挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ハーレム100 作者:松宮星

決戦(Ⅲ)

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

184/224

裏 冒険世界 その1

 現在の借金は、305万1904ダメージ。

 残っている伴侶は29人。300万ぐらいなら、どうにか取り返せそうな気もする。

 それに、だ。
 さっき、シャルルはエスエフ界の星の女王様に操られて、魔王に126万以上のダメージを出した。

 シャルルが100万オーバーの攻撃ができたんなら、オレだって!

 裏英雄世界でミライ2号と戦った時、オレはシャルルよりもデカいダメージを出した。
 だが、それは……勇者の剣に伴侶の数分の追加ダメがつくからだ。
 追加ダメを除くと、神聖防具+ヒーロースプレー状態で戦っても与ダメはシャルルよりも低かった。

 けれども!
 あれからオレはもっと強くなった! リーズから大物にクリティカル・ダメージが出やすくなる耳飾りを借りたから!

 今のオレなら、シャルルと同じくらいには強いんじゃないか?
 魔王に100万オーバーの攻撃ができりゃ、追加効果は200万になる。
 オレ一人で、現在の借金は取り返せる!

 暗くなりかけていた雰囲気をとっぱらおうと、オレは自分の考えを述べたんだが……

「ご期待のところ申し訳ないが、一昨日、私は魔力が枯渇していた」
 金髪巻き毛野郎が、気障ったらしい仕草で鞘に収まっている腰の剣に触れる。
「ポワエルデュー侯爵家に伝わる魔法剣は、凄まじい切れ味を誇る。触れただけであらゆるものを切り裂く。その切れ味は、魔力をこめればこめるほど鋭くなってゆくのだ」
 む?
「つまり、そういう事だよ、ジャン君」
 お貴族様が、ファサッと髪を掻き上げる。
「一昨日とは違い、先ほどは剣に魔力をこめて攻撃した。最高時の五分の一程度しか魔力をこめられず、実に無様なダメージになってしまったがね……。ヘレーン様のおかげで魔力が回復しきった今なら、200万ぐらい出せそうな気もするが」
 なにぃ!
 200万出せるところを、126万しか出さなかった?
 じゃない! 今、注目すべきはそこじゃない!
 えっと……
 一昨日、シャルルは魔力が枯渇していた→ ご自慢の魔法剣に魔力をこめられなかった→ それでも、ダメージはオレより大きかった。
 今日、シャルルは魔力がちょびっと回復していた→ 魔法剣にちょびっと魔力をこめた→ 一昨日よりも強くなったが、それでも126万ダメージだった。

 てことは……
 シャルルよりも弱いオレは……
 100万以上のダメージを出せない……?

「だから、言ってるじゃない」
 フンと、サラが荒い息を吐く。
「あんたが確実に出せるのは、勇者の剣の追加効果の100万だけだって」
 う。 
「で、でも、一昨日よりオレも強くなった。リーズから、大物にクリティカルが出やすくなる耳飾りを借りて……」
 サラが、ジロリとオレを睨む。
「『クリティカルが出やすくなる』っていうのは、クリティカルの確率が上昇するってだけ。毎回、確実にクリティカル・ダメージが出るわけじゃないのよ。クリティカルが出ないスカの回もあるの」
 ぐ。
「魔王戦が、そのスカの回になるかもね」
 ぐは。

 オレは、肩よりも低く頭を垂らした……

「あんたの番が回るまでに、100万ちょっとぐらいまでに魔王の残りHPを削っておかなきゃ……」
 サラが拳を握りしめる。

 魔王の残りHPが300万あったとして……
 100万以上の攻撃ができる! と信じて勇者の剣を振るえるだろうか?

 オレの攻撃が100万以下なら追加ダメは、100万。オレの与ダメは、200万にも及ばないわけで……
 勇者は魔王に敗北し……
 この世界は滅びるのだ……

 ゾッとした。

 勇者の剣を振るうのは、博打だ。この世界を賭けなきゃいけない。

 だが、究極魔法を使えば4999万9999の固定ダメージとなる。確実に魔王を倒せる。

 その時、オレはおそらく……


 頭を振った。
 まだ訪れてもいない未来に怯えて、どうする。

『誰よりも真剣に祈れば、望みは叶うのです』
 ヨリミツの言葉が、頭の中に甦る。

 最後の最後まで、真剣に信じる。
 チュド〜ンな未来などこない! オレは生き延びて、賢者になるんだ!





「裏冒険世界の伴侶達よ」

 オレの呼びかけに応え、魔法絹布の右から九番目――裏冒険世界の魔法陣から輝きが生まれる。
 魔法陣から上空に向かい、光が広がる。
 まるで光の柱ができたかのようだ。

 まばゆい光の中から最初に現れたのは、ドレスの少女だ。華美さはないけれど、綺麗だ。清楚な感じ。
 肩までのブラウンの巻き毛。ドレスと同じ色の花を模した愛らしい髪飾りを挿している。
 お姫様付きの侍女の……
 あれ? 名前、なんっていったっけ……ド忘れ。
 むむ?
《ロザリーさんですよ、ご主人様》
 オレと同化しているサブレが、助け舟を出してくれる。
 あ〜、そーそー、ロザリーさんだった。

 少女はごく自然に脇によけ、空いた場所に当然のように豪奢なドレス姿の女性が進み出る。
 王妃様だ。
 あいかわらず……変てこな頭だ。
 豪奢な羽根飾りをつけた頭が、バケツみたいにでかい。ものすごく高く結いあげた髪は、白く見せるために粉をまぶしている。
 髪形は変だけど、王妃様はセクシーだ。
 ものすごい美人だし、右頬につけているハート型のつけぼくろが何ともセクシー。
 腰がきゅっとしぼられてて胸がものすごく強調されたデザインのドレスも、かなりセクシー。
 しかし、何といっても凄いのは豊満な胸のつけぼくろ。胸に注目されたくて、ハート型のつけぼくろをしてるんだもん。セクシー過ぎ。
《セレスティーヌ王妃ですよ、タイロン国王の奥様です、ご主人様》
 あ〜、そーそー、セレスティーヌ王妃様だった。

 王妃様の後に、可憐なお姫様が続く。
 まばゆいばかりに美しいゴールデンブロンドの巻き毛にティアラ。
 若々しい華やかなドレスを着ている。王妃様同様、細い腰が強調されるデザインだ。が、まだ十四歳なので、胸の方はお母様と比べるべくもない。
 けれども、ものすごい美少女だ。白い肌、長いまつげ、線の細い儚げな美しさ……
《アンジェリーヌ姫ですよ、ご主人様》
 いや、さすがに覚えてるよ、アンジェリーヌ姫は。
 一夜でもいいから花嫁にしてください、とオレにせまってきた女の子だもの。忘れるわけがない。

 王妃様もお姫様も、王族スマイルだ。
 威厳あふれる高貴な表情。綺麗だけど、血の通った人間っぽくない。陶器の人形みたいだ。

「ようこそおいでくださいました、セレスティーヌ王妃様、アンジェリーヌ姫様、ロザリーさん」
 サブレのおかげで、ちゃんと名前まで言えたぞ。
 騎士っぽく挨拶をしてみた。お貴族様みたいに手をとってチュッの方が受けそうだ。が、恥ずかしい。他の仲間もいるし。ンな挨拶したら、リーズやカトリーヌに笑われちまう。

「ごきげんよう、勇者様」
 王妃様が艶っぽく微笑む。
「お国へのご招待、感謝します。本日は、勇者様のご勇姿を拝見させていただきますわね」
 いえ、オレの順番はまだ先です。これから戦うのは、あなた達です。

「お会いできて嬉しいですわ、勇者様」
 アンジェリーヌ姫は、王族の顔を崩していない。
 けれども、熱を帯びた瞳は、正直に彼女の気持ちを伝えていた。まっすぐにオレだけを見つめている……
「勇者様が魔王に勝利できるよう、神に祈りを捧げ、清廉な日々を送ってまいりましたわ」
 アンジェリーヌ姫が、にっこりと微笑む。
 可愛い方だ……
「毎日、運動もいたしましたわ。私、とても丈夫になりましたのよ。きっと、もう踏んでいただいても大丈夫です。勇者様に踏んでいただいたら、私、上手にあえいでみせますわ」

 シーンと、室内が静まり返る。

 学者様やカトリーヌが、『え、そういう趣味?』って顔をしている。
 マルティーヌ先生は、カトリーヌの背中に張りついてオレの視線から逃げているし……
 サラやジョゼの顔には、諦めのような表情が……

 オレの内の土の精霊が、やったー! って感じにはしゃいでいる。
 裏冒険世界でそーゆう趣味の勇者だと誤解されたのは、おまえのせいなんだぞ、こら!
「私達の為に、お父様がお道具を新調してくださいましたの。勇者様の剣にそっくりなお道具もございますのよ。もう怖くございませんわ。踏む以上のプレイでも、ご遠慮なさらないで。私……勇者様になら何をされても構いませんもの」
 微かに頬を染め、お姫様がうっとりとオレを見つめる。
 ちょっ! タイロン国王! 娘に何を与えてるんですか!
 てか、オレ、そういう趣味は無いんですってば!
 喜ぶな、サブレ! おまえの為に、オレはトホホになってるんじゃねーよ! ちくしょー!

「魔王戦の後、勇者様に娶っていただけるのですもの。勇者様にふさわしい女性になれるよう、花嫁修業を積んでおくのは当然ですわ」
 いやいやいやいや!
 違います!
 魔王戦後、一年の間に再会できたらお姫様の希望をかなえる。けど、できなかった時は別の結婚相手を探してもらうって事になってましたよね?
 オレは伴侶を振っちゃいけないし、断ったらお姫様が自殺しそうだったから、そーいう形にしただけで……
 十四歳のお姫様を、Mの花嫁にする気なんてこれっぽっちも……

 あああああ……周囲の視線が痛い……


「そうだ! 紹介します! オレの世界の侯爵家の兄妹です!」
 話題を変える!
 オレの後ろに控えていたシャルルとシャルロットちゃんを、王家の方々に引き合わせた。
 この二人に、三人の世話役をやってもらうのは打ち合わせ済み。
 シャルロットちゃん達なら、身分の高い方に礼儀正しく接する事ができる。それに、武器選びをしてもらわねば。武器の解説者(シャルル)は必要だ。

 侯爵家の兄妹に案内され、王妃様とお姫様と侍女さんが移動する。
 しゃなりしゃなりって感じで、もったいつけたように動く。優美な所作って言えばいいのかもしれんが。


 魔法陣から、紫の獣を抱っこした、女の子が現れる。
 身にまとっているのは、黒革のビキニ。後頭部にコウモリを模した髪飾り、首輪そっくりな首飾り、肘までの手袋、ブーツも全てテカテカ黒光りする革。どれもこれも色っぽいデザイン。
 だが、しかし……
 どう見ても幼女。ぷるんとしたおなかに対し、胸はブラいらずのぺったんこ。頭は大きく、ほっぺはふっくら、おめめは大きい……
 暗黒モンスター使いのモードだ。
 抱っこしてるのは、耳がデカくて鼻が長い生き物。象に似ているが、色はおどろおどろしい紫だ。
 暗黒神殿で飼われている、暗黒神の御使いだ。大きい奴は小山サイズあったが、モードが抱っこしてるのはネコ並の大きさだ。

 口をへの字にした幼女が、オレ達を見渡す。
 リーズやアナベラが視界に入った時には、ビクッ! と身構えたが、
『あたし、アンコクシンカンだもん! エライんだもん! まけないもん!』って感じに、大きなおめめを見開いて威厳を保とうとする。

 そこへ……

「かわいい! かわいい! かわいい!」
 白龍を身にまとわせている人が、モードごと御使い様をギュッ! と抱っこする。

「かわいい……?」
 モードがきょとんと目をしばたたかせる。
「ミツカイさま、かわいい?」

 パメラさんが、満面の笑顔で頷く。
「ミツカイサマって言うの? お鼻とお耳が素敵。格好いい」
「……ほんとに、そうおもう?」
「ええ。かわいいわ」
 パメラさんにそう言われても、モードは疑わしそうだ。

「このコも、みんなも、いらないコなの……」
 思い出したら悲しくなったのか、モードの目がうるうるする。
「シンデンをおいだされちゃったの」
 へ?
「アンコクシンさまが『かわいくない。いらなーい』って」
 チビッ子神官が、クスンと鼻を鳴らす。
「シモーヌおばちゃんとママがでてけって」
 え〜
 確かに、この象もどきはサリーの好みじゃない。
 だけど、追いださなくたって……
 名前からして、暗黒神の使いなわけだし……昔、サリーがそう決めたから、神殿に代々伝わったんじゃないの? 捨てるなんて、無責任だ。

「その仔達が住処を追われた後も、あなたは世話をしているのね?」
 モードが頷く。
「あたし、ミツカイさまのおセワヤクだもん」

「偉いわ」
 パメラさんが微笑む。神像のように完璧な美貌が浮かんだ笑顔は、さながら慈母の微笑みで……オレのハートはキュンキュンと鳴った……
「それでこそ、獣使いよ」
 パメラさんが、モードをぎゅっとする。
「その仔、お肌のツヤはいいし、爪も綺麗。性格も素直。とてもいいご主人様にお世話されているってわかるわ」

 幼女の顔がパッと輝く。
「あたし、ヒャクイッピキのミツカイさまのオセワしてるの!」
「百一匹も? すごいわ。今、何処で暮らしているの?」
「モリ。ミツカイさまは、タマゴにかえってもらったの。でも、じゅっぴきだけ……」
 獣使いと暗黒モンスター使いは、わきあいあいと話をしながら移動していった。


 つづいて魔法陣から現れたのは、白銀の鎧をまとった神聖騎士だった。
 背の半ばにまで垂れる金の髪、武人らしい武骨さなど微塵もないほっそりとした顔。
 見惚れるような美形だ。
 ジュリエットさんだ。
 光の国の王タイロンに仕える、誇り高き騎士……らしい。

 らしいって推測なのは、まともに話した事がないからだ。
 それというのも……

「・・ククク、これからが本番だ、ザコ魔王よ。今度こそ、きさまを葬り去ってくれよう」
 ジュリエットさんが、びしっ! とカネコ アキノリを指さす。

 オレが裏冒険世界に居た時、ジュリエットさんは、憑かれているか、疲れて寝てるかだった。
『マッハな方』憑きのジュリエットさんとしか、オレは会話してない……

「魔王に堕ちた醜きクズよ。妄執に囚われし愚か者よ。自ら堕落したきさまに、もはや神の慈悲は無い。内なる俺の霊魂が、マッハで、きさまの罪を言い渡す」
『マッハな方』の魔王戦参戦は、これで二度目。
 カンザキ ヤチヨさんに憑いて暴れた時は、いまいちダメージが伸びなかった。帰還の時、かなりご不満のようだったが……
「有罪! 言ったはずだ、存在自体がきさまの罪だと!」

 そこまで言ったところで、『マッハな方』の決め台詞は終わった。
 炎と光の精霊に左右からがっしりと腕をとられ、『マッハな方』は強制連行されてゆく。
「ぬ? 勇者の精霊ども、またしても邪魔をするのか?」
《だ〜か〜ら〜 段取り無視は、ダメ。裏冒険世界の人、まだ全員来てないのよ》と、ティーナ。
《不用意に霊力を高めない方が良いのではありませんか? その憑依体とは相性があまり良くないのでしょう? 器向けでない方を酷使すると、攻撃前に失神してしまいますよ》と、ルーチェさん。

 二人は『マッハな方』を、マリーちゃんがたたずんでいる光の結界布の上に放りこんだ。
 布の上は光の守護に包まれている。魔王が放つ邪悪な気配が入りこんでくることもない。
 凶悪だったジュリエットさんの顔が急速に穏やかとなり……
 ジュリエットさんが、しゃんと背筋を伸ばし、礼儀正しく頭を下げた。
「聖女様、お久しぶりです」
「こんにちは〜 あちらでは、ごめいわくを、おかけして、すみません、でした〜 お元気そうで、なにより、です〜」
『マッハな方』の憑依体となれる二人が見つめ合い、微笑み合う。通じ合ってる。


 魔法陣から、モードのお母さんと叔母さんが現れる。

 モードのお母さんは、顔にコウモリ形の仮面(マスク)をし、闇色のマントで体を包んでいる。
 この前は、マントの下はモードとそっくりだった。
 つまり……黒革のビキニ、首輪そっくりな首飾り、肘までの手袋、テカテカ黒光りするピンヒールブーツな格好だったのだ。
 お子様がセクシーな格好をするのは、それはそれでかわいい。
 だが、胸もお尻もむっちりな方の黒革ビキニは凄かった。たいへん趣があった。

 モードの叔母さんの方は、普通の神官っぽい格好だ。錫杖を持ってるし。
 暗黒神官長で、神殿で一番偉いからかも。
「先日は、本当にありがとうございました」
 にっこり微笑んで、シモーヌがオレに頭を下げる。
「勇者殿のご助力のおかげで、暗黒神様が降臨し、光の国からも援助をいただけるようになりました。戦犯の私は明日魔界に追放となります。が、エグリゴーリの事で憂いはもはやございません。そう遠くない日に、緑あふれる国土が蘇るでしょう」
 暗黒神ことサリーが魔界にひきこもっていたせいで、シモーヌの国は荒廃し、飢饉になった。
 シモーヌは何が何でもサリーを降臨させようと、美しい生贄を求めて光の国に侵攻したわけだが……
 光の国との間で和平が結ばれ、支援が受けられるようになったのなら、良かった。
 魔界に追放ったって、ラブラブな恋人の館で暮らすだけのことだし。

 シモーヌは、顔立ちがきつく見えるほど化粧が濃いわ、闇の国の暗黒神官長だわで、いかにも悪役っぽい。
 けど、話してみれば、意外と普通だ。

 なので、聞いてみた。
「さっきモードから御使いが神殿から追いだされたって聞きましたが、何故です?」
「食糧・医療支援を受ける為です。光の国からの、武装解除の求めに応じたのです」
「武装?」
 シモーヌが頷く。
「兵不足の為、先日の侵攻では、下級魔族や御使い様などの凶悪モンスターを前線に立たせました。下級魔族もモンスターも、武器として光の国には認識されているのです」
「……なるほど」
「処分を求められたのですが、神殿の護りモンスターだった御使い様のお命を奪うには忍びなく」
 そりゃそうだ。
「卵に戻して私の実家の仮神殿に安置しました。現在起きていらっしゃる御使い様は、愛玩用ペットという名目で残した十匹のみです。モードに預けています」

「ちゃんとした理由があったんですね。すみません、誤解してました。てっきり、サリーが『かわいくない!』って言ったから、捨てたのかと」

「え?」
「あ……」
 暗黒神官の姉妹が、妙な顔となる。

 む?

「……えぇ! もちろんです! 暗黒神様は全然、関わりありませんわ! ガイコツ兵や闇の瘴気を残し、御使い様だけを処分する事にしましたけど! それは、たまたま、そうなっただけです! ね、姉さん?」
「ええ! 『こんなのが、シンデンにいっぱいいるの? もうくるの、やめよーかな』とは確かにおっしゃいましたけれど! それだけで、神殿を大掃除をして、モードの大事な御使い様を片づけたりしませんわ、私達!」

 なんだ……やっぱり、サリーのせいだったのか。
 モードも、かわいそうに。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ