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ハーレム100 作者:松宮星

決戦(Ⅰ)

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開戦! (※)

 オレは、仲間達と共に魔王城へと転移した。


 百一代目魔王『カネコ アキノリ』は、英雄世界出身の異世界人だ。

 あちらでは、高校生だった。
 カネコはけっこうアレな性格で……『プライド高くて屈折してて、ねちっこくって、偉そう』な奴だったとか。
 幼馴染のタチバナ シオリさんに告白するも、振られる。
 その時、運の悪い事にすぐ側に次元穴があった。次元穴は、多次元とランダムに繋がる裂け目。
 強い思念とか特殊な生体エネルギーに反応しやすい次元穴は、カネコの失恋の嘆きに刺激された。穴は広がり、カネコは中に飲み込まれ……オレらの世界に落ちてきたわけだ。

 生まれ育った世界で不幸だった者が、この世界で魔王となる。

 けれども、来た時点では、まだ魔王ではなかった。
 人としての情が残っていた為、肉体の魔王化が中途で止まったのだ。
 魔王化しかけた部位は治らない怪我となって残り……行き倒れたカネコは、北の荒れ地の村の村長の娘――双子のヴェラとニノンに保護された。

 双子は、シオリさんに似ていた。
 髪形まで似たヴェラに、カネコは特に執着した。

 しかし、ヴェラはカネコの求愛を拒絶し……
 その失恋の痛みが『カネコ アキノリ』の最後の理性を消し去ったのだ。

 カネコの体はどろどろに溶け、すぐ側に居たニノンの姉はカネコに取り込まれ同化され……

 人間よりも遥かに巨大な、魔王『カネコ アキノリ』が誕生したのだ。


 魔王化したカネコは、
《男を皆殺しにして、奴隷ハーレムをつくる》 
 なんて、ふざけた願望を抱いているらしい。

 女神様によれば……だが。





 転移した先は、真っ暗だった。
 光差さぬ真の闇だった。

「ルーチェさん」
 オレの求めに応え、光の精霊が光球を宙に浮かべる。
 五、十とルーチェさんが光球の数を増やしてゆくにつれ、周囲の様子がわかってきた。

 真っ黒な部屋に居るようだ。床は、ツヤツヤ光る黒い石で出来ている。多分、天井も壁もそうなのだろうが……ルーチェさんの光球も照らしきれておらず、果てがつかめない。
 舞踏会の会場になりそうなほどの広さ……お師匠様はそう言っていた。
 だが、何もない。
 寒々しいほどに、がらんとしている。

《勇者ジャン》
 光の精霊が右手をまっすぐにあげ、その先にあるものを指さす。

 ルーチェさんのやわらかな光が、部屋の果てを照らしていた。
 そして、その前には壇があり、巨大な玉座があった。
 玉座には、奇妙なモノが座っていた。

「カネコ アキノリ……?」

 それは、人の形を象ってはいた。
 だが、もはや人ではなかった。

 悪魔を思わせる、角と背の翼。
 鋭い爪のある手、蹄のある足。
 全身は毛むくじゃらだ。髪とも刺とも見える黒い毛に、手足も全身も顔すらも覆われている。
 さながら、茂った黒い森だ。

 そして、小山のごとき茂みの中に人が居る。
 毛の中に半ば埋もれるように、白い肌が見えている……

 玉座まで、かなりの距離がありそうだ。
 しかし、毛だらけの男は大きく見える。胸から生やしているものが、つくりものの人形に見えるほどに。

 よく見えないが、あれが……ニノンの双子の姉ヴェラなのだろうか? 逃げようとしたところを後ろから抱きつかれ、魔王の胸の辺りに吸収されたって話だ。

「勇者さま。急いで」
 背後から鋭い声がかかる。
「あまり時間がないわ。あの子はもうすぐ起きる」
 水龍を体に巻いている獣使いは、真剣な顔で魔王を見ていた。

「パメラの勘は、絶対よ」
 女狩人が横から声をそえる。
「動物的勘。危機察知能力よ、信じて」

 おっけぇ!

 この世界に出現した魔王は、玉座で百日の眠りにつく。
 魔王としての力を蓄える為と言われている。
 眠っている間は完全無敵だそうだ。
 だから、目覚める日、つまり百日目が決戦日となる。
 その百日目の時間が、もう間もなくだとパメラさんは教えてくれているのだ。

 三人の仲間が、スッと前に進み出る。

 先制攻撃の法を唱える、学者セリア。
 仲間達を守る為にポチ2号で結界を張る、幽霊のニーナ。
 八体の精霊をぶつけて魔王を弱体化する、占い師のイザベルさん。

 魔王の目覚めと同時に、まず彼女らが先制攻撃をする。


 オレは、魔法絹布を床に広げた。
 巻かれていた反物が床にコロコロと転がりゆき、黒い床の上にサーッと一直線に白い道を作った。
 魔法絹布には、十一の魔法陣が刻まれている。
 端にあるのが、幻想世界とオレ達の世界を繋ぐ魔法陣。それから左に向かって、精霊界、英雄世界、ジパング界へ、天界、魔界、エスエフ界、冒険世界、裏冒険世界、裏ジパング界、裏英雄世界の魔法陣が並んでいる。
 魔法絹布はオレと異世界の仲間を結ぶ絆。ここに刻まれた魔法陣を通し、世界ごとに仲間を召喚してゆくのだ。

 この百日、オレは……
 神様の託宣に従い、十二の世界を旅してきた。

《汝の愛が、魔王を滅ぼすであろう。愛しき伴侶を百人、十二の世界を巡り集めよ》

 今のオレには、心強い仲間達がいる。
 十二の世界で見つけた、萌える彼女達が。

《各々が振るえる剣は一度》

 オレも仲間達も、一回づつしか魔王に攻撃できない。

 何としても、総ダメで1億を超えるんだ。
 1億ダメージを出せなきゃ、全部、終わりなんだ……

 玉座の魔王を睨みつけた。でかい。オレの五倍はある。真っ黒な毛むくじゃらなもの……

 オレは、ヒーロースプレーを右手に振りかけた。

 正直に言えば、迷いがある。

 目の前にいるのが、ただの敵なら良かったんだが……

 魔王となる前のカネコを、オレは知ってしまった。
 できれば……倒したくない。

『女神を信用するな。退路は確保しておくように』
 裏英雄世界の風来戦士の助言も、頭から離れない。

 だが、それでも、オレは……
 勇者として戦う。

 オレがカネコを倒さねば、この世界は滅びると神様は言っている。

 自爆魔法を使ってでも、奴を倒さねば。

 この世界を、そして、何よりも大切な(ヒト)を守る為に。





 いきなり前方から、凄まじい突風が吹きつけてきた。
 肌を叩きつける風に押され、体がよろめく。

 荒れ狂う風は嵐のように激しく、そして爛れていた。
 腐敗臭にも似た匂い……瘴気だ。
 暗黒なるものが存在しているだけで生み出される、穢れた気。生きとし生けるものを滅びへと導く、魔の気だ。

 風の中心は、玉座の魔王だ。

 全身が毛とも針とも刺ともつかぬもので覆われた、巨大な魔王。
 蝙蝠の翼がピンと張り、うつむき加減だった山羊の角のある頭があがり……
 その顔に、松明のようなものがゆっくりと宿る。
 あからかと燃える二つの炎。
 それが魔王の双眸であると気づいた時には、その凶悪な眼は開ききっていた。

 玉座の間に居るオレ達を捉えて。

 それは、口を開いた。
 恐ろしげな牙と、トカゲのような真っ赤な舌をのぞかせて。

 咆哮。

 獣の声で、それは鳴いた。

 ビリビリと空気が揺れる。

 体が硬直し、全身から血の気が下がる。
 心臓がわしづかみにされているかのような恐怖を感じる。
 恐慌(テラー)だ。
 巨大な暗黒なものに、人としての本能が怯えているのだ。

 だが、オレは勇者だ。
 気迫負けして、たまるか。
 拳を握り前方の魔王をみすえ、オレは叫んだ。

「勇者ジャン! 宿命により、百一代目魔王『カネコ アキノリ』と戦う!」

 絶対、負けねえ!

 勝つのは、このオレ! 百一代目勇者ジャンだ!

挿絵(By みてみん)


「……  様と子と聖霊の御力によりて、奇跡を与え給え。先制攻撃の法!」

 空間がぎぎん! と、きしんだ。

 体が楽になった。魔王からの凄まじい威圧感が消えたのだ。
 セリアは両手を交差させ、あさっての方に顔を向け、腰をひねって立っていた。
 技法の為の所作を全て終えた学者が、振り返る。
 なすべき役を果たせた! と、充実した顔で。
「先制攻撃の法が発動しました。これで、我々全員が攻撃しない限り、魔王は攻撃できなくなりました」


 息も楽になった。
 オレ達と魔王の間の空気が、ぐにょぐにょ動いている。
 オレ達全員そして魔法絹布やら持ち込んだアイテムを包み込む形で、半球状のでかいドームができている。
 ニーナの思考に反応して張られた、ポチ2号の防御壁だ。
 ポチは、ぷるぷると震える透明なゼリー状のバイオロイドだ。
 海の底だろうが、毒地帯だろうが、マグマの中だろうが、ポチは内側のものを守れる。
 ニーナには、他の者が遠慮なく大技を使えるよう、『障壁を張る』役目についてもらった。が、ポチ2号の障壁のおかげで、瘴気が遮断され新鮮な空気が供給され出した。呼吸が楽になった。

《イザベルおねーちゃん、前に進んで》
 白い幽霊のニーナが、女占い師へと指示を出す。
《ニーナよりも前が、アタッカーさんの場所なの》

 流浪の民風衣装の女占い師が、更に前へと進み出る。
 ほんの一瞬だけ、イザベルさんの周囲の空気が揺れた。
 しかし、ぐにゃぐにゃなポチの体をイザベルさんは簡単に通りぬけた。
《アタッカーさんの場所ではね、ポチちゃんが動くの。アタッカーさんの頭の中を読んで、攻撃する時に前を開いてね、攻撃がおわったら閉じるの》
 バイオロイドは体を分断し、全体用とアタッカー用の二つの結界を張ってるのか。


 イザベルさんは、歌を歌っていた。
 艶っぽいハスキーな声で。
 異国情緒あふれる歌というか……
 歌詞が聞き取れない。
 勇者には、自動翻訳機能がある。この世界の言語はもちろん、異世界の言葉もわかるんだが……普通の人間がわからない言語、たとえば暗号や完全な獣語なんかは翻訳されない。
 暗号の歌なのだろうか?
 情熱的だが、どことなくもの悲しい不思議な旋律だった。

 イザベルさんが、両手を高々とあげる。
 掲げ持たれているのは、水晶珠だ。
 イザベルさんは、占いにはいつもあの神秘の珠を使う。『水晶が私にそう告げたの』と、笑いながら、オレを正しい道へと導いてくれた。
 幻想世界で人魚ちゃんに食われずにすんだのも、精霊を仲間にできたのも、裏冒険世界へ行けたのも、みんなイザベルさんの占いのおかげだ。

「フラム、ラルム、ヴァン、ソル、グラス、トネール、マタン、ニュイ」
 精霊達の名前を熱くセクシーに歌いあげ、そして……

 イザベルさんは、水晶珠を黒い床へと叩きつけた。

 乾いた音が響く。
 ガラスのようにもろく、澄んだ珠が砕け散る。
 粉々に。

 キラキラと光り、飛び散る破片。
 その中から、つむじ風のようなものが勢いよく飛び出す。
 赤、青、緑、黄、水色、紫、白、黒の輝きが混ざり合い、渦を描いている。
 炎、水、風、土、氷、雷、光、闇の精霊達だ。
 八大精霊達の宿る旋風が宙を切り、魔王へと襲いかかる。渦巻く風は魔王を包み込み、その内側へと染み透っていった。

 魔王戦の間、イザベルさんの精霊達は魔王と同化し続ける。
 各々が司る四元素と四事象の耐性を低下させ、魔王の物理・魔法耐性をも低下させる為だ。
 一アクションで全精霊に命令できるよう、魔王戦前に精霊達は一つの呪具に封じておくとイザベルさんは言っていたが……

「占いの水晶を呪具にしたんですか?」
 なんで……?

「捧げるべき代償は、価値がある物ほどいいのよ。術の威力が増すもの」
 イザベルさんが赤い唇をほんのり開き、妖艶に微笑む。
「呪いというものは、えてしてそういうものなのよ」

 魔王の弱体化は呪いなのか……

 イザベルさんが、うふふと笑う。
「勝ちましょうね、勇者さま。もう導く事はできないけれども、あなたが幸福な未来を手にする事を祈っているわ」

 胸が熱くなった。
 オレは占いには詳しくない。けど、あの水晶珠がすごく大事なものだったのはわかる。
 剣士が使いなれた剣を失う感じか……?
 いや、違う。
 もっと切実なものだ。手足を失ったに等しいのではないか?
 術の威力を高める為に、イザベルさんは占い師としての能力を犠牲にしてくれたのだ。

 セリア、ニーナ、イザベルさんがオレの側へと下がってくる。

 サラとアナベラにルネさんとパメラさんが、イザベルさんのもとへと駆け寄る。みんな、イザベルさんの占いの信者だ。心配そうにイザベルさんを励ます。
「ありがとう、みなさん。ご心配をおかけしてごめんなさいね。でも、大丈夫ですわ」
 うふふと女占い師は笑う。
「勇者さまが魔王に勝てば太平の世が訪れるのですもの。そうなってから、私と相性のいい占いの道具をじっくり探し……それから復活いたしますわ。迷えるかわいらしい人達がいらっしゃる限り、イザベルの占いの館は不滅です」
 よかったー! と歓声があがる。

「イザベルさんの、お心に、むくいる為にも、がんばり、ましょうね、勇者さま〜」
 オレのすぐ側から、ほわほわな声があがる。

 あれ?

 マリーちゃん……

 本人?

 ほんわか聖女様と玉座の魔王とを、交互に見た。

 先制攻撃の法で動きを封じられる前、魔王はぶわ〜っと瘴気を放ってきやがった。
 部屋中が、魔王の禍々しくも暴力的な気に満ちた。
 ものすごい邪悪な雰囲気になったのに……

 なんで、『マッハな方』が降臨してないの?

「今は、あの方は、降りて、いらっしゃいません〜 私が、光の結界の、中に、いますので〜」
 ふと見ると、マリーちゃんの足元には白地の布があった。人間二人が座るのにちょうどいい大きさで、複雑な模様が刺繍されている。
「これは、邪悪を、退ける、聖なる、結界、です〜 移動携帯用、なのです〜 ここに、ついて、すぐに、これを、置き、上に、のっています〜」
 聖女様は右手に十字架を、左手に『マッハな方』から渡されたポワエルデュー家の護符を持っていた。
「魔王戦では、あの方は、ジュリエットさんや、ユリカさんや、カンザキ ヤチヨさんという方にも、憑依なさるので〜 私は、みなさまの、順番が終わるまで、この、聖なる結界の中に、こもる事に、しました〜」
 なるほど、と納得した。
『マッハな方』は、マリーちゃんの周囲から邪悪を掃討しきるまで還らない。だもんで、魔界ではマリーちゃんは憑依されっぱなしだった。
 マリーちゃんに憑依してたら、多分……『マッハな方』はジュリエットさん達に降りられない。
 なので、聖なる結界にマリーちゃんは籠り、『マッハな方』を降ろさないようにしているんだ。
「この携帯結界は、魔王戦に、のぞむ、私の、為に、聖修道院の、みなさまが、祈りをこめて、魔法絹布に、刺繍して、くだすった、もの、です〜 とても、ありがたい、ものなのです〜」
 ほんわか笑うマリーちゃんは、とても嬉しそうだ。


「勇者様、幻想世界の方々を召喚ください」
 学者様がオレを促す。
 またいとこのシャルロットちゃんから渡された備忘録を開き、携帯用のペンを手に持って。

 むろん、召喚はする。
「その前に聞きたい事があるんだけど」
 オレはあっちこっちを指さした。さっきから気になっていたんだ。

「その辺をうろうろしているメカは、何なの?」

 ルネさんのメカなのは間違いない。
 精霊達が持ち込んだコンテナの蓋が幾つも開いているし。

 オレらの一番後ろに並んでいるモノたちの方は、説明不要だ。
 大太鼓ほどの大きさのデカイ灯り。『ランプくん』の上位版に違いない。魔王戦会場が暗い事を見越して、複数準備しておいてくれたんだろう。
 ルーチェさんの光球とルネさんの発明品のおかげで、玉座の間を見渡せるようになった。

 だが、しかし……

 明らかに、灯りじゃないメカが居る。オレの腰ほどの大きさで、車輪付きの四角い鉄の箱の上にテカテカのボールが載っている……ロボットなのか?

「私の『撮っちゃうんですクン』に注目なさるなんて、さすが勇者様。お目が、高い!」
 わりと近くからルネさんの声がする。
「ただの愛玩用ロボットと思っては嫌ですよ! エスエフ界の天才科学者ユーリアさんから友情の証にいただいた、立体映像装置! 魔王戦の記録に是非どうぞ! といただいた貴重なメカにですね、足をつけてみたんです!」
 はあ。
 足ったって、車輪じゃん。
「撮影距離も角度も構図も、足部位が自動演算しましてね、よりドラマチックな映像が撮れるよう立体映像装置が勝手に動きまわるんです! 素晴らしいでしょう! これで魔王戦の記録も、バッチリです、勇者様!」

「あら、そう。素敵ね」
 勇者様として話しかけられているイザベルさんが、うふふと笑う。
 リーズならまだわかる。髪形や格好が多少似てるから。けど、どうして爆乳のイザベルさんとオレを間違えるんだ? 共通点は……髪が黒いとこ? 他にないじゃん。

「『照らすクン』も『撮っちゃうんですクン』も、君の精霊達に手伝ってもらって、魔王が目覚める前に起動した。何の問題もない」
 ふぁさ〜っと金の髪を揺らし、お貴族様がハハハと笑う。
「君の戦いは、ルネさんの発明によって後世にまで残るのだ。勇者としての意地を是非見せてくれたまえ」

「それだけではありません! 私の発明の記録も残るんです!」
 メカの手を握りしめ、ロボットアーマーの人が力説する。
「魔王戦の映像を公開すれば、私の発明品の優秀さがたちどころに世に広がるでしょう! 工房に注文依頼が殺到し、スポンサーは鈴なり! 世界中に私の発明品がゆき渡ること間違いなしです!」
 夢を語る発明家に、
「あらあら、ほ〜んと素敵ね」
 勇者様役のイザベルさんが、うふふと笑った。


「勇者様、幻想世界の方々を召喚ください」
 額に青筋を浮かべた学者様が、オレを促す。

 握った拳をオレに見せるサラ。
 祈るように両手を組み、オレをまっすぐに見つめるジョゼ。

 仲間達を見渡し、巨大な魔王へとオレは視線を動かした。

 魔王の炎の眼は、ジーッとオレを見つめていた。
+注意+
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