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ハーレム100 作者:松宮星

決戦(Ⅱ)

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魔界 その1

 四日間、オレは魔界で記憶喪失になった。
 精神だけが、十才のガキに退行したのだ。

 その間の出来事は、記憶にない。
 さっぱり思い出せない。
 空白の四日間だ。

 お師匠様や魔界での伴侶のベティさん達から、その間に何があったのかは聞いた。
 十才のオレは、魔界を旅して伴侶を五人増やしたらしい。
 オレの『勇者の書』にも、十才のオレが書いた五人の仲間のデータが記されている。
 けれども……
 見ると、ムカつく。十才のオレが、あまりにもクソ馬鹿なんで……





「魔界の伴侶達よ」

 オレの呼びかけに応え、魔法絹布の右から六番目……ようするに魔法絹布の真ん中の、魔界の魔法陣から輝きが生まれる。
 魔法陣から上空に向かい、光が広がる。
 まるで光の柱ができたかのようだ。

 まばゆい光の中から現れたのは……
 床を這う、ゲル状の生き物だった。

「………」

 この子を仲間にしたのは、オレじゃない。十才のオレだ。オレにしてみれば、初対面の相手。

 べとっ、ぬるっと、緑色に透き通った生き物がもぞもぞ動く。全身がゼリー状、半透明だ。
 例えるのなら、粘り気のある水たまり。十才のオレは『卵をわって中身をお皿に出した感じ』と書き残しているが、まさにそんな感じ。

 がくっと、床の上に座り込んだ。
 オレの前を、もにゅもにゅ蠢いてスライムが通り過ぎてゆく……

『マッハな方』の足形がついたそれは……どっからどう見てもスライム。ただのスライム。ボス級のヤツじゃない。そのへんにいる、ザコキャラ。やられ役のスライムに間違いなかった……

 超強い住人ばかりの魔界で、なんでスライムに萌えるんだよ……
 十才のオレの馬鹿……


《イヒヒヒ。楽しそうだね、おにーちゃん》
 頭上からの声。
 ツーンと鼻につく匂いもする。
 オレのすぐ側に、ローブをまとった腐りかけの女性が居た。
 その女性が抱えているのは、派手な生首だった。
 部分的に赤や緑や青に染めた金の巻き毛。真っ白な白粉顔なのに、口紅は真っ赤、アイシャドーは真っ黒。ものすごい厚化粧ではあるが、美人だ。額の靴跡がちょっとナニだけど。

「ベティさん」
 死霊王ベティ、それと『ゾンビのおねえさん』。
『ゾンビのおねえさん』は、ベティさんの配下のゾンビ。会うのはオレは(・・・)初めてだ。腐敗して灰色になった肌、一部腐り落ちた頬、濁った眼球……どー見てもゾンビ。腐った肉の匂いも、かなりエグイ。何で萌えたんだよ、十才のオレ……。オレは自分が理解できない……

「お久しぶりです。お元気ですか?」
 ベティさんが、ゲヒヒヒヒと派手に笑う。
《あいかわらずお馬鹿だねえ、おにーちゃん。死霊王が元気なわけないじゃないか。もー死んでるんだから》
 グヒヒヒヒとベティさんが大笑いする。

 ふと気になった。ゲヒゲヒ笑うベティさんの首の下側から垂れている物がいっぱいある。黒い糸……?
 オレの視線に気づいたベティさんが、楽しそうに笑う。
《ああ、縫い糸さ。聞いとくれよ。さっきまで、サイクロプス・ゾンビの体に首を縫い付けてたんだけどさー》
 ベティさんが大爆笑をする。
《召喚がかかった途端、ブッチン。サイクロプス・ゾンビの体は、魔界に置き去りさ。荷物なら運べるんじゃなかったのかい? あんた、このあたしを騙くらかしたね、勇者のくせに!》
 いや、あの……サイクロプスって事は巨人なみの大きさですよね。首だけになったベティさんが手荷物と言い張るには、無理のある大きさなんじゃないかと……

《首だけじゃろくな力も使えやしない。あたしにダメージを期待しないでおくれよ》
 ベティさんは、オレが(・・・)初めて会った時には既に足形つきの生首だった。
 体は、『マッハな方』に浄化魔法で吹き飛ばされてしまったんだそうで。

 ベティさんがポーンと宙を飛び、オレの頭の上にのっかる。金髪の巻き毛でオレの頭にからまりつき、落っこちないよう器用にくっつく。
《やっぱ、ここが落ち着くわ〜 あたしが笑うと、おにーちゃんの空っぽな頭がカラカラ鳴るんだもん》
 頭の上で、ベティさんがクヒヒヒと笑う。笑いの揺れがモロに伝わってくる。首が痛くなりそうだ。

 ベティさんを頭にのっけたオレを見て、仲間達が驚く。
 リーズなんか、のけぞりぎみ。
 でも、まあ。魔界じゃ、だいたい、こうだったし。オレ的には、気にならない。

《な〜んか、ちょいとだけ、居心地が悪くなったねー》
 オレの頭の上でベティさんが、ぼやく。
《サークレットに左腕の布、腰の剣もか。神の気が宿ってやがる……しかも、どれもこれも違う神だね? ったく、もう。腐っても勇者。あっちこっちで、愛されまくりじゃないか》
 腐ってねーよ。
「神聖の光が痛い? 降りる?」
《いいや》
 ヒヒヒとベティさんが笑う。
《あたしゃ、そこらの雑魚とは違う。触れたぐらいじゃ、どってことないよ。ゆーちゃちゃまが『邪悪よ、退け』とお念じになれば祓われちまうかもしれないけどね》
「しないよ。そんなこと、オレがベティさんにするわけないじゃないか」
《なんでさ?》
「伴侶だし……友達だから」
 ベティさんが《やっぱ、あんた、最高!》と、頭の上で笑い転げる。そんなにおかしかったか? あんま揺するなよ。首がつらい……


 魔法陣から、ズルズルッと大きなものが這い出る。
 緑の大蛇と見まごうそれは、蛇身王エドナだった。

 初めて見る蛇身王エドナに、オレの目は釘づけ。
 デカいとは聞いていた。デカすぎて一緒に馬車の旅ができなかったわけだし……
 ぬらぬら動く、蛇の胴体はなかなか尾までいきつかない。緑のウロコが輝くそれは、オレの何倍もの大きさがある。

 そして、頭のあたりは蛇ではない……
 女性の上半身がくっついているのだ。

 緑の髪、でもって腰から下は蛇の胴体。明らかに人外。だが、美人だ。額に足形があるけど、気にならないくらい綺麗! しかも、全裸!

 オレのハートはキュンキュンと鳴った……

 これは、萌える!
 十才のオレが萌えても、おかしくない!

 白くてぽよよんな(なま)胸が揺れている。だが! 惜しいことに、髪の毛がかかっている! 長い髪が豊かな二つの山を隠しているのだ! 見えそで見えないところがドキドキもの! でも、正直……髪の毛、邪魔!

 エドナは憂いのこもった顔で、オレを、ジョゼを、サラを、その他の仲間を見渡し、つらそうにうつむいた。おでこの聖痕をおさえて。
《おいちちょー……》
 蛇身王は大きく溜息をついて、ズルズルと床を滑って行った。
《えものいっぱいなのに……かなちい……。おれこ、いたい……》

 エドナはラミアだ。歌で獲物を魅了しては引き寄せ、何でも食べちゃう。悪食だ。
 勇者の伴侶となり、おでこに『マッハな方』の足形がつけられている今、人間を喰う事はできなくなっているが。

『マッハな方』は、反抗防止&守護の為に魔界の伴侶達に聖痕を与えた。
 気をこめて踏んづけて、自分の所有物の証をつけたのだ。
 魔界の王を除く魔界の伴侶達は、額に『マッハな方』の足形がついている。下僕にされているのだ。


 魔法陣から、疾風のように何かが飛び出した!
 と、思った時には、オレのすぐ側に背の高い美形が立っていた。
《十四日ぶりだな、勇者よ》
 吸血鬼王ノーラだ。
 長い黒髪、青白い肌、目も唇も血の色……男とも女とも見える中性的な美貌。それでも、額に靴跡があるが。
 ノーラは、エリの高い黒マントを体に巻きつけていた。首から足までがマントに隠れていて見えない。
 このスタイルって事は……マントの中はおそらく、きっと……

 オレはツバを飲み込んだ。

「今……女ですよね?」
 魔族は男女両方の姿になれる。が、ノーラはどちらの性別になっても外見上の差はあんまりないらしい。
《違うと、言ったら?》

 え〜

 野郎の裸マントは、かなりナニ。ただの犯罪だと思う。

《安心しろ、女だ》
 良かったーっ!
 赤い目を細め、赤い口をゆがませ、吸血鬼がニィっと笑う。
《あいかわらず、馬鹿で助平のようだな》

《十四日ぶりだぁ? あんた、勇者のおにーさんにちょっかい出したのかい?》
《私が手を出したのではない。勇者の方から関わってきたのだ》
 吸血鬼が、くつくつと笑う。
 ベティさん、髪の毛で首絞めないで! 苦しいよ!
 十四日前に、裏冒険世界でたまたま会っただけだよ!

《こいつは、あたしのもんだ。死んだら脳みそをもらうんだからね。手ぇ出すんじゃないよ、ノーラ》
 待って! その提案におっけぇ〜してませんよ、オレ!
《フン。安心しろ。ふにゃふにゃ男の血など吸わん。私の超好み(ストライク)は、引き締まった体の太い首の男だ》
 ふにゃふにゃ……
《美しいこの私には、それにふさわしき贄がある……》

 ノーラの体が滑るように移動する。
《雑魚魔王を切り裂きに来てやったぞ。これで、忌々しい聖痕も消えよう。魔王の次は貴様だ、僧侶。貴様の所属世界を必ず探りあて、我が爪で華麗に引き裂いて……》
 そこまで言いかけて、ノーラは黙った。
 光の結界布の上に立つ修道尼僧を、まじまじと見つめて。
《貴様、誰だ?》

「マリー、と申します〜」
 のほほん聖女様が、魔族相手にもにこやかな微笑みを見せる。
「ごめん、なさい〜 『マッハな方』は、今は、いらっしゃって、ません〜 お休み、です〜」
 マリーちゃんは、目つきも顔つきもほんわかしてる。憑依された時の凶悪さは、今は微塵もない。マリーちゃんが光の結界布の上にいる限り、『マッハな方』は降臨できないのだ。

《何だと!》
 ノーラが牙をむいて怒る。
《美しいこの私を支配しておきながら、あの男、我が働きを見にすら来ぬのか! それで主人(あるじ)気取りとは……許せん! どこまでふざけた男なのだ!》


 ノーラの左肩が、後ろからよしよしって感じに撫でられる。
《元気だして、ノーラちゃん》
 ノーラの背後には、でっかい鎌を持ったチビッ子天使が浮かんでいた。
 頭に輪っか、背に白い翼、澄んだ空のような水色の髪。身にまとっているのは、スケスケの白レースのミニドレス。下着まで見えちゃってるが、五〜六才の幼児姿なんで、見えてもキュンキュンしない。
 ふっくらとほっぺの愛らしい顔、右目にはハート型の眼帯、左はこぼれそうなほど大きい青い瞳。んでもって、額にはバッテンのバンソコウ。足形はかわいくないから隠しているんだ。
 死神王サリー。堕天使だ。

《だーいじょーぶ。マッハくんとは、きっとまたどっかで会えるよ〜 あたしも、マッハくんさがし、手伝ったげるー》
 にこやかな死神王を、吸血鬼王がいぶかしそうに見つめる。
《ひきこもりの貴様が捜索に協力?》
《するするー》
《珍しいこともあるものだ。……代償は? 何が欲しい?》
《えー そんなんいらないよー ノーラちゃんは、あたしにシモーヌちゃんをひきあわせてくれたもん。そのお礼ー》
 サリーが、にぱっと明るく笑う。
《あたしも、しんゆーのノーラちゃんの、恋のキューピットしたげるねー》

 へ?

《なに、なに? ノーラ、あのクサレ僧侶に惚れたわけ? 悪趣味だねえ》
 ベティさんが髪の毛で手綱をとるようにオレの首を絞め、強引にサリーのそばへとひっぱる。
《やっほー ユーシャくん》
 と、オレに挨拶してからチビッコ堕天使は、内緒話だよってばかりに口元に手をそえる。
《あたしのセカイでね、こっそりデートしてたの》
《フヒヒ、ほうほう》
《マオー戦での、再会をたのしみにしてたのに、マッハくん、きてないでしょ? ノーラちゃん、大ショックぅ〜 かわいそー》

《話をつくるな、サリー。殺すぞ!》
 吸血鬼王の髪の毛が、ゆらゆらと天へと向かう。

《いいね、いいねー 吸血鬼王と神の使徒の許されざる愛ってヤツか、三文小説なみに陳腐だ。おぞましくって、鳥肌たっちまうよ》
 ベティさんがゲヒヒヒヒと下品に笑う。

《腐肉! きさまの無駄にデカい口、我が爪で更に引き裂いて広げてやろうか?》
 ノーラの黒髪が逆まき、ゆれる
 本気で怒ってるっぽい。
 魔族的には、親友だの恋だの愛だの、ゾッとする言葉だろうし。

《僧侶は殺す。美しいこの私に、下僕の辛酸を嘗めさせてくれたのだ。己が死を望むまでバラバラに切り裂いてやり、その血を一滴残らず吸いつくしてくれるわ》

《ベティちゃん、知ってた? 吸血鬼の吸血って、エッチのかわりなんだってー》
《やらしいねぇ》
《ノーラちゃんにも、ようやく春がきたねー》
《ヒヒヒ。わかったよ、あのクサレ僧侶はノーラにくれてやる。その代わり、味わった後の残りカスはあたしにおくれよ。あいつの肉片なら、いい死霊になる》

 サリーやベティさんは、それでもノーラをからかい続ける。
 ノーラが本気で嫌がってるからだ。
 ベティさん、エドナ、ノーラ、サリーは、魔界貴族。魔界ではご近所さんだ。たまに手を結んだりもするが、基本的に仲が悪い。他人の不幸は己の愉しみ。魔族には仲間意識が無いんだ。


 魔法陣から、ウルトラS級に悩ましい方が現れる。

 きゅっとウエストを締めあげる黒のコルセットは、胸元が大胆にカッティングされている。豊満な胸は紐で縛りつけられても、尚、たぷんたぷんで……
 その下は何も隠せないんじゃないかってぐらい小さい黒下着! まぶしい白い太もも! 艶っぽい黒のガーターストッキング! 黒のピンヒール!

 ゆらゆらと揺れるオレンジがかった赤い髪からはヤギのような角がのぞいているし、背には尖った爪つきのコウモリの翼があり、尻尾もある。
 悪魔だ。だけど、ンなことはどうでもいい。額の足形も、この際、無視!
 やや目尻の下がった紫の瞳、色っぽい泣きぼくろ、肉厚の真っ赤な唇。

 キュンキュン、ムズムズもの!

 お色気いっぱいの淫魔! サキュバスのラモーナだ!
 魔界の王の側近の一人、魔界の王の秘書でもある。

 ラモーナがけだるげにオレらを見渡し……微笑む。
 妖艶……って言葉がぴったりくる魅惑的な顔で……

 オレのハートはキュンキュンキュンキュンと鳴った!
 鳴り響いた!

 頭上のベティさんが、いきなり髪の毛で首を絞める。
「ぐっ!」
 苦しくって、頭のモヤが晴れる。オレは気づかぬ間に、フラフラ〜っとラモーナの方へ進んでいたらしい。
 ベティさんがフヒヒと笑う。
《あいつは存在自体がエロいんだ。気をつけないと、下僕にされて骨まで吸われちまうよ》

「ようこそおいでくださいました、お美しい方」
 シャルルの野郎が、ラモーナに恭しくお辞儀をする。
 いつも通りの気障ったらしい所作。だが、顔つきが変だ。少しとろんとしている。
 魅了されとる……

《あらぁ。あたくし好みのいい男……。ペットにしたげても、よくってよ。この世界の魔王のもとへ、あたくしと王を案内なさい》
 更に妖しく笑ったラモーナが、スッと左手を差し出す。
 その左手を、シャルルがとって二人で歩き出す。舞踏会会場に貴婦人をエスコートするかのように。

「あらあらあら。お兄様ったら、あっという間に淫魔に骨抜きにされて、だらしないですわねえ。ポワエルデュー侯爵家嫡男の誇りはどこへいったのかしら」
 魅了された兄を楽しそうに見つめて、シャルロットちゃんがコロコロと笑う。
……止めてあげる気はないようだ。

「シャルル様……」
 小さな声が聞こえた。
 義妹が複雑な顔をして、シャルルとラモーナを見ていた。
 戸惑っているような、悲しんでいるような、心配しているような……。
 ジョゼとシャルルとの婚約は間もなく解消予定。とはいえ、嫌い合って別れるわけじゃないし、まだ許婚の関係。
 婚約者が淫魔に誘惑されてりゃ、嫌だよな、普通。

 なので、
「ラモーナ」
 淫魔に声をかけ、邪魔をしとく事にした。
「その男、いちおー仲間なんだ。喰うなよ?」
 ラモーナが艶っぽく笑う。
《つまみ食いのおいたはしないわ。今日のメインデッシュは決まっているもの》
 又、今度遊びましょうねと微笑みかけられ、馬鹿な男が笑みを返す。操られとる。

「さっき魔界の王を案内しろ、って言ったよな? 王は何処だ?」
 お色気過剰のサキュバスが、うっふ〜んと笑って自らの巨大な胸を右の掌で示した。
《こちらよ。偉大なる王にご挨拶なさい》

 爆乳な、たっぷんたっぷんの二つ山。山と山の谷間に、何かが挟まっている。

「………」
 発光しているんで、サブレの目を通してでもはっきりとは知覚できない。だが、何となくそこに天使がいるのがわかった。
 光の輪を頭上に浮かべ、白い翼がいっぱい生えているから、きっとこれが魔界の王なのだろう。
 魔界の王には、六対十二枚も光り輝く翼がある。といっても、ラモーナの胸にはさまってんで、今は下の方が見えない。顔を覆う一番上の左右の翼、胸を隠す次の二枚と、背の白鳥のような大きな翼が見えるだけだ。

 魔界から動けないから、魔王戦には分身を送るとは言っていたが……

「どうも……お久しぶりです……」
 気が抜けて、マヌケな挨拶しかできなかった。

 幻想世界のゾゾよりデカかったのに……
 分身はずいぶんコンパクトなんですね……

『仲間や敵の、攻撃値と残りHPを見る』勇者(アイ)が、現在の魔界の王のHPを精確にオレに伝える。
 HPは666……
 うちの魔王の13倍もHPがあったのに……

 分身はずいぶんと……。


 いや、それでも大丈夫!
 スライムやゾンビが伴侶でも、ベティさんが首だけでも、魔界の王が小人さんでも、チュド〜ン無しでオレは勝てる!
 意地でもそう信じる!
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