いの旅を続けたマリーちゃん。
 聖女マリーは、国中から深く慕われていたのだ。
 通りを埋めている人のほとんどが、マリーちゃんを祝福する為に駆けつけてくれたのだろう。


 人ごみの中に、その人は居た。

 背が高い。

 修道僧の白いローブ。
 けれども、何というか……
 僧侶っぽくない。まず髪が長すぎる。亜麻色の髪は、肩を過ぎる長さだ。
 でもって、態度がおかしい。両腕を組み、アゴをつきだし、ふんぞりかえってたたずんでいる……
 顔も悪人(ヅラ)。目つきが悪すぎる。眉をしかめ、眉間にしわを寄せてるのも、おっかなそう。普通の顔で立ってりゃ、女の子がキャーキャー寄って来そうな顔だちなのに。
 そして、何よりおかしいのは口元……くわえ煙草をしている……火はついてないけど……

 僧侶なのに、煙草?

 てか、こんな偉そうでふてぶてしい僧侶、何処の異世界を探しても、きっと一人しか居ない!

 オレと目が合った僧侶がフッと笑い、小さな声でつぶやく。

 にぎやかな歓声に包まれているのに、その声はオレの耳にしっかりと届いた。
 精霊達が中継してくれたのか、心話を送って来たのか……

「俺が誰かは、自ずと自明なはず」

 頷いた。
 憑依体ではない……
 たぶん、いや、おそらく間違いない。本人だ……

 キョロキョロと辺りを見回した。が、邪悪が存在する気配はない。
 邪悪退治に来たわけではない?

 どうして、ここに……?

 僧侶が、ククク・・・と笑う。
「二十年近く働いたバイト報酬だ。魂も肉体も、すべてにおいてまったく完璧に俺は自由を買いとった。望む世界に、望む時、訪れる力を取り戻したのだ」

 僧侶がゆっくりと歩き出す。
 人ごみを縫い、アウラさんの結界すら難なく抜け、オレ達に歩み寄って来る……

「神の使徒ではある。が、俺はもはやアルバイターではない。自由意志で神の為に力をふるう協力者・・神からの制約すらもなくなった。俺は自由なのだ」

 マリーちゃんが小さく体を震わせる。
 歩み寄って来る男をただひたすら見つめ、愛らしい青い瞳に涙を浮かべて。

「美しいぞ、マリー。おまえのその姿、母さんにも見せてやりたかった・・」
『マッハな方』は……穏やかに微笑んだ。凶悪で傲岸で変人な……あの方のものとは思えない、優しい顔で。
 こういう顔なら、マリーちゃんに似ている……澄んだ青い瞳なんか、そっくりだ。

「邪悪に滅ぼされた悲しき世界のことは、今は黙そう。だが、最期の時まで、母さんもみなも、おまえを愛していた。幼きおまえの無事を祈っていたのだ」
 僧侶の左手が高々とあがる。
「おまえは、もう戦わずともよい」
 その指先が……開いては閉じ、閉じては開き……と、わずかに動いていた。

「この世界の邪悪は、この兄が引き受ける。心優しきおまえは、その男と安寧な日々を送るがいい」


「おにいちゃん!」


 花嫁が駆けて行く……

 純白の花嫁が白い僧侶の腕に飛び込んでいくのを、オレは見守った。


 聖女マリーが、生き別れの兄と再会したのだ。

 そうと知って、みな、祝ってくれた。
 お師匠様もジョゼもサラもセリアも……。リーズは、うへぇって顔はしたものの、おめでとうとは口にしていた。
「お身内の方と巡り合えて、良かったですわ。おめでとうございます、マリーさま」と、イザベルさんはうふふと笑った。やけに嬉しそうだった。

「おめでとう、マリーさん」
 祝福すると、白い僧侶の腕の中のマリーちゃんが顔をあげた。
「ありがとう、ございます〜」
 とろけそうな笑顔が、かわいい……キラキラしている……
「ジャンさまが、支えて、くださった、おかげです〜」
「オレは何もしてないよ」
「いいえ〜 ジャンさまが、励まして、くださったから、私、ファイトで、頑張れました〜 ありがとう、ござい、ました〜」
 いやいやいやいや。

「ほんと良かったですね、お義兄(にい)さん」
 と言ったら、お義兄さんにボカリと殴られてしまった。
「気色悪い。下僕の分際で、『おにいさん』などと気易く呼ぶな。内なる俺の霊魂は、マッハできさまに怒りを感じている・・・」

「じゃあ、何って呼べばいいんです?」
 尋ねたら、フンと鼻で笑われた。

「俺のことは、敬意をこめて『使徒様』と呼ぶがいい」
 え〜

「でも〜 ジャンさまは、私の、旦那様に、なったのです〜」
 マリーちゃんが手を合わせたお願いポーズで、『おにいさん』ににっこりと微笑みかける。
「なかよしな感じに〜 お名前で、呼び、合うのが、いいのでは、ないかと〜。お名前を、教えて、あげて、ください〜」
 ね、おにいちゃん、と、小首をかしげる姿が、これ、また何とも……いとけなくって、天使のように愛らしくって……

 胸がキュンキュンした。

 肩をすくめ、お義兄さんが大げさに頭を振る。
「フッ・・マリーの求めとあらば、いた仕方あるまい」
 頬が少し赤いですね、お義兄さん……

「マリーに感謝しろ。きさまに俺様の真の名前を教えてやる」
 ククク・・とお義兄さんが笑い、ババッ! とキメポーズをとる。

「耳の穴をかっぽじいて聞くがいい。内に十二の世界を持つ神の使徒、聖なる血を受け継ぎし、この俺の名は……」




【聖女と神の使徒と 完】

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 次回は、ダーツの矢が【サラ】に当たった話。ジャンからの告白に、サラは鼻の頭を真っ赤にし、右ストレートを繰り出して……
 9月24日(火)更新予定です。
+注意+
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