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ハーレム100 作者:松宮星

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盗賊賢者      【リーズ】

 ダーツの矢は、【リーズ】に当たりました!

※この章の各話は、それぞれ独立した話です。共通の設定もありますが、ストーリーに繋がりはありません。
 部屋に入って来たオレを見るなり、リーズはふきだした。
 一応、堪えようとはしてるようだ。口元を押さえながら、プププと笑い続けてるけど。

「そんなにおかしいかよ」
 向かいの席に座りつつ、リーズを睨みつける。
 すると、リーズの横から無邪気な賛辞が。
「ううん、ぜーんぜん、おかしくない。カッコいいよー」
……ありがとう、アナベラ。たぶん、心から誉めてくれてるんだよな、キミのことだから。けど……
「かっこ………い〜いぃ?」
 相棒の方は、笑いの壺に入ってしまったようだ。ソファーにひっくりかえり、お腹を抱えてゲラゲラ笑いだす。
「カッコイイ! カッコイイ! カッコイイ!」
 ソファーをバンバン叩いたり、オレを指さしたり。顔中、真っ赤。目に涙までためてやがる。

 くっそぉ……そんなに、おかしいかよ。
 賢者のローブを着たオレが……


 石化が解けたお師匠様から、いろいろ引き継ぎをした。
 衣装の変更もその一つだ。
 賢者の館には、賢者専用の白銀のローブが山のようにストックされている。国からの支給品らしい。
 着替えがごまんとあるんだ、着ないわけにはいかない。

 賢者を継いだ以上……

 たとえ似合わなくとも。

「ほ〜んと、すっげぇよな。魔王に勝ちゃ、どんな『勇者さま』でも『賢者さま』になれるんだもん。オレは、てっきり、ひろーい知識を持った人格者が『賢者』になるんだと思ってたよ」

 馬鹿のくせに、賢者になって悪かったな……

 くぅぅ……
 何でだろう。賢者になってリーズを見返してやろうと思った時期もあったのに……まったく勝った気がしない。

「賢者を継いだから、自動的に、知識は頭ん中に入ってるよ」
「へー どんな?」
「第一に、賢者って(ジョブ)の知識。移動魔法、心話、物質転送……賢者が使える魔法は一通り覚えたよ」
「ふーん」
「第二に、勇者の教育係としての知識。賢者になった途端、あらゆるジョブの指導者になれる知識を、神様から貰うんだ」

「あらゆるジョブの指導者?」
 リーズの目が、きらりと光ったような。
「……そいつは、便利だねー」

「戦士の先生にもなれる?」と、アナベラ。
「なれるよ」
「んじゃ、勇者さま、もしかして、あたしより強くなった?」
 ビキニ戦士がわくわく顔で尋ねてくる。
 そうじゃない、とオレは答えた。
「不老不死の賢者となった瞬間に、オレの肉体能力は固定された。強さは、勇者の時といっしょだよ」
 アナベラが、首を右へ左へと振る。わかってないみたいだ。

「つまり……、錠前や罠の外し方の知識は手に入れた。けど、手先がぶきっちょなのが器用になった訳じゃないから、腕前はヘボ盗賊並ってこと?」
 リーズの質問に、その通りだと頷いた。
「賢者は、あらゆるジョブの指導方法がわかるんだよ。戦士でいうと……一人一人にあった、膂力や脚力を伸ばす方法、体力向上プログラム、剣技、体さばきなんかを口で説明できるよ」

「おお! すごい!」
 アナベラが身を乗り出す。
「ねー 賢者さま。あたし、どーすればいい? どしたら、もっと強くなれる?」

 オレはかぶりを振った。
「わかんない」
「えー」
「賢者が指導できるのは、初級〜中級ジョブの人間。指導が必要な未熟な奴しか教えられないんだ。それ以上の高みへのぼりたかったら、その職業の達人の教えを乞うか、本人が努力するしかないんだ」
「そっかー 残念〜」
「あとは、本を読むかだな。賢者の館には、あらゆるジョブの極意書があるから」

「へー 盗賊用の本もあるの?」と、リーズ。
 オレは首をかしげた。
「……あるはず。いや、絶対にある。けど、オレは見た事がない。盗賊には興味がなかったんで」
「なるほどねー」
 リーズの目が、キラーンと輝く。
「賢者の館は、お宝の山だな……過去の勇者の武器や防具がある上に、ンなお役立ち書があるなんて」

「それから、すっごいお人形もあるんだよねー」
「魔法木偶人形だろ?」
 賢者の館には、魔王戦の練習用の魔法人形がある。強度は魔王並で、二十六代目勇者の時代の有名な武道家達の動きがコピーされている。師範モードにすりゃ稽古をつけてもらえ、本気モードに設定すると昔の達人と真剣勝負ができるのだ。
「オレが賢者になったら、アナベラを館に招待するって約束だったよな。覚えてるよ。もうちょっとして、いろいろ落ち着いてからでいい?」
「うん」
 アナベラは大きく頷いた。
「ありがとー 勇者さま……じゃなかった、賢者さま。楽しみー」

「そん時は、オレもいっしょに呼んでよね」
 リーズはニヤニヤ笑っている。
「オレ、そいつの保護者だから」

 あたしの方がずっとおねーさんなのにぃ、失礼だぞぉ〜 と、アナベラがむくれ、リーズとじゃれ合う。
 ぷるんぷるんのぷりんぷりんのビキニ戦士にヘッドロックされ、リーズは悲鳴をあげた。が、目は楽しそうだった。



 さっさとやるべき事を片づけよう。
 まず、オレはアナベラとの契約の再確認をした。

 戦士ギルド所属のアナベラは、契約書を交わして仲間にした。
 契約期間は、仲間にしてから魔王戦後五日まで。両者の合意があれば、十日ごとの延長が可能、雇い主側の都合で即日契約解除も可能だが雇用費は期日分まで払う、雇用費は国から支給される賢者用特別助成金のプール費から払う……のだそうだ。
 オレが契約書の存在やその内容を知ったのは、昨日だ。雑事はぜんぶ、お師匠様やセリアに丸投げだったもんな……
 賢者になったんだ、これからは自分の事は自分でやる。

 魔王戦は三日前。
 お師匠様が目覚めたのが、おととい。
 昨日は、お師匠様と新勇者のシャルルと共に、賢者の館や王宮やオランジュ邸を行ったり来たり。
 忙しくって、やっとかなきゃいけない事があれこれ後回しになっている。

「もうしばらく護衛を頼めるかな? ヴェラさんやニノンさんが北に帰れる日まで」
「うん。わかったー」
 魔王の一部だったヴェラが生きていることは、国にも報告せず、秘密にしている。その生存の情報が漏れれば、魔王の信徒が接触を試みてくる恐れがあるし、王国や聖教会の頭の固い奴が幽閉しろと言いだすかもしれないからだ。
 彼女等が故郷の村に無事に帰れるよう、オレと仲間達でかくまってやらねば。
「延長理由は、魔王戦残務処理及び関係者護衛でいいかな?」
「なんでもいいよー」

「あの二人に護衛が必要なのはわかるよ。けど、このまんまずるずると半年とか一年とか拘束されるのはヤだぜ」
 書類に目を通していたリーズが、相棒に代わって質問する。
「見通しとして、あとどんぐらい?」
「マリーさんの診立てだと、ヴェラさんが復調するまで七日なんだ。そこまではお願いできるかな?」
「了解。んじゃ、契約の更新も一回限りってわけだね?」
「ああ。このまんま何も問題が起きなきゃ、そうなるな」

 リーズは書類をアナベラに渡した。が、ビキニ戦士は見もしない。そのまんま、テーブルに戻してしまう。
「ちゃんと読めよ、おまえの契約だろうが」
 睨まれても、アナベラは動じない。ニコニコ笑顔のままだ。
「いいよ。めんどくさい」
「バーカ。口頭説明と契約書の中身が違ってたらどーすんだ。書類はちゃんと確認しろ。習慣づけねえと、詐欺にあうぞ」
「へーきだって。勇者さまが、あたしをだますはずないもん」
 そう言ってから、ビキニ戦士は明るく笑った。
「それに、リーズがチェックしてくれたんだ。ぜったい大丈夫。リーズのやる事にまちがいはないから」

 リーズの顔が、朱に染まる。
「バーカ。そんなんだから、おまえ、騙されまくりだったんだよ。ちったぁ、大人になれよ」
 ぷいっとそっぽを向く仕草が、何とも可愛い。
「それから、そいつ『賢者』だから。もう『勇者』じゃねえんだってば」
「あれ? あたし、また勇者って言った? ごめーん、賢者さま」
 アナベラが、えへへと照れ隠しに笑う。


 アナベラとの契約更新は終了。
 次は、リーズの番。

 オレは、二つの金袋をテーブルに置いた。
 魔王討伐の報奨金。その一部だ。
「日当一万。魔王戦までの拘束日数分、九十六万を払うって約束だったよな? こっから先もしばらく付き合ってもらうから、その日数分はあとで払う。とりあえず九十六万を渡しとくよ」

「あ、そ。どーも。んじゃ、遠慮なく」
 リーズが金袋を自分の手元へと持って行く。

「宝石箱、今、持って帰る?」
「残額を払う時でいいよ。もうちょっと持っててくれ」
 リーズには、宝石を担保として預けてある。魔王戦でオレが死んだら、譲るって事で。
 冒険世界のお姫様から貰った宝石は、たいへん豪奢なものだ。が、リーズに言わせると、お姫様の思いがこもりすぎた『呪いの宝石』だそうで。

『オレ、いらねーの、その宝石は。もらったら、売って金にするに決まってるじゃん。人からの貰い物、粗末にすんじゃねーよ、バーカ。女の怨みは怖いんだぞ。呪われたくなきゃ、その宝石はあんたが持ってろよ』
 て、助言もしてくれたんだよな。呪いの宝石を押しつけられたくないから、魔王戦で死ぬなよとも……。本当、いい奴だ。


「それから、これ、返すよ。ありがとう、助かった」
 リーズから借りていた耳飾りをテーブルの上に置いた。
 巻貝みたいな形の、クルクル螺旋の耳飾りだ。大物相手にクリティカルが出やすくなる、『魔王戦お役立ちアイテム』だ。

 リーズが、ジロッとオレを睨む。顔立ちが愛らしいから、そういう顔をしても可愛い。
「お義理の礼はいらねーよ。役に立たなかったじゃん、それ」

 勇者の剣は、オレの攻撃値次第で追加ダメが変わる。オレが100万未満の攻撃なら100万、100万以上なら200万になる。
 少しでもオレの攻撃が伸びるようにと、リーズは耳飾りを貸してくれた。

 オレの番には魔王の残りHPは1になっていたんで、確かに耳飾りの活躍の場はなかったが……

「あるのと無いのとじゃ、大違いだったよ。リーズのおかげで、自分の番が回ってくるまでの間、『今までよりは強くなれた! 大丈夫、勝てる!』って自分を励ませた。サンキュウな」

 リーズが、またプッと吹き出す。
「おろおろしまくってたくせに」
 む。
「顔色は悪いわ、すぐへたりこむわ。見てりゃわかってたよ、ヤバい状況だってのはさ」
 むぅ。
「勇者には秘策がある。それを使えば、どんな状況であれ魔王に勝てる……。あのバカ貴族がそう言った時から、察しがついたよ。いざとなったら、あんたが魔王と相討ちになる気だってのはさ」
 むぅぅ……やっぱ、バレてたか。

「金持ちにしろお貴族さまにしろ……搾取階級ってのはオレの敵だ。ちやほやされ、甘い汁吸うだけのクズ。一人でもくたばった方が、世の中、多少、良くなるってもんだ」
 可愛い顔なのに、リーズは辛らつなことを言う。
「あんたにも、ムカついてた。国の金で養われてるくせしやがって、勇者でござ〜いてデカい(ツラ)してたからさ。説教すんなよ、ウゼェ。世の中知らないくせに正義を押しつけてくんなよ、バーカって思ってたよ」
 う。
「けど、あんたは命をかけて自分の仕事を果たす気だったわけだし……。やる事きちんとやる奴ぁ、嫌いじゃない。死ななくて、良かったよ」
 リーズがニッと笑う。
「オレの耳飾りが、ビビリのあんたをちょっとでも元気づけてたんなら……まあ、良かったんじゃないの?」

 リーズの右手が左耳に触れ、左手がそっと添えられる。
 両手で左耳に耳飾りをつけているのだ。
……その仕草にドキドキした。何つーか女の子っぽい。

 男の子みたいな格好してるけど、リーズは美少女だ。

 普段のはきはきした姿も大好きだけど、そういう仕草を見せられると、たまらなく……


 オレのハートは、キュンキュンと鳴った……


 でっかいヘーゼルの瞳が、オレを見る。クリクリしている。あどけない小鹿みたいだ。
 健康的に日焼けした肌、溌剌とした体、よく変わる生き生きとした表情。

 すべてが可愛い……

 顔がカーッと熱くなり、うつむいた。

「リーズ」
「ん?」
「保留にしてたヤツ……どうなった?」
「保留? あ、ああ……真の伴侶になってくれってヤツ?」
 オレは頷いた。


 運命のルーレットダーツは、オレの真の伴侶をリーズと決めた。
 そのせいだろう、リーズに対して抱いていた好意が何十倍にもふくれあがり……この世で一番愛しい女性となってしまったのだ。

 もともとリーズの事は、嫌いじゃなかった。
 いい奴だし。

 魔王戦用イヤリングを貸してくれただけじゃない。
 勇者の剣を入れる剣袋をくれ、女の人からの贈り物は大事にしろって助言をくれ……世慣れぬオレを馬鹿にしながらも、あれこれ面倒をみてくれた。
 オレがNINJAに刺された時なんか、本気で心配してくれた……

 だから、今の自分を素直に受け入れ、告白した。
 ルーレットダーツの事も含め、全てを正直に伝えて。

 リーズは現実主義者だ。自分の運命は自分で切り開く、誰にも操られたくない! って信念を持ってそう。
 たぶん振られるだろう、と覚悟していた。

『真の伴侶ねえ……』
 盗賊少女は腕を組んだまま、しばらくオレをジーッと見つめた。
 値踏みするかのように。
 で、しばらく考えてからこう言ったのだ。
『とりあえず、保留。あんたを男と思ったことないもん。ちょっと考えさせて』と。


 あれから、三日。
 そろそろ答えを聞いても……いいよな?

「聞きたいんだけどさー」
 顔をあげると、このまえみたいにリーズはオレをジーッと見ていた。
 ドキッとした。

「賢者さまが犯罪者と付き合っていいの?」

 マズイだろうか?

「これからは、アナベラと組んで盗掘専門でやってくんだろ?」
 スリや泥棒稼業は休むんだし、あんま犯罪者っぽくないような。

「当分は、ね。だけど、」
 リーズが頭を掻く。
「いずれ、オヤジの組織はオレが継ぐ。したら、オレ、大盗賊団の女親分だぜ。捕まったら、何十年も牢屋から出られないよ」

「………」

「うちは押し込みはやんねーけど、泥棒は泥棒だ。表通りを歩ける身分じゃねえ。住む世界が違う女にちょっかい出すなよ、お坊ちゃん」

「それが返事?」
 リーズが肩をすくめる。
「その方が、あんたの為だぜ?」

「オレへの心配はいいよ。リーズ自身はどうなんだ? オレの事、どう思ってる?」

「バカだと思ってる」
 ぐ。

「そーじゃなくって! 好きか、嫌いか?」

 リーズが、クスッと小さく笑う。必死だな、とオレを面白そうに見つめて。

「嫌いじゃねーよ。ま、好きでもないけど」
「そうか……」

 リーズの小鹿のような目が、上目づかいにオレを見る。
「オトモダチからでいい? そんなら、付き合ってやるよ。賢者さま」
 お?
「あくまでオトモダチね。盛り上がったら、その先もあるかもだけど」
 おおお!

 リーズの手を握ろうとしたら、パシッ! とはたかれてしまった。
 ベタベタするのは嫌いっぽい。

 オレを叩いておきながら、リーズは自分から右手を差し出してきた。
「仲良くやってこうぜ、賢者さま」

 リーズとの握手は、たぶん初めて。
 盗賊が手を預けてくれるんだ、信頼された証なわけで……嬉しい。
 ちっちゃな手だ。指が細くて長い。やわらかな感触に、ドキドキした。


「アナベラを賢者の館に呼ぶ時は、オレもいっしょに呼んでね」
 頷いた。
「目の保養に、昔の勇者たちの武器や防具を見せてね。ぜったい盗まない。誓うからさ」
 また、頷いた。
「あと、盗賊の極意書ってヤツも見たいなー いいよな、オトモダチだもん」
 これにも頷いた。

「それからさー オレが困ってる時には、助けに来てくんない?」
「困る?」
「東の遺跡を探索した時、トラップが発動して玄室に閉じ込められちゃったんだよ。丸一日、外に出られなかった」
「たいへんだったんだなあ」
「……賢者の移動魔法って、行った事のある場所か知り合いが居る所へ跳べるんだよね?」
「ああ」

「オレが居る所へ、跳べる?」
「たぶん、出来る。リーズはオレの大事な女性(ヒト)になったから。何処に居ても、きっとわかるよ」

「じゃ、これからはピンチになっても、大丈夫だな」
 嬉しそうに笑い、リーズがソファーから立ち上がる。
「ちゃんと跳べるか、試してみようぜ」
 そのまま何処かへ行くのかと思いきや、リーズはテーブルに片手をつき、向かいに座るオレへと顔を近づけて来る。

 近い……

 頬と頬が触れ合いそうだ……

「頼りにしてるぜ、相棒」
 耳元で囁かれる声に、背筋がゾクッとする……

「オレが何処にいようが、駆けつけてくれよ」
 いつもと同じ声なのに、妙に艶っぽく聞こえる……
「ああ」

「何処に囚われていても、助けてよ」
「わかった」

「……塀の中でも」

 ん?

 オレから離れた時、リーズの顔には、悪戯っぽい笑みが浮かんでいた。

「んじゃ、実験ね。本気で逃げるから、十分したら移動魔法で追っかけて来て」

 リーズが走って行く。すげぇ速い。
 扉からではなく窓から出て行く。
 ひらりと飛び降りる姿は、とても軽やかで、のびのびしていて……綺麗だった。

 部屋に残されたオレは、アナベラと顔を合わせて笑った。

「賢者さまとは、長〜いつきあいになりそうだ」
 アナベラが無邪気に笑う。
「楽しみー」

 頷きを返した。

 オレも、楽しみだ。

 好きな子が付き合ってくれるんだ。
 今のところ便利アイテム扱いだけど、いいや。
 いつか、オレのことを本当に好きになってもらえるかもしれないし……

 これからも、あれこれ一緒にやれる……それだけで、今は満足だ。
【盗賊賢者 完】

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 次回は、イザベルとの話。自身の精霊も占いの力も魔王戦に捧げたイザベルは、『勇者』の意味を考えます。
 9月16日(月)更新予定です。
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