小さな冒険〜新たな策と孝之
リベンジも誓ったし、覚悟も決めた。だけど、僕らは困っていた。いくら敵を倒したいと思っても、孝之を助けたいと思っても、『場所』が全然特定できないのである。しかももう時間もヤバイのである。と言うわけで僕らは途方にくれていた。そんな状況の中、僕はひとまず提案を言ってみた。
「・・なあ、いくらなんでも遅すぎるぞ。美智子にこのことを伝えて、明日解決しよう。」
そう言ったのだが、明彦は、
「バカヤロウ!今日で片付けねえと、孝之がアブネエだろ!」
と、ほとんど怒ったように言った。今度は気まずい雰囲気が流れた。その状況の中、今度は
「とりあえず、美智子には伝えた方がいいだろ。」
と俊が言った。
「・・・・じゃあ、そうしよう・・・」
何かしょんぼりした空気が流れたまま、僕らは美智子の家へ足を動かした
コンコンコン。
僕らを代表して俊が家のドアをノックした。
「は〜い。」
いつもの能天気な声が聞こえてきた。(僕らに取ってこの声を聞くことは、結構辛かった。)そして、美智子がドアを開けた。
「なぁ〜に?遊びにきたの?」
とあんまり言わなそうな言葉で出迎えられた。普段なら笑うところだけと、僕は真剣な表情でこう言った。
「重大なことを言う。立ち話もアレだからとりあえず家に入れてくれ。」(僕の言った言葉、自分自身、変と思った。)
そうして僕らは、リビングでこれまで『事件』の話を聞かせた。術と説明した後、美智子は、
「うそ・・・でしょ・・・」
と案外驚いていないような顔つきで言った。(ぶっちゃけると、もう少し驚いて欲しかった。)
「ウソじゃない。全部マジだ。騒ぎを広げたくないから、全部内緒にしてくれ。」
と明彦が諭すように言った。けど美智子は
「じゃあ、孝之が大丈夫か聞いてみるよ。」
うろたえたように携帯電話を取り出した。この様子を見た僕らは、
(やっぱ話し聞いてないし。ていうーか「じゃあ」じゃねーだろ。)
といろいろ(心の中で)ツッこミを入れた。それを見た明彦が、
「それだ!その手があったかー!」
何を思ったのかそう言い出した。
「コイツ・・・・とうとう壊れたか・・・・」
俊が哀れむように言った。けど、明彦は今のセリフを聞いていなかったように、そして生き返ったようにこう言った。
「甲斐、お前に国語の成績が本当にトップなら、やって欲しいことがあるんだが・・・」
一方、孝之はというと・・・・・・・・・・・・・・・・
俺が捕まってどれくらいになっただろうか。辺りはもう暗くなっていて誰かが助けに来る、という雰囲気すら感じられなかった。そんな空気の中、グラサンと帽子で顔を隠した男は、
「さて、そろそろやるますかね。」
そう言って、俺のほうへゆっくり近づいてきた。そしてまた、男が
「なあ、携帯持っているか?今使いたいところだが・・・」
恐怖を煽り立てるように言いながら、俺の服を調べ始めたその瞬間だった。
ピリリリリリ。ピリリリリリ。
胸ポケットから携帯電話が鳴り響いた。男は少し驚いたが、一瞬もしないうちに冷静になって携帯を取り出した。男は携帯を開き、
「おい。お前の家の番号か?」
と聞いてきた。俺はその番号を見てみると、それは全く知らない番号が表示されていた。俺はワケが分らないからとりあえず首を縦に振った。そうすると、男は携帯に応じた。
「やあ、こんばんは。」
男がそこまで言うと急に静かになった。少しすると
「何だそれは?言ってみろよ。」
と俺には理解できない話が展開されていた。すると突然男が
「何だと!!それはどういうことだ!」
何かをしたような、そんな叫び声が響いた。
「それで、どうしろと?」
さっきとは変わって男は何かを知りたいように質問をしていた。(この後の話はあまり聞かなかった。俺にはついていけなさすぎだったからだ。)
少し会話が途切れて沈黙が流れていた。すると男が、
「俺の名前?如月開だ。今の話、ノったぜ。じゃあな。」
こうして携帯による会話は途切れた。男は携帯の電源を消したのだ。そうすると突然男が俺を乱暴につかんだのだ。そして、
「来い、場所を変更だ。」
そう言わされ、俺に何も説明しないまま、バンに乗せられ何処かへと移動した。移動中俺はなぜこうなったかを考えてみた。一つ目は、何かの情報ミスで俺はニセモノ扱いされ殺される、もう一つは『アイツら』かもしれない、と言う考えが出た。けど、二つ目はやっぱりありえないなと思って自らその考えを消した。
・・・・・どれくらい沈黙が流れていただろう。気が付けば俺の知っている町並みが現れたのだ。俺は思わず、
「おお!」
と感激してしまった。(自分の家がかなり恋しかったからだ。)けどそう言うと、
「おい、黙ってろ!」
開が怒鳴るように言った。(そう言えば甲斐と同じ名前だと今更気付いた。そしてなぜ戻ることになったかも知りたかった。)
数分後、
車は、俺の想像どころが夢にも思わない場所に到着した。そこは、俺が小学校の頃『秘密基地』だったからである。開はバンから降りて外の三人の男に何か話をしていた。話が済んだのか、開は俺に
「降りろ。」
と強引に降ろした。(その拍子におでこをぶつけた。)俺は恐る恐る顔を前に向けると、目の前にはかなり怪しい格好をした中学生か高校生三人(グラサンや帽子をかけてるせいでよく分らない)が俺を見下すように笑っていた。正直、今かなり怖い状況だった。
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