消せない傷(18/18)PDFで表示縦書き表示RDF


後書きに、ちょっとお知らせがあります。
興味のある方は最後までどうぞ。
消せない傷
作:ふるーつ



18.返答


「…じゃあ、今度ちゃんとお礼言わなきゃ」
 その言葉に、じっと蘭の反応を待っていた新一は、思わず蘭の肩をつかんだ。
「いいのか?本当に?」
 蘭はうなずいた。その目には、涙が光っている。
「私、ずっとわからなかった。あの話を聞いて、どうしてあんなに動揺したのか。だって、私は工藤の人間じゃない。いつか別れることになるのは、当然だもの。
 でも、園子と話してて、わかったの。あの言葉で」

『なにも、一生会えなくなる訳じゃないんだから』

 新一がアメリカに行ってしまったら、もしかしたら一生会えなくなるかもしれない。それが怖かった。──本当はずっと、新一が好きだったから。
 いつからだったかは、よくわからない。悪夢にうなされた自分を気遣ってくれた、あの時かもしれない。心の傷をまるごと包んでくれた、あの時だったかもしれない。

「私を新一さんのお嫁さんにして、ずっと……そばにいさせて下さい」
 蘭の頬を、涙が伝っていく。それを指でぬぐいながら、新一は嬉しそうに微笑んだ。

「けどオレたち、まだ未成年な上に、高校卒業してねぇから、卒業まで、とりあえず婚約って事でいいかな?」
 蘭は目をぱちくりさせた。……確かに、高校在学中の入籍はさすがに認められないだろう。
「そうね」
「じゃ、婚約成立の証として、一ついいか?」
「何?」
「ふたりきりの時だけでいいから、『さん』づけはやめようぜ。な……『蘭』」
「……」
 そういえば、いまだにお互い『さん』づけだった。新一の真っ赤な顔には気付かないふりをして、蘭は笑った。
「そうね。未来のお嫁さんとして……『新一』」

 新一はうれしそうに、蘭を引き寄せ、抱きしめた。優しく、力強く。
 自分の鼓動を聞かせるように。彼女の涙を受け止めるように。


作者の予想を大きく裏切り、長々ときたこの話も、ようやく終わらせられました。はぁ疲れた(←自業自得?)。
そして、気がついたら総アクセス数が10,000突破しておりました。皆様ありがとうございます!ついでに感想など送って頂けたら嬉しいです。

ところで、ちょっとお知らせがあります。先月に連載終わらせた時も告知したんですが、しばらく執筆お休みします。
というのは、作者登録して書くようになってから、いつも『書く側』目線で小説を見るようになってしまい、純粋に読書を楽しむことができなくなってきたように感じるんです。断っておきますが、私にとってここは完全な趣味の領域ですので。
という訳で、息抜きも兼ねてしばらく『読む側』にまわろうと思います。
また、「これ投稿したい」と思う展開が浮かびましたら復帰しようと思います。
後書きまで読んで下さり、ありがとうございました。













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