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どうぞ。
人は脳内でも殺すな
作:荒木ヒロ


 『……例を挙げると、女性の後ろ髪、首筋、赤いハイヒール、これらは「飲む女」の一貫したテーマとなっているし、鏡、包丁、血(水や液体)などは「突き立てる刃物に鏡」「コス」の良いガジェットとなってくれた。ボクの作品のテーマに女性や赤、刃物や鏡といったものが多いのは、それらが不穏なイメージをボクまたは読者に与えやすいからである……』

 
 ホラー作家の男が短編集を出すことになり、「選定」やこういった「後書き」に追われ、日夜パソコンに向かっていた。彼に霊感はない。だから、彼はそういったも「モノ」や「色」がもつ恐怖を受け取って書いていた。

 その日の作業も、深夜零時を回るくらいで一段落付いた。
 彼はソファに座り、たばこに火を付けようとした。

 「……作家?」ボクはホラー作家だ。彼はそこにヒっかかった。
 彼は書いた量と同じくらい、人の作品を読んでもいた。その中で、印刷の段階で字が印字されなかったものや、作者が死んでしまった、いわゆるいわくつき、のモノも少なからず目にしてきた。
 それを題材にしてみよう。と思い、くすぶったたばこの火を消した。

 ひとまず後書きを保存し、彼は暗い部屋で画面を見つめていた。白紙にバーが点滅している。思い立ったものの、すぐには文章にならなかった。彼は作家の物語の書き方を知らなかったのである。というより、それはタブーだと知っていた。しかし、彼は敢えて自分を主人公にしようと思った。つかみかけた何かを手放すわけにもいかなかったのである。

 『人は脳内でも殺すな』
 先ずタイトルが浮かび、それをタイプした。

 『その日、短編集を出すことになった彼は、その選定や後書きの作業が一段落すると、彼は自分を題材にした新しい作品を書くことを思い立った……書きすすめて行くうちに、彼のカいていた文字が、パソコンに乱雑に表示されるよウになった、オかしいと思ったが、彼はプ  の作家でアったたために、やめることが でできなくなっていタ  かれのサ く品もまた……』

 そうやって、彼が書き進めていくと、彼のカいていた文字が、コのよ に……


作者です。
ホラーを書く人は、その作品の中で人を殺すとえらい目に遭うかも知れませんよ。特に、作家を書く時には注意して下さい。まぁ簡単に人は殺さない方が良いということです。
さて、このお話は合わせ鏡のようにずっと続けることができます(作者は彼の物語を書き、彼はどいつかの物語りを書きどいつかは……という感じです)。あるいは俺も、物語の一人なのかも知れませんね。
雑誌「ファウスト」に影響を受けて書きました。













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