確かに努力しないでちやほやされたいって願ったけども!
昨日ふと降りてきた天啓に従い、息抜き目的で書いたこの作品は、ノリと勢いと現実逃避でできております。
細けぇこたァいいんだよの精神で、さらりと読み流していただいて構いません。
時代背景的には、の○太の日本誕生の数千年くらい前です。
「ふーざーけーるーなああぁぁぁーーーっっ!!」
俺は叫んだ。とにかく叫んだ。そうでもしないとやってられなかったのだ。
だが、俺の叫びは空しくこだまするだけ。返事はびょうびょうと鳴り響く冬の風だけである。
そしてその風を遮るものは、俺にはない。服すらもだ。
そう、俺は今、全裸である。何はばかることなく俺のすべては白日の下にさらされている。
当たり前だが、寒い。死ぬほど寒い。これで寒くないとか言う奴がいたら、そいつは正気じゃない。
だが、別に俺の頭がいかれてるわけでは断じてない。これだけは主張させてもらうが、誓って俺は露出癖なんてないし、したくてしているわけでもない。
俺がこんなことをしている理由はただ一つ。神とか名乗るよくわからん発光物に、こんなところへ放逐されてしまったからだ。
思えば、最初からいけ好かない奴だった。
『あなたは死にました』
そいつは開口一番そう言いやがったのだ。アイルビーバックと言う暇もなく溶鉱炉に落ち、テンパりまくっていた俺に対してだ。
百歩譲ってそれはよしとしよう。その言い回しにイラッとしたからこそ、冷静さを取り戻せたわけだし。
なんやかんやの理由があって、生前の俺の意識を維持したまま転生できることになったという説明を、わからんかもしれんなあと言う上から目線でしたことも、まあ、ギリギリ妥協できなくはない。
転生するにあたって希望はあるかという問いに対して、俺が
『努力しないで誰からもちやほやされたい』
と答えるや否や、
『ハア?』
と、あのアスキーアートを幻視する声音で即答しやがったのも、ブッダの心で許してやろうと思う。
だが、だが!!
よりにもよって、七万五千年も前の原始人に転生させるこたァねえだろう!?
確かにこの時代なら、俺がいくらがんばってもあいつらに追いつけなかった技術体系はないだろうよ! 己の肉体だけがモノを言う時代だろうよ!
算数なんてかけらもないだろうから、九九なんてやったら天才なんてレベルじゃないだろうな!
けどよ、モノには限度ってのがあるだろう!?
この時代の人類とかあれだぞ!? 牧畜や採鉱はおろか、農業すら開発されてない時代だぞ!? 九九なんて使えたって、それで計算するものがないだろうが!
文明シミュレーションゲームで言えば、太古スタートの七万年前だぞ!? ここで一体何をどうしろって言うんだ!?
『中央アジア辺りに細々と生き残ってる、サピエンスとは別の人類辺りで調整しておくので、せいぜい生きなさい』
とかぬかしがやって! ナメてんのか!
これがルネサンス時代や産業時代スタートだったら、初期立地としてはそれなりだったろうけどな! 色んな資源もあるだろうし!!
だがな! この大地の下に色んな資源があっても、それを取り出して利用する技術がない時点で詰んでるだろうよ!!
アイドルが副業の農家五人衆だって、文明の利器は必須じゃないかよ!!
俺が何をしたって言うんだ! 努力しないで称えられたいと思うことの何が悪いんだ! 金持ちの連中なんて大半がそんなやつらじゃねえかよ!!
「……寒っ!!」
ちくしょう風め! 止め! 殺す気か! 殺す気だろうな!
くそう……だが今の俺に自然に抗うすべなど一切ない。どうしようもない。今この瞬間までは怒りでなんとかごまかしてたが、こんなものいつまでも続くはずもない。
「……群れに戻るか……」
なぜかはわからないが、この身体の持ち主のこれまでのものと思われる記憶は普通にある。
どうやらこの人物、何か食べられるものはないかと群れから離れたところで俺に成り変わられたらしい。
ラッキーなやつめ。自身の不幸を全部他人に押し付けられたんだから、これ以上はないだろう。くそう。
戻る道中で何度も出るため息をこらえながら、記憶を頼りに群れに戻る……。
****
そこは森の際のようだった。少し行けば川が流れていて、定住するにはなかなかよさそうな立地に見える。
そんな場所で、決して大きいとは言えないいくつかのたき火が上がっていた。その周辺には、何十人かの原始人が集まっている。
見た目は人間と大差ない。ぱっと見ただけじゃ、俺を含めこいつらが人間……いわゆるホモ・サピエンスじゃないとは思わないだろう。
だが違いを見抜くことはできる。耳の形が違う。エルフとはまた少し違うが、普通の人間より長いんだよな。
まあそれはいい。問題なのは体格だ。男と女の体格差がおかしいのだ。
男はどいつもこいつもでかい。二メートルとはさすがに言わないけど、一メートル八十センチくらいは軽くあるだろう。おまけにムッキムキだ。毛もかなりある。まさしく、原始人と聞いてみんなが思い浮かべるような姿形だ。そこに今や俺も含まれていることが悲しい。
ところが女のほうは、一メートル三十センチあるかどうかといったところだ。身体つきは当たり前のように華奢で、毛とかもう、頭とか眉毛とかそれくらいしか見当たらない。なんつー体格差だよ、わけがわからんわ。それでどうやってこのクソバカデカイ男を妊娠出産するんだよ。生命の神秘か。
どこかのソシャゲのエロ種族でもあるまいし、なんなんだ。角はないけどさ。胸も小さいがな。そこはせめて胸くらい大きくしとけよ、どこからどう見ても完全な合法ロリじゃねーか! 俺にそんな趣味ねーよ! いや、原始人を抱くこと自体かなり考えたくないが!!
おまけにどいつもこいつも全裸だ。正気かよお前ら。今の時代あれだぞ、インドネシア辺りだかの火山が大噴火した影響で、地球全体の気温が一気に下がってる時代だぞ……。
「どうだった?」
俺に気づいた一人の男が、声をかけてきた。この身体の兄貴らしい。
彼に対して、俺は道中で見つけていた植物を掲げて見せた。
それを見た兄貴は、かわいそうなものを見るような目で「そうか」とだけ言った。彼以外も、大体似たような反応だ。
予想はしていたがイラッと来るな。お前らこれが何かわかってねえだろう。
いや、わかるはずもないか。この時代はまだ農耕の概念がない。植物に関する知識なんて、ゼロに近いんじゃないか。
大麦、うまく扱えばちゃんと飯になるのにな。
****
結論から言おう。大麦の加工方法がわからん!
見た目からして大麦だろうと思ったが、どうも大麦の先祖らしいんだよな。俺の知っている現代の大麦は長い人類の歴史の中で改良が重ねられたやつだ。それに比べると、原種のこいつとかクソみたいなもんだよな。
おまけにその処理も、機械なんてあるはずのないこの時代でどうやればいいのかわかるはずもなく。
仕方ないので俺は大麦を一旦諦めて他のことを考えた。
とりあえず、現状が夢じゃないのは間違いない。腹立たしいが、俺はもはやこの七万五千年前の地球で生きていくしかないのだ。
だとすれば、まずやることは食料……と言いたいが、ここはやはり衣だ。このクソバカ寒い時代に全裸とか、あり得ないだろう。
いや、あり得ないっていうか、もうなんていうか生命に対する冒涜か何かだ! 夜のうちに凍死してしまうわ! たき火だけでどうにかなると思うなよ! 氷河期舐めんな!
というわけで、俺は群れの連中と一緒にかろうじて狩った獲物の動物(たぶん鹿だと思う)から服を作った。
作った、と言っても皮をなめしたりとか加工したりとか、そんな大それたものじゃない。ただ毛皮をはぎ取って、身体を覆うような体にしただけだ。近くの川で出来る限り洗ったけど、消毒剤なんてあるはずもなくすごく臭う。
でも仕方ない。なめし皮とかそんなもん、一日二日でできるもんじゃない。何はともあれ防寒最優先の現状、そこまで気にする余裕なんてない。そうじゃなきゃ俺は死んでいた。
いや、冗談でもなんでもなく、服が先にできるか俺が先に死ぬかのチキンレースだったからなマジで。何せ俺が服を作るまでに二人死んだからな。なお、死者を埋める程度の感覚はこの時代の原始人にもある模様。
話を戻そう。
当たり前の話だが、俺が服なんて作ったものだから、みんな目の色を変えた。俺が服を作ってる間、ずっと憐れむ視線を向けてきていたくせに。日本人の手のひら返しか。
だがここですねるほど俺は子供じゃない。この過酷な氷河期を生きていくには、俺一人では無理だ。絶対無理だ。怒○領蜂をノーコンテニューでクリア目指すようなものだ。
だからなんとかして群れを大きくする必要がある。そのためには、やり方を広めることに躊躇などあるものか。そもそも貨幣だとかぜいたく品がどうのとか言える時代じゃないしな!
というわけで、何日もかけてどうにかこうにか全員分の服を作ることに成功した。毛皮を取れる獲物が季節柄取りづらい上、全員に行き渡るだけの量を確保するのに滅茶苦茶時間と手間がかかったがな。
何せ言葉がろくに言語として機能していない。そもそも事物を指す単語すらろくにない時代だから仕方ない。「オレサマオマエマルカジリ」みたいな片言の会話でしかないのだ。
それすらも音節とか母音とかの状態が原始的で意味不明だ。奈良時代くらいの日本語は母音が八つあったという話があるが、そんな生易しいものじゃない。
仕方ないから日本語を使いまくったよ。何が悲しくて原始人に日本語を教えねばならんのかとも思ったが、今後の俺の為にもこれは必要だと言える。
やはり意思の疎通はしっかりしないと、この氷河期を生き抜くのは無理だと思うんだよな。少なくとも同種の人類が近場にまったく見えない以上、俺の仲間と言えるのはここにいる数十人しかいないんだからな。
あ、ちなみに、大方の予想通りここまで来るのに数人死んでる。そう言う意味では全員に行き渡ったとは言えないかもしれん。
****
かくしてどうにかこうにか俺たちは冬を乗り切った。乗り切ってもなお普通に寒いわけだが、風から冷たさが抜けてきたからまだマシだ。
季節が変わり始めて俺が着手したのは本格的な皮づくりだ。服として使える皮を手に入れるには時間が必要だからな。
前世で、なんとか出来のいい奴に追いつきたくて色んな知識を聞きかじっていてよかったと、この時ほど思ったことはない。これらの記憶が少しでも残ってるうちに、生活環境を改善しなければならん。
まあ、冬の間、仕留めた獲物の脳漿を保管すると俺が言い出した時は相変わらずみんなから胡乱げな目を向けられたものだが。
その脳漿なくして毛皮を得ることはできなかったと断言してもいいだろう。唾液で皮をなめすとか、絶対嫌だからな俺!
もちろん失敗もいっぱいしたから、実用に足るものができるようになったのは次の冬を目前にした頃だったけどな。
その間皮のことだけに専念していたわけではもちろんない。俺は色んな物を作りまくった。
たとえば投石器。動物から得た丈夫な腱を使って、石を投げるという遠距離攻撃手段を確保した。今まで石器の鈍器や斧くらいしかなかったからな。これで狩りの効率は格段に上がった。
本当は弓矢が作りたかったし、実際に作ったんだが、満足な威力が得られなかったからこっちは保留にしてある。
っていうか、弓矢を満足に扱うにはそれなりの練習も必要だから、そう言う意味でもしばらくは保留になるだろう。
それから、火種としてファイヤーピストンだな。
原始時代の火起こしと聞いて誰もが板切れに棒で……と思い浮かべるだろう? 当たり前だがあんなもん、現代人の感覚で言えばしんどすぎて使えたもんじゃない。
ファイヤーピストンは、断熱圧縮という現象を利用して火種を作る道具だ。細かい原理は隕石が落ちてくるときに燃えるのと同じらしいが、細かいことは俺も良くは知らん。そこらへんはググってもらいたい。
そう言うと未来の道具と思われるかもしれんが、実は東南アジアなんかではかなり古い時代から使われていた道具だったりする。前世でどういう経緯があって作られるようになったかは知るはずもないが、ともあれキャンプなんかで同じグループになった出木杉君(仮名)があれこれ説明していたのを覚えている。
真鍮とかゴムパッキンとかを使って頑丈なやつが作りたかったが、この時代にそんなものあるはずがないから、主に近場の森で採れる木材で代用した。おかげで耐久性は低くて頻繁に壊れるが、それでも棒でごしごしやるよりこっちのほうが断然マシだ。
そして一度は諦めた大麦だが、なんとか粉にすることに成功した。これも冬を目前にしてどうにかこうにかってところだな。
しんどすぎて何度も諦めたくなったが、味にバリエーションがなさすぎて結局諦めきれなかったんだよ。肉の丸焼きだけで生きていられるほど、俺の舌はゲンシカイキしちゃいないのだ。
まあ、その粉をパンにする過程でつまづいたから、パンはまだしばらくお預けなわけだがな。一応、大麦を栽培するところにはこぎつけることができた。なんとか来年中にはパンを振る舞いたいところだ。
と、まあそんな感じで一年をかけてそれらを作ったことで、周囲の俺を見る目は完全に変わった。俺をリーダーとして扱うようになり、実際に俺が群れを率いることになったのだ。
確かに努力しないでちやほやされる結果になったとは言えるが、それでもものを作るための努力自体はしたわけだから、釈然としない。
****
さらに一年が経った。
この一年で俺は暦を導入して、大麦と併せて遂に農業の概念を導入するに至った。これはもはや快挙と言っていいだろう。文明シミュレーションゲームで言えば、ゲーム開始時に暦の技術を持った状態でスタートしたようなもんだな。
シドさん見てる? この星の人類史はBC七万年から始まるよ!
もちろんそれだけじゃない。どの道日常でやることがなさすぎる時代だからな、保留にしていた弓矢を完成させたぞ! 練習する時間なら有り余ってるからな!
これでさらに狩りの効率が上がり、少なくとも夏場の餓死者はなくなった。大麦もかろうじてパンにすることができたし、二年目にして飛躍の年だったと言っていいだろう。
そして栄養状態が改善されたからか、出産の成功率も上がった。今後は少しずつ、この群れの人口は増えていく……と思う。冬はいまだに死者が出ていて、群れの人口は最初の頃より減っている。早くどうにかして人口を増やしたい。
それにしても、今の俺の種族の生態は不思議だ。生まれてくる子供はあの合法ロリな女どもに合わせてか、男女問わずかなり小さいのだ。それが一体何がどうして男があんなに大きくなるのやら……。
調べてみたいが、それを知るには十年以上かかるだろう。たぶん、それよりも気にすることは腐るほどあるから気にしてられないと思う。
そうそう、それ以外にも土器の作成に成功した。と言っても、窯を作ることができない……いわゆる野焼きだから、すごく粗末なものだけどな。縄文土器のほうがよっぽどマシだろう。
それでも土器という概念は大革新で、焼くもしくは生しかなかった選択肢に、煮るという選択肢が加わったのだ。これはでかい。
そして何より、多少、多少ではあるが食べ物の保管ができるようになった。これはものすごく大きい。餓死者の激減はこれによるところも大きいな。来年こそは死者ゼロ人を達成したいところだ。
あ、ちなみに食事用の器は別に、木を切りだして使ってる。俺は手づかみが許せないので、箸やフォーク、ナイフなんかも作ったさ。
今のところ、群れの連中からはそのありがたみを理解されないのがつらいところだ。いや、確かに手づかみは楽だろうけどさ……お前らその手で普段何してるか考えろよ、マジで……。
それと今年の冬は、文字を普及させるつもりでいる。表意文字である漢字は覚えるのに手間がかかりすぎるから、まずはひらがなからだ。あと、今後のためにも数字も覚えさせておこう。この星ではゼロの概念は原始人の発見によることになるだろうな!
まあともあれそんなわけで、一年で俺らは大躍進した。
だがそれよりも、大きなイベントが俺には起きた。
ズバリ結婚である。俺は群れの中でも一番外見が大人に近い女を一人選んで、そいつを嫁に迎えた。
当たり前の話だが、この時代に婚姻契約がどうのという概念はない。ただ、恋愛というものは生物である以上持っているわけで。
そして大量の発明をして、群れを率いるリーダーの俺に女たちから熱視線が注がれるようになるのは時間の問題だったわけで……。
実のところ、そう言った状況は去年から既に起きていた。でも俺が押し留めてたんだよね。
そんな余裕なんぞなかったってのもあるが、一番はやはりロリ体型が俺の好みじゃないってのが大きい。その辺りのふんぎりをつけるのに、一年かかったんだよ。いや、諦めるって言ったほうが正しいか……。
話を戻そう。
そんなわけで俺は今、盛大にモテてるわけだが、動物の観点に立てば優秀な遺伝子を後世に残すためにはオスがメスを独占するのはおかしな話じゃない。
しかし俺は別に優秀なわけではない。ただ現代日本から知識をそっくり持って生まれ変わっただけであって、能力的には平凡だ。実際、栽培や狩猟、モノづくり、どれをとっても俺よりうまい奴は群れの中に一定数いるからな。
そして原始人ではあるが、人間である以上豊かな感情がある。前世で死ぬほど味わったからわかるが、モテない男の負の感情は時にとんでもない結果を産むことになる。
だから俺は独占という選択は最初に捨てた。今後生きていく過程で、人口を増やすために複数嫁を取ることもあるかもしれないが……できる限りそこは平等にやっていきたい。この時代は出産がまごう事なき命がけだから、そんな簡単に人口を増やすとか言えないしな。機会は全員にあってしかるべきだ。
ただ、結婚直後から、女衆の俺に対する態度が百八十度変わったのだが、まったく解せない。
「……え、あの人そんなことするの……」
「ありえない……」
「それはないよ……」
「そ、そうなの……!?」
という会話が随所でなされたようだが、嫁に聞くところによると俺の夜のプレイが特殊すぎるかららしい。
……なんでや! 対面座位でだいしゅきホールドさせて首筋舐めるののどこが特殊性癖やねん! ちょっと首フェチなだけやろ!
世の中にはアナルとかスカトロとかドラゴンカーセックスとか、もっともっとえげつない特殊性癖があるねんぞ!!
その時俺は決意した。性文化の発達を急ぐのだ、と! 現代流の絵画を用いることも辞さない覚悟である!
****
さらに一年が経った。
この一年で、遂に俺たちは塩を手に入れた。これはとてつもなく大きい。
塩は人類が生きていくために必要な要素の一つだ。塩分は多く摂ると死ぬが、少なすぎても命に関わるからな。
それに何より、食事のバリエーションが増える。元日本人として、そこはとてつもなく重要だ!
北方で塩湖を発見した奴には、早速嫁を探してあげた。これくらいの褒美があってしかるべき発見だったからな!
まあ、最速で部族の恐らく最年少クラスの女を選んだのにはちょっと引いたがな。ただでさえ合法ロリな種族なのに、その中からさらに小さいのを選ぶとか、この時代からペドフィリアってあるんだなあって思ったよ……。
それはともかく、出来れば他にも胡椒をはじめとした香辛料が欲しいが、こればっかりは仕方ないので諦めてる。
代わりに今は、なんとか鹿の肉で鰹節ならぬ鹿節を作ろうとしているところだ。味のため、旨みのために欠かせない鰹節だが、ここは内陸だ。カツオは絶対手に入らない。
ならば代わりになるものを、ということで鹿だ。鹿で鰹節の代用品を作ること自体はヨーロッパで行われているから、発想に至るのは簡単だったぜ。あっちでは、魚由来の生臭さや風味が受け入れられないから、鹿の肉で作るんだよ。
ただ、鰹節と同じ作り方でいいのかどうかまでは知らなかったから、こっちは試行錯誤中だ。上手くいくことを祈りつつ、日々色んな方法を試している。
それからこの一年で一番の成果と言えば、家を完成させたことかな。これでプライベートの充実が図れるというものだ。もちろん、雨風をしのげるようになったのも非常に大きい。
家と言っても竪穴式住居だけどな。屋根は大麦の藁を使った。とはいえ、基盤とかにはこの一年で作った日干し煉瓦を使っている。かなり頑丈に仕上がっているだろう。
群れ全体に行き渡るにはまだまだ時間が必要だが、少なくとも俺をはじめ、狩猟など各作業で一番の腕を持つ奴らの分は完成した。
これで俺への畏敬の念はさらに高まったらしく、最近祈る奴が出てきた。神とか祈るって概念は教えてないはずなんだが、自らその境地に至ったらしい。色んな意味でヤバいと思ったから、祈るなら自然にしとけって言ったけどな。
ついでに、ここ一年でめきめきと識字力を上げた嫁に、自然由来の信仰……いわゆるアニミズムを利用した物語を粘土板に書かせてみた。現代日本の知識を使った神話を創作して、口述筆記をさせたのだ。俺は挿絵を担当。
粘土自体は日干し煉瓦を作る時にうまく手に入ったので、更なる文字の普及のために本を作ることにしたわけだ。もちろん本など簡単に作れるはずもないから、粘土板なわけだが。
これがまあ受けた。
考えてみれば当然のことで、この時代に娯楽なんてものは存在しない。俺が嫁に書かせた話は、神話っぽく仕上げはしたけど現代日本のアニメやら漫画やらが元だ。創作物への耐性がゼロの連中には必中クリティカルの状況だった。
ちなみに、エロ本を作ろうとしたら嫁に粘土板でぶん殴られた。日ごろからこういうことしてるって知られたら恥ずかしくて死ぬみたいなこと言ってた。
そんなこと言っておきながら、夜は随分乱れてくれるくせに。特殊プレイがいかに気持ちいいかは嫁を見れば一目瞭然だぞ。だからそういうのは共有を……と思うのだがね。
もちろん、俺は諦めない。この部族の性文化を昇華させてみせる!
****
一年。今度の一年はあんまり大きな変化はなかったな。文明的な意味では。
俺個人としての大イベントとしては、やはり子供ができたことだ。
前世は独り身だったこともあって、出産に関してはほとんど知識がない。おかげで戸惑いまくったし、うろたえまくったよ。
土器を作って以降の出産では、必ずお湯を用意するようにしてるんだけど、この時はその知識を披露できたことに本気で安堵したものだ。
お湯ってすごいんだぜ。血や油の流れ落ちる速度が段違いだ。ドラマとかでよく「お湯沸かして!」ってあるけど、そういうことなんだろうな。
……しかしまあ、なんだな。最初の頃は合法ロリな女たちに辟易していたものだけど、何年も一緒に原始人生活していたら普通に慣れたみたいだ。何より、嫁に対する情は相当に湧いてるっぽい。
なんとか自分を奮い立たせて出産に立ち会ったんだけど、マジで死ぬんじゃないかと思ったら、めっちゃ泣きそうになったからな、俺……。漫画とかで親になる男があれこれ気をもみまくるシーンはよくあるが、やっとその気持ちが俺にもわかったよ。
子供(娘でした!)も嫁も、なんとか無事生きているが……今後ともこれが続くとは断言できない辺り、時代の厳しさを感じる。現代日本がいかに恵まれていたかがわかるな。
あ、そういえば今まで言ってなかったんだけど、俺はリーダーになってからというもの、群れの仲間全員に名前を付けている。やっぱり何十人もいる中で特定の一人を呼んだりする時には、名前が必要だなって思ってね。愛着もその分湧くし。
今や子供に名前を付けるのはリーダーの役目、みたいなことになっている。っていうか、子供に限らず新しい概念への名づけも俺の役目になっている。
どうやらある種のアイディアマン扱いなのかとも思っていたが、最近はどうも原始宗教的な考え方で、俺からの聖性を与えられるものみたいな認識になりつつあるようだ。
たかが名前だろうってのは俺の感覚なんだが、原始人だからなあ、みんな。名前という概念がなかったものだから、これだけでもめちゃくちゃ称えられるんだよな……。
すげえともてはやされてちやほやされたかった俺だが、さすがにこの程度のことで持ち上げられまくっても困惑するだけだ。どうも俺の神経はそこまで図太くなかったらしい。人間って、ぜいたくな生き物だよな。
あ、ちなみにあんまり関係ない話……というか、嫁が聞いたら怒られる話なんだが。
俺らの種族でも、どうやら妊婦は胸が張るらしい。もちろん、母乳を子供に与えるためなわけなんだが。
普段の彼女たちとは異なりなかなかの巨乳になるので、これ幸いにとパイズリを頼んだらメートル単位でドン引かれた上にやはり粘土板を投げつけられた。今回は複数枚だ。
ところが、男たちからは大天才扱いだったからちょっと面白い。男女でそういう性的なものに対する見方が違うのは当たり前かもしれないが、原始人でもそれが当てはまると思うとなんかね。
早速自分の嫁にパイズリを頼みに行って、女衆に総出で川に突き落とされた奴がいたのはご愛嬌だ。
****
さらに一年。
この一年で、集落の近くに狼が住みつくようになった。
恐らく俺たちが食べた後のごみなどを狙ってのことだと思うが、もしかすると俺は今、犬という種族誕生の瞬間を目の当たりにしてるんじゃないだろうか。
確か犬と狼は共通の先祖から分化した種族だったかと思うが、両者がいつごろ分かれたかはわかっていなかったはずだ。どうして分かれたかも謎なわけだが、こうやって集落近くに残飯(食べ残しとはまた違うが)狙いで住み着いた先祖から分化したんだろうか? とても興味深い。
群れのみんなは怖がって連中には近づこうとしない。気持ちはわかる。正直言って、狼ってかっこいいけど怖いよな。
とはいえ、下手に手を出して返り討ちにあっては元も子もない。今のところお互いに害しあうことはないんだし、しばらくは放置でいいんじゃないかと思う。
あわよくば、このまま俺たちになついてくれればいいかなとは思うけど……どうかな、できるかな?
犬……いや、あえて狼と言うが、彼らが一緒に狩りに参加してくれたら、これほど心強いものはないからな。
生き物を飼うと言えば、ずっと牛を家畜化したいと思ってるんだが……この時代の牛さん、狂暴すぎて手も足も出ない。狩りの獲物にはちょうどいいんだが、あれを飼いならせるとはとても思えねえ……。
確か牛が家畜化され始めたのは紀元前五、六千年くらいからだったかと記憶してるけど……最初にやった人はどうやったんだ? 人間よりもでかくてタフでパワーがある連中が暴れるんだぞ? 俺たちは男が人間よりかなりでかいが、それでも苦戦するのに……。
牛を家畜化できればいろんな面で助かるんだが、これは長い目で見るしかないだろうなあと思って、最近は軽く諦めの境地だ。
あとほしい動物としては、やはり羊かな。羊は色んな目的で使えるから、手に入るなら心強いが……周辺じゃ見かけないんだよな。あまりここから離れたところに移動するのは難しいし、現状では選択肢には上がってこない。残念ではあるが。
と、ここまでは微妙な状態の話。次は調子のいい話だ。
実は、大麦畑の拡張や家の増加に伴って集落の範囲が広がってるんだが、このたび川と遂に接してだな。
この川、元々結構な数の川魚がいたから、そう言う意味でもお世話になってたんだが……この機会に養殖にチャレンジしてみたのだ。養殖場……と言っても、細めの木材でスペースを囲った程度の場所だが、そこに魚を引きこんで色々と試してみている。
餌は狼たちと同じく残飯で賄っているけど、今のところ問題はない。まだ成功まではこぎつけてはいないが、少なくとも引きこんだ魚は元よりも大きくなってきているから、期待していいんじゃないかと思う。
ちなみに、この魚がどんな魚なのかはよくわからない。雰囲気としては鯉に近い気がするけど、鯉ではないんだよな……どう見ても……。
その点で不安になることはあるが、とりあえず今までに何度も食べている魚だから、身体に悪いとかはないと思う……たぶん。
ところでだいぶ話は変わるが、娘は今のところ順調に育っていて俺は嬉しい。
一年で既に立てるんだが、これは種族柄人間よりも成長が早いのか、それとも進化の途中段階でまだ現代の人間より野生動物としての能力が残ってるからなのか。その辺りはよくわからない。
とにもかくにも、無事に育ってくれることを祈るばかりだ。
****
また一年。
今年は遂に、俺たち以外の人種と遭遇した。
最初にそれに気づいたのは、やはりと言うか近くに住みついていた狼たちだった。彼らの警戒網に引っかかった彼らは、北からやってきた。
見た目で言えば、そりゃもうザ・原始人なわけだが、顔が大きくて全体的に前に飛び出ているような印象の連中だ。
最初は人間……つまりホモ・サピエンスかと思ったが、その顔の特徴からもしかしたらネアンデルタール人かもしれない。確かこの時代は、両者がまだ共存(同居とかそういう意味じゃない)していた時代のはずだからな。
まあどちらにしても、歴史的な邂逅なのは間違いない。ただ、困ったことにまったく話が通じなかったんだよなあ。
いや、言葉の通りの意味だぜ? お互いに何を話してるかさっぱりだったんだよ。日本語とアラビア語以上に違ったね、あれは。
よくよく考えれば当たり前だったかもしれないけど、結局お互いに意思の疎通はできなくて、最終的には殴り合いになってしまったのは反省しなきゃならないだろう。
時代が時代だけに倫理観とかないも同然だし、一度そうなってしまったら後は完全に戦闘状態だったよ。
ただ、こちらに被害者はいない。軽いけがをした奴はいるけど、死者はゼロだ。
何せ俺たちはこの時代的にはオーパーツとも言える飛び道具、弓矢を持っているからな。石器による近接戦しかできない連中など、遠くからビシバシ狙い撃ってやれば楽勝だった。人数もあっちのほうが少なかったのもあるな。
最終的にはあちらさんも全員が逃げ去ったから、むなしいだけの戦いではあったけどさ。
一通り彼らとの戦いが終わった後で、俺たちは集落以外の連中と遭遇した時のためのルールを作ることにした。今までは考えてなかったけど、可能性はゼロじゃないもんな。
とりあえず、同種の連中だろうと言葉が通じない可能性もあるが、結論としては、同種なら一応友好的に行こうということで固まった。
それ以外の種族の場合は、まず警戒して事に当たることになる。とはいえ相手に敵意がないのであれば、中に引き入れることはないにしても、何かものを融通するくらいはいいだろうということになった。
俺もこの時代に既に守るものができてしまった。この集落にあるものを、他人に奪われるわけにはいかないからな。その辺りはしっかりとやっていかないとだ。
……ところで、この出来事のおかげで投石用に集められてる石の一割ほどが鉄鉱石であることが判明した。最近俺は狩りに出てなかったから気づいてなかったんだが、この辺り普通に鉄鉱石あるんだな!? いやまあ、そりゃ銅に比べれば地球上あちこちに普遍的に存在するものだけど!
しかしそうなってくると、もしかしなくてもここ、神立地なんじゃないだろうか。
牛、麦(小麦ではないけど一応)、塩、魚、鉄が初期立地のすぐ近くにあるとか、そうそう引けないぞ!? 太古スタートとしては間違いなく上位に入るだろう。リンゴとハンマーの産出量がとんでもないことになっているだろうな!
いやまあ、これらが長い間安定して手に入るかと言えば、それはわからないけども……。
しかし、せっかく鉄鉱石があるなら金属器もちょっと考えてみたいところだ。鉄って、実は溶かさなくても精錬はできるからな。
前世であっても、鉄を完全に溶かして精錬できるようになったのは千五百年代くらいなんだぜ、実は。それまでの鉄器ってのは、直接製鋼法って言って、燃焼させた後の海綿状鉄を叩きなおして作られてるんだよ。人類史上初めて鉄器を大量生産したと言われるヒッタイトもこの方法で、実は人類はずっと鉄は溶かせてなかったんだよ。
でもぶっちゃけてしまうと、この方法は普通にやると割に合わない。だからこそ、歴史では先に青銅器を扱うようになってたんだと思う。
では翻ってこの世界ではどうかと言うと……。うーむ、少なくとも現状では鉄鉱石をすぐにどうこうするのは不可能だよなあ。石器でどこまで叩き続けられるかってのもあるし……何より、この氷河期にあって燃料ってのは道具のために使うよりも、生活のために使いたい。
そうは言っても、金属器があると便利なのも間違いないわけで……あっちを立てればこっちが立たずと言うか、痛し痒しと言うか。
これについてはしばらく考える時間を取ろう……。
****
また一年。
今年はなんとまあ、ホモ・サピエンスと遭遇してしまった。
もちろん、俺たちはこの川と森の間の地域に定住しているわけで、あっちから近づいてきたんだけどな。
今回も接近に気付いたのは狼たちだ。彼ら、他にも獲物や危険生物の接近もなんだかんだで教えてくれるから、とても助かっている。
それはさておき、ホモ・サピエンスたちは南からやってきた。人数はネアンデルタール人よりさらに少なかったけど、装備はこちらのほうがいい。服を着てたから、それだけでも十分文明的だよな。遠距離武器の投槍も持ってたし、戦いとなったらお互いただじゃ済まなかったと思う。
相変わらず彼らとは言葉が通じなくて四苦八苦したんだが、その辺りの取り決めは事前に決めておいたおかげでなんとか穏便に済ますことができた。
保存食として作っておいた肉の塩漬けをちょっとだけ融通して、退去してもらった。
何せ時代が時代だ。彼らも生き抜くのに必死だもんな。確か、この時代彼らは急激な気候変化で総人口が一万とかそれくらいにまで減っているはずだ。まさに種としての存続をかけたサバイバルの真っ最中と言っていいだろう。
本来なら奪い合いの戦争になってもおかしくないところかもしれないが、彼らの英断に感謝したい。彼らが真摯に向かい合ってくれるなら前世の好だ、これくらいは、な。
本当であれば、一緒に住んで助け合って生きていけるならそれが理想なんだとは思う。けど、そこまでやると俺の指揮能力の限界を超える。俺でなくとも、一人の人間が管理できるのはどれだけ優れた人でも百人がせいぜいだろうし、目が行き届かないとなれば問題も重なっていくだろう。それはまだ避けたいところなのだ。
集落は、今年遂に総人口が百人を超えた。俺がこの時代にやってきて七年で、倍以上になったというのは快挙も快挙、大快挙だと思うが……その三分の一くらいは子供なんだよな。乳幼児が今のところ一番多いんだから、いつ何があってもおかしくない。不安要素はできるだけ取り除いておきたいのが本音なんだよ。
集落から遠ざかっていくホモ・サピエンスたちを見送りながら、俺はそんなことを考えていた。
そして、あの神を名乗る発光物が何を思って俺をここに送り込んだのかを、久しぶりに考える。
俺はいろいろと前世で勉強したが、今の俺の種族と思われる人類の話は聞いたことがない。ということは恐らく、俺たちは前世では生存競争に負けて絶滅した種族なんだと思う。そしてその痕跡は、明らかになっていないんだろう。それはつまり、歴史の闇に完全に埋もれてしまった種族だということになる。
けど、俺が来たことでその歴史は変わる可能性が高い。このまま順調に技術を発展させていけば……まあ、さすがに前世の人類と同じ速度とはいかないだろうが、それでもホモ・サピエンスが文明を作る頃までには、古代超文明として確立している可能性もあるんじゃないだろうか。
それはさすがに飛躍しすぎかもしれないが、ゼロでは決してないと思うんだよな。
そして何より、俺に歴史を改変することに対する罪悪感なんてものはない。
いや、あるわけないだろ。ここ原始時代の氷河期だぞ? お前らここに裸一貫で放り込まれても同じこと言えるか? 言えないだろ?
俺みたいに、どうにかして環境を整えて生きながらえようとするだろう。誰だってそーするさ。命大事にだ。
「あなた、どうしたの?」
「ん……いや、別に。これから先のことを考えていて、ちょっとな」
気づいたら、隣に嫁がいた。男女の性差が大きい我が種族なので、俺たちの視線はめちゃくちゃ差があるわけだが……それでも上目遣いに向けられた視線にいたわる色が見えてふっと笑みが漏れる。
それを見た嫁が、どこか安心したように微笑む。その姿は、合法ロリとも言うべき我が種族の女の面目躍如だろう。
ただ、そのお腹と胸は、見た目に似合わず膨れている。そう、彼女は今、二人目の子供を妊娠しているのだ。
俺には一族のリーダーとして、一人の夫として、父親として……重い上に大量の責任がある。歴史がどうなろうと知ったこっちゃないし、神とかいうやつの考えることも知ったこっちゃないのだ。
「さて、戻るか。今日は試作していた鹿節の試食会だ」
「うふふ、楽しみ。あなたの作るものはいつもすごいものばかりだから」
嫁の小さな身体をそっとお姫様抱っこに抱き上げて、俺は踵を返す。
その先には、娘だけでなく村のみんなの姿。誰もが期待に満ちた表情で俺を見つめていた。
「……俺はそんな大した人間じゃないよ」
「あなたは本当に謙虚なんだから」
誰もがそう言ってくれるがね。
あいにくと、俺の知識は全部前世由来のものだ。俺はただ、大したこともせずに周りからちやほやされたかっただけの、凡人に過ぎないんだ。
そんな俺の転生人生だが、なあ、俺の前世で今も生きてるあんたはどう思う?
努力しないでちやほやされたいって願ってやってきた世界は、確かにその通りの世界ではあったわけだが、これで本当にいいのか……いや、こんな問いに即答なんてできるはずないか。
俺?
俺は……七年経ってようやく、これはこれでアリかなって思い始めてるところだよ――。
とりあえずおしまい。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
昨日の昼過ぎに降ってきたアイディアを、合計時間八時間くらいでぶち上げたテンションだけの短編でした。
相変わらずテンションが文章に思いっきり出るボクなので、前半と後半の差が頭おかしなレベルになってますが、なにとぞご容赦いただきたい。尻すぼみなのはボクがわかっていますので・・・(涙
もちろん(?)勢いで書いたので、技術的なことなど細かい部分で粗があるとは思いますが、ここは素人の一発芸と思ってご勘弁をば。
原題は「ネアンデルタール人に転生したんですが、ホモ・サピエンスに滅ぼされそうです」でした。
なんやかんやあって今の形に落ち着きましたが、これはホモ・ゲオルギクスのことを知ったからです。
男がやたらでかく、女がやたら小さいという何そのド○フとでも言いたくなるような人類がかつていたっぽいと知ってしまった以上、こっちにしたほうが面白そうだと思っちゃいまして。
なのでこの主人公の種族は、ゲオルギクスから分かれていった一派という立場です。エレクトゥスから発しているサピエンスやネアンデルタール人とは交配不可能という設定です。色々と捗りますね!
この作中世界がこの後どんな歴史を歩むかは作者自身もわかりません。でも、せっかくなのでサピエンスと鼎立する別種族に成長していてほしいなあ、なんて。
ちなみに、作者はまかり間違っても原始時代には転生したくないです! 史上最大の主人公つええええを目指してましたが、こんなつええええは嫌です!!ww
1/3追記 連載化しました。よろしければこちらもどうぞ(http://ncode.syosetu.com/n5817ds/)




