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ハーレム100 作者:松宮星

裏 冒険世界

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暗黒神への捧げもの 【シモーヌ】(※※)

 召喚された『戦慄の地獄の王』は、背の高い美形だった。
 モノトーンで統一した衣装。
 襟の高い黒マント。
 その下は、後裾だけが長い黒の上着。乗馬用なのだろうか、裾が割れている。
 白い蝶ネクタイの白絹のシャツに、黒のベスト、黒いズボン、磨き抜かれた黒革の靴。ステッキを持ち、黒のシルクハットを気障に斜めに被っている。
 さらさらと流れる髪は、黒絹のよう。青白い肌、赤い唇……

 美形は帽子のツバを前へと、ひっぱった。額を隠す為に。

 気まずい空気が流れた。

 えっと……

「なんで、そんなの着てるの?」
 と、聞いたら、後頭部をジュリエットさんにぶん殴られた。

「きさま、ここで何をやっているのだ?」
 睨むジュリエットさんに対し、その者はくつくつと笑う。
《おや、誰かと思えば……貴様か。ずいぶんと弱くなったものだな。憑依体が脆弱すぎる……爪の一本で殺せそうだ》
「やれるものならやってみせろ」
『マッハな方』が、顎をしゃくった。
「額に聖痕がある限り、きさまは俺には歯向かえん」
 美形がチッと舌打ちをする。
「命令だ。瘴気を放つのをやめろ。そのうっとーしいシルクハットも取れ、下僕」

 フンと息を吐き、その者は『マッハな方』の命令に従った。
 帽子も脱ぐ。
 男とも女ともつかぬ、中性的な美貌があらわれる。血のごとく赤い眼。牙がのぞく赤い唇。そして、額には……あまり大きくはないが、まぎれもなく靴跡が……

 吸血鬼王ノーラ。魔界でオレが伴侶にした魔族だ。
 裸マントな吸血鬼と記憶していたが……

「どうして、裸じゃないの?」
 素朴な疑問を口にしたら、又、『マッハな方』に殴られた。「他に聞く事はないのか?」と。

《裸体になるのは、魔界でだけだ》
 そうなの?
《あちらでは、よく変化をする。だから、邪魔な服をまとわぬだけのこと。他の世界では、この私にふさわしい美しい装いをしている》
 むぅ。
《……馬鹿で助平のままのようだな、勇者》
 オレの顔を見て、ノーラがにぃーっと笑う。
《私は今は女だ……嬉しいか?》
「え? 本当?」
 ラッキー。魔族は男女の姿になれるから、てっきり男かと。男装の麗人をきどってるのかー あいかわらず倒錯してるなー

「戦慄の地獄の王が……光の僧侶の下僕……?」
 ふと見れば、暗黒神官長の目は点になっていた。
 勇者と魔族が和気あいあいとしてたら、驚くよな。
 仲が良いわけじゃないけど、『魔界の王』と戦った間柄だ。『戦友』と、オレは思っている。ノーラの方は、どうだかわからないが。

「ここは、おまえの支配世界なのだな?」
 オレを押しのけ、『マッハな方』が聞く、

《違う。召喚されただけだ》
 ノーラが黒髪をかきあげ、溜息をついた。

《ここは、死神王が暗黒神として君臨する世界……サリーの支配世界だ》

 死神サリー? チビ堕天使の?

「きさまが主人ではない? では、なぜこの世界の者が、強化魔法無効の髪飾りを持っている?」
 ノーラには、強化魔法を消す能力がある。モードの髪飾りも、こいつが与えたんなら納得だが。

《取引だ……良き生贄を捧げた者には、褒美を与える。それが、魔と人の正しい関係であろう?》
「死神王の世界で、きさまは祭られているのか? 『戦慄の地獄の王』として?」
 チッとノーラが舌打ちをする。
《その名で呼ぶな。美しくない。『不死王』なり『吸血鬼王』なりに改めろと言っているのに、サリーの部下どもが聞かぬのだ》
 赤い眼が、シモーヌを睨む。暗黒神官は、吸血鬼に対し申し訳なそうに頭を下げた。
《……ここでは、『暗黒神につらなるもの』として信仰されている。サリーが大量の筋肉男(マッチョ)を手に入れた時などに、この世界に足を運んだせいだ……サリーの友、変化、眷族などと思われているようだ》
 顔を歪めて、ノーラはつぶやいた。サリーの部下と思われるのは屈辱。だが、『友人』扱いでも屈辱……なんだろう。
 死神王と吸血鬼王は約定を結んじゃいるが、要らない獲物を交換し合うだけの仲。『友情』とか『親交』とか……魔族的には不愉快な単語だろうし。

《サリーはひきこもりだ。めったに魔界の別荘から出ん。そのせいで、私が頼られる。しょっちゅう召喚されるのだ》
 ノーラが忌々しげに、床に転がっているタイロン国王とオレ達、それからシモーヌを見渡す。
《私好みの獲物が手に入ったゆえお越しください。御力をお貸しください……そう言われて来てみれば、居るのは貴様等と人間の男……タイロンは超好み(ストライク)だと前に伝えてはおいたが……》
 吸血鬼が、鋭い牙を剥いて怒る。
《今は喰えん! あのひきこもり、聖痕の事を下達しておらなかったのだ。まったくもって、けしからん。とうぶん人間は要らんと、部下に伝えておけ!》
 オレが萌えて仲間にした者には、勇者の守り神……つまり、きゃぴりん女神の神様印がつく。女神が人間に悪さを働くことを許さないんで、殺すことはもちろん、襲うことも、傷つけたり操る事もできない。
やろうとすると、体が硬直して動かなくなるのだそうだ。
《召喚され損だ。報酬無しに、働けるか》

 何もない空から、ノーラが英雄世界の携帯電話みたいな黒いものを取りだす。羽を広げた蝙蝠を象っている。
《サリー? 私だ。すぐさま、支配世界に還って来い。貴様の国、トラブってるぞ。貴様のせいで、私が召喚された。客も来ている》
 やっぱ、携帯電話か。魔界と通信可能な。

《はあ? 忙しい? ふざけるな! お人形ごっこしているだけであろう! 早く来い! 貴様好みの美形がいるぞ!》

《美形? ほんと〜? どこどこ、ノーラちゃん?》
 空間がぽわんと光り、小さな天使が現れる。
《わ〜 ノーラちゃん、そのカッコー イカス! かわいいねー お人形にしたい!》と、はしゃぎながら。
挿絵(By みてみん)

 頭に光輪、背中に白い翼。水色の髪は肩にかかる長さ。白レースのスケスケのミニドレスを着たおチビだ。モードより小さい、五〜六才に見える。
 おそろしげな鎌の代わりに、魔族用ケータイを持っている。天使の翼型だ。
《あっれー? ユーシャくん? そっちは、マッハくん? なにしてんのー? ここ、あたしのセカイだよ? ナカマさがし?》
 オレを見上げる天使。
 思わずふきだしてしまった。
 ちょー可愛い顔の右目にはハート型の眼帯があり、おでこにはバッテンのバンソコウがついていた。しかも、ハート模様が印刷されている。
 おでこに何を貼ってるの、キミ。

 サリーがほっぺをふくらませ、両手でおでこを隠す。
《しょーがないでしょー アシガタは、かわいくないんだもん》

 フラ〜ッと、シモーヌが動く。
 サリーのもとへと走り、跪き、サリーの足のつま先に接吻。聖なるものに忠誠を誓うかのように。
 暗黒神官は、床に額をつけひれ伏した。
「おかえりなさいませ……暗黒神様」

《儀式を妨げる者を殺してくれ、とその女が私を召喚したのだ。光の国の王タイロンを贄に差し出して、な》
 くつくつと吸血鬼が笑う。
《さあ、どう始末をつける? 暗黒神として、勇者達を殺すのか? それとも、過ぎたる望みを抱いたその女を罰するか? 貴様の意志も聞かず、勝手に戦を起こしたらしいぞ。八つ裂きにし、光の国にくれてやってはどうだ?》
 うは。
 邪悪。
 今、サリーは、人間とは戦えない。
 と、なると願いは却下しなきゃいけない。しかし、この世界の暗黒神として『できない』とは言えないだろう。面子(メンツ)があるし。
 不相応の願いを抱いたって事でシモーヌを罰すれば、ごまかせるだろうが……

《ん〜》
 お子様天使は、跪く女を見つめ、頭をひねる。
《まずは、おカオをみせてー キミのカオ、ちゃんとみたい》
 美形だけどおっかない暗黒神官が、顔をあげる。
《あれれ〜? キミ、もしかして……》
 サリーが小首をかしげる。
《シモーヌちゃん?》

「私の名を覚えていてくださったのですか……嬉しゅうございます……」
《おぼえてるよー キミ、すっごくかわいかったもん。シンデンにあがりたての、おチビちゃんでー あのシモーヌちゃんが、ちょーキレイなおねーさんになっちゃうなんてー ニンゲンは、ほ〜んとオモシロいなー えっと……十五年ぶり?》
「二十一年経ちました……」
《ありゃ》
 ちびっこ天使が、しまったって顔で口元を覆う。
《ごめん、ごめーん。十五年後に、ジャアクパワーをチューニューするんだったよねー すっかりわすれてたー》
「いいえ……もう、よいのです……こうして還って来てくだすったのですから……」
《ごめんねー ヤミのチカラよわまったでしょー? マゾクのカズ、どんだけへった? アンコクのダイチも、だいぶヒカリのトチになっちゃったでしょ? ほんと、ごめんねー》

 むぅ。
 光の神様は旅行好きで、温泉グルメ旅中……
 暗黒神はひきこもりで、召喚の求めを無視してお人形遊び……

 駄目じゃん、この世界。

「毎年、美しい男女と動物を捧げてまいりました……けれども、暗黒神様はおいでにならず、エグリゴーリの闇の力は日ごとに衰え、国は荒廃してゆき……」
《ごめーん、ゆるしてー》
「供物が足りぬのだと……そう思い、最高の生贄を手にいれるべく戦を起こしました。光の国に攻め入ったのです……しかし、」
 やるせなさそうに、暗黒神官が顔を伏せる。
「美姫と評判のアンジェリーヌも、妖艶なセレスティーヌ王妃も……美形な若者達も誰一人捧げる事ができません……」
 その瞳には、きらめく涙があった。
「最高の暗黒神様には、最高の生贄を……先代より教わってまいりましたのに……申し訳ありません……かくなる上は、私が自刀して果て、私の血をもって暗黒神様にささやかな捧げものを……」

 暗黒神官長が、顔をあげる。
 瞳にさまざまな感情をこめて。

 再会の感動。
 国の未来に光が……じゃねえや、闇が差す事の喜び。
 深い信仰心。
 いたらぬ自分への叱責。
 美しい暗黒神への憧憬……そして、愛。

 そこに居るのは、暗黒召喚士ではなく……
 暗黒神に恋する、かわいらしい女性だった。


 オレのハートは、キュンキュンと鳴った……


 心の中でリンゴ〜ンと鐘が鳴る。
 欠けていたものが、ほんの少し埋まっていく、あの感覚がした。

《あと十四〜 おっけぇ?》
 と、内側から神様の声がした。


 水色の髪と白い翼が、ぶわっと宙に広がった。
 背の高い、六枚の翼を持つ天使が居る。二枚で顔を覆い、二枚で体を隠し、二枚で下半身を隠している。等身が伸びると、翼が増えるんだよな。
《私のものになるのだな、シモーヌ?》
 声も口調もがらりと変わった。けど、しゃべってるのは死神サリーだ。
「暗黒神様のお望みのままに……」
《ならば、永久に私のものとしよう……魔界に連れ帰り、私の愛人形とする》

 六枚の翼がバッと広がり、内側にシモーヌをとりこむ。
 抱きしめるように。

「あぁ……暗黒神様……」

 翼の内側から、色っぽい声がする。
「あ。そんな、いきなり……あ、あ、あ、あッ……はぁん……」
《どうして欲しい? 私に命令しろ、シモーヌ。望み通りにしてやる》
「あぁん……そこぉ、いい……もっと……」
《ここか?》
「あぁ〜ん」
 すっかり二人の世界。

 置いてけぼりの世界の住人は……顔を合わせ、ケッ! と渋い表情となる。
《馬鹿馬鹿しい。私は還るぞ》
 シルクハットを被り、吸血鬼が左手を軽くあげる。
《魔王戦は十四日後だったな。美しいこの私が、雑魚魔王を切り裂いてやる。期待していろ》
「ああ、頼む」
《ではな、僧侶。全ては聖痕が消えた後だ……貴様の世界、必ず探りあててやる》
『マッハな方』は、フンと鼻で笑った。
「浄化されたければ、来い」
 ノーラは宙に飲まれるように、フッと消えてしまった。魔法陣も使わなきゃ、呪文すら唱えない。楽々と異世界へ行けるようだ……羨ましい。

『マッハな方』はイチャイチャの二人をジロリと見て、サリーのふくらはぎの辺りを蹴っ飛ばした。
「眼帯。忘れたのか? 魔王戦が終わるまで、きさま、悪事はできん。人間を愛玩人形にはできんのだぞ」

《そーいえば、そーだったねー》
 幼児に戻ったサリーが、ニコニコ笑顔で頭を掻く。翼は二枚に減り、バンソコと眼帯をつけた顔が丸見えになった。
 すぐ側のシモーヌは、ぽわ〜んとした顔で床に座り込んでいる。上気した頬、熱っぽい顔……。見てると、こっちまで顔が赤くなってくる。

《しょーがないかー シモーヌちゃんをお人形にするのは、魔王戦のアトね。それまでは、エグリゴーリ国のタテナオシでもしよーかな》
 暗黒の国の立て直し……か。
『マッハな方』が、たいへん凶悪な顔で死神王と暗黒神官長を睨んでいる。
 邪悪は完膚無きまでに叩き潰すのが、この方の方針だが……
 ここは、この二人を行かせてやるべき。

「サリー。良かったな、いいお人形が手に入って」
《えへへ、ありがとー》
「シモーヌさんは、おまえに夢中だ。おまえに惚れてる。魔眼無しでもメロメロだ……そんなお人形めったにないぞ、大切にしてやれよ」
《ユーシャくん?》
「光の国のお姫様を魅了するより、シモーヌさんと一緒に居る方が絶対楽しいぞ。オレはそう思う」

 サリーが、にっこりと笑う。オレが言わせたがってることを、察してくれたようだ。
《今はシモーヌちゃんとラブラブだからー ホカの子はいいや。光の国は攻めないし、攻めさせないよー》
 オレは『マッハな方』をチラッと見た。
 両腕を組んでたたずむそのお姿は、たいへん不機嫌そう。でも、アレな魔法で暴れる気はなさそうだ。

「ありがとうございます、勇者殿。捕えていた者達は全て解放しました。今はエグリゴーリも国難のさなか。国を焼き、民を傷つけた賠償はできませんが……」
《テキトーに、オミマイあげとくー 魔界にはオタカラがわんさとあるしー 癒すのはトクイだしー それにー 戦犯のシモーヌちゃんは近いうちに魔界にツイホーだし、マンゾクするよね光の国もー》
 祭壇の上のタイロン国王の拘束も解けている。ムキムキ筋肉のおっさんが、いびきをかいて眠ってる。元気そうだ。

 魔王が目覚めるのは、十四日後だ。

 サリーがチビッ子になったんで、恋人というより、ママと娘みたいになっちまった。でも、ラブラブなのに変わりは無い。
《行くか》
 再びぶわっと水色の髪と白い翼が広がる。サリーはシモーヌを腕に抱き、六翼となり姿を消した。エグリゴーリ国の首都の大神殿へと向かうのだとか。

「魔どもは、全て眼帯を追って行っている・・・間もなく、周囲から瘴気は消える」
 ジュリエットさんに憑依した『マッハな方』が 遠くをみやるようにして言う。
「これで一件落着・・・か。クッ・・・いっせいに、こぞって、景気よく、邪悪どもを祓いたかったのだが・・・」
『マッハな方』が、肩をすくめる。
「まあ、いい。この世界の神は、エグリゴーリの消滅を望んではおらん。二勢力を切磋琢磨させる事をお望みだ。バイトの分際で出すぎるわけにはいかん」

「・・・俺は還るぞ、マリーの下僕よ」
「はい。ありがとうございました」
「きさま、少しは勇者らしくなれ。馬鹿でスケベでおひとよしのカスなぞ、マリーにふさわしくない」
 ん?

「あっぱれ、みごと、エクセレントに、魔王を倒せ。それで初めてスタートラインだ」
 なにの?

 言いたいことだけを言って、『マッハな方』が軽く左手をあげる。
「きさまに、神のご加護があらんことを。あばよ・・・」

 バターン……と、勢いよく扉が開く。

 振り返ったオレの目に、マリーちゃんが飛び込んでくる。
 少し遅れて、リーズとアナベラとバジルも室内に入って来る。
 マリーちゃんが走る。
 息をきらし、泣きそうな顔でひたすら前を目指す。
 右手をのばして。

「待って。行かないで」
 こぼれそうなほど大きな瞳を開き、手の先に居る人へとマリーちゃんは叫んだ。

「おにいちゃん!」

 お兄ちゃん……?

 オレは『マッハな方』を見た。
 神の使徒は……穏やかに微笑んでいた。凶悪で傲岸で変人な……あの方のものとは思えない、優しい顔だ。

 左手が高々とあがる。
 その指先が……開いては閉じ、閉じては開き……と、わずかに動いていた。

「行かないで!」

 マリーちゃんは駆け寄り、『マッハな方』に抱きついた。
 その背に手を回し、顔を相手の胸に沈め……
 ぎゅっと抱きしめた。

 もう二度と離すまいと言うかのように。


 しかし……

「……申し訳ありません」
 室内に、弱々しい声が響いた。
「使徒様は、お還りになられました。ここには、もういらっしゃいません……」
 金の髪の神聖騎士が恐縮し、マリーちゃんに謝る。

 邪悪を退治する為に、『マッハな方』は降臨する。
 周囲から邪悪が消え果てたので、この世界に留まれなくなったんだ。

 マリーちゃんは動かない。
 ジュリエットさんの胸に顔を埋めたまま……静かに背を揺らし……声を殺して泣いていた。

 これだけ……なのだろうか?
 マリーちゃんが待ち望んでいたあの方との出会いは……

 憑依体となってしまっては、その間にあった事を共に見ることはできても、会話はできない。
 マリーちゃんは、ずっと『マッハな方』と話したがっていたのに……

《会える。旅の途中で、キミとあの子の時間がほんのちょっと交わるぞ》と、女神は言っていたが……

 これだけなら、あまりにひどい。

 短すぎだ。

 ほんの一瞬の、邂逅だった……


* * * * *


『勇者の書 101――ジャン』 覚え書き

●女性プロフィール(№086)

名前     シモーヌ
所属世界   裏冒険世界
種族     闇の鬼
職業     暗黒神官長・召喚士
特徴     死神サリーの支配国エグリゴーリの
       暗黒神官長。
       召喚に応じてくれないサリーの為に
       せっせと生贄を狩っていた。
       サリーの為に美しいものを、
       サリーの穴埋めのノーラの為に
       筋肉男を捕まえていた。
       サリーの人形になれるので、
       今は幸せいっぱい。
戦闘方法   邪悪を召喚する。
年齢     二十一年、サリーを待ってたわけだから……
容姿     黒の総髪。
       つり目。黒のアイシャードも濃い。
       おっかない系だが、美人。
       凹凸は普通。
       メリザンドとは違い、
       普通の黒衣の神官服姿だった。が、
       魔界に行ったら、スケスケのあの
       天使コスプレをさせられるんだろう。
口癖    『暗黒神様……』
好きなもの  死神サリー。エグリゴーリ国。
嫌いなもの  光の神。
勇者に一言 『ありがとうございます、勇者殿』
挿絵(By みてみん)
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