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ゲームの世界でやりたい放題  作者: 吾が輩に猫である
4/9

ボスに挑戦

 異世界生活二日目の朝6時、俺は<清潔>を唱えた後、<ホット>を魔力が空になるまで唱えた。この理由は簡単だ。ゲーム時代の時に検証して分かったことがある。それは、



 <清潔>は消費魔力1で一回の経験値は1。


 <ホット>は消費魔力5で一回の経験値は7。



 このように<ホット>を唱える方が経験値が手に入るのだ。もう少し正確に言えば、消費魔力が高ければ高いほど経験値は大きくなる。


 これで職業レベルは12になって、<パワー>、<ディフェンス>を覚えた。


 <パワー>は物理攻撃を一時間、10%上げる。

 <ディフェンス>は物理防御を一時間、10%上げる。


 両方とも魔力を20消費する。そして重複できない。でも、この魔法は初期ではあまり使えない。初期はあまり基礎能力が高くないため、大幅な能力上昇は期待できない。基礎能力が高くなれば、結構良い魔法なんだが。


 魔力が空になり、やることが無くなったので寮の外に出て、体操をしてジョギングを始めた。この時間帯はダンジョンに入ってはいけないのだ。理由は分からん。そういう決まりらしい。学園を2週すると食堂の開く時間になったのでジョギングを終わらせ、食堂に向かう。


「何にしようか?焼き肉定食にするか」


 完全に元の世界の料理がある。これはちょっと嬉しい。ファンタジー世界でよく元の世界との料理の落差が酷いことが多いらしいし。これはアニメや小説の知識。

 100Gを払い焼き肉定食を食うと、学校へ向かった。やることがないのだ。前はゲームやスマホで時間を潰してたんだがな。

 学校に着き、俺は図書室に向かった。ここで興味がでる本を探して読もうと思う。昨日は勉強目的で来たから、今回は娯楽目的で本を探す。何か面白い本ないかな。




 興味深い本、罠回避やら毒薬、戦術などの本を重点的に読んでいると、授業が始まる時間に近づいてきた。俺は元にあった場所に本を戻し、自分の教室に向かった。



 教室に着くと、すでに他のクラスメイトは来ていた。どうやら、女子グループと男子グループに分かれて行動してるっぽい。俺だけボッチだな。

 適当な席に着くと俺は勉強し始めた。もともと俺はそんなに人付き合いが得意な方ではない。それに一人でも気にならない、いや、一人の方が落ち着くタイプだ。


「お前ら!!席に着けぇ!」


 そんなどうでもいいことを考えていたらバレル先生が来た。




 午前中の授業が終わり、俺は飯を食ったあとすぐにダンジョンに向かった。その途中で聞こえたのだが一組と二組はすでに3階層に到着したらしい。たった1日でどうやって?と思ったが、どうやら学園に来る前から自分のレベルや職業レベルを上げていたらしい。それ以外の奴は優秀なボディーガードを雇って奥に進んでいる。他人の力を頼りにするなら魔法学園に来る理由が分からん。


「ま、いいや。とりあえず今日はボスに挑むか」


 1階層のボスはソロならレベル5くらいでいける。戦いかたの上手いやつならレベル3で倒せるぐらいだ。今の俺のレベルは6、戦闘職ではないとはいえ、ボスを倒せるだろう。


 俺はゴブリンやスケルトンを倒しながらボス部屋に向かう。ボス部屋がどこにあるか分からない。ゲーム時代ではマップがあったが現実ではない。なのでだいたいの方角は分かるんだが、正確な位置は分からないのだ。


「おっ!」


 歩きまわっていると、ついにボス部屋を見つけた。俺の目の前には少し立派な扉がある。ここがボス部屋で間違いない。時々、ボス部屋に見せかけた罠もあるけど、1階層で出てくることはないだろう。

 扉を開けて中に入ると、大きな広場がそこにあった。そして、後ろにあった扉が勝手に閉まりガチャっという音がなった。恐らく、鍵が掛かったのだろう。これで俺はボス部屋から出られなくなった。ある魔法を使えば、帰れるんだがな。

 扉が閉まって、2秒くらい経つ。すると、広場の真ん中からモンスターが突如、現れた。そいつはゴブリンの上位種、ボブゴブリンだ。ゴブリンより少し大きめで一回り大きい剣を持っている。

 俺は自分に<パワー>、<ディフェンス>を掛けると、ボブゴブリンに向かって殴った。が、ボブゴブリンは冷静に俺の拳を避けた。剣を捨て、お返しとばかり俺を殴りかかってきた。


「おいおい。剣使わないのかよ」


 剣を使っていたら俺は無傷で勝つ自信があった。剣を振る前にボコれば、簡単に倒せる。しかし、剣を捨てられるとボブゴブリンの手数が多くなるから無傷で勝つことは不可能になった。痛いの嫌だな。

 俺は殴りかかってきた拳を避け、腕を掴み、そのまま背負い投げをした。


「ごばぁっ!」


 地面に叩きつけられた瞬間、短い声をあげた。俺は倒れているボブゴブリンに追い打ちをかけようと殴りかかったが、ボブゴブリンが倒れたまま蹴りを俺の腹に当てて、俺は少しよろけた。


「ん?そこまで痛くないな」


 俺が思っていたより衝撃は少なかった。驚いたが、相手は倒れたままで力が入りにくいうえ、俺のレベルは6だから防御力もそこそこ、しかも魔法で物理防御を上げていたことを思いだし納得した。

 そこからは一方的だった。ダメージ覚悟でボブゴブリンをタコ殴りにした。どうせそこまでたいしたダメージを受けないから徹底的に。30分ほどかかったが、無事にボブゴブリンを倒すことに成功した。


「やっと、死んだ。意外としぶとかったな」


―ポーン


「おっ」


 レベルアップだな。どれくらい上がったかな。



ステータス

名前:如月 祐司  15歳

種族:人間 LV:8

職業:付与術士 LV:12

体力値 120/120

魔力値 100/100

スキル:<異世界言語・文字理解><経験値十倍>

魔法:<清潔><ホット><ドライ><パワー><ディフェンス>

G:744



 お金が結構手に入った。体力値と魔力値は10ずつ上がっていく。


―ガチャ


 後ろから音が聞こえた。鍵の開く音だろう。そして、すぐに広場にドアが出現した。これは2階層に繋がるドアだ。

 俺はドアを開けるとそこは広大な草原だった。ドアの近くには水晶玉が浮いている。ダンジョンの入り口にあったものと同じだ。この水晶玉に触れてダンジョンの入り口を想像するとダンジョンの入り口に戻れる。逆にダンジョンの入り口にある水晶玉に触れて2階層を想像すると2階層の水晶玉の近くに行ける。便利な装置だ。


 俺は水晶玉に触れ、ダンジョンの入り口に戻る。焦ってもしょうがないし、自分のペースで行こうと思う。それでも早いけどな。


 学園に戻ると俺は三時間ほどダンジョンに籠っていたことが分かった。俺は拾った武器を換金しに換金所に行く。ボブゴブリンの剣が300Gで、他の武器は全部で209G儲けた。合計で509Gだ。所持金は1233Gになる。昨日よりは稼げたな。もう一度ダンジョンに行って稼ぎたいけど、一ヶ月後にテストだ。勉強に集中しようと思う。


 図書室に着いた。やっぱ、勉強するならここだろ。勉強開始。




……………



…………………………



……………………………………………………





 最近、調子が良い。良すぎるくらいだ。勉強が凄まじい勢いで進む。自分で言うのもなんだが絶好調だ。

 俺は限界まで図書室で勉強した後、寮に戻っていった。飯を食って昨日と同じように魔力が空になるまで唱え続けた。お陰で職業レベルは13に。この調子なら2年後までにはかなり強くなれるな。



 明日はダンジョンに籠ろう。昨日と今日は勉強に集中してたし、明日はダンジョンに集中だ。




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