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名も無い物語2
作:春功


太陽が真上に昇った今、僕はテレビを見ている。
それに加えてテレビを見ながら、音楽を流しているという変人っぷり。

「あははは」

そのテレビを見て、よく笑っている、と自分でも思う。
いつもは苦しみ、悲しみ、泣いているのに。

番組では、盲目の少女を救った差し出し不明のオルゴールについて、やっている。

いわゆる感動話だ。

だけど、僕は笑う。
「救った」
という矛盾しているフレーズが微妙に笑いを誘うのだ。

「あははは」

無機質に、笑い続ける。

救いもしない奇跡なんて、感動できるはずがない。

だって、神様は助けてくれないんだから。

そんなこと、当たり前だ。

流れている音楽の歌詞にこんなフレーズがあった。

『守りたい女って、思った。初めて』

羨ましいと思う。自分にはそんな風に思った経験すらない。そんな愛しい感情すら、神様は僕に与えてくれない。

理不尽だ、と思うときもある。
だが実際、奇跡や自分を変えることは、自分自身がやらなくては何も変わりやしないのだ。

変わろう

そう、何回思ったことだろうか?

だけど、その強い判断も、自分の中にある恐怖には勝てない。

「できっこない」

そう決めつけて、また僕は自分の殻の中にこもって悲しみ続ける。

「は…はは」

自分の弱さに、呆れかえって、僕は小さく苦笑した。

強くなりたい。

心の中では、本当にそうなりたいと思っているけれど、何も変われない自分がそこに居る。

なんて弱い存在なんだろう?

そんな自分が本当に大嫌いだった。

テレビから流れてくる感動話と音楽が、気持ち悪く混ざりあって自分の心の中で不協和音を奏でているかのように聞こえた…


僕は苦しみながらも、今も笑っている。














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