第8楽章:倉田家家族日記〜父編〜
×月×日(日)
倉田浩司
今日は久し振りに家で休める数少ない日だった。妻と子供達と一緒に休日を過ごすのは久し振りだ。夏のキャンプ以来だろうか。キャンプでは謎の火柱騒ぎがあったりしたので気を休める事が出来なかったが、今日はゆっくり穏やかに過ごすが出来た。
しかしひとつ気になる事があった。
あの恋愛なんか興味はないと豪語していた茉莉が男の話をしていたようなのだ。茉莉が友達と電話をしていたのをうっかり耳にしてしまったのだが、そうとしか思えない。(決して盗み聞きした訳ではない。偶然聞いてしまっただけだ)
確か『引き際を知らない男はウザイ』とか『アイツしつこく迫れば女はみんな落ちると思ってる』等と言っていた。私の娘は一体どんな男に言い寄られているのだろうか。不安でならない。そういえば『外国人はなんであんなに恥ずかしいセリフをすらすら言えるの』等とも言っていた。言い寄っているのは留学生か何かだろうか。
もし茉莉が外国人の彼氏を連れてきたら私はどうすればいいのだろう……。妻はいつかは彼氏ぐらいと言うが、娘はまだ十七歳だ。まだ早いのではと思う。
頼むから二十歳前に国際結婚なんて事はしないでくれ、娘よ。
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「……よし、と」
「あら、あなた何?珍しく万年筆なんて出して。それ日記?」
「ああ、丞に進められて始めたんだが、中々癖になってな。書くと案外面白いもんだぞ」
「そうなの。あ、そういえば今日また変な事があったのよ」
「おい――また七味唐辛子でも飛んだのか?」
「今日は茉莉の傘がタップダンスしてたわ……」
「……今度御払いでも頼むか……」
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