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VRMMOの支援職人 ~トッププレイヤーの仕掛人~ 作者:二階堂風都

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属性装備とダンジョン巡り

 サーラに戻った時の町の様子を見た感じ、やはり俺たちは遅めの帰還ということになるらしい。
 遠征先で見かけたサーラ所属のギルド員が歩いているのを何度か目撃した。
 北に向かう際に会った、目の前を通るカクタケアの面々もその中の一つだ。
 ぞろぞろと、王宮から続く道を下ってきているところで会った。

「スピーナさん、いつもの王宮通いですか? 帰り道?」
「その通り! ついでに軍事教練もしてきたぜぃ」
「比率が逆だったら頼もしいのだがな……教練がついでか。相変わらずだな、このサボテンどもめ!」
「いくら勇者ちゃんの頼みでも、それは不可能ってもんよー。みんな、帰って成果の確認だ!」
「「「イエッサー!」」」

 女王様ラヴのカクタケアは、サーラにいる際はこうして必ず王宮に会いに行っている。
 ホームに戻ると恒例の、女王様のスクショ交換会だそうな。
 ……前に見た時よりも、少しメンバーが増えたか?

「はー、拙者も交換会に参加したい……」
「お前じゃ受け入れてもらえないんじゃないの? 割と一途だぞ、彼ら」
「それもそうでござるな。拙者の一番は魔王ちゃんでござるし!」
「はいはい。俺たちもホームに帰るぞー」

 ギルドホームに戻ってまず行ったことは、農業区における生産活動の再開である。
 アルベルトさんとフィリアちゃんの助力もあり、スムーズに進んで遠征前と同様の状態に。
 さて次はどう動くかといったところで、腹を満たしながらの方針会議が始まった。
 場所は談話室、飲み物はハーブティー、お茶請けはオーソドックスなバタークッキーを用意。

「話し合いの柱は二つかな。アルベルトさん・フィリアちゃんの武器作製と、スクショコンについてか」
「ハインド、ゴールドラッシュは? 無視でいいのか?」
「換金効率次第ではやるけど。とはいえ、普段やってる生産活動よりも儲かることはないんじゃないか?」

 少人数のギルドとしては、俺たちの生産品は質が高いほうだ。
 セレーネさんの鍛冶関係は言うに及ばず、薬草関係も食材関係も中の上で更に成長中、それからクラリス商会という特殊な味方もある訳で。
 本格生産の始まった洋紙と、以前から販売している鏡の報酬は馬鹿にならない金額だ。
 セレーネさんが俺の言葉に続けて、アルベルト親子の装備について詳しく話す。

「今回のお二人のオーダーは、属性武器を全て揃えること……なんだけど、みんなにもお手伝いをお願いしたいの。具体的には、素材集めに関してなんだけど。余裕があれば、私たちの分まであると最高かな」
「全属性でござるか? となると――」
「火、水、土、風と……えーと、ええと……」
「闇と光でしょ、リコ」
「ふわぁ……んむ。六属性、二人分を合わせて十二本ですか。大仕事ですねぇ」

 トビとヒナ鳥の三人が、セレーネさんの言葉を受けて頷きを返す。
 使う素材としては、鉱石関連のストックは十分だが……。
 属性素材のほうは、発覚した新要素を含めて集めて回る必要がある。
 すなわち、魔物素材と属性石の二種類だ。
 今度はリィズが、その二つに関して解説を入れてくれる。

「属性石が必要ということは、ダンジョン攻略を進めなければいけませんね。確かサーラのダンジョンは……火と風の属性が多いのでしたよね? ハインドさん」
「その通り。ダンジョンにも地域差があってな……さっきまでいたベリ連邦が水と土、マール共和国が火と水、ルスト王国が風と土、それから……」
「グラド帝国が光と闇でござるな。一部のダンジョンや例外はあれど、各国の主要属性はそんな配分にござる。一国に二属性が中心と」

 それを元に考えるとサーラの反対側、ルスト王国には行かなくても全属性を揃えることが可能と。
 肝心のダンジョン攻略の経験については、アルベルト親子と入ったあれっきりだ。
 それを思い返しながら話を続ける。

「前回のピラミッド探索は確かレベル40の時で、20階層突破がギリギリだった。でも、今のレベルだと丁度いい難易度じゃないかな? 各地域のダンジョンの20階層までを突破していけば、素材が良い感じに揃うと考えているんだけど」

 クッキーを貪りながら、ユーミルが俺の話にふんふんと頷く。
 ちゃんと分かっているのだろうか? 試しに話を振ってみることにした。

「じゃあ、ユーミル。ここまでの話で導き出される、俺たちの今後の方針は?」
「むお!? えーと……ダンジョン制覇?」

 ユーミルは動揺を見せた後に、随分と大きなことを言ってみせた。
 半分くらいかな、聞いていたのは……ダンジョン攻略が必要という話は把握しているようだけど。

「エンドコンテンツっぽいと噂のダンジョンを制覇するのは、ちょっと無理だ。途中までな、途中まで。素材をある程度取ったら、途中で引き返す感じだ」
「むう、上手くイメージを掴めん。ダンジョンというのは、帰るのは簡単なのか?」
「一度入ってみれば分かると思うが……とりあえず、今は話を進めるな」

 そういえば、ユーミルはこれまで一度もダンジョンに行っていないのだった。
 ヒナ鳥たちもそうだし……これは、後でダンジョンの仕様に関してしっかり教えておかないと。

「それで、具体的にはメンバーを交代しながら遠征パーティを組むのが良いと思うんだが。ついでにスクショコンの被写体を探しつつさ。必然的に、ダンジョン目指してあちこちを回る訳だから」
「なるほど! 一挙両得だな!」
「遠征に行かずに残ったメンバーは、ここで生産を行うって形でどうだろう? 十人きっかり揃う日ばかりじゃないだろうし、交代で1パーティを組む程度なら何とかなるんじゃないかと」

 最悪、三人ほどいればパーティとしては成立する。
 二人以下は……ダンジョンという場所の敵の数、難易度を考えると少々厳しい。
 全員が頷くのを待ってから、俺はアルベルトのほうに目をやった。

「……こんな感じでどうでしょうか? アルベルトさん」
「特に問題があるとは思わない。俺たちもなるべくそのダンジョン遠征には参加するつもりだが……ログインできない時は、よろしく頼む」
「はい。フィリアちゃんは?」
「……大丈夫。新しい武器、楽しみ……」

 生産と戦闘の担当がきっかり分かれているギルドなら無駄なくプレイできるのだろうが、俺たちはそうではない。
 どちらもこなしながら役割を交代しながら、柔軟に動いていかないとな。
 他に言いたいことや反対意見などがないか訊いたが、特にないということなので……。

「OK、じゃあ明日から早速遠征を始めよう。今の内にみんなの大体の予定とか、行きたい地域とかあったら教えてくれると嬉しい」

 それを元に遠征パーティを簡単に組んでみようと思う。
 もちろん、リアル優先なので強制したりといったことはナシだ。
 俺が洋紙を広げて記録の体勢を取ると、真っ先にリコリスちゃんが元気よく立ち上がる。

「はいはい! 私、ルスト王国に行ったことがないので行ってみたいです!」
「私もないぞ! 連れていけー!」
「連れていけー! です!」
「いや、ルストは……」

 俺が否定気味の言葉を発すると、騎士コンビは唇を尖らせてブーブーと抗議してくる。
 単に属性の取り合わせと距離の問題なのだが……まあ、それならそれでやりようはあるか。

「あー、分かった分かった。別に意地悪とかじゃないって。じゃあ、直近で行ったばかりのベリ連邦を行き先から除外しよう。他のみんなは?」
「拙者、マール共和国希望でござる。少々、和風装備に関してマサムネ殿のところで相談を」
「それは俺も行こう。刀の成果をマサムネさんに見せたりしたい。装備ってのも、例のアレに関してだろう?」
「そうそう。最終的にはハインド殿に作ってもらうでござるが、ヒントというか……まあ、そんなところで」

 だったら何か手土産があったほうがいいな……それも考えないと。
 他のメンバーの希望やログイン可能な日時なども聞いて、その夜は解散ということになった。
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