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最強職《竜騎士》から初級職《運び屋》になったのに、なぜか勇者達から頼られてます 作者:あまうい白一

第二章

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第13話 海を走る運び屋

「急げ! 早く助けねえと完全に沈んじまうぞ!」
「分かってる! けど、救助する船が足りねえんだよ!」

 そのような海事ギルドの男たちの怒鳴り声が飛び交う港に、俺達はいた。

 そして俺も彼らも、港からかなり離れた海上にある船に目をやっていた。
 中型の帆付の船だが、明らかに傾いており、沈みかけていると言っても良い船だ。

「しかも、煙が出ているな。……おっちゃんたち、アレ火事でも起きたのか?」

 港にいた男たちに尋ねると、彼らは首を横に振った。

「分からねえ! ただ、泳いでギリギリ逃げてきたやつの話では、爆発音が聞こえたって話だ!」
「なるほどな……」

 結局、原因はまだ分かっていないという訳か。さて、何をすべきか、と顎に手を当てて考えていると、

「ご主人。あの船、ボクが竜になって引っ張ろうか?」

 バーゼリアがそんな事を提案してくるが、俺は首を横に振った。

「いや、船が崩れかけてるから、力付くでの移動は止めた方が良い」

 無理な力を加えて船体がバラバラになってしまっては、乗組員たちが危険だろうし。

 ……今回の依頼は船員の輸送兼救助だからな。

 バーゼリアの羽ばたきで沈む可能性すらあるので、飛行も控えた方が良いかも知れない。
 丁寧に動く必要がある。だから、俺はサキの方に顔を向けた。

「とりあえず、船の方に行ってみるか。サキ、こっちに来てくれ」
「はい、いつものですね。了解です」

 サキはそういうと、俺の腕の傍にやって来た。
 そんな彼女を俺は抱え上げる。

「バーゼリアは後ろから付いてきてくれ」
「了解ー。リズノワール、ちゃんとボクの体重も考えてよね」
「分かってますよ。デブってなければちゃんと乗れますから。安心してくださいな」

 そんな事を喋りながら、俺たちは海へと向き直る。その行動を見て、周囲の男たちが眉をひそめた。

「お、おい、運び屋の兄ちゃん? それに嬢ちゃんたちも、何をするつもりだ?!」
「依頼があってな。船員を助けに行くんだよ」
「行くってここから、泳いでいくつもりか?!」
「やめろ! 勇気は分かるが、そんな事をしたら逆に死んじまうぞ!?」
「戦闘職の高ステータスを持っているならともかく、初級職がそんな事をするのは無謀だ!」

 口々に海の男たちは止めて来る。良い人たちだ。
 自分もこんな肌寒い季節に海を泳いで渡るのは危険だと思っているし。だからこそ、

「ああ、泳ぐつもりはないよ。――じゃあ、行ってくるわ。情報サンキューな、おっちゃんたち」

 言った後で、俺は思い切り地面を蹴った。
 ドン、という衝撃と共に、俺は一気に海上へと突き進んだ。

「なっ!? なんだ、あの跳躍力!」

 そして、波止場に泊めてある船を足場に再び跳躍する。更には、

「足りない部分は、昔のように私が足場を作りましょうか。【フリーズ・ステージ】」

 自分に抱えられたふっと息を吐いた瞬間、俺達が落下する予定の海面に氷の柱が生まれた。
 勢いのままに俺は着氷する。

 足裏からは滑る事の無い、がっちりとした感覚が来た。

「流石だな、サキ。腕は衰えていないというか、魔法の力、強まっているんじゃないか?」
「勿論。改良をしまくりましたからね。その分、足場は頑丈になりましたが、少し冷えるので。お気をつけて」
「いや、程よい冷気で丁度いいよ。バーゼリアも大丈夫か?」
「うん、ボクも問題ないよ。しっかり力も伝わるからね。このまま行こう」

 俺とバーゼリアは氷柱の上から更に飛ぶ。
 その間に、サキが再び、足場を作り出す。
 その上を走る様にして跳んでいく。

「なんだ、ありゃ……? 海の上を……飛んでやがる!?」
「あんな動きは初めて見たぜ……。しかもあの男、運び屋の輸送袋を持っていたってのに……」

 そんな声を背中にしながら、俺は海上の氷を跳び移りながら、商船へと向かっていった。
 
お陰様で総合四半期ランキング1位です! ありがとうございます! 
この応援にお答えできるように、今後も頑張って書いていきます。
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書き下ろしを凄く頑張りました。そしてイラストも非常に素敵ですので是非とも、書店でお手に取っていただけると嬉しいです!
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